ネタバレ注意!以下の記事には、全編のネタバレが含まれています。まだ全話見ていない人はご注意ください。
「第八鎮守府物語」とは、R.REVO氏による「艦隊これくしょん」を題材としたMMD紙芝居シリーズである。他に外伝として「旗艦吹雪の憂鬱」シリーズがある。
概要
背景
共歴(この世界の暦)879年列強諸国による世界大戦は、ギリア連邦を中心とする連合国の勝利に終わり世界はつかの間平和を取り戻した。しかし、880年オアフ島に突如、人型の正体不明の生物深海棲艦が出現、メリダ合衆国とその連合国は、通常の艦船で反撃したが、882年8月15日全滅し、人類は制海権を完全に失った。一方敗北して疲弊していた大倭帝国は、深海棲艦に対抗できる兵器、艦娘を開発、艦娘だけの特殊戦術艦隊を編成し、徐々に制海権を奪還。旧同盟国にも艦娘を供与した。第三鎮守府の6隻の艦隊は、沖ノ島に侵攻してきた深海棲艦を撃退し、沖ノ島を奪回した。(沖ノ島の奇跡)。この成功に意気が上がる大倭帝国は、5年後真珠湾を奪回すべく、大規模な2方面作戦を展開するが、逆に反撃され敗北、沖ノ島も再奪取されてしまう。戦いは混迷を深めていた。
序章
戦艦長門、榛名以外少数の駆逐艦娘しかいない司令官不在のさびれた鎮守府に、軍令部から一人の士官、本田少佐が派遣される。
本田は、総旗艦長門に、「深海棲艦の艦隊が迫ってきているため一刻を争う。第八鎮守府は解体して、長門、榛名以外の駆逐艦は解体処分する」という軍令部からの命令を伝える。反発する長門たちに、本田は独り言と称して、自分が提督となるという案を提示する。仕方なくそれを受け入れた艦娘たちは、彼の指揮の下、暴風雨の中深海棲艦の艦隊を迎撃。そして、苦戦しながらも第三鎮守府の特殊戦術艦隊の支援を受けて、からくも撃退することに成功したのだった。
こうして艦娘たちの信頼を得た本田は、第三鎮守府の三笠宮提督などの支援や新たな建造によって第八鎮守府の再建に着手する。そこに帝国海軍最強の艦娘吹雪が、教導艦として赴任してくる。第八鎮守府には、軍内部の陰謀もからんでいる。
シリアスが強めだがギャグ回もある。艦娘それぞれ個性的で、特にこれほど強くシリアスな吹雪は他に例をみない。
登場人物
- 本田雅之
海軍少佐。元軍令部第二局勤務。同期の宮川祐樹に第三鎮守府の第十九戦隊の教官に推薦され、三笠司令官の面接を受ける。元特殊戦術艦隊戦技教官。軍令部の命令で第八鎮守府解体の命令を伝えに行くがそのまま司令官になる。艦娘に対して「自立する兵器」「生殖しない生物」という矛盾する二面性をもつ存在と定義し、彼女たちが何者なのかは、人間ではなく艦娘自身が決めることと考えている。艦娘たちをさん付けで丁寧な口調で話す。過去に特殊戦術艦隊や吹雪、前司令官との間に因縁があるらしい。優れた指揮能力を持つ。銀河英雄伝説のヤン・ウェンリー提督がモデル。紅茶派かどうかは不明。 - 長門
第八鎮守府総旗艦。「ながもん」ではない清く正しく強い正統派「長門」。鎮守府をよくまとめている。当初提督達に不信感を抱いていたが、本田には信頼を置いている。艤装が大破して出撃できなかったが後修理される、秘書艦。酒に弱い。かつて宮川司令官に秘めた力として評価されている。料理特に甘いものを作るのが上手。愛車は、ランチア・ストラトス(自分で整備している)。二代目金剛に、亡き親友先代金剛の面影をみて悩む。艤装の修理を終え、山の頂(艦娘の頂点)を見たいと司令官に願い出て吹雪と闘い、激闘の末リミッターを外した吹雪に敗れる。かつての艦時代の苦しみ(ビックセブンと呼ばれながら活躍できず、クロスロード作戦で原爆実験の犠牲になる)を背負い克服することを目指す。武蔵との演習にそなえ大和を優しく厳しく指導する。 - 榛名
長門とともに鎮守府に残った戦艦。優秀(本作では最初から改二)だが砲撃にむらがあり精神的に動揺すると極端に命中率が落ちる。あまりだいじょうぶじゃない榛名。姉の先代金剛を慕っており、新しく建造された二代目金剛を受け入れられず悩むが、本田や長門の励ましを受けて徐々に和解に向かう。戦艦棲姫との激闘で轟沈寸前まで追い詰められるが、駆けつけた混合金剛に救われる。先代の魂の一部を引き継ぐ二代目金剛に戸惑うが、姉の出す結論を待つとして、徐々に新しい関係を築いていく。大和に対武蔵戦の秘策を助言する。 - 吹雪
