燻製(くんせい)とは、煙を使って食べ物を加工する事。または加工して作られた物。特定の素材を使い煙を起こす。
概要
燻製とは、人類が火を利用しはじめた太古の時代からの調理法の一つとされる。
食材を燻すことで、保存性を高め、独特の風味をつけることが出来る。
日本においては、ベーコン、スモークサーモン、燻製卵(くんたま)などが代表的なものとして知られる。
燻製の分類
温度の高いものから、熱燻、温燻、冷燻となる。
熱燻:ほぼロースト状態(大体80度以上:食材中のタンパク質が凝固)
温燻:じんわり温め状態(大体40度ぐらいから80度ぐらい:食材中のタンパク質が凝固しない。脂が溶けている)
冷燻:燻煙をかけるだけ(大体40度未満:食材中の脂が溶けていない)
なお上記の温度は、目安であり、厳密に規定されているものではない。
燻製の道具・部材
以下のような道具・部材が必要となる。
燻煙材:いわゆるスモークチップ。サクラ・ヒッコリー・リンゴ等の樹木を乾燥させチップ状にしたものや、チップを圧縮固形化したスモークウッド、また茶葉等の植物の葉や皮なども用いられる。
熱源:燻煙を出し続けるためには、熱源が必要である。炭・薪・ガスといった直火や電熱器などが用いられる。なお前述のスモークウッドはいわゆる線香のように点火すれば燃え尽きるまで煙を出し続けるため、熱源は不要である。
燻製器:燻煙を食材に効率よくかけることができれば、基本的には何でもよい。そのため、市販の燻製器のほか、中華なべやフライパンを用いることが出来る。また木材やダンボール、スチールロッカーなどを用いて自作することも可能。
また上質の燻製を作るためには、温度管理が必要となるため温度計、サーモスタットを用いることもある。
燻製に適した食品
燻煙は脂にのりやすい(風味がつきやすい)ため、一般的には脂質の多い食材が燻製に適しているとされている。
逆に食材表面に水分が多いと燻煙が水分と反応しタール化され苦くなったり酸っぱくなったりするため、不向きとされている。
一般的な燻製の作成方法
(1)食材の事前調理
ソミュール液・ピックル液と呼ばれる調味液に浸したり、塩・ハーブなどを直接揉みこんだりするなどして、食材に塩分等の下味をつける。漬け込み時間は食材・調理方法によって数分~数週間と全く異なる。
もちろん、食材によっては事前調理を全く行わないもの(チーズなど)もある。
(2)塩分調整
燻製は食材中の水分含有量を減らすため、相対的に塩分濃度があがることとなる。
そのため、燻煙前に塩分を調整(塩抜き)することが多い。
(3)前乾燥
燻製をのりやすくするために食材を乾燥させることが多い。
風乾(風を当てて乾燥)、熱乾燥(火や日光などの熱で乾燥)が用いられる。
(4)燻煙
燻煙温度が上がるほど脂が溶けていることになり燻煙がのりやすく、燻煙時間は短くなる傾向にある。
(5)後乾燥
燻煙が終わり次第、すぐに食べられるものもあるが、多くの場合風味を食材全体にバランスよく回すために燻煙後にも乾燥させる。
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関連項目
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