モンバーバラの姉妹とは、『ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち』に登場する占い師ミネアと踊り子マーニャの姉妹である。
旅の軌跡
モンバーバラの姉妹は、やさしい錬金術師の父エドガンと、その弟子でもある働き者のオーリンに囲まれ、仲睦まじく暮らしていた。しかし、そこに錬金術を教えて欲しいとバルザックという男が門戸を叩いたところから、運命の歯車が回り始めた。
錬金術の研究中、エドガンは偶然すべての生物を超進化させる『進化の秘法』を発見してしまった。
……エドガンは考える。「この発見は人類には過ぎたものであり、我々には扱えない代物だ」と。
そして、その発見を闇に葬ろうとしたとき、バルザックの心の闇が牙を剥いた。
彼は進化の秘法のすべてを奪い去り、止めようとしたオーリンに大怪我を負わせ、行方をくらませてしまった。
何も知らない帰宅した姉妹が発見したのは、無残に殺された父と行方不明となったオーリンとバルザック、そして焼け落ちる我が家であった。
父親のエドガン、やさしい兄のようなオーリン、尊大であまり好きではなかったとはいえ、一緒に暮らしたバルザックを一度になくし、悲しみに暮れる姉妹。
しかし、姉妹は力を合わせて、気丈にもたくましく生きる決意を固めた。そして、いつの日にか、父の敵を討とうと心に誓ったのであった。
時は流れ、大きな歓楽街であるモンバーバラで、妹ミネアは占い師として、姉マーニャは踊り子として生計を立てていた。生活のためもあるが、モンバーバラなら、あの忌まわしい惨劇の犯人を知ることができると信じて。
しかし、情報は遅々として集まらず、姉妹は決心し、敵討ちの旅に出ることを決意した。
旅立った先の洞窟で、怪我を癒していたオーリンと出会い、あの惨劇はバルザックによって引き起こされたことを知った姉妹は、バルザックが出入りするというキングレオ城に足を踏み入れた。
果たして、キングレオ城は進化の秘法を用いた実験の場となり、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されていた。モンバーバラで分かれた馴染みの踊り子や城の兵士たちが、進化と呼ぶには余りにも無残な姿でうめく様子を見て、姉妹の心は粉々に打ち砕かれる寸前であった。
だが、オーリンの言葉と父エドガンが発見した進化の秘法の犠牲者をこれ以上増やしてはならないという気持ちで、勇気を振り絞りバルザックに立ち向かっていった。
進化の秘法で魔物となったバルザックを退けたのもつかの間、城主キングレオが現れる。彼もまた、進化の秘法により巨大な魔物の姿となって姉妹に襲い掛かってきた。
オーリンの必死の助力で逃げ出したものの、敵討ちも果たせないまま、失意の中でエンドール行きの船に乗り込んだ姉妹は、それでも、前を向いて進もうと懸命に生きることを決意した。
その後、エンドールにてミネアが運命を占った不思議な少年が勇者であり、姉妹は最初の導かれし仲間として、まだ当時は世間知らずだった少年を陰に日向にサポートし、立派な勇者として成長させることになるのには、まだもう少し姉妹の心を癒す時間が必要であった。
キャラクターとして
マーニャ
CV:富沢美智恵(CDシアター)、沢城みゆき(ヒーローズ以降)
踊り子であることもあり、自由奔放な性格。ギャンブルと酒が大好きな派手お姉さんだが、やるときはやり、勇者に対してもお姉さんらしい一面も見せる。
パラメーターとしては完全な魔法使い型で、素早さもそこそこ高く、MPがどんどん伸び、強力な炎の攻撃魔法を多数使いこなす。
反面HPはあまり高くならず、力も全くなし。
…と思いきや、DSではLVを上げ続けると力と素早さはかなりの確率でカンストし、キラーピアスと天使のレオタードを装備することで物理攻撃役としても充分一線を張れるほどの性能を見せるようになる。
というか素早さの問題もありライアンが要らなくなる程。
ミネア
CV:江森浩子(CDシアター)、日笠陽子(ヒーローズ2以降)
性格は生真面目で、占いでコツコツ稼いだ路銀を飲み代とギャンブル代ですっからかんにされるなど、いろんな意味でフリーダムな姉に振り回され続ける。パラメーターとしては補助重視の僧侶型で、ラリホー、フバーハ等、あまり重視されないが実際唱えておくと便利な魔法が多い。また、バギ系で直接ダメージを与えることもできる。ステータスとしても、クリフトよりは力が高い(DSなら最終的な力は200を越える)上、全はぐれメタル装備が可能なため、はぐれメタルの剣やキラーピアスでそれなりに物理攻撃は可能。
ただし、FC版では最大HPが200ちょっとまで行った時点で打ち止めになるため、どうしても「メガザル係」として馬車に篭りがちになってしまう。
