浮遊要塞(艦これ)とは、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場する敵キャラクター(深海棲艦)である。その姿から、「たこ焼き」と通称されることが多い。
2014年8月時点で艦種が「浮」と表示される深海棲艦は浮遊要塞・護衛要塞・護衛要塞flagshipの3種類が確認されているが、形状・役割ともに現状ではほぼ同じものであるため、本記事では一番最初に登場した[1]「浮遊要塞」に表記を統一して記述する。
概要
「護衛要塞」の名が示すように随伴艦として配置され、出現時はたいてい1艦隊に複数出現する。期間限定海域(通称イベントマップ)のボスマスを中心とした高難度マスに出現し、イベント海域における登場回数は5回となかなかの頻度である。もうダイソンが抜きそうそうだが……なお、泊地棲鬼や装甲空母姫など一部ボスクラスのイラストにもそれらしきものが描かれている。これが従えている浮遊要塞そのものであるか、あるいはそれとは別に身辺警護用のミニたこ焼きが存在するのか、はたまた一部深海棲艦が搭載する新型艦載機であるかは判然としない。
要塞のイラストは3パターン存在し、浮遊要塞と護衛要塞については搭載している艦載機の種類で見分けることも可能である。開幕航空戦に参加し、昼戦・夜戦では砲撃を行う(潜水艦がいる場合は対潜攻撃)他、装備には雷装が表示されていないが雷撃も行う。開幕雷撃以外の戦闘フェイズに参加し、HPが満タンであればその身を挺してボスをかばい、中大破状態でも持ちこたえてボスへ向かうべき戦艦・空母艦娘の攻撃を受け止める場面も見られる侮れない存在……のはずである。
通常海域においては出現するのは「カスガダマ沖海戦」(通称4-4)のボスマス(浮遊要塞)、ならびに2014年9月12日のアップデートで追加投入されたExオペレーション「北方海域戦闘哨戒」(通称3-5)の上ルートボス前(護衛要塞)の2か所である。後者のマスでは5隻のたこ焼きがほっぽちゃんを護衛する編成もあり、赤城・加賀に烈風・烈風改をガン積みしても航空優勢を取れない。
「癒し」としての浮遊要塞
「要塞」として猛威を振るうはずの浮遊要塞であるが、「たこ焼き」呼ばわりされるように多くの提督にとってはそれほど脅威ではない。その理由を説明する。
1.やわらか要塞
「要塞」という名前とは裏腹に、そこまで重武装・重装甲ではない。改造&フル改修済みの艦娘と比較すると、重巡以上戦艦未満のHP、軽巡並みの火力、睦月型駆逐艦未満の雷装とどれもこじんまりとしており、そこそこのHPがあっても航空戦や支援艦隊の攻撃、開幕雷撃を浴びて退場することが稀によくある。また、護衛要塞・浮遊要塞は3つあるスロットが砲+艦載機×2、護衛要塞flagshipは4つのスロットが砲+艦載機×3であり、いずれも昼戦の弾着観測射撃ならびに夜戦の連撃&カットインの発動要件を満たさない。夜戦における能力不足はごほうび顕著であり、よほど運が悪くない限り要塞からの攻撃は単発砲撃のmissあるいはカスダメを受けるだけで済む。加えて、護衛対象がHP500で雷撃無効だったり胸部装甲にたこ焼きを仕込んでいたりする上、護衛対象だったはずなのに自分以上に護衛任務で大活躍したりするし、通常海域にはたこ焼きのステータスを3周りぐらい強化した極悪なやつがいるので自然と影が薄くなるという点も否めない。
また、高難度海域の解放に合わせてボスとなる姫・鬼はもちろんのこと重巡以下の補助艦艇でもflagship改や後期型などの新型艦が投入され、2014年夏イベントでは空母ヲ級flagshipがグラフィックはそのままにミニたこ焼き的な見た目と強力な性能を持つ艦載機を搭載するものも出現した。その一方、たこ焼きの強化については謎の沈黙が続いている[2]。
2.タ級の席ねーから!
