概要
今宮神社本殿 |
祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)、事代主命(ことしろのぬしのみこと)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)の三柱。京の疫病・災厄を鎮めるためにおこなわれた「紫野御霊会」をその起源とし、1000年以上の歴史を持つ。
北は鷹峯・玄以通付近から南は二条通まで、東は小川通・堀川通から西は紙屋川・七本松通まで、西陣地区を中心に京都市北区・上京区にまたがる広い範囲を氏子区域とし、12の鉾町を抱える。
別名「玉の輿神社」とも呼ばれる。これは西陣の八百屋の生まれから徳川三代将軍家光の側室から五代将軍綱吉の生母となり、従一位という女性最高位に昇り詰め、「玉の輿」の代名詞とも言われる桂昌院に由来する。桂昌院は今宮神社を産土の社としており、社領百石の寄贈、社殿の修復、祭事の整備、祭鉾4基の寄進などその再興に力を尽くした。
よく知られた名物に「あぶり餅」があり、東門参道の北側と南側に向かい合って建つ「一文字屋和輔(一和)」「かざりや」の2店舗で販売されている。詳しくは当該記事を参照。
アニメ『けいおん!』第7話「クリスマス!」で平沢唯らが初詣に訪れた神社のモデルとしても知られ、一時期「聖地巡礼」のファンが多く訪れた。
歴史
年月 | 出来事 |
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平安建都以前 | 疫神・素盞嗚命を祀る社(現在の摂社・疫神社)が現在今宮神社がある地につくられる。 |
781(天応元)年 | 鷹峯の愛宕社が愛宕山上に遷座する際、分霊が疫社相殿の若宮神(現在の末社・若宮社)として紫野の地に創祀される。 |
994(正暦4)年6月 | 京で蔓延った大規模な疫病を鎮めるため、2基の御輿にこの地の疫神を祀って船岡山に造営し「紫野御霊会」がとりおこなわれる。これが現在今宮神社でおこなわれる今宮祭の起こりとされる。 |
1000(長保2)年 | 初代一文字屋和助が香隆寺名物であった「おかちん」を作って紫野御霊会に供え、これがあぶり餅屋「一文字屋和輔」の創業とされる。 |
1001(長保3)年 | 再び京に疫病が流行したことから、船岡山の疫神を紫野に移し、神殿三宇を新設して今宮社と名付けた。これをもって今宮神社の創祀とする。 |
1284(弘安7)年 | 正一位の神階が与えられる。 |
15世紀 | 応仁の乱の兵火により焼失する。 |
1593(文禄3)年 | 豊臣秀吉が今宮神社の御旅所を再興、神輿1基(大宮神輿)を寄進する。 |
1637(寛永14)年 | あぶり餅屋「かざりや」が創業する。 |
1694(元禄7)年 | 桂昌院が牛車・祭鉾・お玉の井などを寄進し、祭事整備・氏子区域拡充・やすらい祭復興など再興の施策をとりおこなう。 |
1795(寛政7)年 | 西陣の機業者の経済力を背景に、御旅所に能舞台が落成。秋季に能公演がとりおこなわれるようになる。 |
1896(明治29)年 | 本社殿が焼失する。 |
1902(明治35)年 | 本社殿が再建される。 |
1930(昭和5)年 | 境内に今宮幼稚園が設立される。 |
2012(平成24)年 | 桂昌院の碑が境内に建てられる。 |
神事・祭事・行事
京都三大奇祭に数えられる「やすらい祭」、紫野御霊会を起源とする「今宮祭」をはじめ、数々の神事・祭事がとりおこなわれている。
また、毎月1日には境内で手作りフリーマーケットも開催されている。
月日 | 祭事 | 詳細 |
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1月1日 | 歳旦祭 | 年の初めを祝い、一年の幸せを願い神徳を称える祭。 |
1月19日 | 疫神祭 | 疫神を祀る摂社疫神社の例祭。疫神の霊異で厄災を鎮め、世の安寧を祈願する。 |
