ヴァッシュ・ザ・スタンピードとはSFガンアクション漫画「トライガン」の登場人物である。
CV:小野坂昌也
未来への概要は いつも白紙なんだ!
本作の主人公。
人類初の局地災害指定を受けていて人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)の二つ名を持つ。
テロ牧師ことニコラス・D・ウルフウッドからはトンガリと呼称されている。
逆立てた金髪と真紅のコートがトレードマークの、見た目20台半ばの青年。
飄々とした言動と柔らかい笑顔が印象的で、子供からも好かれ、おもちゃにされ関節技の練習台にさせられタメ口をきかれたりする穏やかな性格の持ち主。
天然とも思える発言も多く、バカだと思われる事もしばしば。
銀色の重量級リボルバーと義手に仕込まれた隠し銃を自在に操る超絶技量のガンマンだが、ドがつくほどの平和主義者。
どんな悪党でも、例え自分を殺しに来た者でも、「殺す」ことを良しとせず命を救うがその信条に従って生きてきた代償に彼の身体には数え切れない深く消えない傷跡が刻まれている。
命を救うためなら、銃を取り「殺さず」に生きてきており、時には極悪な悪党の前で土下座だろうが、要求されれば裸になって犬の真似だろう、なんだろうとやってきた。
たとえ罵倒され、嘲笑され、踏みにじられ、傷つけられ、裏切られ、大切なモノを奪われようとも、出来ることのすべてを行い星中を放浪しながら生きてきた。
それが助けた人からのものであろうとも生き方を曲げることはない。幾度となく悩み、矛盾と分かっていようともそれでも曲げる事はなかった。
「不殺」を掲げるようになったのは特異な生い立ち、幼少期の壮絶な経験によるものだがその徹底した生き方は狂人といっても差し支えない。
その正体は「プラント」と呼ばれるエネルギー・物質問わずあらゆる物を生み出すシステムが自立し、意思をもった個体。
外宇宙に植民地を目指して旅する船団の中で偶然ながらプラントから生まれた双子の兄弟の片割れ。
誕生後は移民船団のスタッフ、レム・セイブレムが母親代わりとなり育てられていたが、ある日、自立プラントの先人テスラの存在とその末路を知りヴァッシュと双子の兄のミリオンズ・ナイブズは生きる気力を失ってしまう。その後レムに説得されヴァッシュは生きる意義を取り戻す。だがその後に大墜落(ビッグ・フォール)が引き起こる。当初、ナイブズはヴァッシュ以上に人と分かり合えると信じていたがテスラへの凶行という最悪の形で裏切られる事になり、その結果、大墜落を起こして人類の殲滅を図った(その際のナイブズの表情は狂気と涙が混じり合った表情だった)。レムは大墜落から僅かながら命を救うため船団に残り、船団の軌道修正を行い、眼下の砂の星に不時着させ数億人の内の数パーセントを救う事に成功するも自身は離脱不可能になり墜落する母船と運命を共にしてしまう。
上述の生殺与奪を嫌っている理由は「命あるもの、人はどこにだっていける可能性を持つ」「彼女が人を救った事を無意味にしたくない」という思いからであり、彼女と同じ人類はヴァッシュにとって「身内」そのものと言える為である。
不時着した惑星は地獄の環境で植物の自生が一切なく、プラントの生産能力頼りであり、コップ一杯の水で人々が殺しあう為ヴァッシュにとって「身内が殺しあう生き地獄」そのものである。
プラントであるため当然ながら人外であり年齢も見た目通りではない(約150歳程、公式外伝では210歳程)。
プラント種としての能力、150年の研鑽と元より持つ人外の身体能力を持ち合わせているが、「不殺」の枷を自身にかけて全力を出さないようにしている。
兄ナイブズの「もとより人類で倒せると思っていない」と言うとおりでもあり、不殺を解いた場合は、圧倒的なとある「技」と身体能力においても人類最強のレガート・ブルーサマーズさえ拮抗状態の戦闘から一瞬で決着に持っていくほど。
ガンマンの技量も、知覚出来ないほど細いナイブズのプラントの翼手を数キロ先から短銃で打ち抜き、重宇宙戦闘艦の光速を遥かに超える※[1]F型弾頭の7発を超至近距離から、他方位から同時発射後に「門」を介して撃返す反応を持つナイブズでも知覚不能な速度の抜撃ちをする事も可能。
