(ライバルの名称は現時点では未確定なので今後の動向によって書き換えられる可能性があります。)
概要
木吉カズヤ、鎌田吾作、城之内悠二、いかりやビオランテ。数々の強敵を打ち負かして来た兄貴。
あまたの戦いの中で、彼の心は肉染みに染まりつつあった。
戦えど戦えど真理は見えず、現れるのはパンツレスラーのみ。
もしかしたら、俺たちは神の肉人形♂にすぎないのではないか?
生きる意味は…あるのか?
戦う意味を見失った兄貴は、次第に、肉染みのみを原動力に戦うようになっていった。
ふと気がつくと、兄貴は一人の男と小競り合いを始めていた。
相手の名は須藤さん。自分よりも大きい体格から、日々の激しいトレーニングがうかがえる。
そして表情には、明らかな肉染みが浮かんでいた。彼もまた、『こちら側』の人間のようだ。
「紳士なん?…紳士?」
「家はないんですか…」
「生意気やな?あぁん?」
いくつかの言葉の末、二人の戦いは始まった。
間違いなく、最強の相手であった。
ありったけの肉染みをこめたエルボーも反則スレスレのフェアリー♂ギロチンチンも、
すべてを受け止められ、恐れる事無く立ち向かってくる。
何故だ?何故、恐怖に打ち勝てる?
歪み不明の相手におののいた瞬間、須藤さんの連撃を許した兄貴は、
須藤さんに股間を上にした無防備状態で持ち上げられてしまう。
そして須藤さんは、兄貴のふぐり♂を鷲掴みにしながら、こう吐き捨てた。
「毎日が辛い…!」
彼もかつて、兄貴に憧れていた妖精の一人であった。
闇に染まった兄貴の噂を聞くたびに。締め付けられる胸。
苦しみを飲み込みながら、筋トレに励んでいた。
いまのだらしねえ兄貴に、自らの手で、終止符を打つ為に。
彼もまた、肉染みの渦に堕ちた、悲しきレスラーだったのだ。
兄貴は気づいた。自分の生きる意味に。
自分の強さが、誰かの希望になっていた事に。
己の過ちに気づき、戦意を喪失した兄貴をいたぶりつつ、須藤さんは悲しげにこう呟いた。
「好きなんでした…参ってる…」
須藤さんが思いのうちを吐き出した瞬間、次元が歪み、二人は時の回廊に飲み込まれた。
そして二人が吐き出されたのは、二人が出会ったばかり、まだ試合が始まる前の「その時」であった。
先程と全く同じ…いや、一つだけ違う。彼らは、パンツ一丁になっていた。
時空の流れがはぎ取ったのか?それとも、ここは先程の場所とは違う、パラレルワールドなのか。
そんなことは、二人にはどうでも良かった。
「まだパンツは残っている、決着はついていない」
不思議な事に、先程まで敵同士だった二人の脳はまるでシンクロするかのように、同じ想いを感じていた。
二人にとってそれは第二ラウンド開始のゴングであり、神のくれた時間だった。
もう一度、レスリングができるーーーーー。
「悲しすぎるもんね…」
「ありがとやんす」
生まれ変わった二人の『一試合目』が今、始まる。
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