千子村正(刀剣乱舞)とは、ブラウザゲーム『刀剣乱舞』に登場する刀剣男士である。
CV:諏訪部順一 / イラストレーター:なまにくATK(ニトロプラス)
huhuhuhu。誰も彼もが、ワタシの妖しい概要に夢中なのデス
huhuhuhu。ワタシは千子村正。名前くらいは聞いたことがあるんじゃないデスか?
そう、妖刀とか言われているあの村正デス。でもね?
村正がなぜ妖刀なのか、詳しいことはまるでわかってないのデス。
定かでない伝説に誰も彼もが踊らされて、滑稽デスよねぇ。huhuhuhu……(刀帳)
初代村正(千子村正)の作で、恐ろしいほどの切れ味を持つ実戦向きの打刀。
ミステリアスな立ち居振る舞いは、長く妖刀として眼差しを向けられてきた彼の物語から来るものか。
同じ村正の一派である蜻蛉切の心配の種でもある。
設定資料集「刀剣乱舞絢爛図録」において、蜻蛉切(刀剣乱舞)の紹介文に「妙法村正の唯一の理解者」という一文があった事から、いずれ実装されるのではないかと期待されていた。
同様に紹介文や台詞に出てきた太鼓鐘貞宗(刀剣乱舞)、大包平(刀剣乱舞)が実装されていった事で、ほぼ登場は確定とされていた。
その後、刀工である千子村正の名で実装が決定。
2017年1月31日~2月2日に「スマホアプリ版「刀剣乱舞pocket」200万ダウンロード突破記念キャンペーン」として、期間限定で鍛刀による先行入手が可能となった。
鍛刀レシピについては、ヒント画像や過去のキャンペーンから推察された「All200」が主流。鍛刀時間は3:00:00。
上述のレシピによる入手報告が相次ぐ一方で、俗に言う1:30:00の呪いに涙する審神者も続出した。
2017年3月21日より開催の新イベント「江戸城潜入調査」において報酬として入手可能だった。
これは限られた行動回数の中で江戸城内を探索し、ボスマスに辿り着いて鍵を入手し、宝箱を開封するというもの。宝箱200個のうち1個に必ず入っている為、200個全て開封すれば確定で入手可能。
宝箱1個につき鍵は5個必要で、全ての宝箱を開封するには鍵が1000個(=千子)必要となる。
なお全ての宝箱を開封した後も課金アイテムにより宝箱をリセット出来るので、審神者のお財布が許す限り&気力が続く限りは周回可能だった。
その後、2018年7月3日より鍛刀および7-4、8-2の通常マスでの入手が可能となった。
鍛刀時間は3:00:00。
赤い瞳に薄紫色の豊かな長髪が特徴の美青年。
鍛えられた筋肉質の上半身に、女性めいて妖艶な印象を見せる脚線美と、どこかアンバランスながら不思議な妖しさを備えている。これは村正に特徴的なタナゴ腹(茎が途中から細くなる)や、刃文が上と下で変化している事に由来しているのかも知れない。
戦装束は同じ刀派の蜻蛉切(刀剣乱舞)とデザインが共通しているが、最大の違いは下半身。脚の付け根まで見えるきわどいサイドスリット入りのスカート(?)+ガーターめいたベルトつきのニーハイブーツという、従来の刀剣男士からしてもかつてない意匠となっており、イラスト公開時に話題となった。
なお、スカート(?)の中身がどうなっているのかは不明……だったのだが、2018年9月発売の設定資料集でハイレグのボディスーツという衝撃的なデザインが明らかとなった。ちなみに設定が出る以前、ミュージカル『刀剣乱舞』第三弾「三百年(みほとせ)の子守唄」においてはホットパンツだった。
内番衣装は蜻蛉切と同じく黒の着物+袴だが、袖を大きくカットした大胆なデザインになっており、こちらも何となし目のやり場に困る感じに仕上がっている。
ところどころ「~デス」「~マス」と特徴的な物言いをし、笑う時の表記は「huhuhuhu」と何故か横文字になっていたり、怪しい印象が目立つ。
これについては、海外(特にサブカルチャー)において「Muramasa」が「Japanese Sword」の代名詞として扱われている、という背景が関係しているのかも知れない。
例を挙げると、ゲーム「Wizardry」においてサムライの最強武器「Muramasa Blade!」が登場し、日本オリジナルの外伝にも継承されている。また「スパイダーマン」「X-MEN」などで知られるMARVELユニバースにおいて、ウルヴァリンやオメガレッドなどのミュータントが持つヒーリングファクター(高速治癒・不老不死)を無効化する妖刀の名が「Muramasa」で、コミックのみならずゲームや映画にも登場している。
蜻蛉切と共に出陣すると回想が発生。
何かにつけて脱ぎたがる困った癖があり、村正が「脱ぎマスか?」と申し出ては蜻蛉切が「脱ぐな!」と釘を刺すのが日常茶飯事となっている。蜻蛉切の胃が心配。
