東脳は、東のはてに、浮かぶ島。
概要
東脳(とんのう)とは、マルチメディアアーティスト、佐藤理によるMacintosh用の輪廻転生アドベンチャーゲーム。
1994年に発売され、デジタル・エンタテインメント・プログラムで作品部門最優秀賞を受賞。
1995年にWindows版及び英語版「Eastern Mind - The Lost Souls of Tong-Nou」を発売。
「東脳」という人の顔をした島(緑スキンヘッドのアレ。ちなみにモデルは作者=佐藤理氏のご尊顔)に魂をとられた主人公・リンが様々な幻想生物に転生して、
それぞれの生に与えられた使命を果たし「臨兵闘者皆陣列在前行」の九字を集めながら魂を取り戻すストーリー。
システム的にはインターネットの脱出ゲームだが、このゲームにおいて死=ゲームオーバーではない。
輪廻転生がテーマであるため、それぞれの姿で「役割を終えてから死ぬ」ことが一番の目的にある。
(そのため死とは無縁の存在になってしまうとこのゲームにおいて最大のバッドエンドを迎えることになる。)
LSDの例に倣って、佐藤理らしい非常にサイケデリックで不可解な作風が特徴。また、のちにクーロンズ・ゲートに関わる木村央志もA&Rディレクションとして参加しており、そのためか東洋思想の影響が強い。
現代のメジャーなゲームで例えるならゆめにっきのサイケさと不可解さを数千倍に上げたものだと思えばわかりやすい。
だがテーマそのものや一見得体の知れないキモい奇怪な生物達が繰り出す会話そのものは結構まとも。実際、OPと最序盤の展開・キャラデザの壁を乗り越えれば、残りは意外と普通のゲームである。
おまけに見慣れるとキャラクターたちがだんだん可愛く見えてくる…という声も?
主なキャラクター紹介
主人公
輪廻転生する都合上、全員で9人いる。つまり、この9人に輪廻転生しなければならない。
- リン(臨)
- 今作の主人公。自分のタマシイが無くなっていることに気づき、訪れる死を免れるため東脳に奪われたタマシイを取り返しに向かう。
プロローグでは白い人間のような姿で描かれており、実際の容姿は不明。アイテムの手鏡にも自分の姿が映らない。
リンという中性的な名前だが、恐らく男性。仮に女性だとしたらゲーム中のある展開が百合になる。かなりハイレベルな百合だが。 - ビョウ(兵)
- トカゲのような外見。目を外して取り付ける専用のネジ回しを持っている。擬態プレイが好き。このキャラクターに出されるある難問で詰むプレイヤーが非常に多い。
- トウ(闘)
- 指が長いひょうたん顔の生物。眼鏡をかけている。東脳で生まれた新しい生物の戸籍登録がお仕事。ちなみに登録名を3回ミスると死亡するシビアな職場。
- シャ(者)
- 体が楽器でできている生物。欲望の国の王から4つの楽器を集めてくるよう命じられる。しかし、天の声から「絶対に欲望の国の王に渡すな」と言われる。
- カイ(皆)
- 全身が燃えている生物。間違って生まれてきたある者のロウソクの火を消す(=その者を殺す)よう時間の国の王から命じられる。
- ジン(陣)
- 全身が青銅でできている生物。本当は黄金の体で生まれたかったらしい。…まあ、人生いろいろあるさ
- レツ(列)
- ただの蟻。ずっと地面をうろうろし続ける彼にも果たさなければならない使命がある。
- ゼン(前)
- 水色の8本足の生物。夢見の国の見張り番。完全に壁の氷の中に埋まっており、出られない。
- ギョウ(行)
- 燃えている虫。時間の国を自由に飛び回っている。
国王たち
上画像の左から順に紹介する。
- キンギョウ
- 全身が金でできた欲望の国の王。ドーナツを2つくっつけたような顔と胴体で、腹の部分に大きな口がある。寝る時は内股。基本寝ている。
- スイギョウ
- 夢見の国の王。身長がでかい。事なかれ主義。ちなみに下にいる黄色いモンスター(ツォモン)がスカート(のような部分)の中に隠れており、初見だとそっちが本体と勘違いされることもある。
- カギョウ
- 全身が燃えている時間の国の王。かっこいいポーズを模索しておりやたらと動きまくるが、プレイヤーや動画視聴者からは笑われている。
- モクギョウ
- 全身が木でできた、というか木と一体化している生命の国の王。頭に鳥がついている。蟻アレルギーなので、頭の鳥がそれを食べてくれると期待しているが特に役には立っていない。
その他キャラクター
- ファンシン
- 「ふぁんふぁんふぁんふぁんふぁんふぁんふぁんふぁん」と言ってくる生き物。東脳のいたるところにいる。いきなり前触れなく出現し「ふぁんふぁんふぁん…」と専用ボイス(?)付きで歌いながら言ってくるため、初見だと大体ビビる。しかし、言葉足らずながらも東脳世界の情報を言ってくれるかなり愛くるしい性格なため「かわいい」と感じるファンも多い。多い…?
- ガショウ
- 時間の国の灯台のワープ役。「ガショーンガショーンガショーンガショーンガショーンガショーン」という専用BGMが流れるうるさい奴ではあるが、1階から4階まで一気に連れて行ってもらえる。誕生日が1月1日(賀正)。
- アーとウン
- 夢見の国の宮殿入口の、小さな竜のような外見をした2人の門番。入口でなぞなぞを出しプレイヤーを試す。いつかは黄金を手に入れたいと考えており、宮殿の2人の部屋に行くと微笑ましい会話を聞くことができる。
- ツォモン
- 夢見の国の一つ目の生き物。勾玉から夢を作るという重要な仕事をしており、普段はスイギョウの中に隠されている。かなり目を使う仕事であるため、内心「もうヤダ」と疲れている。実際目が衰え始めており、主人公のビョウが代わりの目玉を探しにいくことになる。
- チファン
- 欲望の国の口と手と胃袋しかない生き物。食べ物を胃袋に入れ、吐き出してからまた食べるということを繰り返している。ちなみに箸を持っていると主人公に料理を出してくれる。料理の出し方については触れないでおく。
- ブリャオ
- もともとは月の住人だったが欲望の国に強引に連れてこられたため、かなり意地の悪い性格になっている。部屋に入ってきた主人公にいきなりロシアンルーレットを仕掛けてくる。失敗するとあるトラウマイベントを見ることになる。
- ショオミ
- 欲望の国の生物。上の方向にそびえたった棒の形をしており、回転する寝台に鎮座している。この人(?)の部屋に入る前には年齢を尋ねられるが、原因はこのキャラクターがストレートに言うとXXXであるため。ちなみに夫人が3人いるが、入力したのが18歳未満だとこの3人にも規制がかかる。
- マイチウ
- まぼろしの市場「ホゥアン」にいる一つ目のようで二つ目の人。関西弁。独特な物々交換の規則に従って物を売ったり買ったりしてくれる。「あんたのモンは私のモン、私のモンはあんたのモン」ということらしく、あるプレイヤーからは「逆ジャイアン」と評された。
- ?????
- 手をたくさん持つ生き物を描いた、動く壁画。名前を名乗らないものの、東脳世界の各国に1つずつあり、主人公にいろいろ助言をしてくれる。
関連動画
関連項目
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