2月3日 | 節分祭 | 一年の加護に感謝し新年の安寧を記念する祭。神前に福豆福桝を奉納する。 |
2月11日 | 紀元祭 | 日本の国の肇めを祝い、国民の平安と国の弥栄を祈念する祭儀。 |
2月17日 | 祈年祭 | としごいのまつり。一年の豊饒を祈念する。 |
2月二午日 | 織田稲荷社ニ午祭 | 元鎮座地である西陣元伊佐町の氏子を中心に、地域の平安を祈念する祭。 |
4月第2日曜日 | やすらい(夜須礼)祭 | 花とともに疫病を鎮め平安を願う春のさきがけの祭。桜や椿で飾られた花傘を先頭に、練り衆・踊り衆や赤毛・黒毛の鬼達、囃子方などが笛太鼓のお囃子に合わせて練り歩く。京都の三大奇祭の一に数えられる。「やすらい花」の名称で国の重要無形民俗文化財に指定されている。 |
5月5日 | 今宮祭神幸祭 | 今宮祭は紫野御霊会を起源とする。御出祭(おいでまつり)とも呼ばれ、御本社から御旅所まで3基の御輿と約800名の行列が巡幸する。また、2014年からは神幸祭に先立って御旅所の能舞台で「能舞台フェスタ」が行われている。 |
今宮祭湯立祭 | 今宮祭の期間中に行われる。熱湯沸き立つ大釜に、神楽女が笹束を差し入れて勢いよく振り上げ、飛び散る湯飛沫を身体に浴びて無病息災を祈る。 | |
5月第2もしくは第3日曜日 | 今宮祭還幸祭 | 御還祭(おかえりまつり)とも呼ばれる。御旅所から御本社へ向かう還御の祭。 |
6月第1土曜日 | 西陣紋様尊行会奉祝祭 | 西陣織関係者が紋織技術の祖・岡本尊行翁顕彰碑に集い、翁の業績を称え西陣の弥栄を祈願する祭。 |
6月30日 | 夏越祓 | 半年の間に身についた穢を祓い清める神事。神職・参列者が茅の輪をくぐり、斎庭に設えた「やすらい人形」を忌火で焼納する。 |
7月23日 | 大将軍社例祭 | 元鎮座地である大徳寺門前の氏子を中心に、地域の平安を祈念する祭。 |
8月7日頃 | 織姫社七夕祭 | 西陣の業祖神・織姫大神に感謝を捧げる祭。 |
10月1日 | ネクタイ感謝焼納祭 | 織姫社神前に設けられた火炉に使われなくなったネクタイを感謝を込めて焼納する祭。ネクタイを焼納した参拝者には、ネクタイ協会から新しい西陣織ネクタイが贈呈される。 |
10月8日 | 例祭前夕神事 | 例祭前夜におこなわれる祭。庭燎の明かりの中、神前で御神楽「人長舞」が奉納される。 |
10月9日 | 例祭 | 氏子崇敬者が参列し、広く世の中の安寧を祈る祭。神事舞「東遊」が奉納される。 |
11月1日 | 燈明神迎え | 出雲大社から帰る神様を、燈明を灯して出迎える行事。 |
11月11日 | 織姫社「西陣の日」奉祝祭 | 西陣織の名の契機となった応仁の乱終結の日を「西陣の日」と定め、西陣織関係者が織姫社の神前に集い、西陣の業祖神・織姫大神に感謝を捧げる祭。 |
11月23日 | 新嘗祭 | 新穀米を神前に供し、収穫の無事を感謝する祭。 |
11月23日 | 大将軍社火焚祭 | 元鎮座地である大徳寺門前の氏子を中心に、地域の平安を祈念する祭。 |
12月第1日曜日 | 地主稲荷社火焚祭 | 内安全・商売繁盛を守護する地主神の例祭。火焚串に願いを込め、穢を帰せた人形とともに火炉に焼納する。 |
12月31日 | 除夜祭 | 1年の下半期の穢を祓い、一年の無事を感謝する祭。 |
摂末社
- 摂社
- 末社
アクセス
- 京都市営地下鉄烏丸線「北大路駅」1番出口から西へ徒歩20分
- 京都市営地下鉄烏丸線「北大路駅」3番出口タクシー乗り場からタクシーで約5分
- 京都市バス46系統「今宮神社前」バス停から下車すぐ
- 京都市バス1・12・M1・204・205・206・北8系統「船岡山」バス停から北へ徒歩7分
- 駐車場:今宮神社大和ハウスパーキング(有料44台、普通車のみ)
関連動画
関連項目
関連リンク
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