特急＝特に急がない単語

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この記事は第222回今週のオススメ記事に選ばれました！ よりニコニコできるような記事に編集していきましょう。

「特急＝特に急がない」とは、特急に乗車している事を忘れさせてくれるような運行形態をとる列車種別の状況を指す。

概要

本来特急とは「特別急行」であり、速達性では

特急＞急行＞準急≧快速＞普通

という形になるのが一般的である。正確には国鉄時代は

• 急行列車（急行料金が必要） → さらに通過駅を増やすと特急
• 普通列車（運賃のみで乗車） → 通過駅を設けると快速

という成り立ちであった。
よって、多くの事業者ではそれにならって特急が最上位の種別であり、途中停車駅が最も少ない。

ところが国鉄末期以降、急行の特急化が全国レベルで行われた。
その多くは車両設備以外に車両性能も改善しており、停車駅こそかつての準急・急行並みに増えたものの、所要時間は急行時代よりも格段に短くなったケースが多かった。
しかしながら中には線形の悪いローカル線を急行時代と同じダイヤで走ったり、周辺の路線の高速化から取り残されたりしている特急も少なからず存在しており、これらの特急も「特に急がない特急」と認識されるようになっていった。

また、速達性をアピールする私鉄が特急よりもさらに上位の種別を設定する事例が増え、そういった路線では相対的に特急の地位が低下したり、特急の停車駅自体が増やされたりした。

上記の現象がエスカレートした結果、速達性が発揮されないが「特急」を名乗る列車が現れ始めた。
特急（特に急がない）という新種別の誕生である。

具体例

以下、廃止・改善された特急については見出しに取り消し線を引いて、節内に理由を記載する。

JR・定期特急編

JR北海道 オホーツク

国鉄時代こそ優先的にキハ80系やキハ183系を運用車両に回して貰っていたが、民営化後事態は一変する。

矢継ぎ早に高速化される函館本線の特急「北斗」や根室本線の特急「おおぞら」、宗谷本線の「スーパー宗谷」（急行から特急への格上げと同時に登場）と対照的に、オホーツクは国鉄時代とほとんど変わらぬ車両と所定速度（札幌 - 網走間を5時間15～29分。国鉄時代は5時間45分程度であった）を守っていた。かつては、一部の鉄道ファンから「ノローツク」または「ボローツク」という不名誉な蔑称で呼ばれていたほどである。

その遅さの理由は、石北本線の冷遇によるものである。函館本線・根室本線・宗谷本線は、沿線自治体からの資金援助による第三セクター事業者（道東高速鉄道開発，現・北海道高速鉄道開発株式会社）が設立されたことにより、民営化後に路線の強化などの高速化工事を実施することができた。一方の石北本線は沿線自治体からの資金援助がないために高速化工事に着手することができず、未だに最高速度が気動車急行並みの95km/hに抑えられている。つまり、いくら120km/h対応のNN183系を走らせても、旭川駅～網走駅の間は線路の状態が悪いために95km/hまでしか出せないのである。

さらに追い打ちをかけるものとして、特別快速「きたみ」の存在がある。「きたみ」は旭川～北見間を「オホーツク」より約30分遅いだけで安価に利用できる都市間バス「石北号」に対抗するため特急料金のかからない列車として設定された列車であるが、旭川～北見間をオホーツクで約3時間弱に対し、きたみは約3時間8分（上り）～3時間19分（下り）で走破している。なお、きたみは当初は停車駅を減らして「3時間を切る（2時間59分）列車」と謳っていたが、乗客の少ない遠軽～北見間の普通列車と統合するため同区間を特急と同じ停車駅から特に利用の少ない2駅のみを通過する設定に変更され（オホーツクの存在意義が危ぶまれたのでは？という説もあり）、発車時間帯もきわどい時間帯にしている。

このことが「特に急がない列車」の印象をより強いものにしてしまっている。

なお、特に急がないとは言っても、「オホーツク」の名誉の為に言うと「表定速度90～100km/h前後を連発している他の北海道内を走る特急列車と比較して、特に急いでいない」という意味合いも込められている。札幌～網走間の表定速度は70km/h前後、石北本線内だけを見ても表定速度は60～65km/h前後を出しており、この数字は首都圏を走る特急「踊り子」や房総特急と大して変わらない点に留意する必要がある（が、運行距離に比してこのような都市部の中距離特急に匹敵する速度であることはやはり特筆される）。