元特殊戦術艦隊旗艦、第三鎮守府総戦技教導艦。帝国海軍最強の艦娘。某まるゆさん並の強さ(榛名の索敵範囲外から魚雷をぶん投げて(本人曰く勝手に飛翔した)敵を撃沈したり、演習では、不知火たち三人を武装を使わず一瞬で制圧している)
現在は、第八鎮守府臨時戦技教導艦。外出時は木曾改二のようなマントをつけている。クールで寡黙ぶっきらぼうな口調の陰のある性格で教導艦の摩耶たちからも恐れられているが、訓練以外の時は優しい面も見せる。本田提督の元部下を自称する(提督は否定している)提督が呼び捨てにする数少ない艦娘の一人で因縁浅からぬ関係のようだが、二人きりの時でも不動の姿勢で敬語で話すなど嫁関係ではなさそうだ。外伝「旗艦吹雪の憂鬱」の明るく元気なドジッ娘の吹雪と同一人物。なぜこんなに変貌してしまったかは「旗艦吹雪の回想」で明らかになるそうだ。(戦艦級の鬱展開が予告されている) なお、酒に弱い。書類を見るときはめがねを使う。大切な時(見舞い、墓参り?)は夕立と同じペンダントを付ける。磯波の能力に注目し後継者にすることを考えている。演習で長門に初手を受け止められ苦戦するが激闘の末それまで見せなかった最終的な力を垣間見せて勝つ。大和との対決のため武蔵をしごく。 - 不知火
クールで冷静、駆逐艦娘のリーダー的存在。仲間を思う気持ちが強く、鎮守府防衛戦では大破した電、弥生を残して撤退せよという提督の命令を断固拒否する。朝潮とともに酒癖がわるい。 - 曙
乱暴な口調でなげやりな発言をするが、周囲をしっかりと見ていてさりげなく不知火をフォローしたりする。吹雪、磯波とは姉妹艦のはずだがあまり意識していない様子。 - 電
恐がりで甘えん坊。鎮守府防衛戦では大破するも海上に寝た状態で対空射撃をする。翔鶴の到着に震え上がる。 - 弥生
無口で静かな性格だが酒が入ると、弥生(やよ)姉さんに変貌する。サントリーウイスキー「山崎」派でウオッカ派の響と対峙する。長門派。朝潮と共に戦艦棲姫に突撃する。 - 村雨
普段は穏やかで目立たない性格だが、酒が入ると、とても良い悪い性格が出て提督に迫る。その手はあぶない。村雨のちょっといいとこ見てみたいです・・うわ誰だ何をする・・。 - 朝潮
ここでも武闘派の委員長。普段はまじめだが不知火とともに酒癖がわるい。戦艦棲姫戦では、榛名をかばって弥生と突撃する。 - 磯波
第八鎮守府内では一番レベルの低い臆病な駆逐艦娘だが、吹雪との演習では、無意識に予知して最初の一撃を防いだり、わずかな殺気に気付いて吹雪を驚かせている。姉妹艦のためかパーティでは吹雪の隣に坐ってかつて鎮守府にいた姉妹の深雪、白雪の話をしている。訓練後も自主トレに励み、戦艦棲姫戦で予知能力に覚醒するが、途中で力尽きる。吹雪は、その能力に注目して望月に相談する。吹雪や望月のようなベテランのもつ戦場のすべてを知覚できる能力があるかと望月に推理されるが、未熟な身体や艤装がなぜそれについていけるのかは不明。武蔵との訓練ではなぜかその能力が消えていて吹雪を不審がらせる。吹雪は武蔵にだけ磯波を特別な妹と思っていると打ち明けている。 - 響
第二鎮守府で建造されたが、土方提督の好意で第八鎮守府に配属され、姉妹艦のいなかった電を喜ばせる。司令官に肩車して降りろという吹雪を威嚇するなどネコ型フリーダム響。ウオッカ派でウイスキー派の弥生と対峙する。吹雪の座学の時間に居眠りできる強者。 - 球磨
新しくシェフのオススメレシピで建造された一隻目。なぜか響電に「くま~」と喜ばれる。クマは炬燵で丸くなる。以外に料理上手が判明。 - 羽黒
新しくシェフのオススメレシピで建造された二隻目。引っ込み思案な性格のようだが、戦歴は長門に評価されている。 - 磯風
新しくシェフのオススメレシピで建造された三隻目。かなりいたい厨二性格の陽炎型駆逐艦娘。「あれがわたしの妹か」と不知火に、「どこかのバカ(木曾?)を思い出させる」と吹雪にそれぞれ頭をかかえさせている。原作ゲームでは、未だに建造では出てこないはずだが……。シェフのオススメレシピすげぇ!いきなり未経験の料理に挑戦しようとして金剛に却下される。 - 金剛〔2代目)