DSではHPが伸びるようになった上、命令によりフバーハを能動的に唱えさせることができるようになった。更には銀のタロットの不利な効果が減った(しかも一戦闘に二回までは不利な効果が発動しない)ため使い勝手が増し、性格も妙に衛藤ヒロユキっぽく(暗いところ、静かなところ、墓地が好き。変なギャグセンス等)改変されたため人気急上昇だとか何とか。
小説版
エドガンの実子ではなく、魔物に親を殺されたジプシーの姉妹という設定になっている。ちなみに2歳違い。
奔放な身なりから誤解されがちだが、マーニャは享楽的と見せかけて真面目でしたたかな部分がある。自分の美しさを理解しており、対男性用の武器にもしている。炎系・爆発系呪文の他、鉄の扇を武器とする。
ミネアは生真面目でやや人見知りだが、優れた治療師でもある。アッテムトでは鉱山病に苦しむ人々を治し、キングレオ城の兵士が強いストレスから病んでいるのを見抜くなどした。鎖鎌やモーニングスターをぶん回して魔物を殲滅するなど、結構過激。
壊れた馬車の影に取り残されていたのを狼に食われそうになるが、異変を察知したエドガンと弟子のオーリンに救われ、コーミズ村で娘として育てられる。その後ジプシーの風習に従いマーニャは踊り子に、ミネアは占い師としての才能を開花させた。
エドガンは洞窟の研究室で錬金術の研究を進めており、無限の可能性を見出そうとしていた。長らくキングレオ王の庇護と支援を受けており、姉妹は王や王宮の人々に可愛がられて育つ。しかし『進化の秘法』の秘密を知ったエドガンがこれを恐れて封印しようとした所、弟子のバルザックに裏切られて殺害され、オーリンも瀕死の重傷を負った。コーミズ村で父の帰りを待っていた姉妹の許をバルザックが訪れ、エドガンの研究成果や二人の貯金を盗んだ挙句、火をつけて逃亡。
ようやく駆けつけたオーリンから真相を知らされた二人は、まず旅銀を稼ぐ為、およびバルザックの手がかりを探すため、モンバーバラの劇場に出演する。この時点で20歳と18歳と判明している。
洞窟に放置されていたエドガンの焼死体をジプシーの儀礼で葬った二人は、焼け跡の灰から『静寂の玉』を見つける。エドガンがバルザックから隠す為に飲み込んだそれは、後に重要な役割を果たす事となった。
手かがりを求めて訪れたハバリアでは城から逃げてきた踊り子リンダと出会い、城で恐ろしい実験が行われている事を知る。ちなみに情報収集の為にマーニャが牢屋の看守をお色気で誘惑するという、青少年の何かが危ない描写があった。未遂だったけど。
噴水の水路を使って乗り込んだキングレオ城では「モンバーバラでもいっとう過激なぱふぱふ屋でもしないような」退廃と堕落の宴が行われていた。部屋に引きこもる大臣を火薬の爆発で驚かせて後をつけた先の秘密の玉座で、『進化の秘法』を使い化物となったバルザックと対峙。『静寂の玉』によって回復魔法を封じて倒すことに成功するが、そこへ現れたキングレオには完敗。地下牢に放り込まれる。
そこにはキングレオ王が幽閉されており、先のキングレオは長年尊崇を受ける父への劣等感から狂い、魔物にそそのかれて人の道を外れた王子である事、自らは王子に追放されてここにいる事を聞かされる。王の口から「導かれしものたち」の話を聞かされた姉妹だったが、直後に王は長年の病により力尽き死亡。城から脱出する際に兵士に追われ、オーリンとも離れ離れになってしまった。
王から託されたエンドール行きの乗船券によって船に乗り込んだ二人は、勇者を探す為に旅立つ。
第五章では、王女の結婚式で賑わうエンドールが最初の舞台となる。生真面目に勇者の手がかりを探すミネアに対し、マーニャはお祭り騒ぎに飛び込んでいくわカジノで遊びまくるわとやりたい放題。やむなくミネア一人で辻占をしていた所で、故郷を失いエンドールに辿り着いた勇者(ユーリル)と出会う。一方のマーニャも抜け目なく人々の噂を収集しており、武器屋トルネコの存在とその居場所を把握していた。こうして三人の許には続々と仲間が集まり、再び訪れたキングレオ城でついに八人が揃う事となる。
キングレオへのリベンジを果たし、更にサントハイムを占拠していたバルザックを倒し、ここに姉妹は敵討ちを果たした。その後も旅は続くが、マーニャがなんとなくライアンの事を気に入っていることをミネアが察知したり、初心なクリフトを取り囲んでからかい、二人がかりで身ぐるみひっぺがして服を洗濯するなど、独自の解釈で書かれている。
エスタークとの戦いではマーニャがドラゴラムを使いドラゴンに変身、エスタークと怪獣大決戦を行う。新手かと身構える一同に対してミネアが「あれは姉さんよ!」と叫び、気づいたドラゴンが片目をつぶって尻を振るというとんでもない絵面になっていた。
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関連項目
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