ベスパ 150 TAPとは、フランスが1957年より陸軍が配備した自走砲である。うん、自走砲なんだ。
概要
後掲の動画を見ていただければわかるが、要は
イタリアのスクーターであるベスパ150のフレームを強化し、シートの真下から風よけ板を貫通してアメリカが開発してライセンス生産していたM20無反動砲を無理やり乗せたという代物。なんでこんなイカレタ兵器を作ったかというと第2次世界大戦でフランスはドイツに蹂躙され戦後は兵器が不足していた。だけど植民地はいまだに手放しておらず、そこ向けの兵器が急造品でいいから必要だったというわけである。
このTAPは空挺部隊向けの装備で名前の由来もフランス語で空挺部隊の意味である『Troupes Aéro Portées(トループ・アエロ・ポルテス)』の略。空挺隊員二人で2台のTAPを運用するのが原則で、1台は無反動砲、1台は弾薬を積んでいた。なお、補給物資運搬用に専用のトレーラーまで用意されていた。
M20無反動砲はHEAT弾頭を持ち100㎜の装甲を貫通する程度の能力があった。通常は下して三脚に乗せ換えて撃ったが、スクーターに乗せたままで撃つことも可能だった。ただしスクーターに乗せたままでは照準がつけ辛かったそうな。余談だがTAPの愛称はバズーカ・ベスパだったが、いわゆるバズーカ砲ことM20スーパーバズーカを積んでいたわけではないので注意が必要。ものすごく紛らわしいけどね。
お値段は1台500ドルだったというから現在の価値で日本円で90万円ぐらい。超激安。500台~800台が作られ(正確な台数はわからないらしい)ベトナムとかの当時の植民地に送られた。なお、これを作っていた自動車バイク製造アトリエ(Ateliers de Construction de Motocycles et Automobiles、悪魔ACMA)社は1962年に倒産しており、そのころには製造終了していたのではないかと思われる。
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関連項目
- 軍用車両の一覧
- 自走砲
- フランス
- ベスパ
- カエサル 155mm自走榴弾砲:間違いなくその子孫。
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