無限に湧き出る深海棲艦ではあるが、一度の戦闘で出現するのは6隻のみである。そして、要塞は多くが複数で出現する。するとどういうことになるか、実在した敵編成を使って脅威を比べてみよう。例として「南方海域強襲偵察!」限定第4海域「敵大型超弩級戦艦を叩け!」ボスの編成を挙げる。簡単に言えば「2013夏イベE-4ボスマス」である。敵の編成は2パターンとなる。
敵編成 | 陣形 | |
パターン1 | 南方棲戦姫flagship、戦艦タ級flagship、戦艦タ級flagship、護衛要塞flagship(A)、護衛要塞flagship(B)、護衛要塞flagship(C) | 単縦陣or複縦陣 |
パターン2 | 南方棲戦姫flagship、護衛要塞flagship(A)、護衛要塞flagship(B)、護衛要塞flagship(C)、護衛要塞flagship(A)、護衛要塞flagship(B) | 輪形陣 |
まずパターン1についてであるが、硬い・強い・かわいいの三拍子そろった戦艦タ級flagshipの凶悪さは説明不要であろう。単縦陣・複縦陣にT字有利が加われば味方戦艦もワンパン大破されかねない。昼戦をしのいでも夜戦で無慈悲なカットインを敢行して[3]貴重な夜戦要員が一縷の望みとともに叩き潰される恐れもある。一方、パターン2を見てみよう。前述のとおり護衛要塞は撃沈しやすいうえ、夜戦に持ち込めば置物同然である。更に、輪形陣を取ると旗艦がかばわれる確率が増えるものの、艦隊全体の砲撃の威力が減少して事故のリスクが幾分か和らぐ。これらの要素の複合により、イベントクリアと大和入手を懸けた大事な一戦は、2パターンのうち前者を引けばお祈り、後者を引けば大勝利となり、天国と地獄がはっきりと分かれる。つまり、要塞が出れば出るほど提督たちにとっては沈めやすいカモが増える上脅威が減るという大変おいしい状況になるのである[4]。このような傾向はその後のイベントでも続き、だれが言い出したか「たこ焼き(を含む編成)は癒し」という認識が共有されるようになった。最近の期間限定海域においては、要塞は最深部ではなく中盤海域において門番的な役割を務めることが多い。
3.たこ焼きって、何気にわびさびよねー
無論、名前に似合わぬ貧弱さのみが癒し要素ではあるまい。戦艦タ級や空母ヲ級のような人型深海棲艦とは違う愛くるしさがそこにはないだろうか。もっとも、「かわいいは正義」ではないこともあるのだが……
新型たこ焼き
2014夏イベから登場した空母ヲ級flagship(黄色いやつ)や鬼級・姫級が搭載している新型戦闘機が、形状が浮遊要塞に似ていることから「新型たこ焼き」「たこ焼き型艦載機」と呼ばれている。
明確に「艦戦」「艦爆」「艦攻」で明確にグラフィックが異なる初めての敵艦載機である。通常の黒い敵艦載機はマルチロール機なのか全てをこなすが、専門職の方がやはり強い。
さらに2015夏イベでは赤いオーラを纏っている機種(こちら側の熟練度持ちに相当するのだろうか?)、さらに水上機タイプ("足"が付いている)も登場。2016夏イベではさらにオレンジ色のオーラ付きも登場している(こちら側のネームド艦載機相当か?)。
さらにさらに、2016冬イベからは陸上爆撃機と思われる機体も登場。制空権争いにも参加し、さらに爆撃もしてくるという、こちらで言うところの爆戦のような挙動が観測されている。
総じて、前述した浮遊要塞のような癒やしはまったくなく、ツ級と並ぶ味方の航空戦力潰し、かつ大和クラスですら一撃で中破させる爆撃・雷撃で恐れられる存在である。艦これ提督から「たこ焼き怖い」という言葉が出たら、おそらくはこちらのことであろう。
関連動画
関連静画
その特性上、浮遊要塞単体で描かれることは少ない。
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関連項目
脚注
- *それぞれ初登場は浮遊要塞が2013年春イベ、護衛要塞flagshipが2013年夏イベ、護衛要塞が2014年春イベである。
- *3種の要塞の各種ステータスはほぼ変わらないが、最初に登場した浮遊要塞のHPが88であるのに対してあとから登場した護衛要塞・護衛要塞flagshipのHPは66とむしろ小ぶりになっている。原材料費高騰の影響であろうか。
- *当時の装備構成が主主副電であったため。後に主主偵電に変更され、夜戦では連撃を行うこととなる。
- *2013年夏イベE4にて入手したばかりの伊168と伊58でエンドレス漸減作戦を行っていた提督にとっては、護衛要塞の方が開幕雷撃&雷撃戦で沈めやすい=夜戦の雷撃がボスへ向かいやすくなる一方、輪形陣に対しては雷撃による大ダメージを与えにくく、一長一短であった。
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