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茨木華扇(いばらきかせん)とは、東方Projectの登場キャラクターである。
普段は茨華仙という号を名乗っており、周囲からも本名で呼ばれる場面はほとんど無い。
キャプションでは「茨華仙(茨木華扇)」と併記される事が多い。
「東方三月精 ~ Oriental Sacred Place.」第16話の欄外解説では、華仙は茨木華扇の愛称と解説されている。
本項には連載最新話や関連作品の情報が含まれる場合があるので、ネタバレ要素を見たくない場合には注意されたし。
概要
出演 | 東方茨歌仙(主人公) 東方三月精(第3部16,17話) 東方鈴奈庵(6,10話) 東方深秘録(自機/対戦相手) ※斜体の回はモブでの登場 |
二つ名 | 片腕有角の仙人(茨歌仙) 脅威!願いを訊く仙人(深秘録) 思欲せよ!願いを叶える仙人(深秘録) 断善修悪の怪腕(影華扇・茨歌仙) 奸佞邪智の鬼(鬼華扇・茨歌仙) |
種族 | 仙人/鬼 |
主な能力 | 動物を導く程度の能力 |
テーマ曲 | 華狭間のバトルフィールド |
仙人を装っているだけとも取れるような物言いがある一方で、自分が仙人である事を自覚しているような発言も見られる。少なくとも、その説教臭い言動と人格者のような行動は概ね仙人らしい。
河童の腕が博麗神社に奉納されていた事を聞きつけ、霊夢がそれを御神体として祀り上げようと画策しているところに現れた。本人曰く、鳥に「腕のミイラが見つかった」と聞いて慌てて飛んできたとの事。その後も切断された腕に華扇が興味を示す場面は何度か登場しており、また当人に対する萃香の発言からも、華扇は失った自身の腕を探しているものと思われる。
作中で初登場した時点で既に魔理沙や霊夢とは何度も会っているようだが、特に深い知り合いという訳ではなかったらしく、当初魔理沙は華扇の名前を思い出せず、霊夢に至っては華扇が誰なのかさえも忘れていた。
最初の来訪の際、今の人間や妖怪に言いたい事が山ほどあると語った華扇は、それを理由として博麗神社にしばしば姿を見せるようになった。萃香は華扇が神社を訪れるようになった件について、華扇の本当の目的は腕探しの為に博麗大結界を越えて外の世界に赴く事であり、華扇が霊夢らに近づいたのは結界を弱める為だと推測している。ただしそれを聞いた華扇本人の独白によれば、そんなつもりでもないとの事。ただ積極的に何かをする意思は無さそうではあるが、結界自体には興味を持っているようだ。
理由は不明だが、人間と旧地獄の繋がりを封じたいと考えており、旧地獄に通じる間欠泉センターに立ち入りを禁止の看板を立てたり、結果的に間欠泉が止まる可能性のある事から、常温核融合計画に協力するよう霊夢に意見したりしている。
公式サイトによれば、しばしば里にも現れてありがたいお説教をしているとの事。第一話で人間の里の入り口にいたのは、あるいは説教の為に出向いていたのかも知れない。第七話では説教の場面こそ無いものの、実際に人間の里の中で行動している場面が描かれた。実際に人間の里の住人に説教をしている場面は長らく描かれていなかったが、「月刊ComicREX」2012年5月号掲載の出張版にて、遂にそのシーンが登場している。
いつ頃から仙人として活動しているのかは不明だが、近年の大事件である豊聡耳神子らの復活があった第百二十六季からおよそ三十年前の第九十五季、この年に発行された文々。新聞に既に仙人として掲載されており、昨日今日に仙人デビューしたばかりという訳ではないようである。
外見
頭部のシニョンキャップ、包帯に包まれた右腕、鎖付きの枷がはめられた左腕、そして服の胸元の牡丹の花飾りと、そこから伸びる茨模様が外見上の大きなポイントとなっている。
身長は霊夢や魔理沙より頭一つ分弱高く、道を急いでいた魔理沙が華扇と衝突した際、魔理沙の額がぶつかったのは華扇の肩だった。14歳の日本人女子の平均身長は156cmなので、霊夢もそのくらいと仮定すると、華扇の身長はおよそ165cmという事になる。胸は場面によって大きく見えたり、そうでもなかったりするが、少なくとも小さくはないようだ。
漫画作品のキャラという事で、連載開始当初よりPixivなどでは多数のイラストが投稿されていたが、第一話の時点ではカラーページが1ページも無かった為、服や髪の色については不明だった。その為、この時期に描かれたイラストは、描き手独自の解釈による彩色が施されている事も多い。