新しくシェフのオススメレシピで建造された四隻目、普通のデ~スの金剛さんだが、先代の記憶を受け継いでいないので、先代の思い出の強い艦娘たち(特に榛名)を戸惑わせる。しかし艦娘たちの姉としての優しく懐の広い性格は初代と同じで、次第に不知火達と親しくなる。うたた寝をしていてなぜか自分が初代金剛になった夢を見る。コアの中に先代の魂の一部が混合している。建造されたばかりなのでまだ改二ではなく通常。榛名の危機に初代金剛と会い、差し出されたデータを拒否して共に戦う道を選択する。戦艦棲姫戦では初代の能力と、二代目の肉体的能力が適合せず苦戦するが、徐々に融合を果たす。現在の状態は、初代と精神的に一体化したと思われるが、まだ不安定で自分の中の先代との関係に悩む。さりげなく長門に対吹雪戦のアドバイスをするが教師としては天才肌(長島型ともいう)で教えられる方は訳がわからない。 - 摩耶
第三鎮守府から派遣された教導艦。対空担当。怖い吹雪から離れて新米提督の下で勝手ができると喜んでいたが、その新米提督が本田元教官で、さらにその場に同僚として吹雪が現れて絶望する。武蔵とは艦時代の知己で吹雪との争いに割って入る。 - 五十鈴
第三鎮守府から派遣された教導艦。対潜担当。離れられて喜んでいた吹雪と再会して気絶する。 - 神通
第三鎮守府から派遣された教導艦。砲雷撃戦担当。なぜか本田、吹雪を慕っている。 - 大和 大和型一番艦戦艦。シエフのもっとおすすめレシピで建造される。シェフのもっとおすすめレシピすげえ!って違うそうじゃない!ほんわかお姉さん。武蔵と出撃をかけて演習で勝負することになる。長門の吹雪の激闘を見て長門に見惚れ、弟子入りを(一人前の女の子になる)を志願し、優しく厳しく指導を受け(榛名の助言もあって)武蔵に勝利する。
- 武蔵 大和型二番館戦艦。 シエフのもっとおすすめレシプで建造される。 シエフのもっとおすすめレシピすげえ!って違うそうじゃない!気が荒く傲慢、あろうことか吹雪の前で本田を腰抜け提督と罵り、予想通り吹雪に一撃で吹っ飛ばされる。しかし、その後の長門と吹雪との激闘を見て吹雪に見惚れ、一転吹雪に弟子入りを志願する。激しい訓練に耐えて向上し、磯波との友情を培い吹雪に磯波を妹として大切にしてほしいと頼む。大和との演習では、僅差で敗北する。吹雪は武蔵にだけ磯波を特別な妹と考えていると打ち明けている。
- 金剛(先代)
かつて第八鎮守府にいた戦艦。生涯命中率100%で「ロビンズアロー」(百発百中のロビンフッドの弓のこと)と呼ばれた。当然ながら改二。榛名の危機に二代目金剛の前に現れ、融合して戦艦棲姫と戦う。 榛名は、長門から金剛の艤装の一部を入れたお守りをもらったがなぜか紛失してしまった。二代目金剛のコアの中に魂の一部が混合している。 - 龍驤
特殊戦術艦隊の軽空母、第三話現在、イメージだけの登場。艦載機で榛名たちの危機を救う。「旗艦吹雪の憂鬱」にも第十九戦隊として登場する。
なお、特戦隊のメンバーとしては、吹雪と龍驤の他に朝潮の想起シーンで陸奥、木曾(改二)、利根(改二)、伊401、矢矧らしい姿が見えている。このうち、矢矧以外は「旗艦吹雪の憂鬱」にも第十九戦隊として登場している。 - 五月雨
かつての防衛戦で大破し、意識不明で今は第二鎮守府で眠り続ける艦娘。本田提督が見舞いに訪れている。かつては第八鎮守府で宮川提督の秘書艦をしていたらしい。二代目金剛の夢に現れる。先代金剛の艤装の一部を持ち帰る。 - 望月 旗艦吹雪の憂鬱編にも登場。吹雪から望月先生と呼ばれる。艦娘用の病院に入院中。吹雪から磯波のことを相談され、自分や吹雪のような戦場のすべてを知覚できる能力「ゾーン」があるかと推理する。
- 比叡 金剛型戦艦二番艦。第二鎮守府秘書艦。艦時代の記憶を鮮明に持つ艦娘で、第三次ソロモン海戦で、仲間に見捨てられ孤独に沈んだ記憶に苦しみ、自分で目を潰しそれを克服する。土方提督の助けで平静を取り戻す。