道内の特急がキハ261系に統一されてもなお国鉄時代設計のキハ183系を使い続けていたが、2023年に「おおぞら」から撤退したキハ283系に置き換えられた。これにより、JR北海道から国鉄型車両による定期特急列車が消滅した。ついでに所要時間を平均4分短縮したが、旭川乗り換えの大雪も含めて所要時間は5時間14分～5時間26分、そんなに変わらない。これはキハ283系が灼熱のバーベキュー特急列車になった事故が原因で最高速度を110km/hに抑えられたため。

JR東海 伊那路

1996年、飯田線を走る急行「伊那路」を特急に昇格する形で登場した特急列車。豊橋駅～飯田駅間129.3kmを途中9駅に停車する。

停車駅数は全体の駅数に対して相当絞っているのだが、運行区間が全線に渡り線形が悪い飯田線であるがゆえに、電車特急であるにもかかわらず最高速度は85km/h止まり。所要時間・表定速度も急行時代とほとんど変わらず、50km/h台前半に留まっている（2時間32～40分、急行時代は2時間50分～3時間程度で運転）。

しかし、風光明媚な飯田線の風景を楽しむにはむしろこれくらいのんびり走った方がいいのかもしれない。

JR九州 九州横断特急

2004年3月13日、九州新幹線の新八代駅～鹿児島中央駅間の開業と同時に運行を開始した特急列車。
このツッコミようのないぐらいにそのまんまなネーミングは、仮称ではなく正式名称である。

ワンマン運転の列車で別府駅～人吉駅間250km近くの区間を4時間以上かけて走りぬく。
車両こそ特急形のキハ185系になったものの所要時間は旧型車両時代とあまり変わらず、途中38駅中15駅と全体の約4割の駅に停車する快速並みの停車駅数の多さであること（しかも途中3駅を超えて連続通過する区間が皆無である）など、色々ローカル色の強い特急である。

特急「あそ」と急行「くまがわ」を統合した結果として生まれたが、車両が1運用に統合された関係で「あそ」は減車となり、この関係でワンマン運転することがある有料特急となってしまった。

時は十二支一周り流れて2016年3月26日。同日のダイヤ改正に合わせて九州横断特急の熊本駅～人吉駅間は廃止され、別府駅・大分駅～熊本駅間に短縮された。もともと「あそ」と「くまがわ」を統合したことで誕生した九州横断特急であるが、「あそ」に戻るようなものである。なお、のちに「あそ」の列車名は宮地駅～熊本駅間のみ運行する特急列車に転用されることになった。あっ、そう。

また、JR九州にはこの他に特に急がない観光特急（「はやとの風」「指宿のたまて箱」「海幸山幸」など）が多く運転されている。これらの列車は「珍しい車両に乗って、ゆったりとしたシートに座って観光を楽しんでもらうための対価としての特別料金」を設定しているものと考えられ、速達性という面においては無視されているも同然である。

そして、その中でも群を抜いて急がない観光特急を次の項に記す。

JR・観光列車編

JR西日本 WEST EXPRESS 銀河

117系電車を改造した廉価版クルーズトレインとして注目を集めた同列車であるが、運行時刻が発表された際、その鈍足ぶりにおそらく誰もが目を疑ったであろうと思われる。
下りが京都駅を21時15分に出発し、大阪駅の発車時刻は22時28分。新快速だと約30分、普通列車（各駅停車）ですら50分程度で走破している区間に1時間13分もかかっている。（のんびり走っているのではなく全力で走って待避線に飛び込み退避を繰り返している。）そして出雲市駅の到着時刻は翌朝9時31分。
上りに至っては出雲市駅を夕方16時に出発しており、大阪駅の到着時刻が翌朝6時12分。（こちらは途中駅でイベントとかで長時間停車するのが理由だとか）
表定速度を計算すると、下りが35.9km/h、上りは27.9km/hと、往年の客車普通列車並みである。
ちなみに昼行特急として運転される山陽編も表定速度は40km/h台と遅い。