その後、第二話にてカラーページが掲載されたので、華扇の公式カラーは、髪は赤系ピンク、服は白とワインレッド、スカートは黄緑色と判明した。第二話掲載前に、作画担当のあずまあやによる華扇のカラーイラスト(の一部)がTwitter上で公開されており、こちらでは華扇の髪は赤いが、あずまによるとこれは「まるっとボツになった」ものであるとの事。
性格
魔理沙は華扇を「口うるさくて余計なお節介を焼く」と評しており、実際説教臭い発言が目立つ。小町なら人間に有って当然とするレベルの欲であっても目に余るものと見る辺り、判断基準はなかなか厳格なようだ。
また、人間の里の入り口で「この世に生を受けてから今までに起こった全ての出来事を」思い返す修行をするといった奇行を見せた事もある。ただ霊夢によると、仙人は変人ばかりとの事なので、奇矯な行動は仙人特有のものであり、華扇個人の性格という訳ではないのかも知れない。
間欠泉を危険視する真の理由は旧地獄の怨霊であるのに、それを伏せて硫黄ガスの人間に対する有毒性という建前の理由を述べたり、死神に対して良い事をしているように見せかけているだけとも取れるような独白をしたりと、腹黒いとも偽悪的ともつかない言動も見られる。
しかしその一方で、華扇は人間に危険が及ばないように気を遣ってくれているのだと信じる早苗の言葉を聞いて、悲しげな表情で思わず本音を語りそうになったり、博麗神社に怨霊が溢れ霊夢の行方が知れなかった際には顔色を変えて心配するなど、人の良さのようなものが感じられる場面も度々登場している。
真面目で厳格な面や、何を考えているのか分からない得体の知れなさが目立つが、飼っていたペットの存在を忘れたり、その事でペットが暴れた際には自分との関係をとぼけて見せるなど、案外いい加減な部分もある。また、大雨によって自宅に多大な被害が出て不機嫌な時、にとりに助けを求められた華扇は、半ば八つ当たりのように彼女の頼みを一蹴しており、気分屋的側面も持っているのかも知れない。霊夢不在の博麗神社を預かった際には、霊夢と同じ巫女服を着込み、浮かれた様子で仕事をしていたので、調子に乗りやすい性格とも考えられる。
負けず嫌いなところもあるらしく、花見の席で「仙人のくせに芸の一つも出来ないのか」と酔った魔理沙に絡まれた際には、ムキになり、恥ずかしがりつつも一発芸を披露していた。なお、この際に披露したのは雷獣を使った超ヒーロー(超サ●ヤ人)の物真似であった。作中に登場した華扇の蔵書は、和綴じでいかにも仙人が読みそうな雰囲気の書物ばかりだったが、描かれていないところでは、何処かで手に入れた外の世界の漫画も読んでいるのかも知れない。
普段は丁寧な物言いをしているが、それが素の喋り方という訳では無いらしく、誰もいない場面での独白や旧知らしい萃香との会話等では、多少砕けた口調で話す事もある。
かなりの甘党のようで、菓子の類を食べている場面が多々存在する他、紅魔館で紅茶を出された際には山盛りの砂糖を投入していた。甘党ではあるが、古典的な意味での甘党という訳ではなく、酒や甘くない食べ物も普通に好んでいる。
知識
自ら長く生きてきたと称する華扇は、それだけに博識であり、怨霊や管狐の性質、旧地獄の住人が地上に出て来ないという約束、雷獣の生態といった、霊夢らも知らなかったような様々な知識を持っている。ただ自身の経験よりも文献等から得た知識も少なくないようで、万歳楽の一件では、実態よりも資料上の情報を基に判断してしまい、その齟齬を笑われてしまうという場面も見られた。
また、まだまだ知らないことだらけと本人が語っている通り、全ての知識について詳しいという訳ではない。中でも科学技術に関しては疎いようで、核融合の仕組みといった高度な知識は勿論、河童の使うサーチライトやソナーについても全く情報を持っていなかった。
科学程ではないが、神仏や宗教に関する知識もあまり深くないようで、その事で霊夢にからかわれたり、戸惑いを見せる場面もしばしば見られる。萃香があっさり見抜いていた酉の市の問題点を、萃香の指摘を受け、かつ文献にあたって調べるまで実態の把握ができなかったという事もあった。
人間と妖怪、動物についての考え
博麗の巫女が妖怪退治を生業としている事実を華扇が否定的に語った事は無いが、妖怪であっても理由も無く退治する事には反対している。また、幻想郷の妖怪が妖怪本来の恐ろしさ等を持っていない点を、平和で良い事だとしている。「妖怪の中には争いを望まない者がいたって良いじゃないですか」とも語っており、人妖が平和的に共存、もしくは住み分けが出来る状態を望ましいと考えているらしい。
