南沙諸島とは、南シナ海に浮かぶ約750の島々からなる地域である。英名ではスプラトリー諸島(Spratly Islands)、ベトナム語ではチュオンサ諸島という。南沙諸島というのは中国語名である。
概要
1930年代に東南アジアのインドシナを植民地としていたフランスはこの島々のいくつかを占領したが、1938年には大日本帝国がこの島々を「新南群島」と名付けて当時自国領としていた台湾の高雄市に編入した。これが終戦まで続く。
1951年にサンフランシスコ条約が結ばれて日本はこの地域の領有権を放棄した。しかし、連合国および国際連合は帰属先を決めていなかったので、まず最初にフィリピンが領有を宣言して自国周辺の島々を占領する。その後、南ベトナム、中華人民共和国なども次々と領有を宣言した。
1970年代後半に海底油田が発見されると、領有権を主張する国家の数は膨れ上がり、最終的に計六カ国になる。以降、領有権を主張している各国が分割占領して現在に至っている。
領有権を主張する国家
領有権を主張している国家は六か国にも上る。これは現在までに領土問題で領土を争う国の多さでは最多である。
現在は領有権を主張する各国が自国と接する領域を中心に分割占領していることは前述した。しかしこのうち、中華人民共和国と台湾は南沙諸島の全領域の領有権を主張している。
なお、ベトナムも領域の多くの領有権を主張しているがは南東部の岩礁地帯は除いており、全島領域の領有権は主張していない。
ブルネイに関しては今現在、南沙諸島に関する島々を一島も実効支配をしていない。
南沙諸島内では、特に中国とベトナムの軍事衝突事件がしばしば起きている。
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関連項目
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