日本文化チャンネル桜とは、日本の番組制作会社およびその番組群である。
単に「チャンネル桜」と呼ばれることの方が多く、ニコ動でのタグも大半は「チャンネル桜」である。
また、デモ活動や街頭宣伝活動などを行なっているのはチャンネル桜ではなく『頑張れ日本!全国行動委員会』という別組織であるが、チャンネル桜社長 水島総が幹事長を務めている、また、その活動をチャンネル桜が報道しているために同一組織として見られることが多い。
概要
自前の動画配信サイト「So-TV」やニコニコチャンネルで番組を有料で配信している他、YouTubeでも動画を配信している。番組の大半は報道・オピニオン番組であり右派色の非常に強い論調が売り。いわゆる「正論」系文化人や自民党右派に属する政治家がゲストとして出演することも多い。
また自らデモ・署名・集団訴訟・宣伝映画制作といった政治活動を主催・共催することが多く、政治団体的な側面も有している。このことからチャンネル桜の番組は「政治団体チャンネル桜」の「機関紙ならぬ機関番組」だと言われることも。
ただし、いかなる政党・宗教団体等からも金銭を受け取っておらず、癒着もない。チャンネル桜として街宣・デモ等を主催することもない。
人権擁護法案・外国人参政権・自由主義史観などネット右翼の間で関心の深いテーマを積極的に取り扱うため、ネット右翼系の政治活動の中で引用・転載されることも珍しくない。チャンネル桜側も一部の番組を著作権フリーにして積極的な転載を促している。ただしフリーでない番組を引用・転載した場合は削除されることがある。
右派色が非常に強いがゆえに、主要メディアで紹介されないような立場の意見や主張を報じることが多く、既存メディアの報道に不満を持っている右派系人士からは高い評価を得ている。
放送開始当初は視聴料(当初は有料放送)と広告宣伝費で運営費を賄う方針だったが、視聴者数もスポンサー数も伸び悩み、水島聡社長の個人資産を取り崩して運営費に回すタケノコ生活を続けた果て、私財が尽きた2008年9月をもって方針を転換。現在は支援者に一月一口一万円で個人スポンサーとなってもらい、運営費を確保する「二千人委員会」体制に移行しているが、目標とする2000人には未だ届いてない。
歴史
黎明期 - 平成16年8月~平成17年3月
終戦記念日にあたる平成16年(2004年)8月15日に記念すべき第1回放送を実施。当時は自前のスカパー!チャンネルで24時間の有料放送(月880円)を行っており、民謡や浪曲といった日本の伝統文化に関する番組やプロレス・格闘技番組など、政治思想と関係の薄い番組も放送していた。
平成18年(2006年)5月からはネット上でのオンデマンド放送を開始。これが現在の「So-TV」である。
2年8ヶ月間に渡り独立した同一チャンネルで安定した放送を行ったものの、有料視聴者・スポンサーからの収入が予想以上に伸び悩み、独立チャンネル確保にかかる費用の大きさもあって、経営状態は悪化の一途を辿っていった。
後退期 - 平成19年4月~平成20年9月
経営状況から見て独立チャンネルの維持は不可能と考えた水島社長は、自身が保有する株式資産を売却して負債の返済に充てるとともに、別チャンネルの時間帯を間借りする形態への移行を決断。平成19年(2007年)3月末をもって独立チャンネルとしての「日本文化チャンネル桜」はその姿を消すこととなった。また移行に伴い全編無料放送となった。
241ch(ハッピー241)への移行当初は平日4時間・土日3時間の放送枠を間借りしていたものの、経営難が続いたことから放送枠の縮小を繰り返し、241ch時代末期の平成20年(2008年)9月末には週約16時間まで縮小。その余波で文化・スポーツ番組は軒並み打ち切りとなり、現在のような政治オピニオン一本の番組体制へと移行した。
また、代表取締役社長の水島総は、平成19年(2007年)7月に従軍慰安婦問題を巡る米下院の非難決議に抗議する要望書を提出し、平成20年(2008年)1月には南京大虐殺不存在説の映画「南京の真実」を公開するなどの活動も行なっている。。
中断期 - 平成20年10月
241ch移行後もスポンサー数は伸び悩み、平成20年(2008年)9月には水島社長の私財もついに底をついた。抜本的な方針転換を迫られた水島社長は、熱心な視聴者・支持者に毎月1万円を払ってもらい、その資金で放送枠の間借り費用や番組制作費を賄うという「二千人委員会」計画を発表。月1万円という高額にもかかわらず、右派色の強いスタンスに惹かれた熱烈な支持者が次々に加入し、9月末には会員数800人を数えるようになる。
ところが折悪しく、241chを提供していたトランスデジタルが事実上倒産。241chも終了ということになり、当然ながら間借り人であるチャンネル桜も放送枠を失ってしまう。そのため10月はスカパー!での放送を断念し、「So-TV」でのネット配信のみを行うこととなった。