その為、人妖が一定の平和的状態にある現在の幻想郷を肯定的に見ているらしく、「東方三月精 ~ Oriental Sacred Place.」第17話では、博霊神社の祭神を探ろうとする光の三妖精の行動によって、その状況が乱される事態が発生する事を避けようとしていた。何故それによって妖怪と人間の関係が乱されると思ったかは判然としないが、「神社の御利益は妖怪退治 か」とも語っているので、祭神が明らかになって信仰が集まる事で、妖怪退治屋としての博霊の巫女の力が高まり、現在の人妖のバランスが崩れる事を危惧したのかも知れない。
しかし幻想郷においては妖怪は演技であっても人を襲って怯えさせるのが本分、巫女は妖怪を退治するのが本分と考えている霊夢に言わせると、華扇の見解は幻想郷にあまり詳しくない者の意見であり、「新参者の妖怪みたいな事を言うのね」という事になるらしい。「仙人のくせに妖怪の味方をするの?」という霊夢の言葉に、華扇が返答に詰まる場面もあった。
とは言え、一応仙人という事になっている華扇は、他の一般的な仙人がそうであるとされているのと同様に、基本的に人間に味方する立場を取っている。例えば「東方三月精 ~ Oriental Sacred Place.」第16話では、人を襲って妖怪化したヤマイヌについて霊夢に警告を発している。結局問題のヤマイヌは、華扇に諭され人を守る妖怪へ変貌した。また本編第十三話では、人間に怪我を負わせた襲撃者がマミ達であると突き止め、彼らに人間へ謝罪させる一方、その妖怪化を防ぐ措置を取っている。このように人知れず人間を助ける行いもしているのだろう。
ただこれらの事例には、人間を助ける以外にも、動物を守るという側面も含まれている。妖怪、もしくはそれに類する存在が里の人間を襲い、血の味を覚える事は幻想郷のルールに反しており、発覚すれば討伐隊が組まれるという。しかしヤマイヌもマミも、華扇の行動によって討伐されるという本来あり得た状況を脱している。これは見方によっては、人間よりも動物を優先しているとも取れる。マミを庇った事について、「山の動物たちが不当に妖怪化したり倒されてしまうのを黙って見ていられない」、「私の役目(ちから)は山の動物たちを正しい方向に導く事」と華扇が語っているのは示唆的である。
一方、妖怪に対しては、人間や動物よりも距離を置いているようだ。妖怪に対して無闇に挑発的、攻撃的な言動を取る事は無く、霊夢による妖怪狐への仕置を窘めるなど、 妖怪に対する過剰な敵対的対応には否定的だが、妖怪へ肩入れする事もほとんど無い。説教や忠告等でより良いあり方を示そうとする華扇の行動は、基本的に人間と動物を相手にした時にしか見られず、華扇が妖怪に説教している場面はほぼ存在していない。例外的に光の三妖精に説教をする場面はあるが、これは犬がいじめられるそうになっているのを止める為という意味も強く、三妖精に何かを教え導くといった動機によるものではないと思われる。
また、第十二話でにとり達河童がアクシデントに悩まされていた際には、霊夢ともども、何ら支援的な行動は見せずにそのまま立ち去っている。更に第十三話では、マミを庇う為に山童に濡れ衣を着せるという策も使っていた。これはマミの暴走の原因がそもそも山童にあると考えている事も理由と思われので、妖怪に悪意的な考えを持っている訳ではないようだが、この件を含め、やはり華扇の妖怪への対応には、人間や動物へのそれとと比べると差があると言える。
なお、前述の通り、動物が妖怪化する事にも基本的に否定的で、ヤマイヌがただの動物に戻れない事を「残念」と評していた。しかしトカゲが雷龍になりかけた時には、特にそれを阻止しようとはせず、経過を見守るという行動を取っている。件のトカゲが雷龍になったら手懐けたかったと語っているので、自分の都合を優先する事もあるようだ。華扇には龍に対する強い思い入れがチラホラと見られるので、あるいは龍を他の妖怪とは区別して考えているのかも知れない。
ヤマイヌへの対処や、妖怪化を防げなかったら自分のところに来ると良いというマミへの台詞からすると、動物が妖怪化してしまったとしても簡単に見捨てたりはしないようだ。しかし行動を観察した結果、不合格と判断したトカゲは容赦無く抹殺しているので、華扇なりの救済基準ラインも存在しているのだろう。