実際、近侍に据えてつんつんすれば「どうかしましたか?......脱ぎまショウか?」と申し出たり、刀装を装着させると「着ろ......と。ふむ」と不満そうな声を上げる。
その癖を除外すれば、おおむね品が良く、まともな性格をしている。
戦場においては冷静に状況を見極め、情報を重要視する姿勢が伺え、刃を振るう時は心底楽しげに敵を屠る武人らしい姿勢を見せる。内番でも馬相手に「馬は風評に踊らされませんね」と言いつつ穏やかな時間を楽しみ、周年記念の台詞からも解るように、主の事をしっかりと立てた発言をしている。
また蜻蛉切の他にも、ミュージカル『刀剣乱舞』第三弾「三百年(みほとせ)の子守唄」にて共演する石切丸(刀剣乱舞)・にっかり青江(刀剣乱舞)・物吉貞宗(刀剣乱舞)・大倶利伽羅(刀剣乱舞)と手合せをすると、通常とは異なる特殊台詞を口にし、存外負けず嫌いの性格が見受けられる。
自らの謂れにもある妖刀伝説については「定かでない伝説に誰も彼もが踊らされて、滑稽デスよねぇ」と発言しており、思うところはそれなりにある様子。
戦闘時、会心の攻撃の際に叫ぶ「サッダルマプンダリーカスートラ」は「妙法蓮華経」を意味するサンスクリット語(सद्धर्मपुण्डरीक सूत्र)である。
大意は「正しき(sad)教えなる(dharma)白蓮の花の(puṇḍarīka)経典(sūtra)」。
これは先に「妙法村正」として紹介され、その号は茎に「妙法蓮華経」と刻まれている事に由来している所からの影響だと思われる。
そして真剣必殺になると、それはもうすごいことになる。必見。思ったより脱がないと言うなかれ。
刀剣男士ごとに設置されている紋は、光背に印相(仏教の宗教儀式や仏像に見られる手の形で、様々な意味を持つ)を複数組み合わせた、千手観音を思わせる仕様になっている。
これは刀工・千子村正が、自らを千手観音の申し子だとしてその名を名乗ったという伝承になぞらえての事かと推測される。
切れ味の鋭さや謂れを反映してか、ステータスは「お前のような打刀がいるか」と言わんばかりの、限りなく太刀(あるいは元太刀の打刀)に近い仕様。
Lv25で特にランクアップし、衝力と打撃は打刀単独トップに躍り出た。一方で機動は打刀ワーストとなっており、馬や刀装で補って運用する必要がある。
余談だが、ニトロプラスは2009年にADV「装甲悪鬼村正」を発表しており、作中で魂が宿る鎧・劔冑(ツルギ)として村正こと「千子右衛門尉村正三世」が登場。
その他、本編やメディアミックスに多数の名剣名刀が劔冑として登場していたり、千子村正のキャラクターデザインを担当したなまにくATK氏が原画を担当、そしてプロデューサーがでじたろう氏という奇縁があったりする。詳細は当該記事にて。
2018年4月1日、エイプリルフールの特別企画として、ニトロプラスが製作協力する「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」とのコラボムービーが1日限定でアップロード。重要人物の一人・殤不患によって思いがけず召喚され、一合刃を交える事となった。ちなみにこちらでも声を諏訪部順一が担当している。
なお霹靂布袋劇における人形の操作の都合により、衣装の袖がアレンジされている。
極実装
2018年2月27日、亀甲貞宗(刀剣乱舞)と共に「極(きわめ)」が実装。
Lv70以降、修行セットの消費および96時間(4日)の修行を経て戻って来る。
ステータスが大幅にアップし、レアリティが一段階上昇、刀装枠が2→3スロットに増加。また極になった打刀共通の特性として、遠戦の際に稀に両隣のどちらか片方の刀剣男士を「かばう」能力が追加された。かばった際に受けるダメージは軽減される。
腰回りの甲冑に変化が生じ、袖鎧が追加。二の腕までをロンググローブが覆うなど、実は極前よりも露出がやや減っている。かと思いきやよく見ると上半身の身頃の一部が大胆にカットされており、独特の妖艶さは健在。
刀身は紅色の光をうすぼんやりと放っており、より妖刀らしさが増している。
修行に赴いた先は佐賀。かつて村正(妙法村正)を所持した鍋島勝茂の下だった。
巷では主の龍造寺家を乗っ取った大悪人とされ、龍造寺氏の恨みを晴らそうとした猫が化け猫となって祟ったという「鍋島の猫騒動」で知られている。
「主家殺しの妖刀村正と主家を乗っ取った大名。ぴったりだと思いましたか?」と皮肉げに語りながら、実際には御家騒動などなく勝茂もまた悪逆とは程遠い人間であった事、穏便に治世を引き継いだ事を村正は手紙に綴る。
