究極完全態・グレート・モスとは、遊戯王OCGのカードである。アニメや原作ではインセクター羽蛾の所有するカード。
概要
1999年7月8日発売のゲーム「遊戯王デュエルモンスターズⅡ闇界決闘記」の同梱カードとしてOCGに登場。初のゲームの付録カード。特殊召喚に必要なカードも含め、テキストは以下の通りである。
《究極完全態・グレート・モス/Perfectly Ultimate Great Moth》
効果モンスター
星8/地属性/昆虫族/攻3500/守3000
このカードは通常召喚できない。
「進化の繭」が装備され、自分のターンで数えて6ターン以上が経過した
「プチモス」1体をリリースした場合に特殊召喚する事ができる。《プチモス/Petit Moth》
通常モンスター
星1/地属性/昆虫族/攻 300/守 200
成長したらどんなムシになるか分からない、小さな幼虫。《進化の繭/Cocoon of Evolution》
効果モンスター
星3/地属性/昆虫族/攻 0/守2000
このカードは手札から装備カード扱いとして
フィールド上に表側表示で存在する「プチモス」に装備する事ができる。
この効果によってこのカードを装備した「プチモス」の攻撃力・守備力は
「進化の繭」の数値を適用する。※以上、すべて遊戯王カードWiki より引用
特殊な召喚条件によって特殊召喚されるモンスターの元祖。昆虫族の中でも最高の攻守を持つ。
その代わりに召喚条件はあまりにも厳しく「進化の繭」を装備したターンから相手ターン含め13ターンもの間「進化の繭」&「プチモス」を守り抜かなければならない。
「サイクロン」などで「進化の繭」を狙われたり、「地割れ」などで「プチモス」を狙われたらひとたまりもない。また、能力自体もそこまで高くないので、適当なアタッカーで簡単に戦闘破壊されてしまう。シンクロ召喚、エクシーズ召喚で簡単に強力モンスターが呼び出せる現在はその危険性がより高まっている。
「プチモス」(@「進化の繭」含む)は能力が低いため、「明鏡止水の心」などを使用できる。さらにカウンター罠などで「プチモス」「進化の繭」、その他ロックパーツを何としても守りたい。
また、「宇宙の収縮」「おジャマトリオ」などで相手の行動を徹底的に押さえ込めば、このカードをある程度楽に呼び出せる。相手ターンのスキップが出来る「アルカナフォースⅩⅩⅠ-THE WORLD」でひたすら相手ターンをスキップすることでも出すことはできる。
たとえ特殊召喚に成功しても、何の耐性も持っていないため、「奈落の落とし穴」「次元幽閉」などでいとも簡単に除去される。まともにこのカードを使用する場合、デッキのほとんどをこのカードのサポートに回さなければならないため、除去されると体勢を立て直せない可能性が高い。除去に対する返し札やカウンター罠、「王宮のお触れ」を始めとした効果無効布陣などで防がねばならない。
正規の召喚条件として見た場合、総じてロマンの塊ともいえるカードで、がんばって出そうとしても妨害を受ける可能性が高い。だが、その分正規の特殊召喚に成功したときの喜びは計り知れないものがあり、公式大会で結果を残すほど強力とされるデッキ相手にこのカードで勝利すれば周囲からも尊敬の眼差しで見られるに違いない。デッキ構築やプレイングの難易度はかなり高いが思い入れがあるなら挑戦してみるのもいいだろう。
ただフィールドに出したいだけであれば「青天の霹靂」で出すことは可能だった。ただし、厳しいデメリットが課せられるため、それで出しても勝利するのは難しい。
しかし、2017年11月11日発売の「デュエリストパック-レジェンドデュエリスト編2」にて規格外の強化を受けることになる。
言わばデメリットのない「青天の霹靂」のようなことが、タイムラグなしにデッキから可能になる「超進化の繭」、それと同様に手札から特殊召喚が可能になる効果を持つ「寄生虫パラノイド」が、昆虫族サポートカードとして登場。
それらのカードで出せる中では最大打点がこの究極完全態であり、二種を併用すると「インセクト女王」のリメイクカードである「究極変異態・インセクト女王」と並べることが可能。こうなると、効果対象にならず効果で破壊されない効果が「変異態」で与えられるようになり、先述の耐性問題すらも解決することになる。