プラントの根源そのものを発動させた砲撃型のA・ARMは物語初期でも地表から地球よりも遥かに巨大な月まで一瞬で届き月に4分の1程の大穴を空けている。
プラントはあらゆるものを生産する装置であるが、実態はプランク的な不確定性を法則を無視して統制しエネルギー、物質、次元、時空間の構築と崩壊や概念、果ては因果率の改変、崩壊、構築が可能なもので、時間軸や平行宇宙、更に現在の宇宙よりも超高次元の世界にも及ぶ。元よりプラントが高次元の存在であり、大元のプラント的存在が「全て」の宇宙の始まりそのもの[2]。通常、プラントは持っていく力、持ってゆく力として生産装置として運用されるが、A・ARMは上記に力そのものであるため、比喩ではなく全てを破壊出来る。
ナイブズ、ヴァッシュはプラントのその力を一点に集中すれば一瞬で宇宙一つ(更には高次元や別の時間軸や平行宇宙)を崩壊させる事が可能。(当然自分も無事な上で)融合体ならばそれを遥かに超える事が可能。[3]これと似た様な事を外伝のプラントの子供が行おうとしていた。
また、防衛本能により発動して鞭のように攻撃・防衛を行うプラントの肉体そのものである尖翼と呼ばれる物があり、これは自身が追い込まれれば能力を増し、最終決戦ではレガートに襲いかかっていった。(レガートは最終的にその尖翼の速度を超えてヴァッシュの背後をとるが)
A・ARM発動時は体内から無意識ではあるが、その破壊力そのものである衝撃波や力場を展開する事も可能※。
またプラントの力をドーム上に半径数百mにわたり展開し結界を張る事も可能。
ナイブズ、ヴァッシュのA・ARMは発動を含めた全ての速度が超光速(実際制限はない)※であり、最終戦で発動した尖翼や力を弾丸の形にしたものもほぼ同等※。
(世界観設定で上記の5つの月と舞台の砂の星は全て地球よりも遥かに巨大・高重力という設定、且つトライガン世界の銃器兵器類はプラント技術により現実の物と比べ文字通り桁外れの初速や威力を持っている※)
これらの力は無消費ではなく文字通り命を削る為、力を使用すればするほど頭髪が黒に染まる黒髪化と呼ばれる現象が発生し、全てが黒に染まった時、肉体は崩壊し死に至る。例外的にプラントのその力を使おうとも黒髪化から回復する事は出来ず、他のプラントと融合する事で回復、進行の停止をする事が出来る。
余談だが鋼の錬金術師のエドワード・エルリックが不殺にこだわるのは作者の荒川弘がトライガンとるろうに剣心に影響を受けたらしい。
他にも奈須きのこや虚淵玄などといった面々もトライガン、ヴァッシュに影響を与えられたと明言している。
アニメ版では女好きが強調され、性格かなりナイーブになっているほか、世界観設定を含め全キャラ設定の設定がかなり違う。また後半のキーとなっている「黒髪化」の設定が存在しないので、全編通して金髪のままである。
また、映画が公開された翌年の2011年には阿波踊りのポスターにミルキィホームズの面々に混じって出演していたりする。他のキャラが萌えアニメやライトノベルのキャラメインで明らかに場違いにも関わらず、何故別銀河から地球の徳島県に彼が現れたのかは不明である(ノーマンズランドからの里帰りであろうか?)
語録
ひみつ。関連動画観たら教えてやるよ。
今ここで関連静画が書かれている。僕にはその方が面白い!
あのな・・・関連項目、ムチャな事ゆーな
脚注
- *米印は全てBBS、漫画の森発言
- *非自立型プラントは物質、エネルギー、時空間程度の操作が可。最終盤におけるヴァッシュやナイブズはこれら全てを使いこなせ全能の力とされるが、性格上から好き勝手思うがままに世界を「台無し」にする程の事はしないとの事。ナイブズはレムの事を結局は最後まで引き摺っていたため。(BBS,漫画の森)
- *Twitter/2010/7/16/
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