三洋電機株式会社とは、大阪府守口市京阪本通 大阪府大阪市中央区城見に本部を、大阪府大東市三洋町に本店を置く、家電・業務用機器のメーカーであり、パナソニック株式会社のサブブランド名である。
2011年3月29日に上場廃止、2011年4月1日 パナソニック株式会社の完全子会社となった。
SANYOあれこれ
- 三洋電機創業者である井植歳男(-1969年)は、パナソニック創業者の松下幸之助(-1989年)の妻である井植むめの(-1993年)の実弟。つまり、松下幸之助の義弟にあたる人物である。パナソニックの創業メンバーとして同社に務め、専務取締役にまでなったものの、第二次世界大戦中に軍部の命令で戦闘機製造や造船を行っていたことから、敗戦後GHQにより公職追放の憂き目に遭う。
井植がパナソニックを去る際に自転車用発電ランプの製造権、工場と従業員の一部を譲渡され、1947年に創業したのが三洋電機となる。 - 洗濯機、電池、エアコン、ソーラーパネル、カーナビで強い技術力とブランド力を有していた。
- 自社ブランドによる販売のみならず、OEM供給(他社ブランド品の製造)も多く行っており、「縁の下の三洋」という異名も持っていた。
- 上記にて既出の商品の内、三洋電機らしからぬ実質剛健、手堅くまとまっていた商品は鳥取三洋電機(現三洋テクノソリューションズ鳥取にて企画設計製造された物が多い)
石油ファンヒーター回収事件
1984年に製造した石油ファンヒーターの一部機種の構造上の問題から一酸化炭素中毒による死亡事故が多発し、1985年~1986年にかけて大規模な回収事件を起こした。
この時期は新聞広告やテレビCMで通常の製品広告を取りやめ、代わりに製品回収を周知するお詫びCMを大々的に行う。
ブランドイメージを大きく傷つけることとなったこの事件は様々な方面に影響を及ぼすこととなった。
- 日本初となる「お詫びCM」の放送。当事件と2005年に起こったパナソニックのFF式石油暖房機回収事件で放送されたお詫びCMが後の製品リコール・商品回収告知CMの標準フォーマットとなった。
- 石油ファンヒーターを製造していた子会社の東京三洋電機の吸収合併。
- 三洋電機のブランドロゴを一新するCI導入。(1986年)
- 番組スポンサーであった「蒼き流星SPTレイズナー」の提供撤退。同作は三洋電機のスポンサー撤退とプラモデルの売上不振により番組の途中打ち切りに追い込まれた。
ソーラーアーク
東海道新幹線の車内から見える黒くそびえ立つ奇妙な形状をしたそれは、会社設立50周年記念事業として2001年12月21日に竣工したが、実は回収した不良品の太陽光発電パネルで作られた物であることは余り知られていない。
詳細はWikipedia等に譲るが、発電能力が大きく劣る太陽光発電パネルを長期間販売し続けたが、購入者からの異議申し立てに対してだんまりを行なうも約十年足らずでとうとうバレてしまった。
ソーラーアークはそのようなリコール商品を販売しないことを誓うという名目で建設されたのだが…
さようならSANYO
2005年に発生した新潟県中越地震に被災した子会社の新潟三洋電子の半導体製造工場が地震保険に未加入であったため、500億円を超える損害がすべて損失となる。同時期に三洋電機の主力商品だったデジタルカメラの単価下落も起こったのが重なり、1715億円という巨額の当期赤字が発生した。
これを打開するために創業家の井植家以外からの取締役招聘、一部工場の閉鎖、白物家電部門の大幅縮小などの事業整理を行う。しかしこの経営再建策は上手く行かず、さらに携帯電話機向け充電池や洗濯乾燥機の大量リコールの発生、不適切な会計処理が問題化するという窮地に追い込まれた。
その後、人員削減によるリストラの効果で一度黒字に転換するものの、2009年にパナソニックが三洋電機を子会社化する。当時三洋電機が掲げていた「Think GAIA」というキャッチコピーは、2010年4月10日をもって廃止された。
パナソニックと重複することとなった洗濯機・家庭用冷蔵庫事業は2011年に中国のハイアール・グループへ売却。
「SANYO」ブランドを掲げた商品も順次生産縮小が行われ、2012年4月に「Panasonic」ブランドへ一本化される。
2015年2月、本社の入居していた大阪府守口市の守口第一ビルが守口市へ売却され、同年4月には三洋電機所属の社員全員がパナソニックとそのグループ各社へ転籍し法人格だけ残る幽霊企業と化し、実質的にその役目を終えた。
が、その翌年よりインド市場においてのパナソニックの低価格サブブランドとして復活した。
なお、守口第二ビルは更地化されてコインパーキングとなり、守口第三ビルと守口第四ビルと三洋電機健康保険組合ビルはマンションへと建て替えられ、守口第一ビルに併設されたSANYO MUSEUM(現、ローソンS守口市役所店)にて展示されていた三洋電機の展示物は京阪電鉄で一駅隣の西三荘駅前にあるパナソニックミュージアム松下幸之助歴史館へと移設された。
SANYOの家電
SANYOの家電(家庭用)は、2012年4月までに生産終了または Panasonic にブランドを変えて継続販売されます。
- 充電池 「エネループ」
「エネループ」ブランドは継続し、Panasonicが継続販売 - ムービー 「xacti」 ブランド廃止
Xactiのブランド廃止決定。商品そのものはPanasonicとして継続販売 - 米粉ベーカリー 「ゴパン」 継続販売
「ゴパン」というブランドも継続し、Panasonicが継続販売 - カーナビ 「ゴリラ」
- 空気清浄機 「ウイルスウォッシャー」
- テレビ 「VIZON」
- 携帯電話・電話・FAX
- ICレコーダー・コンポ・ラジカセ・ラジオ
- 冷蔵庫
- 電子レンジ
- ホットプレート
- 卓上IH調理器・ビルトインIH
- ホームベーカリー
- エアコン
- 洗濯機
- 掃除機
- 扇風機
- 換気扇
- 加湿器・除湿器
- アイロン
- マッサージチェア
- メンズシェーバー・レディーシェーバー
- 照明器具
- 温水便座
- 火災報知器
- 懐中電灯
- エコキュート
- 電動アシスト自転車
関連動画
三洋電機からお詫びとお知らせです(お詫び動画)
関連項目
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