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流し満貫とは、麻雀の役の一つであり、文字通り満貫役。具体的な和了の形を持たない特殊な役である。一応は正規役である。
概要
荒牌流局（途中流局ではない流局）時に、自身の捨て牌が全て幺九牌（1,9の数牌及び字牌）であり、尚且つ一度も捨て牌が鳴かれていなければ成立する役。その性質上、和了の形は存在せず、流局時に聴牌である必要もない。別名幺九振切り（ヤオチューフリキリ）。
一般的には流局時に自ら流し満貫であることを宣言し和了となるが、和了とはみなさず、点数の享受だけを行い、流し満貫自体は和了と認めないケースもある。後者のケースの場合は、不聴であれば不聴罰符の支払いの必要が生じる場合もある。
流し満貫という名の通り、点数は満貫となり、扱いはツモ和了に相当する。よって、親であれば4000オール（12000点）、子であれば2000/4000（8000点）となる。
また、条件さえ満たせば、普通の麻雀であれば理論的には3人まで和了することが出来るが、ダブロンやトリロンを認めない場合は上家取り、或いは三家和流局となる。ダブロンやトリロンを認めるルールの場合は、ツモ和了であるが、複数人のツモ和了という他の役では見られない変わった状況が起きうる。
なお、当然のことながら錯和(不聴立直など)のときは流し満貫不成立になる。
流し満貫のメリット/デメリット
自身の捨て牌が全て幺九牌という条件を満たす為には流局まで平均して17,18牌の幺九牌を捨てるということが求められる。幺九牌自体は13種類52枚であるため、52枚の内17枚くらいということで、三人麻雀ならともかく、普通の四人麻雀であれば、よほど幺九牌に恵まれていなければ17枚の幺九牌を捨てるという条件そのものが難しい。
そして、17枚の幺九牌を捨てるということは、場合によっては国士無双、そうでなくとも混老頭＋七対子や、対々和などの点数が高くなりがちな役の成立のチャンスを逃していることになるため、捨て牌でこれらの役が成立しているというケースも十分にある。
しかしながら、幺九牌の打牌は序盤であればさして珍しいことではなく、中盤以降になるまで流し満貫を警戒されるリスクはあまりないというメリットはある。また、他のプレイヤーがリーチを掛けてきた場合も、幺九牌は比較的安牌になりやすいことから、防御に回りながら、あわよくば流し満貫を成立させることも可能である。
ただし、中盤以降に流し満貫を警戒されると、流し満貫を阻止するために幺九牌をポン、チーされたり、幺九牌で待たれたりする可能性もあるため、後半運良く最後まで幺九牌を捨て続けられるか、というと、やはり難しい。更には前提が荒牌流局であることから、完成間近という段階で他のプレイヤーが和了してしまうという事態もあり得る為、幺九牌が尽きずに、尚且つ、他のプレイヤーが和了しないという状況の両方を満たせないと和了にたどり着けない。
そして、当然ながら、途中で幺九牌が尽きてしまったり、捨て牌を副露されてしまった場合は、流し満貫は不成立となってしまう。ただし、国士無双が不成立確定になった時と異なり、途中で流し満貫の成立を諦めたとしても、幺九牌を捨て続けていれば中張牌が手牌には多く存在するだろうから、国士無双ほどに壊滅的な手ではないことが多い。場合によっては流し満貫は出来なくなっても聴牌している、というケースもあるだろうから、それほど悲観的になることはないだろう。
このように流し満貫にはメリット、デメリットが共に存在している。最初から流し満貫を狙う、というよりはヤオ九牌が多く、更にツモにもヤオ九牌が多いと思ったら視野に入れてみると良いだろう。ただし、敢えて最初から流し満貫を狙っていく、という場合は役牌となる字牌は早めに捨てるべきである。
歴史
流し満貫は麻雀が日本に入ってきてから考案された役であるとされており、戦後になると麻雀のルールブックなどでも紹介されるようになったと言われている。その為、一応現在ではローカル役ではなく、正規の役とみなされているのだが、ローカル役から始まった役であることと、他の役と比べて特殊な和了条件であることが相俟って、ローカル役扱いされてしまっている一面は否めない。
実際に、雀荘や麻雀ゲームなどでも採用されていないケースがあるため、事前の確認が望ましい。
主な麻雀ゲームにおける採用状況
採用状況は採用されていれば○、不採用なら×としている。
採用されているものは、成立時の扱いは和了と認められるか認められない（流局扱い）かを記してある。
なお、採用されている場合はいずれも満貫或いは5翻役となっている。5翻役の場合であっても他の役と複合する可能性はないため実質満貫である。
| ゲーム | 採用状況 | 成立時の扱い | 備考 |
| ハンゲーム 麻雀4 | ○ | 流局 | 割れ目ルールであっても割れ目の適用は無し 競技ルールでは不採用 |
| ハンゲーム 三人麻雀 | ○ | 流局 | |
| 天鳳 | ○ | 流局 | 不聴罰符の享受は無し |
| 真・雀龍門 | ○ | 流局 | 不聴罰符の享受は無し |
| MJ5 | ○ | 和了 | |
| 桃色大戦ぱいろん | ○ | 流局 | 回数の記録はされる |
| 東方幻想麻雀 | ○ | 和了 | 八連荘の条件も満たせる 青天井の場合は8000（12000）点で固定 |
| ロン2 | × | ||
| 麻雀格闘倶楽部 | ○ | 流局 | 競技ルールでは不採用 |
| 雀魂 | ○ | 流局 |
ルールの揺れ
- 和了とみなすルールと和了とみなさないルールがある 和了と見なす場合は供託料や積み棒を享受出来るし、親であれば連荘となるが和了と見なさない場合は供託料などの受け取りは出来ないし親流れとなる
また、流局扱いであっても供託料の受け渡しは行わないケースもある - 自身が立直すると不成立とするルールもある(もっとも、么九牌だけ切って門前で聴牌し、かつ立直後に么九牌しかツモれないで更に和了も放銃もしないということ自体がレアケースとも言えるが)
- 振聴立直・立直時ロン見逃しを禁止とする場合、自身が立直しても流し満貫成立する場合でも錯和になり流し満貫無効とするケースがもある
- 自身が副露すると不成立とするルールもある
- 流し満貫となっているが、倍満、役満などとみなすルールもあるようである
実演
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実演2
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関連項目
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