再生期 - 平成20年11月~平成21年8月
どうにか別チャンネル(216ch)での放送枠間借りに成功し、11月よりスカパー!での放送を再開したものの、放送時間は週3時間しか確保できなかった。その後、二千人委員会の会員数増加に合わせて少しづつ放送時間を拡大したものの、最初の1ヶ月に比べて会員数の伸びが鈍化したこともあり、平成21年(2009年)5月時点での放送時間は週8時間半に留まっていた。
ところが平成21(2009年)6月、突如として自前のチャンネル「スカイアイ/日本文化チャンネル桜」(219ch)を開局。2年2ヶ月ぶりに間借り生活からの脱却を果たす。もちろん24時間放送を継続するだけの資金はないので、チャンネル桜は毎日4時間だけ放送し、別会社に貸した残りの20時間分の賃料で独立チャンネルの維持費用を捻出するという計画だった。
しかし放送枠を貸した別会社がいきなり賃料を滞納。契約時に差し入れさせた保証金のおかげで赤字は免れたものの、結局独立チャンネルの維持は不可能となり、わずか3ヶ月でまたもや閉局となってしまった。
停滞期 - 平成21年9月~
平成21年(2009年)9月からはスカパー217chに移行し、週14時間の放送枠を確保。しかしその後は伸び悩み、平成23年(2011年)5月現在の放送時間は週13時間半となっている。
また資金源である二千人委員会も伸び悩んでおり、平成21年(2009年)9月末には1836人を数えた会員数は、その後未納会員の削除などで減少傾向に転じ、平成22年(2010年)5月末に1802人となると、それ以降全く増えも減りもしない状態となった。1年以上経った平成23年(2011年)11月8日時点でも1802人と表示されているため、実際の人数を反映していない可能性が高い。
支持者・他の保守系団体の間で議論となった出来事
東京都青少年保護育成条例改正案(非実在青少年規制)
表現活動を萎縮させる危険性をはらむ上、そもそも必要なのかどうかさえ疑わしいとして、ネット上で激しい批判を浴びていた平成22年(2010年)の東京都青少年保護育成条例改正案に対し、チャンネル桜は改正案を支持する旨明言。さらに漫画・漫画家を蔑視するような石原慎太郎都知事の発言も不問に処するなど、徹頭徹尾規制推進派としての姿勢を崩さなかった。
これを受け、表現の自由を重視する一部のネット支持層がチャンネル桜への失望を表明する一方で、これを機に規制の正当性を声高に主張したり、反対派に「左翼」「漫画左翼」「変態」「ロリコン」とのレッテルを貼る支持者も現れ始めるなど、表現規制を巡るネット上での議論に一定の影響を与えるに至っている。
チャンネル桜が統一協会と繋がっているという真偽不明の情報が以前からあり、水島が関係は一切ないと説明したため一度は静まるも、統一協会なども表現規制に賛成していることを一切触れずに都条例に賛成を表明したため、再び疑われるようになる。
東日本大震災での被災地における暴言問題
東日本大震災発生後、NHKのインタビューに対して物資不足で困っていると答えていたいわき市の老人ホームに物資を搬送し、その様子を撮影・放送することにしたチャンネル桜。ところが行ってみると既に物資は揃っていたため、老人ホームの経営者と揉めた挙句に、運搬スタッフが経営者らを痛烈に罵倒するという事態が生じた。
この様子も含めて後日放送したところ、視聴者から批判が殺到。これに対してチャンネル桜側は「被災者いじめではなく、嘘をついた老人ホーム側が悪い」「そもそも断水しただけの老人ホームの人間は被災者と言えるのか」「助け合いの時代に一人だけ助けてと言うのは間違っている」「東京の水買占め問題と同じだ」などと、対応は正当なものだったとの主張を繰り返し謝罪を拒否した。
この見解に対しては「老人ホームの人間もれっきとした被災者であり、冷静な判断を取りづらいのだから、余裕のあるチャンネル桜の側で事前に調査をすべきではなかったか」「老人ホームの側に落ち度があったとしても、被災者を面と向かって痛罵するのはいかがなものか」と言った批判が相次いだ。さらには放射能汚染の心配がないとされている水道水を飲み干すパフォーマンスを(誰も頼んでもいないのに)行ったため批判された。
<問題となった動画>
水島社長の「キムチを食べるのは低所得層」発言
平成23年(2011年)2月17日にフジテレビで放送された「笑っていいとも」番組内で、世代別の女性を対象に行われた「好きな鍋料理」のアンケートで、全世代でキムチ鍋が1番人気だと発表された。しかしこの頃のフジテレビの偏向報道が目立っていたため、捏造ではないかと2chなどで疑われるようになる(後のフジ韓流「偏向」デモの伏線の一つと言える)。
