次元幽閉とは、アニメ「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX」に登場するカードである。
特別に正式名で呼称することが求められない場では、「幽閉」と略されて呼ばれることも多い。
概要
アモン・ガラムがエド・フェニックスとのデュエルで使用した罠カード。テキストは「相手モンスターの攻撃宣言時に発動する事ができる。その攻撃モンスター1体をゲームから除外する。」(アニメGX第144話による)。
エドの「D-HERO ドレッドガイ」の攻撃に対して発動、破壊耐性を持っていたドレッドガイを除外した。
このときのアモンの「破壊ではない、除外してもらう。」という台詞は、このカードの強さを的確に表している。
このカードの発動時、エドはこのカードを「カウンタートラップ」と呼んでいたが、アニメで確認できるこのカードに、カウンター罠のアイコンはなかった(後述のOCGでも通常罠)。攻撃に対するカウンターという意味だろうが、実際にある用語を使ったために紛らわしいことになってしまった。
OCG版
ゲーム「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ WORLD CHAMPIONSHIP 2008」(2007年11月29日発売)の付録としてOCGに登場。
通常罠
※「ストラクチャーデッキ-機光竜襲雷-」収録のカード(SD26-JP033)による
相手モンスターの攻撃宣言時、攻撃モンスター1体を選択して発動できる。
選択した攻撃モンスターをゲームから除外する。
このカードに類似する、攻撃モンスター1体を破壊する効果を持つ「炸裂装甲」も存在する。
しかし、除外は破壊に比べて対策が取りにくい。破壊は「スターダスト・ドラゴン」など、対策となるカードが多く存在し、破壊されても墓地へ行くために、「死者蘇生」などで再利用することも難しくないが、除外にはそのような対策となるカードが少なく、除外されたモンスターの再利用も難しい。そのため、除外はかなり有効な除去となる。
登場時には便利な除去カードとして、魔法・罠で除去しつつガジェットで攻める【除去ガジェット】デッキなどに迎えられた。
一方で、弱点も存在する。
攻撃宣言時に発動する罠のため、攻撃より前にこのカードを除去されてしまったら力を発揮できない。近年は「大嵐」(後に禁止)や「ハーピィの羽根帚」、「サイクロン」などの規制が緩和されたこと、「ダーク・アームド・ドラゴン」をはじめ、攻撃前に簡単に除去効果が使えるモンスターが力を伸ばしていることなどから、このカードの採用を見送るケースが多い。特に最近は伏せカードへ対応しやすい甲虫装機の登場などもあり、このカードをはじめ攻撃反応型の罠にとっては厳しい状況が続いていた。
甲虫装機は制限改訂の影響で弱体化したが、伏せカードが除去されやすいという状況が大きく変わったわけではない。ただし、現在は伏せ除去に対する抑止力としてアーティファクトが存在するため、デッキ次第では除去されにくいかもしれない。
とはいえ、除外が有力な除去であることには変わりないため、使われたら使われたで面倒なカードではある。特に近年は破壊耐性を持つエクシーズモンスターなどが数を増やしていることや、破壊されても再利用しやすいペンデュラムモンスターの登場などもあり、除外するメリットも大きくなっている。
また、破壊よりは面倒といえ、除外に対する対策も存在する。
特に「次元融合」が禁止指定を受ける以前は、「次元融合」で除外したモンスターを特殊召喚されることを恐れて、このカードより「炸裂装甲」を優先するケースもあった。
「次元融合」が禁止指定を受けてからそのような事例はなくなったが、除外を防ぐ「王宮の鉄壁」や、除外されたカードを再利用する手段として「異次元からの埋葬」などは存在する。現在は「次元融合」と類似する「異次元からの帰還」も禁止指定を受けているので、多少は再利用されにくくなっている。
積極的に除外カードを利用するデッキを相手にした場合、かえって除外しないほうがよいということもある。その脅威が「炸裂装甲」を優先して採用させるほどのものかはまた別の話であるが、相手のデッキ次第では除外利用カードを警戒する必要もあるだろう。
優秀なカードではあるが、初出がゲーム付録のため、入手は困難であった。そのためそれなりに値の張るカードではあったが、後に「ストラクチャーデッキ-マシンナーズ・コマンド-」で再録されたことで入手が容易になった。現在ならば「ストラクチャーデッキ-機光竜襲雷-」からも入手可能。