クルーズトレインという性格上、速達性が問われる訳ではないということは確かに言えるのではあるが、しかし上には上が…

JR四国 ものがたり列車各種

JR四国には、「伊予灘ものがたり」「四国まんなか千年ものがたり」「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」という3つの観光特急（ものがたり列車）が運行されている。これらの観光列車は、車内で食事を食べながら秘境駅などに立ち寄り、観光を楽しむタイプの列車である。
それゆえ車両もグリーン車扱いではあるが、車内設備は全車食堂車といえる趣である。しかし、特急形車両のキハ185系を種車としたため、特急列車として設定された。こうすれば特急料金も取れるし、グリーン料金も特急設定になるし。

しかし、問題はここからである。本来快速列車扱いで運行するようなダイヤを設定した結果、表定速度が標準でも26～27km/h台、最も遅い「四国まんなか千年ものがたり」の上り列車はなんと22.7km/hという、群を抜いて特に急がない列車として設定されている。
もちろん定期普通列車よりも遅く（例えば、上りで言えば大歩危～琴平間を普通列車は1時間17分で走るところを、当該列車は2時間10分かけて走っている）、（観光目的ではあるが）長時間の停車中に普通列車に追い抜かれることさえある。

なお、第一弾の「伊予灘ものがたり」は当初普通列車扱いで設定されていたが、老朽化により車両がキハ40系からキハ185系になった際に特急に格上げされている。

無論、これらの列車は速達性をテーマとしている訳ではないため、特に急がないことをもって存在意義が問われるという訳ではない。しかし、経営が苦しく、少しでも売上に繋げたいJR四国の台所事情から生まれた珍列車と言うことはできるであろう。

私鉄編

私鉄はJRへの対抗策として、速達性より沿線へのきめ細かな優等停車を重視した結果停車駅が増える傾向にある。
特に関西圏はアーバンネットワークを掲げるJR西日本の密な路線網を相手にスピードで対抗する事が出来ず、特に急がない種別が増えている。

阪神山陽直通特急「直通B特急」

阪神・淡路大震災によりJR西日本・阪神電車・山陽電車は甚大な被害を受けた。その際、怒涛の資本力と人員を擁するJR西日本が脅威の復旧工事で私鉄よりも先に復旧した結果、「私鉄王国」と称されていた関西圏における立場が逆転。
これに対抗するため阪神電車と山陽電車に誕生した新種別が「直通特急」であった。詳細は「直通特急」を参照。

開始直後は「直通特急」は2本/1hであった。これはダイヤが阪神側10分サイクル、山陽側15分サイクルで、最小公倍数の30分となるからである。その後、直通特急は好評を博したため、増発が行われることとなった。

しかし、30分以下間隔に増発すると最小公倍数から外れるのでダイヤ調整の関係で途中で運転調整という
一休みを作る必要が生じる。本ケースの場合は5分。この為この時間調整を行う方は「直通特急」となったのである。
名はどちらも同じであるが幕の色などが違い、運用上は区別され「直通B特急」である。

運転調整は「西元町」「大開」で行われていたが、2駅だけではさらに高速神戸で3分以上の運転調整も必要であった。
そこで一部区間のダイヤを普通車と差し替え、停車区間を伸ばし合理化と小駅の優等列車乗車チャンスを向上させるという名目で2009年から始まったのが、

神戸三宮-元町-西元町-高速神戸-新開地-大開-高速長田-西代-板宿-東須磨-月見山-須磨寺-須磨

という13駅連続停車である（赤字は「直通特急」の停車駅）。

まさに「特に急がない」直通特急への進化であった。ちなみに駅の入線アナウンスで13駅も案内していると電車の停車に間に合わないので、「神戸三宮-須磨間は各駅に止まります」という手抜きになっている。
鉄道会社の事情が判っている人間以外は理解し難い内容であり、この区間以外の乗客の評判も…。

なお、2016年3月19日のダイヤ改正で利用客数の少ない東須磨駅と須磨寺駅が直通B特急の停車駅から外され、再び通過駅へ降格され（西代のみ停車継続）、少しはマシになったと思われる。…7年間も続ける前にもっと早く気付けっての。

阪神須磨浦特急「須磨浦特急」

さて、この阪神と山陽の相互乗り入れ区間は直通特急以外にも「特に急がない」種別は多い。
「直通B特急」の項目で、ダイヤの最小公倍数の関係で「直通特急」は誕生したと解説した。この公倍数を出す要因は、山陽が4本/1h、阪神が6本/hの特急運転頻度だからである。ではこの2本分の差はどうなっているのだろうか?

