ハンドベルとは、楽器の一種である。
概要
ベルに持ち手が付いた楽器。1つのベルに1つの音が設定され、演奏するのに必要な分だけ揃えて演奏する。用意するハンドベルの個数は、2オクターブ分なら25個、6オクターブ分なら73個必要。
ほとんどの場合は複数人で演奏する。ただ、1人で25個以上のハンドベルを演奏するようなつわものもいる。また、1年を通して演奏されるものではあるが、クリスマスの時期に演奏会が行われることが多く、この場合大抵「ジングルベル」を演奏していると思う。
昔からあるハンドベルは「イングリッシュハンドベル」と言われ、かなりの重量感があったり値段がそもそも高価だったりするためなかなか広まっていない。一方で持ち運びやすさやハンドベルをより普及させるために考案された「ミュージックベル」というハンドルもあり、軽くて安価であることから日本ではこのタイプのハンドベルが広く普及している。
楽器として使われるだけでなく、福引で当たった時に周りに知らせるのに使うこともある。後述するが、この使い方は元々のハンドベルの利用法に近かったりする。
歴史
ハンドベルは、17世紀後半のイギリスで誕生。元々は教会に吊るされていた大きな鐘が起源だとされている。当時の人々はこの鐘の音を時報代わりに使ったり、冠婚葬祭の儀式に使ったり、非常時の警鐘として使ったりしているほど日々の生活には欠かせないものであった。
鐘の音を鳴らす行為は非常に重要な仕事とされ、リンガーと呼ばれていた人たちは目的に合わせて異なる音を正確に鳴らす必要があった。しかし、正確に鳴らすための練習として毎回鐘の音を鳴らすことはできない。そこでチェンジ・リンギングと呼ばれる演奏法の練習をするために生み出されたのがハンドベルである。
18世紀中ごろにはイギリスのホワイトチャペル社がハンドベルを初めて本格的な楽器として製造し始めると、練習用の道具だったハンドベルが教会での賛美歌の演奏などにも使用されるようになった。その後、北米やオーストラリアへ広まっていくと、独自の発展を遂げるようになっていった。
特にアメリカでは教会音楽の枠を超え、様々なジャンルの音楽の演奏で使われるようになっていった。また、様々な奏法が試されたことで表現の幅も広がっていった。
日本で本格的にハンドベル演奏が始まったのは1970年頃。名古屋にある金城学院中学でハンドベルチームが結成され、以降、教会やミッション系の学校に広まっていった。しかし、アメリカから伝わってきたハンドベルだと重量感や高価であることなどの理由からなかなか普及しなかった。
そこで日本で発明されたのが「ミュージックベル」。1982年に作曲者の鈴木邦彦が考案し、幼稚園や小学校の音楽教材として内田洋行から発売されたもので、イングリッシュハンドベルと比べてかなり軽量で安価だったため、ここから教会やミッション系以外でも広まるようになり芸能人の隠し芸などで知られてくようになっていった。
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