佐野研二郎とは、日本のグラフィックデザイナーである。多摩美術大学総合デザイン学科教授。
概要
1972年東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、博報堂入社。2008年に「MR_DESIGN」を設立して独立。代表作として、日光江戸村のキャラクター「ニャンまげ」やKDDIの「LISMO!」、TBSキャラクターの「BooBo」などがある。
東京五輪のエンブレムをめぐる騒動
2015年7月24日、佐野氏のデザインしたエンブレムが2020年東京オリンピック及びパラリンピックの公式エンブレムに選出された。しかし、この発表から1週間も立たない30日にベルギー在住のオリヴィエ・ドゥビー(Olivier Debie)氏から、ドゥビー氏のデザインしたリエージュ劇場のロゴに酷似しているという指摘が出た。これに対し佐野氏はリエージュ劇場のロゴについては全く知らないものであるとして盗作を否定するも、ドゥビー氏は五輪エンブレムの使用差し止めを求めて提訴。一方で大会組織委員会はベルギーのデザイナー側を非難して争う姿勢を見せた。
その後、佐野氏がデザインしたサントリーのトートバッグについて盗用疑惑が持ち上がったのを皮切りにインターネット上で氏の作品に関して次々と盗用疑惑が指摘され、その数は膨大なまでに増えていった。実は以前から上述のLISMO!とBooBoについて、それぞれApple商品のイメージやぶりぶりざえもんとの類似が指摘されていた、というのも背景にある。サントリーのトートバッグに関しては記者会見を開き、約1/4の作品が他人の作品をコピペトレースしたものであると認めて謝罪するも、あくまで自身は監修であり実務に携わったのは何人かのスタッフであると主張し、自身の直接の関与を否定した。
8月28日に大会組織委員会は佐野氏がデザインしたエンブレムの原案とされるものを公表。原案はTが強調されたデザインだったが、途中の修正案でTではないものに変わり、最終的にリエージュ劇場のロゴに似たものになったとした。しかしこれまで発表されてきた発言との矛盾点も多く、この原案に関しても当然のように盗作疑惑が持ち上がった。また原案とは別にエンブレムの展開例として使用されていた羽田空港のロビーと渋谷ハチ公前交差点の写真について、複数の個人ブログやイベント公式サイトに掲載された写真を無断使用したのではないかという疑惑が浮上。元の写真にはあったコピーライト部分が消えており、より悪質なものであるとして今まで以上に非難が集中した。
これが決め手となったのかどうかは不明だが、9月1日に大会組織委員会は佐野氏のエンブレムの取り下げを発表。同日に本人欠席のまま記者会見を行ったが、展開例での写真の無断使用は認めたものの、五輪エンブレムを含む一連の盗用疑惑に関しては事実無根であるとの姿勢を貫いている。またドゥビー氏を始めとする海外のデザイナー数名は訴訟を取り下げておらず、更に疑惑が発掘され続ける中、この騒動は未だ終わりが見えていない。
この一連の騒動により、ネット上では「佐野厄寄せ大師」「ファイアー(炎上)エムブレム」といったあだ名が生まれている。
詳しくは「佐野る」を参照
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