『ラジルギ』株式会社マイルストーンが2005年10月13日に発売した、アーケード用シューティングゲームである。
後にドリームキャスト(DC)へ移植され、さらにプレイステーション2(PS2)、ゲームキューブ(GC)にも移植された。PS2版のタイトルは『ラジルギ・プレシャス』。同じくGC版は『ラジルギ・ジェネリック』。
2009年6月下旬ごろ、次回作『ラジルギノア』が発売された。
概要
キャッチコピーは、「トゥーンでポップな電波系シューティング」。この言葉通り、トゥーンレンダリングで製作された、どこか人を食ったようなデザインのキャラクタが飛び交う、明るいノリのSTGである。ただし、キャラクターの中には悲惨な過去が設定されている者も居る。
また、「電波」には本来の(主に無線通信に使われる)電磁波という意味もあり、本作の世界観を表す重要なキーワードとなっている。例えば、プレイ画面は携帯電話の画面を模したデザインとなっており、「残機」は「電池残量」で、「得点倍率」は「アンテナ(感度)」といった具合である。
さらに、プレイ中には何度か「メール受信」という形でメッセージが表示される。その中にはボス戦に有用なアドバイスもあれば、「スパムメール」や「間違いメール」のような内容の無いものも含まれ、様々である。これも「多様な電波が飛び交う世界」を表すのに一役買っている。
敵弾の量が多く、「弾幕シューティングゲーム」に振り分けられることもあるが、破壊可能弾が多いことも特徴。
ストーリー
未来の日本、人々は携帯電話やパソコンのような携帯受信端末を肉体に直接埋め込むようになり、社会は日常生活はもとより教育、医療、政治、軍事産業といった多種多様な電波で覆われるようになっていた。
そんな中には、人体に悪影響を及ぼす電波を作成して無作為に飛ばす、悪意を持った連中も現れるようになった。この電波は、まるでウィルスやスギ花粉のような働きをするのだ。
この電波によって引き起こされる症状を、人々は「ラジオ・アレルギー(Radio allergy)」、通称「ラジルギ」と呼んだ。
主人公、守草シズルもまたラジルギに悩まされる、普通の女子高生である。
ある日、ラジルギの特効プログラムを開発中の製薬会社が、テロリストによって占拠された。テロリストによって拘束された人々の中には、たまたま取引先との打ち合わせのために製薬会社を訪れていた、父親の姿もあった。
シズルは友人である相田タダヨの助けを借り、父を助けるため、またラジルギから開放されるため、端末スーツ「小次郎」に乗り込むのであった。
システム
操作はレバー+3ボタン。各ボタンはそれぞれ、通常攻撃の「ショット」、近接攻撃の「ソード」、そして全方位バリアの役割を果たす「アブゾネット」に振り分けられている。また、どのボタンも押していないときは、前方への攻撃を防ぐ「シールド」を貼ることができる。
ちなみに、この「ショット・ソード・シールド+特殊攻撃」という組み合わせは、マイルストーンのSTGに共通するシステムである。
ショットはプレイ開始時に3種類の中から選ぶことができる。さらに、自機のスピードもこのときに選択する。
アブゾネット
本作におけるスコア稼ぎの肝。
画面下部にある「アブゾネットゲージ」を消費することで、自機を中心とする円形のアブゾネットを展開することができる。展開中は自機は無敵。
また、このアブゾネットに敵や弾をあてることで、“電波を吸収”することができる。吸収した電波の量により、敵機破壊時の得点に倍率がかかるようになる。
消費したアブゾネットゲージは、敵機をソードで攻撃することによって回復可能。したがってスコアアタックには、「できるだけソードで攻撃し、効率よくアブゾネットを展開する」ことが重要となる。
キャラクター
- 守草シズル (かみくさ - )
- 主人公。「ラジルギ」に悩まされている以外は、ごく普通の女子高生。
- 相田タダヨ (あいだ - )
- 主人公の友人。ニット帽にジャージ、そしてビン底メガネといった風貌の、絵に描いたようなアキバ系オタク。「~でごじゃる」といった時代がかった口調で喋り、いわゆる「2ちゃん語」も好む。ソフトウェア・ハードウェア、その他もろもろに強く、シズルが乗り込む「小次郎」も、彼女が製作した端末スーツである。
- いわゆる「萌えキャラ」にはカテゴライズされないキャラクターであるが、不思議と人気が出た。[1]DC移植版のパッケージでも、主人公を差し置いて大きく描かれている。
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エピソード
- 公式サイトのTOPにはタダヨのメッセージが表示されており、スタッフにより頻繁な更新がされていた。
特にゲーム発売直後には、「2chのスレに書き込まれたレスに対し、公式サイト上でレスを返す」という試みが(おそらくスタッフの遊び心から)なされ、小さな祭りとなった。[2] - 本作のDC版移植が発表されたとき、ハードは既に生産中止が決定しており、DC用ソフトとしては実に10ヶ月ぶりのリリースとなった。しかし1ヵ月後、グレフから『アンダーディフィート』が発売され、マイルストーンは「DC最後のソフトを発売したメーカー」の冠を逃すこととなる。
それから1年、マイルストーンは次回作『カラス』をDCに移植。見事雪辱(?)を果たした。[3]
関連動画
関連商品
関連項目
脚注
- *筆者も好きである。
- *2005年10月18日深夜。「マイルストーン総合スレ part2」の>>395あたりから。
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gamestg/1127111235/394- - *『ラジルギ』の前にはトライアングルサービスの『トライジール』が、『アンダーディフィート』と『カラス』の間には童の『トリガーハート エグゼリカ』が発売されている。DCの最期はSTGが看取った形となった。
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