バリー・ボンズとは、ピッツバーグ・パイレーツ、サンフランシスコ・ジャイアンツに所属していた元メジャーリーガーであり、メジャー通算本塁打数の記録保持者である。
概要
1985年にピッツバーグ・パイレーツから1巡目で指名され、入団。1992年オフにサンフランシスコ・ジャイアンツに移籍し、その後のキャリアの全てを過ごす。2009年12月、代理人が引退を示唆。
彼のキャリアは主に2つの時期に分けられる。
1990年代と、2000年代である。
1990年代は、巧打力・長打力・選球眼・走力・守備力・肩力、いわゆる6ツールを完璧に備えたオールラウンダーとして君臨した。ゴールドグラブに8回輝き、30-30を5度(うち3度はトリプルスリー)記録。40-40も達成している。また、90年代に5回、OPSでリーグトップを記録している。
そして、1999年から2000年代にかけて、体重が増加し、走塁・守備に衰えが見られたが、打撃に関し凄まじい成績に残した。特に2001~2004年にかけて、異常な数字を記録した。
2001年はシーズン73本塁打の世界記録を樹立。この年のボンズの打数は473であり、おおよそ6.5打数に一本、本塁打を打っていたこととなる。(これ以前のキャリアハイの本塁打数は前年に記録した49本である)
2004年は、232四球、120敬遠、出塁率.609、OPS1.421と数々のメジャー記録を更新。
この打棒から、一時期は「地上最強の打者」とさえ呼ばれた。(ほぼ同時期に「地上最強の投手」と呼ばれたのはペドロ・マルティネス)
2005年以降は怪我と急激な衰えに苦しんだが、2007年にハンク・アーロンの持つ755本の通算本塁打記録を更新。しかし、周りからの視線は冷淡で、ジャイアンツはこの年でボンズを自由契約にする。
2008年以降も現役続行の意思を示していたが、ボンズの獲得を表明する球団は現れず(実質的には「追放」ともいえる)、2009年12月、代理人が引退を示唆。しかし、本人は現役引退を表明していない。
2001~2004にかけての成績について
2001~2004の4年間に記録した平均OPSは1.367である。(ちなみにこの時期を除いた通算平均OPSは.975)
OPSの日本記録は1.293、現役最高の打者と言われる、アルバート・プホルスのキャリアハイの年でも1.115。
また、2000年代にMLBでOPS1.2以上を記録したのはこの4年間のボンズだけである。
ここから彼がこの時期に残した数字がいかに異常であるかが分かると思う。
薬物問題・人格面について
上述したような、2000年代前後からの体重の増加、成績の急激な向上、低下、これらのことに加え、いくつかの検査で陽性反応が出たことから、ボンズの薬物疑惑は「限りなく黒に近いグレー」(本人が認めていないだけ)であるといわれ、成績に対する影響も大きかったとされている。
また、性格面でも傲慢、不遜で(実力に裏打ちされたものであるともいえるが)チームメイトと起こした問題は多い。特にジェフ・ケントとの対立は有名である。
マスコミにも冷淡に接したため、MVP投票で不利になったといわれることもあり、ファンにネガティブなイメージが根付く大きな要因にもなった。
マニ―・ラミレスやゲーリー・シェフィールドなど、当時のHRバッターには「極めて高い実力を持つ」「性格面に問題がある」「チームメイトや首脳陣と問題を起こす」といった共通項を持つ選手が多く、薬物問題も含めて、まさにこの時期を象徴する選手であるといえる。
周囲の反応
「史上もっとも偉大なホームラン打者は誰か」というアンケートに対し、ファンからはわずか8%しか支持されなかったのに対し、現役の大リーガーからは72%の支持を受けた。
(余談ではあるが、ほぼ同時期に行われた別のアンケートでは「最も嫌われている選手」として26%の票を得てトップだった。大リーガ―の屈折された思いが表れた結果である。ツンデレ?)
この、現役大リーガーからの支持というものは、薬物問題を考える上で極めて重要な要素であると思われる。
日本のネット上における反応
全体的に好意的な反応が多く、「薬をやったからってあんなに打てるわけじゃない」「薬をやった選手の中でも成績が飛びぬけている」といった技術面を讃えるレス、コメントが多い。
また、「薬をやらなくても最高の選手だったのに・・・」という、薬物を使ったことを残念がるレス、コメントも多い。
しかし中には「薬を使ってでも最高のパフォーマンスを見せてくれた」という、薬物も含めて肯定するレス、コメントもある。
ボンズ自身、行く先々で薬物疑惑を取り沙汰される本国と違い、日本ではそういった批判が少ないせいか割と気さくに取材に応じることも多い。
またジャイアンツ時代の新庄剛志はチーム内で孤立しがちなボンズと会話する唯一の選手であり、他にも斎藤隆や松井秀喜とも積極的にコミュニケーションを取るなど、ボンズに対する(悪い)先入観の少ない日本人プレイヤーとは割と友好的な関係を築けたようである。
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