そこで改めてチャンネル桜が調査した結果、10~40代の全ての1位は同じキムチ鍋であり、50、60代以上はキムチ鍋を選択しないという結果だった。この結果を受けて番組コメンテーターは「キムチを食べるのは低所得層」などと発言したため、韓国人だけでなく日本人からも批判された。
ただし、印象論ではなく実地に調査を行い、捏造説にとって都合の悪い調査結果であっても(キムチ鍋を食べる人間を馬鹿にした姿勢とはいえ)結果を正直に報道した姿勢に対しては一定の評価をする意見も見られた。
手抜き解説
フジいいともで好きな鍋料理アンケートにてキムチが人気と放送される
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そのアンケート結果を疑ったチャンネル桜が渋谷と新大久保でそれぞれ100人にアンケートを採る
↓
しかしその調査結果でも世代別第1位のほとんどはキムチ鍋だった
(50代と60代以上にキムチ鍋は選ばれなかった模様)
↓
その結果を受けて番組コメンテーターが「キムチを食べるのは低所得層」などと発言
↓
韓国からはもちろんだが日本人からもその発言を批判される
韓国側の批判
「差別だ」「韓流人気への嫉妬だ」など
日本側の批判
「(本場物ではなく浅漬風味なら)日本人もキムチを食べる」「他国の食文化を悪く言うな」など
8・21フジテレビ偏向放送抗議デモでの騒動
詳細→韓流フジテレビ批判騒動
→デモ詳細→http://fijidemo87.wiki.fc2.com/
平成23年(2011年)8月21日、フジテレビの偏向報道・放送に対して2つの抗議デモが発生。もともとこのデモは2ちゃんねるで発生し(以下デモA)、8月7日にデモを予定していたが、突然決まったことですぐにデモの許可得られなかったため21日に正式に行われた。8月9日に頑張れ日本!全国行動委員会が、このデモへの支持を表明し、同日にデモを主催した(以下デモB)。以後も街宣やデモを何度か行っている。
デモB終了後、参加者は国旗を持ちながら再度フジテレビ本社前に移動。歩道は集中しすぎた参加者で溢れかえったため、一般の通行人が通行不可にさせてしまう事になった。警察に拡声器で注意されるもシュプレヒコールは止む様子はなかった。その後フジテレビに抗議文を送るも最初は受取を拒絶されたため、フジテレビ周辺で混乱が発生した。最終的にフジテレビ側は抗議文を受け取った。
この批判を受けた水島は、「街宣の音量を上げたのはフジテレビ敷地内の放送・音楽等の音量を上げられたため(街宣の弾圧があったため)」「デモを重ねたのは先行のデモを街宣で応援したかったから」「デモを乗っ取るつもりはなく、不快な思いをさせてしまったことを謝罪する」と動画内で謝罪をした。
フジテレビ社屋国旗取替強行騒動
平成23年(2011年)9月19日に頑張れ日本!全国行動委員会が主催したデモの終了間近、デモ隊がフジテレビ社屋に掲揚されているボロボロになった国旗を半強制的に取り替える騒動があった。
(執筆未完)
在特会との関係
「行動する保守」系団体の最大手である「在日特権を許さない市民の会(在特会)」とは、ある程度共通した主張を掲げているものの、桜井誠会長がチャンネル桜を「保守ビジネス」と批判してきた経緯から、お世辞にも仲が良いとは言い難い関係にあった。それでも黒田大輔日護会代表の仲介もあり、一時は共闘関係を築くことに成功する。
ところが平成23年(2011年)6月に行われた拉致被害者救出デモにおいて、在特会関係者が「朝鮮人を殺せ」「叩き出せ」などと罵声を挙げ続け、さらに救う会の幹部をも怒鳴りつけるという行為に及んだことで水島社長が激怒。デモ報告の番組中で「誠に汚くみっともない」「日本人としての誇りのかけらも感じられない」「寄生虫のような連中」と在特会側を激しく批判した。
これに対し、在特会の桜井会長はニコニコ生放送の中で、「『朝鮮人を殺せ』という主張のどこがおかしい」「殺し合いをする覚悟がないなら拉致問題に手を出すな」「拉致問題が解決すると拉致問題に『寄生』しているチャンネル桜が困るんだろう」「チャンネル桜の本社に街宣をかけることも辞さない」と猛反発。
だが、平成22年(2010年)8月13日には在特会の京都にある朝鮮学校への抗議を支持したり、2日後の15日の頑張れ日本!全国行動委員会のデモを在特会が支持したり、平成23年(2011年)9月2日には水島社長と桜井会長の間で親交的な場面が見られているので、それなりには認め合っていると思われる。
削除対応
思想宣伝のため積極的な引用・転載が行われていることは既に述べたとおりだが、「So-TV」で有料配信をしていることもあり、著作権フリー番組以外の番組引用・転載には削除依頼が出されることも珍しくない(参考)。
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