この差分の特急は梅田駅～須磨浦公園駅(山陽)の区間を走行している「須磨浦特急」であり、梅田駅～神戸三宮駅間は通常の特急運転である。では、神戸三宮駅～須磨浦公園駅間は？というと…

神戸三宮-元町-西元町-高速神戸-新開地-大開-高速長田-西代-板宿-東須磨-月見山-須磨寺-須磨-須磨浦公園

はい、終点まで14駅連続停車である。これただの区間特急じゃねぇか、とかツッコミは入れないこと。
この区間はまだ上には上が居る。阪神・山陽を甘く見てはいけない。
なんせ、競合路線はあのJR西日本であるのだから。

山陽須磨浦発神戸三宮行特急　「特急」　（特急としては廃止）

山陽電車須磨浦公園を始発駅とし、終点神戸三宮に至る短距離区間の特急である。
停車駅は上記の須磨浦特急と同じく区間全て、つまり14駅各駅停車である。

もはや普通車じゃねぇか!!とツッコミが入るだろう^[1]。電車の幕も、駅の案内表示器にも堂々と「特急」で表示される。
普通車と何が違うかといえば、編成の長さぐらいで停車駅数は変わらないのである。
なんでこのような事になったのか？

実は神戸高速鉄道東西線が開通し阪神と山陽が相互乗り入れを開始した頃は、阪神の特急車には電動幕というものが無かったのである。つまりサボを挿していた。
先頭車の前面のサボなら須磨浦で差し替えも容易であったかも知れないが、（山陽はサボを差す車両は先頭だけ、また電動幕への切り替えも各社の先陣を切っていた）阪神の場合は各車車体側面もサボだったのだ。
この為、留置線で差し替えが出来なかったのである。
もちろん、今は電動幕及びLEDである。ではなぜ「普通車」にしないのか?
一説によると、普通車運用とはいえ阪神5000/5500系と山陽3000系とは異なり阪神8000系や2000系など急行系の「赤胴車」で運用する関係でランカーブが普通車運用と異なるので「特急」扱いにしている…とか。

これもまた、沿線住民以外にとっては「特急」の為に普通車を見送った、なんて事をして乗っても、実はさっき見送った普通車と同じ時間必要だった…とまぁ、理解し難い状況に苛まれるかも知れない…。
ただし、駅の列車接近アナウンスでは「○○，○○，（中略），○○方面へは、後の△△にご乗車下さい。」「○○へは、この△△が先に到着します。」（○○は駅名、△△は種別名）という内容を流しているため、そのような事態は少ない…と思いたい。

ちなみに、ここまで解説した山陽阪神の特急（特に急がない）は山陽の種別表示器では「ト」ではなく「フ」と表示される、つまり普通車である。また13駅連続停車直通特急が始まった際、姫路駅の電光表示は懐かしの急行が誤表示された事もあった。SANTICS（山陽電車の列車運行管理システム）もこれらが「特急」ではないことに薄々気づいているらしい。

なお、先述の直通特急と同日のダイヤ改正より、阪神の赤胴車に「普通」の表示が導入されたため、本運用の列車が「特急」という種別で運行されることはなくなった。

京急電鉄 本線・久里浜線

あの「ハマの赤いあんちくしょう」「暴走快特」で知られる京急も特に急がない列車を運転している。久里浜線内完結（堀ノ内駅・京急久里浜駅～三崎口駅間運転）の快特・特急は、線内を通過駅が全くない、最大9駅各駅停車の快特や特急として運転されている。これも上記の「山陽須磨浦発三宮行特急」と同じ考え方であると思われるため、「特に急がない特急」の一種であると言えよう。

さらに特急は通過運転を行う品川駅～堀之内駅間においても、停車駅ごとの平均駅間距離は約4kmに過ぎない。これは京浜東北線の一番駅間距離が長い区間（蒲田駅～川崎駅、3.8km）とほとんど同じである。
最高速度が快特よりも10km/h低い110km/hに設定されていることも含めて、「京急の特急＝特に急がない」と言うことができる。

阪急電鉄 京都本線

JRがまだ国鉄だったころ、阪急京都本線の特急は京阪間（十三駅～大宮駅）ノンストップで文字通り特急であった。
しかし、国鉄が民営化され、221系や223系を新快速に投入すると立場は逆転、阪急は途中停車駅を増やす策に出た。