- 翔鶴 第四鎮守府から臨時で派遣された空母。着任前からエンゲル係数の心配で第八鎮守府をパニックに陥れた。どこか自信がなさそうで不安定な印象を与える。吹雪はその派遣に波乱の予感を感じている。
- 三笠宮優子
第三鎮守府司令官。実在の三笠宮とは無関係で、命名は戦艦三笠からだが内親王殿下と呼ばれているので皇族らしい。本田少佐を気に入っているようだが、本田は迷惑している。なお、本田に「閣下」と呼ばれているので准将以上と思われる。外伝「旗艦吹雪の憂鬱」では、建造されたばかりの吹雪を第十九戦隊の旗艦にしている。第十九戦隊をどうしょうもない連中と歎きながらかわいくて仕方ないと心配して当時第八鎮守府司令官の宮川に指揮を頼むが、宮川は断り、代わりに本田を推薦する。ロケットブースターの請求書を見て首を吊りに行く。 - 工廠長
べらんめい江戸っ子妖精。腕はいいようだが、頑固で、建造はシェフのオススメレシピ以外はしないと譲らない。榛名たちを救おうとする金剛にロケットブースターを与え、司令官に無断で出撃する。そのための資材不足の中、シェフのもっとおすすめレシピで、なんと大和型二艦を建造し本田を絶句させる。 - 宮川祐樹
前第八鎮守府司令官で本田の同期で友人。三笠提督に吹雪ら第十九戦隊の指揮を依頼されるが、「間宮のアイス一年分券」「優子ちゃんがなんでも言うことを聞く券」の誘惑にも負けず、断固拒否し、その代わりに本田を推薦する。謎の自決をとげる。その最後の指揮ぶりに本田は疑念を抱いている。 - 土方篤胤
第二鎮守府司令官。海軍大将。本田のかつての上官。本田に艦娘の定義を尋ね、その返答を受けて彼に響を委ねた。比叡を秘書艦にしている。 - 山﨑 海軍情報部 宮川、本田の友人。長門、吹雪の激闘を見学する。
- 鴻上智一 海軍中尉 山﨑の部下 ばば抜きで響に敗れる。
- 高山一太郎 第四鎮守府の司令官。下衆の極み。艦娘を道具としか思っていないようで、元敵国に売りつけることを目論む。
- ヨシフ・ウリアノフ 某隣国の書記長。ちょび髭元画家のライバル。戦力としての艦娘に興味を持つ。
深海棲艦側
- 戦艦棲姫 初代金剛に姉を沈められ、仇として付け狙いついには部下の深海棲艦を食ってまで成長する。榛名を金剛を見誤って追跡し、全滅寸前まで追いつめるが、初代と融合した二代目金剛に敗れる。「二度と戦いたくない相手だ」という金剛の言葉に満足したように沈む。
関連事項
- 建造について
この世界での建造は、まず艤装を作成し、そこに艦の魂魄を移し肉体を顕現させる。従って艤装が失われれば艦娘自体も消滅する。つまり、解体することはその艦娘の「死」を意味する。
また一度轟沈した艦娘でも、建造によって再度生まれる場合がある。ただし艦娘としての先代の記憶は受け継がれない。 - 同一個体について
この世界では、建造によって同一艦が複数生まれる可能性がある(第二鎮守府と第八鎮守府にはそれぞれ個性の違う電がいる)。艦時代の記憶は同じだが艦娘としての個性は別なので、特に一人が沈んだ場合、同じ姿で違う個性の艦は、周囲を混乱させる。「一度沈んだ仲間が同じ姿で戻ってくる。これは喜ぶべきこと。」と考える響は少数派で、初代の記憶があまりに強いために二代目金剛を敬遠する榛名、不知火たちのような反応が普通のようだ。響に「この姿(艦娘)として長いいるとそうはいかなくなる・・でもおまえのような純粋な考えをいつまでも持っていてくれ」と響に優しく言う吹雪の言葉は吹雪の過去を想像させて意味深である。 - かれら・カラス
本田と吹雪だけは、第八鎮守府を密かに監視する軍内部の存在を意識している。吹雪は、本田との会話時に周囲を意識し、会話が読まれないように配慮している。吹雪たち教導艦が遠ざけられた後で、練度の低い榛名たちだけで出撃が命令され、帰路に戦艦棲姫と遭遇する。かれらの意図は不明だが、第八鎮守府に対してなんらかの陰謀が企まれているようだ。軍令部総長がからんでいるらしい。
関連動画
第八鎮守府物語
旗艦吹雪の憂鬱
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関連項目
- 3
- 0pt