新規カードはいずれもインセクター羽蛾の使用カードのリメイク。「超進化の繭」に至っては「進化の繭」のリメイク。
このカードとの併用を前提とした豪快な効果となっており、遂にインセクト軍団の中核としての存在感を手に入れた。
ただし唯一の注意点として、正規の方法で出しているわけではないため、除去された後の蘇生が不可能になる。「貪欲な壺」などでデッキに戻し、特殊召喚したいタイミングで所定の場所に居ないような状況を回避したい。
また、複数枚手札に来ることは避けたいため、投入しても枚数は少な目がいいだろう。
リメイクで召喚条件無視が強調されていることから、如何にこのカードの召喚条件が当初からあまりにも非現実的だったことが伝わってくる。
進化(変態)する昆虫というコンセプトではアルティメット・インセクトシリーズが登場しており、ターンごとに形態が変化していくレベルモンスターということもあって、このカードを意識している可能性が高い。
かつてはテキストに「通常召喚できない。」の一文がなく、特殊召喚モンスターではないようにもとらえられたが、実際は通常召喚できない特殊召喚モンスターである。新BE2(2011年8月13日発売)でようやく現在のテキストに修正されている。
蘇生制限を満たせば(一度正規の手段で特殊召喚すれば)墓地から特殊召喚できる。
かつて、「進化の繭」は(通常)召喚を行うターンに装備させることはできないという謎の裁定が出ていたことがあった(ただし、召喚ではないので「激流葬」などは使えない)。
現在は通常召喚を行ったターンでも装備可能という裁定になっているため、「プチモス」を召喚した直後に「進化の繭」を装備させることが可能となっている。
「進化の繭」の手札から自身を装備するという効果は珍しく、登場から10年以上後に「ORDER OF CHAOS」でZWなどが登場するまで唯一だった。
何かとカード名が間違われやすいカード。究極完全「体」ではない。他にも「究極完全態-グレート・モス」など、細かいところでの間違いもおきやすい。単語の区切りはすべて「・」である。漢字、カタカナのならびになっているカードの多くが間を「-」で区切っていることも間違いがおきやすい原因であろう。
このカードの特殊召喚に必要不可欠な「プチモス」、「進化の繭」は共に一般発売されているパック「Vol.4」に収録されていた。さらに「進化の繭」はスーパーレアである。ゲーム付録のこのカード自身もランダムに封入されているという仕様で、そろえるのは大変であった。
現在販売されているパックでも、「プチモス」と「進化の繭」は「BEGINNER'S EDITION 1」に、このカードは「BEGINNER'S EDITION 2」に、とそれぞれ別のパックに収録されており、入手には一苦労する。第7期のリニューアル版BEでも同様の事態になっている。
まとめてカードショップなどで手に入れるのもひとつの策だろう。
不完全態
プチモスから進化(特殊召喚)できるカードは実はこのカード以外にもある。両方とも「究極完全態・グレート・モス」より後に登場している。それぞれ以下の通り。
《ラーバモス/Larvae Moth》
効果モンスター
星2/地属性/昆虫族/攻 500/守 400
このカードは通常召喚できない。
「進化の繭」が装備され、自分のターンで数えて2ターン以上が経過した
「プチモス」1体をリリースした場合に特殊召喚する事ができる。
※遊戯王カードWiki より引用
1999年9月23日発売のパック「Vol.5」にて登場。
かかるターン数自体は少なくなるが、あまりにも能力が低すぎる。これに進化させるくらいならもう少し待つか、最初から「プチモス」など使わないほうがいいだろう。OCG最弱といっても過言ではなく、アニメGXではデュエルアカデミアの井戸に捨てられていた(万丈目がまとめて引き取っている)。
「究極完全態・グレート・モス」や「グレート・モス」と違い、新BEより前から「通常召喚できない。」の一文があった。
現在は「プチモス」らと共に「BIGINNER'S EDITION 1」に再録されている。
