截拳道とは、ブルース・リーが生み出した武道である。日本ではジークンドーと呼ばれ、スペル(Jeet Kune Do)から頭文字を取ってJKDとも呼ばれる。
概要
幼少期にリーが学んだカンフーの技術に、レスリング、ボクシング、サバット、合気道、柔道などの幅広い技術を取り入れられた武術。
特定の型を強要することはせず、奥義を極めるという概念は存在しない。つまり、どんなに技術を磨いたところで、生きている限り修練をし続ける必要がある。
ジークンドーの前身は「振藩功夫/振藩國術(JUN FAN GUNG FU)」と呼ばれ、これもまたリーが教えていた武術である。それには各種基本となる「型」が存在し、「ブルース・リー拳法」とも呼べる。
ジークンドーは、それを核にして作られた「型の無い」、“無形武術”である。
戦術
Single Direct Attack
ダイレクトに打ち出す一発の単純攻撃
ジークンドーの最も基本的な原則である「単純動作」。相手への最短距離をたどった攻撃を真っ直ぐ打ち出す。
SDAがタイミングよく決まれば、それだけで勝敗が決する場合もありうる。
また、フックやアッパーといった、一見曲線的な動きもジークンドーではここに分類されることがあり、その定義は幅広い。
Single Angle Attack
角度を付けて打ち出す一発の単純攻撃
全身の動き、腰の動作などによって、SDAにさらに角度を付加した攻撃方法。より対人的と言える。
特性上、相手の意表をつくことが重要になり、「相手の思ってもいないところからの攻撃」というのが基本。
ボクシングでジャブの後にフックを決めるように、SDAでのフェイントを利用しつつ間合いをしっかり意識すると、相手にヒットしやすくなる。
Attack By Conbination
あらゆるコンビネーションを用いて打ち出す連続攻撃
ジークンドーのABCは「2~3連打で相手を倒す」ことを目標とし、わずかな手数で相手の不意をつくこと。
上段・下段の打ちわけや変則的なリズムを利用し、相手を手玉に取るようになれることが重要。
組み合わせは基本的に自由。急所への攻撃等を含めることもある。
Hand immobilization Attack
相手の手や腕を掴んだり、叩いたり抑えたりするトラッピング技法によって相手の腕を固定して打ち出す攻撃
最初の「Hand」は省略されることも多い。
相手の衣服や髪の毛等を掴み、行動を無力化しつつ打ち出す攻撃。倒しや固め技を連携させる場合もある。
動きは非常に複雑だが、実際は頭よりも体が自然に動き出し一瞬で攻撃を終える。そのため経験が活きやすい戦術である。
Attack By Drawing
相手の攻撃を誘い出して迎撃する、カウンター攻撃
相手の力をも攻撃に転化することで、攻撃力は実に2倍にまで跳ね上がる。そのためわざと隙を作ることも。
隙を見せる方法には「ガードする手を遊ばせる」、「動きのリズムを変化させ、反射的なパンチを出させる」などがある。
ブルース・リーはこの戦術を得意とし、相手のジャブを誘ってカウンター攻撃をする姿は多く記録されている。
Progressive Indirect Attack
フェイントなどを用いてリズム・タイミングを崩して打ち出す間接攻撃
人間は、攻撃されそうになると体が自然に反射し、さらにこの反射は技術者であるほど顕著になる。
相手の反射によって出来た別方向の隙を攻撃するのがPIA。
PIAでは「角度を変え」、「動作を途切れなく続ける」ことが最重視される。水のように、流れるようにというリーの言葉を深く意識する。
実践
ジークンドーには、ルールが無い。一口に言えば、何でもありな武術なのだ。よって当然試合なんてものは存在しない。
目潰し、金蹴り、頭突き、踏みつけなど、何をしてもOK。考えられうる中での最上の攻撃手段を使い、相手を倒すことが求められる。
しかし実践のために必要なのは練習試合。イノサントアカデミーでは、そのための実践練習、ムエタイルール、スパーリング等が行われ、 その時に限っては防具などが装着される。
また、始祖であるブルース・リーの「実践は6秒以内に終わらせる」という思想に基づいて、超短期決戦が求められている。
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関連項目
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