『マーズマトリックス』(MARS MATRIX)は、カプコンから2000年にリリースされた業務用シューティングゲーム。
概要
開発は東亜プラン倒産後の移籍社員などからなるタクミコーポレーション。同年11月にはドリームキャストへの移植版が発売されている。
発売当時の時点で枯れに枯れたCPシステム2基板の作品ながら、贅沢にコマ数を使って滑らかにアニメーションするプリレンダCGと、無機質なアシッドテクノが不思議な印象を残すゲームである。メカ類のコンセプトデザインなどにCHOCO氏、SHあRP氏の両名が関わっている。
ストーリー
火星。この赤い砂漠の惑星を人類が征服し、新たな拠点としてから、半世紀が過ぎていた。
突然の"独立宣言"を最後に、火星植民地は地球との交信を絶った。事態を重く見た地球連邦政府は地球連合軍(Geo Potential Defense Force)の月面基地から数百隻の艦隊を派遣した。数機の、実験戦闘攻撃機を載せて…。
操作方法
1990年代末~2000年代のSTGとしては極めて珍しい1レバー1ボタン操作のSTG。1ボタンの押し分けで以下の4兵装を使い分ける。
- ショット……ボタンを手連射するとショット。自機レベルに応じて強化される。
- ピアッシングキャノン……ボタンを1秒ほど放していると自機に溜めエフェクトが発生。このときボタンを押すと前方に溜め撃ちを発射。射程はだいたい画面縦幅の半分ほど。ボタンを連打しない限りすぐ溜めに入るので、適切な間隔でボタンを叩いていると連続発射可能。最速で連射すればショットより遥かに強い。
- モスキート……GHBゲージが満タンのとき、ボタンを押したままにするとフィールド展開。無敵になり、近くの敵弾を吸い寄せる。吸い寄せた敵弾はボタンを放すと敵への攻撃判定を持って拡散し、敵に当たれば経験値アイテムになる。このあたりは同社「ギガウィング」のリフレクトフォースに近い。レバーを倒しながらボタンを放すとレバーと反対方向に敵弾が集中して飛ぶ。
さらに、ボタンを放した後も0.7秒程度無敵が持続する。モスキートを解除するとGHBゲージが回復をはじめるが、当然モスキートの発動時間が短ければ回復も早く完了する。なので、
「モスキート→すぐボタン放す→無敵→GHBゲージ減ってないのですぐリチャージ完了→モスキート→すぐボタン放す→無敵……」
というサイクルである程度無敵を連発させる事が可能。防御に徹するときはかなり役に立つ。2ステージを安全に生き延びる為には必須テク。 - グラビティホールボム……モスキートを展開したままGHBゲージを使い切ると発動。弾全消し&自機を中心に広範囲にダメージ。……なのだが、GHBゲージの回復時の隙が大きすぎる上、スコア的にも損でしかないため基本的にはハズレ枠。ボス相手ならモスキートで吸った敵弾を全弾ぶつける方が強い。
また、本作では殆どの敵キャラ(空中物含む)と自機とに当たり判定がない。つまり敵と重なってもOK。初期ショットがショボいのもあって、ピアッシングキャノンとモスキートを利用し、ゴリゴリに敵と距離を詰めて戦う「攻め」のスタイルが推奨される。他方で弾量はかなり多め、かつ高速な弾も多いので難易度は高め。それでもモスキートの使いこなしが判れば一気に楽になる。
経験値とスコアリング
敵を倒したり、モスキートで反射した敵弾を敵にぶつけると経験値アイテム(キューブ)が発生。回収すると大きさに応じて経験値が増える。経験値の増分は短時間にキューブを連続回収する(=コンボをつなぐ)と級数的に上昇する。また、獲得スコアには素点に対し経験値の値がそのまま倍率として乗算される。結果として「ギガウィング」同様に億オーダーのスコアが当たり前に飛び出すゲームになっている。経験値というだけに一定の経験値を稼げばレベルが上がり、自機が変形してショットが強化される。また、一定レベルに達するとエクステンドが発生。本作のエクステンドはこの経験値と道中の1UPアイテムの2回に限られている。
アーケード版にはスコアが1000億の位までが存在していたが、アルカディア誌の集計初回でカンスト、集計終了という残念過ぎる事態が発生。大量の素点が入る隠し敵キャラの存在が発覚したのに加え、各ステージの経験値稼ぎパターンが仕上がった結果、早々にカンストが達成されてしまったのである。明らかな調整不足であり批判が殺到、後に移植されたドリームキャスト版では2桁増量され、カンストはなくなっている。
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関連項目
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