97年改正で高槻市駅を停車駅に追加。01年改正で桂駅、長岡天神駅、茨木市駅をさらに追加（大宮駅は通過、従来の特急ダイヤの通勤特急と桂駅を停車駅に加えた快速特急を設定して対応）。07年改正で淡路駅が停車駅に加えられる（通勤特急は快速特急を吸収し長岡天神駅と桂駅と西院駅を停車駅に追加。さらに10年改正で茨木市駅も停車駅に追加。なお、22年改正で通勤特急は準特急に変更されている）。

結果として01年改正以前の急行から2駅通過にしただけである。

参考程度に…

一時期は急行は無いのに快速急行と準急はあるおかしな状態になっていた。10年改正では快速も追加された。さらに01年以前のダイヤでは急行の方が快速よりも速い種別だったので、07年改正以前の急行をそのまま復活することは利用客の混乱を招くおそれがあった。結局22年改正で、快速を急行に変更（西京極駅に停車）することで一応解消されている。

しかしながら、京都本線は元々旧・急行が表定速度60km/h前後で走る急行としてはかなり速い部類の電車であったことや、最高速度の引き上げ（110→115km/h）も行っていることなどから、京都本線の特急は特別急いでもいないが普通程度には急いでいると言える。
阪急の特急で本当に急いでいないのは日生エクスプレス（阪急梅田駅～能勢電鉄日生中央駅間28kmを40～45分で運転、表定速度37.3～42km/h）であることを（項目をいたずらに増やさないために）敢えてここで申し添えておく。

京阪電鉄　快速特急「洛楽」（ほぼ改善）

近鉄吉野特急（吉野線内）

近鉄南大阪線と一体となって運行されている特急列車。
吉野線内は全線単線かつ山間部を走るため、スピードが出せない。これは致し方無いところである。
スピードに関しては目をつぶるとして、問題なのは停車駅の方である。
吉野線内の各駅と特急の停車駅を見てみると、特急が設定された当初は（赤太字が特急停車駅）

橿原神宮前-岡寺-飛鳥-壺阪山-市尾-葛-吉野口-薬水-福神-大阿太-下市口-越部-六田-大和上市-吉野神宮-吉野

と、停車駅が必要最小限に絞られており、有料特急に相応しいものであったが、1999年のダイヤ改正以降は

橿原神宮前-岡寺-飛鳥-壺阪山-市尾-葛-吉野口-薬水-福神-大阿太-下市口-越部-六田-大和上市-吉野神宮-吉野

全席指定の有料特急でありながら、隔駅停車となってしまった。

近年は沿線の宅地開発による通勤需要の伸びがあり、周辺住民の利用機会を増やすべく停車駅を追加していったのだが、停車駅の増加に伴うスピードダウンは避けられず、大阪阿部野橋駅から吉野駅までの所要時間は68分から76分へと、8分も遅くなってしまった。（なお近鉄吉野駅の1日の平均乗降客数は232人なので名阪特急や京奈特急の様に起点から終点の利用はそこまで多くなく、あべの橋からだと高田市～六田あたりの利用の方が多いためそこまで問題にはならない。但し桜のシーズンを除く）
この代償措置として、吉野特急系統に限り2区間料金を廃止したり（南大阪線区間を含め全区間510円で利用可）、吉野線内相互駅間限定で1回あたり310円で利用できる4枚綴の回数券「吉野路ビスタ4」（有効期間3ヵ月）を発売したり、同区間で近鉄特急のインターネット予約で320円で乗車出来る吉野チケレス割を適用できるようにするなど、他の近鉄沿線よりも実質的に特急料金が割安となる制度や商品を導入している。そういった事情もあり、南大阪線の特急は他の路線に比べて運転頻度が低く、1時間に1~2本程である。

関連動画

JR九州 九州横断特急

阪神山陽直通特急「直通特急」＆「直通特急」

阪神須磨浦特急「須磨浦特急」

須磨浦公園発神戸三宮行きの14駅各駅停車特急。
「この列車は阪神三宮行き特急です。終着、阪神三宮まで各駅に止まります。」というアナウンスを聞くことができる。
 

海外

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JR編 私鉄編

関連項目

脚注

1. *念のため補足すると、関西の一部鉄道会社では普通列車を「普通車」と案内する。JRでのグリーン車に対する「普通車」とは意味が全く異なるため注意されたし。

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