岐阜乗合自動車株式会社(岐阜バス)とは、岐阜県岐阜市九重町に本社を構えるバス事業者である。名古屋鉄道グループの一員。
概要
主に岐阜市を中心地域とした一般路線バス、また高速路線バスや観光バスツアーの営業を行っている。2018年には創業75年を迎えた。筆頭株主は勿論名鉄だが、岐阜市も株主に名を連ねている。
後述のオムニバスタウン指定に伴う政策により、2004年に名鉄バス(当時は名古屋鉄道自動車事業部)鏡島線の営業を、2005年には岐阜市交通事業部(岐阜市営バス)の営業を譲り受けた。
オムニバスタウン指定に伴う変化
オムニバスタウン指定を受ける前までの岐阜市の公共交通は、路面電車(2005年に完全廃止)・名鉄バス・岐阜市営バス・岐阜バスの4社が入り乱れる状況であった。更に「JR岐阜駅のバスターミナルはほぼ市営バス専用で、岐阜バスは外の停留所(一部は乗り入れ)」「バス系統は“数字(市営バス)”“平仮名(岐阜バス)”“いずれも無し(名鉄バス)”が入り乱れる」など、行先や系統が非常に不親切かつ慣れてないと分かりにくい面があった。 また、長良橋通り・金華橋通り・忠節橋通りといった主要の通りには各社が重複して複数路線を巡らせており、そのことからバスによる渋滞も巻き起こっていた。
2002年に指定を受けた事でこれらの見直しが行われ、前述のように名鉄バスと市営バスの路線が譲渡された。ちなみに、市営バスの譲渡先決定入札の際には岐阜バス1社のみしか入札が無かったため、競合無しで譲渡された経緯もある。
その後は路線の統廃合を進めるなどして、3種類が入り乱れる系統表示を2007年に統一。併せて市営バスから受け継いだJR岐阜駅のターミナルも整備され、アルファベットの系統表示と行先番号制が採用された。2010年には岐阜市の強引に進めた計画により連節バスを導入。「清流ライナー」として一部路線で運行されている(後述)。
しかし、岐阜市外から来た人には相変わらず種別の煩雑さがあるとされ、改善の余地がまだあると言えよう。
ICカード『ayuca』
実は、東海地方の交通事業者の中でも一番早く導入されたICカードだったりする(2006年サービス開始)。この時からポイント制を導入したり積極的だったが、そこから遅れること5年後に親会社である名鉄に『manaca』が登場したからか、ポイント制度をmanacaに合わせてしまう改悪が行われた。
なお、他の交通系ICカードとの互換性は無く(当然ながらmanacaとも)、精算はayucaか現金の二択である。チャージは案内窓口かバス車内のみでしか行えない、ayucaで名鉄電車・名鉄バスに乗る事は出来ない、もちろんayuca以外のICカードで岐阜バスには乗車が出来ない、などのデメリットが存在する。
車両
名古屋鉄道グループに名古屋三菱ふそう自動車販売(現:三菱ふそうトラック・バス東海ふそう)があった事で、かねてから三菱系の車を主流としている。三菱ふそうのリコール問題も絡み、兄弟会社の名鉄バスと同様に日野自動車(J-BUS)製の車を弾力的に導入していた時期もあったが、2010年代以降は再び三菱系が大半を占めるようになった。
グループ企業に車両整備工場があるためか、かつては独自形状の3連リアフラッシャや社名表示窓と言った特徴がある車が多かった。一方、現在導入が続けられている車両にはそういった特徴は見られなくなり、カラーリング含め名鉄グループのバス会社共通の仕様が入れられている。
カラーリングはバス全面にある山のような「岐阜塗り」と呼ばれるものが特徴で、共通仕様に引き継がれた唯一のポイントである。
営業所
- 岐南営業所(観光部門と同居・羽島郡岐南町平成)
- 岐阜西営業所(岐阜市柳津町流通センター)
- 柿ヶ瀬営業所(岐阜市南柿ヶ瀬)
- 関営業所(関市東町)
- 各務原営業所(各務原市各務西町)
- 美濃営業所(美濃市生櫛大字生櫛字上ボタ下)
- 高富営業所(山県市東深瀬)
- 名古屋営業所(観光部門・愛知県北名古屋市山之腰天神東)
路線バス
ターミナルを持つJR岐阜駅・名鉄岐阜駅を中心に、非常に多くの路線が展開されている。前述のように系統の表示にはアルファベットが用いられるほか、行先番号制を導入している。
例として「[B74]大洞緑団地行き」の場合、“B”は大まかな方面(この場合梅林[Bairin]方面)、10の位は基幹系統から分岐していく地点のバス停(この場合「長山」バス停)で、岐阜駅から遠いほど数字が大きくなる。1の位は系統そのものに付与された番号であり、分岐された先の地点を示す。
他にも、JR岐阜駅を起終点として岐阜市内の主要箇所を回る「市内ループ線」、柳ヶ瀬を中心とする路線の「柳バス」が運行されている。
清流ライナー
- [C71]岐阜大学病院行き (帰りは[C]JR岐阜行き、平日のみ運転)
- [N50]下岩崎行き (帰りは[N]JR岐阜行き、清流ライナー岩崎始発、平日のみ運転)
- 市内ループ (左回りのみ運転、土休日のみ運転)
いずれも重複して運行する通常の路線と料金は共通だが、「市内ループ」に関しては通常の市内ループ線左回りと経路が異なっている。
高速バス
- 名鉄岐阜駅・関市役所前・岐阜県中濃総合庁舎・美濃加茂日本昭和村~新宿駅小田急百貨店ハルク前・ハイアットリージェンシー東京ホテル前(小田急シティバスと共同運行。)
- 名鉄岐阜駅~高山駅高山濃飛バスセンター(濃飛バスと共同運行。)
- 名鉄岐阜駅・JR岐阜駅~郡上八幡駅・郡上白鳥(郡上白鳥発着便は廃止)
- 名鉄名古屋駅名鉄バスセンター・栄町オアシス21~関シティターミナル・中濃庁舎・山県バスターミナル
- 名鉄名古屋駅名鉄バスセンター~郡上八幡インター・平瀬温泉・白川郷・鳩ヶ谷(白川村役場前)
- 名鉄名古屋駅名鉄バスセンター~郡上八幡城下町プラザ
廃止路線
- 名鉄名古屋駅名鉄バスセンター・名鉄岐阜駅~白川郷せせらぎ公園(名鉄バスセンター~砺波駅・砺波市役所前・高岡駅・加越能バス氷見営業所については加越能バス単独運行となり、高速各務原・高速美濃での接続のみとなった。)
- 関市役所・名鉄岐阜駅~長島温泉ナガシマスパーランド(土日祝および年末年始のみ運行、三重交通と共同運行。)→2019年3月廃止
関連動画
関連項目
- 1
- 0pt