「ラーバモス」の記事も参照。
《グレート・モス/Great Moth》
効果モンスター
星8/地属性/昆虫族/攻2600/守2500
このカードは通常召喚できない。
「進化の繭」が装備され、自分のターンで数えて4ターン以上が経過した
「プチモス」1体をリリースした場合に特殊召喚する事ができる。※遊戯王カードWiki より引用
1999年11月18日発売のパック「Vol.6」にて登場。
グレートだけあってとりあえず並みの上級モンスターくらいなら勝てるようになった。ロックが破られそうだとかもうこれ以上持たせられないという状態ならこのカードを特殊召喚してしまうのもいいだろう。
現在は「究極完全態・グレート・モス」と共に、「BIGINNER'S EDITION 2」に再録されている。
原作、アニメ、ゲームなど
原作、アニメDMを見ていた人ならインセクター羽蛾のカードのイメージが強いだろう。
原作、アニメでは「プチモス」ではなく「ラーバモス」から進化するモンスターとなっている。
王国編での遊戯との決闘で召喚を狙うものの失敗し、代わりに前述の「グレート・モス」が召喚されている。
結局原作では1度もこのカードは登場していない。
このカードが実際に姿を現したのはアニメでのバトルシティ編、城之内との決闘。
「代打バッター」を利用してターンのロスをカバーしたり、ロックをかけて城之内の攻撃を防ぐことでこのカードの特殊召喚に成功した。
しかし、「悪魔のサイコロ」「天使のサイコロ」(共にOCG効果とは違う)を利用してこのカードの攻撃力を落とし、攻撃力の上がった城之内の「寄生虫パラサイド」によってあっけなく破壊されてしまう。
原作、アニメ版では自分、相手両方のターンで数えて6ターンであったので、自分ターンしかカウントしないOCGよりも出しやすかった。また、途中で倒されても経過ターンに応じた形態が呼び出せた。
アニメGXの異世界編ではカオス・ソーサラーがヘルカイザーとのデュエルで使用した。途中経過が省かれたためにどのようにして出したかは不明だが、ヘルカイザー相手に6ターン(原作仕様)or13ターン(OCG仕様)もの間守り抜いたカオス・ソーサラーはかなり高いプレイング能力を持つと思われる。
その攻撃力で「鎧黒竜‐サイバー・ダーク・ドラゴン」を破壊するものの、このカードの召喚にすべてを注いだようで、残りライフも自分を守るカードもほとんど残っていない状態で「サイバー・エンド・ドラゴン」の一撃によって敗れた。
アニメARC-Vでは、オベリスク・フォースとデュエルしていたLDSユースクラスのデュエリストが使用。
経過は不明だがフィールドに出されており、「古代の機械双頭猟犬」の効果で破壊された。
一部を除く非OCG準拠のゲームでは1ターンごとに自動で進化した。そのため、貧弱なまま守り抜く必要のあるOCGより出しやすい。
プチモス→ラーバモス→進化の繭→グレート・モス→このカードの順に進化する。生け贄の不要な進化の繭をいきなり出せばわずか2ターンでこのカードを呼び出すことも出来た。後にOCGで登場したLVモンスターに近い性質といえるだろう。
また、初のゲームであるDM1では生け贄ルールがないために生け贄なしで直接このカードが出せるというとんでもない状態だった。
初期のゲームではカード名が「完全究極態・グレート・モス」と究極と完全がひっくり返っており、両者を混同する人も多かった。また、英語版のこのカードも訳せば「完全究極態・グレート・モス」となる。
ゲーム「エキスパート2006」ではこのカードの召喚がチャレンジ問題とされている。それだけこのカードを呼び出すのは難しいという証明にもなるか。
余談になるが、アニメ5D'sでは「眠れる巨人ズシン」なるカードが登場している。召喚条件はこのカードを上回る自ターンで10ターン以上、フィールドにレベル1の通常モンスターを維持すること。WRGPのチーム戦で3人がかりでようやく特殊召喚できるくらいの厳しい条件であるが、ズシンには強力な効果があったので、特殊召喚する価値があるのだろう。
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