球体関節人形とは、人形の一種である。
概要
球体関節人形とは、関節のつなぎ目が球体になっている人形。 ゴムで接続され、関節を自在に曲げることが出来るため、自由にポーズを取らせることが出来る。
動物や架空の生物といった人物以外をモチーフとした作品を含み、球体関節作品と総称されることがある。また、球体関節と略称されることがある。
最も著名な作家はドイツのハンス・ベルメールで、1930年代にはじめて創作人形を作ったのを皮切りに次々と作品を発表した。人間の形を取りながら非人間的なこれらの作品は、当時パリで活動していたシュルレアリスト達に歓迎され、1934年には写真集『人形(Die Puppe)』が出版されている。
1965年、これらの作品を澁澤龍彦が雑誌上で紹介したのをきっかけに、日本でも知名度が大きく向上。四谷シモンはベルメールの人形を見て衝撃を受け、それまでの作風を捨てて球体関節人形の製作に取り組む事となった。
その他にも天野可淡、吉田良、恋月姫、木村龍、友永詔三などが球体関節人形作家として知られている。
人形作家による作品は基本的にワンオフモデルとなっている。これに対し、量産品・素体として流通しているのがVOLKS(ボークス)社の「スーパードルフィー(SD)」である。その他にも国内・海外他社の商品があるが、ここでは割愛する。
士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』のその後(IF世界)を描いた押井守監督の映画『イノセンス』では、球体関節人形を彷彿とさせるガイノイド(女性型アンドロイド)・ハダリが重要な役割を果たしている。また映画公開にあたっては球体関節人形を集めた美術展が特別開催され、話題となった。
漫画・アニメ『ローゼンメイデン』シリーズでは、自律行動する「生きた」球体関節人形が登場。「アリスゲーム」と呼ばれるドール同士の戦いが描かれている。
1979年からNHKで放映された人形劇『プリンプリン物語』では、友永詔三が人形美術を担当。人形劇として初めて球体関節が採用された作品である。
柔らかく自然な動きが出来る反面、操作が大変難しく、関節が変な方向に曲がらないようにするのに高い技術が求められ、演者が腱鞘炎になる程だったという。また古代インドを題材にした為に素材にこだわり抜いた結果、一体あたり100万円近くかかった。
そうした苦労もあってか本作品は絶大な人気を誇り、全656回、3年にわたるロングランとなった。女性が主人公という事もあって小学校の女の子からの人気が高く、当時は皇族だった紀宮(現:黒田清子)もファンだったと公言している。
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関連項目
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