人の噂とは無責任なもので、人は真実など求めておらず、己がよければどれだけ真実を歪めても構わないと思っているのかも知れないと続ける。それでも世間で語られるような悪人にはならなかったかつての主を見習い、村正もまた世間で言われるような妖刀となってはならないと決心。
真実は自分と主たる審神者が知っていればそれでいいと結論を出し、「そろそろ着続けるのも限界デス。帰って脱ぐこととしまショウ!」といつもの調子で宣言。本丸に帰還を果たした。
何かと妖しい言動や「困った癖」で誤解されがちな村正だが、刀帳において「正しいことを言っても、それが正しく伝わるとは限りません。デスが、だからと言って為すべきことをしない理由にはなりませんね?」と語る通り、刀剣男士としての有り様がより明確に見えるようになった。一方で「実力なくば、妖刀伝説も生まれなかったでショウ。ですから、ワタシはワタシの在り方を貫くだけデス」と、妖刀伝説そのものを否定する事なく受け入れている。
一方で相変わらず「困った癖」は続いているが、近侍に据えて万屋に行くと「この店番、脱いでも動じませんね。できる!」と発言。ぅゎ店番っょぃ。もしかすると周囲も「困った癖」に慣れっこになったのかも知れない。
戦場における、実戦刀ならではの剣呑な台詞も健在。
ボスマス到達時には喜々として「この先が本番デス。楽しんで行きまショウ」と嘯き、真剣必殺では高らかに笑いながら「アナタはワタシを鞘から解き放ってしまったのデス!」と本気を露わにする。極前よりもしっかり脱いでいるが、それでも思ったより控えめ。まあ本気で脱いだら審査にひっかかりかねないし……
また会心攻撃の際には、千子村正が自らを千手観音の生まれ変わりであるとした事になぞらえてか、「オン・バサラ・タラマ・キリク・ソワカ」と、千手観音菩薩の真言を唱える。
huhuhuhu。刀は脱いでこそ、史実が見えます。
室町時代の刀工、千子村正(せんじむらまさ/せんごむらまさ)作の刀。
伊勢国桑名(現在の三重県桑名市)で活動し、五箇伝と呼ばれる五つの流派のうち、大和伝・美濃伝・相州伝をミックスした、いわゆる「数打」と呼ばれる実戦刀を多数世に送った。
刀工が複数存在した事や、活動範囲が広い事でも知られている。また二代関兼定(之定)とも交流があり、之定は村正から秘伝を教わったという。
しかし村正について最も有名なのは、「徳川家に仇をなす妖刀」という伝説である。
- 徳川家康の祖父・松平清康:家臣の謀反により殺害
- 徳川家康の正室・築山殿:敵方内通の疑いにより殺害
- 徳川家康の長男・松平信康:謀反の疑いにより切腹
(この他に徳川家康の父・松平広忠の死因にも村正を用いた暗殺説がある)
彼らの死に関わったのがいずれも村正の刀であり、また家康自身も幼少の頃に手を村正の刀で切っていることから、家康は家中に伝わる村正をすべて捨てるように厳命したという。
その一方で、徳川に敵対する勢力はこれにあやかって村正をこぞって手に入れようとし、真田信繁(幸村)もまた、村正作の刀を所持していたと伝えられている。
.....が、これは現在ではほぼ否定されている。
実際には徳川家の御腰物帳にも記載があるほか、徳川美術館にも村正が伝来・所蔵されている。
これは、三河に移住した村正の分派(三河文珠派)が当地で鍛えた刀が「良い刀」として徳川家中で多く伝わり、それによってたまたま凶器になる可能性が高まったためと考えられている。
以下、村正の著名作であり、また千子村正が打ったとされる「妙法村正」についても記述する。
茎に「村正」の銘と共に「妙法蓮華経」と入っている事からこの号がついた。
刀身の表裏に「草の倶利伽羅」「倶利伽羅像」の彫刻が入っている。
肥前佐賀藩主・鍋島勝茂が所持していたとされ、茎に銀象嵌で「鍋信(※鍋島信濃守)」と施されている。
分家である肥前小城藩の鍋島家に家宝として代々伝えられ、終戦までは同家に保管されていた。
太平洋戦争の後に鍋島家を離れ、刀剣愛好家・渡邊誠一郎氏の所蔵となる。重要美術品指定を受けており、現在は個人蔵。
関連動画デスね、伝説を増やしに行きまショウ。
さて、関連項目を見極めなサイ。
- 刀剣乱舞
- 蜻蛉切(刀剣乱舞) - 同じ刀派・回想と特殊台詞が発生
- 石切丸(刀剣乱舞) - 手合せで特殊台詞が発生
- にっかり青江(刀剣乱舞) - 手合せで特殊台詞が発生
- 物吉貞宗(刀剣乱舞) - 手合せで特殊台詞が発生
- 大倶利伽羅(刀剣乱舞) - 手合せで特殊台詞が発生
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