皮膚呼吸とは、皮膚で行われる呼吸である。
概要
鳥類や、人間を含む哺乳類などは基本的に肺呼吸のみを行なう。爬虫類も肺呼吸が主体である。
一方、カエルなどの両生類は皮膚呼吸と肺呼吸を併用している。ミミズなどは皮膚呼吸のみを行なう。特別な呼吸器官を持たない生物は皮膚呼吸に頼ることになる。
皮膚呼吸を行なう生物は体表を常に濡らしておく必要があるので、これが乾くと呼吸困難に陥る。カエルやミミズの体の表面がいつも濡れているのは、このためである。
人間の皮膚呼吸
なぜ、こんな話をするかというと「ヒトは皮膚呼吸していて、それがとても重要だ」という誤解が、世の中に今なお残っているからです。
ヒトも皮膚から酸素を 取り入れることは可能です。しかしその量は、肺呼吸で取り入れる酸素の量と比べて、わずか0.6%に過ぎません。
つまり、人の皮膚呼吸は皮膚のごく表面の細胞に酸素を供給するだけです。
もちろん通常の肺呼吸をしていれば、これらの細胞にも酸素は届きます。
もし、皮膚呼吸が活発なら、ヒトは息をしなくてもカ エルのように生きていられるはずです。にもかかわらず、「皮膚呼吸をしないとヒトは病気になる」「皮膚呼吸を促進して健康になろう」とか根拠のないことが、まことしやかに流れ、一部は商売に利用されているようです。
人間は皮膚呼吸をしていると思われがちだが、実は人間はほとんど皮膚呼吸をしていない(0.6%程度)。
また皮膚呼吸をする細胞にも、肺呼吸で酸素が届く。したがって皮膚呼吸が妨げられても問題は起こらない。
人間は基本的に肺による呼吸のみで、お風呂に入ったり子供が泥遊びをしても窒息したりはしないのである。
「人間も皮膚呼吸ができなくなると身体に問題が起こる」というのはデマであり迷信である。
関連項目
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