北川博敏単語

• 概要
• 2001年、近鉄優勝への貢献
• 2012年、現役引退
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北川博敏（きたがわ ひろとし、1972年5月27日-）とは、兵庫県出身の元プロ野球選手（内野手・捕手）である。現在は阪神タイガースのコーチを務める。

2001年の大阪近鉄バファローズ優勝時、「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームラン」を打った選手として特に有名。

概要

大学時代にリーグ戦で首位打者を獲得するなど捕手として活躍。日米野球の主将に選ばれるなどリーダーシップも発揮した。

1994年のドラフトで阪神タイガースにドラフト2位で指名されたが、虎では結果が出ず2000年オフにトレードでバファローズに移籍する。

2001年は当時の監督だった梨田昌孝に認められ一軍に定着。4月にはプロ入り初ホームラン、そして29歳の誕生日に初めてのサヨナラヒットを打ち、初のお立ち台で号泣。

そして9月。どん底から這い上がり新天地でチャンスを掴んだ北川にとって選手人生ではじめて輝く瞬間が訪れたのだった（後述）

2004年のプロ野球再編時の近鉄消滅に伴いオリックス・バファローズに移籍。

その後はケガに苦しみながらもオリックスの中心選手として活躍。

2011年はシーズン途中で左脚アキレス腱を断裂する大怪我を負い、シーズンを棒に振ったが翌年に無事復帰。6月に入り復帰後初のホームランを打つなど、”打てるベテラン”としてチームに貢献していた。

ポジションは一塁手だが、2008年以降は三塁手としても出場していた。

2012年シーズンをもって現役引退。翌年から二軍打撃コーチに就任した。

2015年はオリックスの広報マネージャーへ異動。少年野球の指導やシーズン中は解説も行うことが発表された。

2016年はオリックス一軍打撃コーチとして現場に復帰。

2017年から2019年は東京ヤクルトスワローズの二軍打撃コーチを務めた。

2020年からは古巣の阪神タイガースで打撃コーチを務める。2020年は二軍、2021年からは一軍担当。

2001年、近鉄優勝への貢献

2001年の近鉄は投手力の低さから下馬評は良くなかったが、持ち前の打撃力（いてまえ打線）を発揮して10年ぶりの前半戦首位ターン。

福岡ダイエーホークス、西武ライオンズも食らいつき9月に入っても3チームがゲーム差なしで並ぶという三つ巴の大接戦となっていたが、近鉄は17日からの西武3連戦に全勝して単独首位になりマジック点灯。

9月24日、連続ホームランで逆転勝ち

そして迎えた9月24日、大阪ドームでの2位ライオンズとの直接対決。

近鉄は8回裏までに西武のエース松坂大輔から4点を奪い同点で8回を終了したが、9回表にスコット・マクレーンにホームランを打たれて4－6とリードされる。

敗色ムードが漂う9回裏、北川が代打で登場し松坂からホームランを打ち5－6と1点差に。

完全に流れが変わった後、中村紀洋がライトスタンドにサヨナラ2ランを打ち近鉄が逆転サヨナラ勝ち。優勝へのマジックを1とした。

9月26日、伝説の満塁ホームラン

優勝マジックを1として迎えた9月26日、大阪ドームの対オリックス・ブルーウェーブ戦。

試合は9回表の時点で2－5。相手はオリックスのクローザーでこの年の新人王をとった大久保勝信。この試合前まで大久保の防御率は0点台と完璧な投球が続いており、敗色濃厚だった。

しかし先頭の吉岡雄二がヒットで出塁、次の川口憲史が二塁打、代打の益田大介がフォアボールでノーアウト満塁。

ここで梨田監督は2日前に松坂からホームランを放った北川を代打で出した。

1球目はストライク、2球目はファールで追い込まれるも3球目のきわどいボールを見極めての4球目。大久保が投げたスライダーをフルスイング。ボールはバットに当たりぐんぐん伸びていく。そして、ボールは左中間スタンドへと飛び込む代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームランとなった。

代打逆転サヨナラ満塁ホームランは6例目、3点差をひっくり返すお釣りなしは2例目だった。

もちろん、優勝を決めたのは史上初である。この記録はメジャーリーグにも無いため日本のプロ野球史にはもちろん、世界のプロ野球史にも残る大偉業となった。

勝っても負けてもドラマチックだった近鉄というチームを象徴するような本塁打であった。本人も「あのホームランは人生で一番うれしかった」という発言を残している。

ちなみに、この年の契約更改の際に球団は「あのホームランは10万円分の価値しかない」という発言をした。しかしこれは冗談で年俸はほぼ倍になった。この発言が出たのはホームランの着弾点近くに広告を出していた企業が「あのホームランのおかげで企業名が全国放送でたくさん映って大いに宣伝になった」と北川に10万円を贈呈したからである。本人も「あのホームランだけで評価されたくない」と言っていたとか。

2012年、現役引退

長年バファローズ打線を支え続けていた北川だったが、2012年10月に来期構想外となったため引退を表明。

前年の怪我の影響を引きずっていたこともあり出場機会が減少し、二軍生活が長引いていた上チームも最下位ということで評価は下落。その上今年で40歳という年齢もあり、ユニフォームを脱ぐこととなった。

10月7日の引退試合では2アウトランナー2塁のチャンス時に勝利に貢献するタイムリーを放ち、チャンスに強い男らしい活躍を見せる。

最後の打席では大石達也の直球勝負にフルスイングで応じるがショートフライに倒れ、観客・選手に拍手で見送られた。

試合勝利後の引退セレモニーでは自身を支え応援し続けてくれた家族とファンたちに感謝の言葉を述べ、奇跡を呼び込む男は球場を去ったのだった。

引退後、インタビューで代打逆転満塁優勝決定ホームランについて

「あの打席で人生が変わった。」

とコメントしていた。

応援歌

球団	レス	No	プレイヤー
近鉄	応援歌のピコカキコ一覧#1096	12508

通算成績

通算:18年	試合	打席	打数	得点	安打	本塁打	打点	盗塁	犠打	犠飛	四球	死球	三振	併殺打	打率	出塁率
NPB	1264	4350	3902	464	1076	102	536	29	21	44	337	46	563	112	.276	.337

関連動画

代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームラン

2001年9月26日。近鉄最後の優勝はど派手な一発できまったのだった。

引退試合

2012年10月7日の引退試合。今までお疲れ様でした。

関連コミュニティ

関連リンク

• 球史に刻む一発　引退模様 オリックス・北川博敏 - （日本経済新聞）

関連項目

• プロ野球選手一覧
• 代打逆転サヨナラ満塁優勝決定ホームラン
• 東京ヤクルトスワローズ
• オリックス・バファローズ
• 大阪近鉄バファローズ
• 阪神タイガース