同じく除外による除去を行えるカードとして「奈落の落とし穴」がある。タイミングが(特殊)召喚成功時なので、攻撃前に伏せカードを除去できる「ダーク・アームド・ドラゴン」などのモンスターに対してはそちらのほうが強い。こちらの利点は低攻撃力のモンスターにも使えることや、破壊を介さないため破壊耐性を回避できること。
イラストでは「放浪の勇者 フリード」と「ガガギゴ」が描かれている。様子を見るに、「ガガギゴ」の攻撃に対して発動されたのだろうか。
日本では後述のゲーム内リストを除き一度も規制を受けたことはないが、海外では2013年9月1日の改訂で準制限カードに指定された。海外では「大嵐」が禁止であり、伏せ除去の手段が少ないためか。しかし、2014年7月14日に解除されている。
その他の作品において
WORLD CHAMPIONSHIP 2008で配信されたオリジナルの禁止・制限リストである、スペシャルリスト及び世界大会用リストでは、このカードは準制限カードに指定されている。
2009年以降のWCSシリーズでは特に規制を受けていない。
D・チーム・ゼアルではマスター・イビルが遊馬とのデュエルで使用。
「No.39 希望皇ビヨンド・ザ・ホープ」の攻撃に対して発動し、除外しようとしたが、その前にビヨンド・ザ・ホープが自身の効果で除外されてしまった。
アニメ5D'sでは、このカードと似たような「次元均衡」というカードが登場した(OCG化はされていない)。チームユニコーンのアンドレが使用しており、「サンダー・ユニコーン」が「ブラック・ローズ・ドラゴン」の攻撃を受けた際に発動された。
テキストは以下。
通常罠
※「遊☆戯☆王ファイブディーズ」第99話による
自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターが戦闘によって破壊され墓地へ送られた場合、
選択したモンスターを破壊した相手の攻撃モンスター1体をゲームから除外し、
選択したモンスターを自分の墓地から特殊召喚する。
その後、バトルフェイズを終了する。
このカードと似たようなカードではあるが、以下のような相違点がある。
- 発動のタイミングは指定されていない。
そのため、「サイクロン」などに狙われてもチェーンして発動することが可能。当然、この効果を受けたモンスターに対して相手が不用意に攻撃することはないだろうが、攻撃をためらわせる効能は期待できる。 - 自分のモンスター1体を対象に発動する効果である。
そのため、直接攻撃から身を守ることはできない。 - 攻撃モンスターを除外するのは、選択したモンスターが戦闘破壊され墓地へ送られた後。
そのため、戦闘破壊は免れられず、戦闘ダメージも受けてしまう。また、自爆特攻のように選択したモンスターが破壊されない場合や、破壊された後に墓地へ送られない場合は対処不可。一方で、戦闘破壊を条件とする効果を発動させつつ、後の特殊召喚でモンスターを使いまわすことができる。
アニメではあまり意識されないルールではあるが、ダメージステップ中の処理になるため、除去されそうなモンスターをコストにカードを発動すること(サクリファイス・エスケープ)を行われにくいという利点もある。 - 攻撃を受けるモンスターが守られるわけではなく、破壊された後に特殊召喚される。
そのため、特殊召喚不可なモンスターにはこのカードが使用できないし、「神の警告」など特殊召喚を封じるカードに弱い。一方、特殊召喚されたときに効果を発動できるモンスターとは相性がいい。 - バトルフェイズを終了する効果を持つ。
このため、後続の攻撃を防ぐことができる。
タッグフォース6でもこの「次元均衡」がオリジナルカードとして登場している。そちらは発動タイミングが「自分フィールド上に存在する獣族モンスターが相手モンスターの攻撃によって破壊され墓地へ送られたとき」とされており、バトルフェイズ終了の効果は消されている。
単体で使い勝手のいい除去となる「次元幽閉」と違い、完全にコンボを前提とした効果であるため、採用の際はよくデッキと相談する必要があるカードとなっている。
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関連項目
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