怒りの日とは
キリスト教において「世界の終末」を意味する。
世界の終末において、キリストは全ての人間を地上に「復活」させる。過去に死んだ者も墓より立ち上がり、生前の行いに対して審判が下される。過去のキリスト教圏における「火刑(火あぶり)」は、この「復活」を否定する「最も重い刑罰」として用いられた。
審判の結果、善き者は神の治める天国で永遠の命を受けるが、罪を犯した者は地獄に落とされ、未来永劫の責め苦を与えられるという。
「怒りの日」の様子は新約聖書の『ヨハネの黙示録』を始めとした書物において、詳しく記述されている。
キリスト教のミサ、およびレクイエムにおいてはラテン語の詞が用いられる。
Dies irae, dies illa
solvet saclum in favilla:
teste David cum SibyllaQuantus tremor est futurus,
quando judex est venturus,
cuncta stricte discussurus!怒りの日、その日は
世界が灰燼に帰す日なり
ダビデとシビラの予言の如く審判者があらわれて
すべてが厳しく裁かれるとき
その恐ろしさはいかほどなるや!
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、ジュゼッペ・ヴェルディの曲が特に有名である。
「グレゴリオ聖歌」の怒りの日
おそらく、このグレゴリオ聖歌版がもっとも有名。
サン・サーンスの『死の舞踏』やベルリオーズの『幻想交響曲』第5楽章のモチーフとなっている。
モーツァルトの「怒りの日」
モーツァルトが1791年に作曲したレクイエムの一つ。
しかし、完成する前にモーツァルト自身が亡くなってしまったため、死後、彼の弟子たちによって補筆が施され、約一年後に初演が行われた。
卓越した作曲センスが織り込まれている本作は、モーツァルト作曲でありながらある種バッハ的とも言われる事があるが、モーツァルトの傑作の一つとして評価されることが多い。
ゲームBGM用に編曲して使われることが多く、有名なところでは
「餓狼伝説」「ザ・キング・オブ・ファイターズ」のキャラであるヴォルフガング・クラウザーのステージBGM、
「鬼武者3」のボス・ギルデンスタンとの戦闘時のBGM、
lightの美少女ゲーム「Dies irae」の登場人物である、
ラインハルト・ハイドリヒ(通称:獣殿)のテーマ『Dies irae "Mephistopheles"』等が存在する。
CMのBGMにも使われたりすることも多く、「ロト7」、「女神異聞録ペルソナ」あたりが有名か。
これより詳しいことはウィキペディア参照。
ヴェルディの「怒りの日」
ヴェルディが1873年に作曲したレクイエムの一つ。
ヴェルディが敬愛していた作家、アレッサンドロ・マンゾーニを追悼する目的で作曲したとされる。100人以上のコーラスの荘厳さは圧巻だが、一方で「故人を追悼する曲とは思えない」と評価が二分されることとなった。
ニコニコ的には、映画『バトル・ロワイヤル』の冒頭部分や劇場版『新世紀エヴァンゲリオン』の予告編で流れた曲として馴染み深いかもしれない。→エヴァ予告パロリンク
これより詳しいことはウィキペディア参照。
関連動画
左がモーツァルト作曲、右がヴェルディ作曲である。是非とも聴き比べていただきたい。
関連商品
関連項目
- 7
- 0pt