第23話で霊夢不在の博麗神社を預かる決意をした際には、「それが人間の いや妖怪の為だ」と珍しく妖怪側に肩入れしているとも取れる発言をしており、実際、神社が妖怪のたまり場になっても放置していた。しかし妖怪退治という本業を霊夢に思い出させる為という、むしろ人間寄りの行動とも取れる描写となっているので、この発言についての華扇の真意は不明である。あるいは妖怪は人間を襲い、人間は妖怪を退治するという幻想郷における妖怪存続システムを維持するという意味で妖怪の為と語ったのだろうか。
これらの事例から分かるように、妖怪に対する華扇の対応はいささか複雑である。第十四話では、紫によって人間の里に派遣されたホフゴブリンを霊夢と共に追い払っているが、これはホフゴブリンの実態が妖怪のスパイであるという理由であった。しかし表面的には里の人間がホフゴブリンを恐れている事を理由として挙げており、その真意を人間である霊夢には明かす事は無かった。人間に対して直接被害を及ぼした訳ではないホフゴブリンを追い払ってしまった事に関しては、彼等に同情的な発言も見せている。またホフゴブリン同様にスパイである座敷わらしについては特に対策は打たないなど、対応に首尾一貫しないところも見られた。
片腕有角について
二つ名には「片腕」とあるが、見た目は普通に両腕がある。しかし包帯で包まれている華扇の右腕は失われているようで、何らかの術で義手を作って補っているらしい。
霊夢が華扇の右腕を掴んだ際には、握る力に負けてぐにゃりと歪み、包帯の隙間から煙のようなものが漏れ出す様子が描かれているので、華扇の義手は固体ではなく、気体のようなものが詰まっている事が分かる。
またこの右腕で霊夢の陰陽玉に触れた際には、激しい反応と共に消し飛ぶ様子が見られた。華扇は消滅した右腕をすぐに再構成しているので、術による義手の作成は容易なようだ。
この際に華扇は、陰陽玉は妖怪退治を御利益とする神社の本物の御神体であり、うかつに触るのは危険だという趣旨の発言をしているので、華扇もまた妖怪かそれに類する存在である事、右腕はその力によって作られたものだと推測出来る。
右腕は怪我を治す特別な酒を呑んでも傷が癒える事が無いが、呑み続けないと腐ってしまうとの事なので、単に斬られただけといったような通常の怪我ではないと思われる。しかし華扇は自身の右腕について他人、もしくは人間にあまり知られたくないらしく、霊夢や運松が包帯に包まれた右腕に注意を向けた際には、慌てて誤魔化す場面もあった。失われた腕を取り戻したいとも考えているようで、第一話や第十一話では腕を探している様子が描かれている。
二つ名のもうひとつの要素である「有角」については、少なくとも見える範囲には角らしきものは確認出来ない。→茨歌仙最終話の後半で腕を斬られた状態で登場。その際にはシニヨンキャップを着用しておらず、小さい角が剥き出しのままであった。華扇のシニヨンキャップは一種の角隠しのようなものか。
能力
霊夢に何ができるのか聞かれた際には「ひみつ」、「色々出来ますよ」と答えており、設定文やキャプションなどで説明された事も無かったので、いわゆる「~程度の能力」に関しては不明だった。
作中で幾つか特殊能力らしきものを見せていたが、以下に記載するそれらの能力が「~程度の能力」なのか、種族的な能力なのか、あるいは何らかの術なのかは判然としなかった。
2020年発売の公式書籍『東方Project人妖名鑑 常世編』で「主な能力:動物を導く程度の能力」と表記された。
- 動物を導く能力
- 公式サイトの華扇の紹介欄に書かれている能力。公式サイト公開当時の華扇は、この説明から想像出来る能力は動物の使役ぐらいしか見せていなかった為、この能力はその別表現と思われていた。
しかしその後、華扇はこの能力の範疇に入る可能性のある能力を複数見せており、具体的にはどういう能力なのか不透明になった感がある。第十三話では「私の役目(ちから)は山の動物たちを正しい方向に導く事」という発言も見られた。 - 鳥獣の言葉を理解する
- 第一話で華扇が博麗神社を訪れたのは、片腕のミイラが見つかったと鳥が騒いでいるのを聞いての事だった。他にも第六話の雷獣や第十話他の大鷲、第十三話のマミ等、鳥獣と会話をかわしている場面はたびたび登場する。第22話では華扇にとって未知の獣である万歳楽と会話している様子も描かれており、相手が鳥獣でありさえすれば、その種を問わずに無制限に会話可能と思われる。
- 怨霊を潰す
- 包帯の巻かれた右腕で怨霊を握り潰す事が可能。小町にもどうやって潰しているのか分からないとの事なので、仙人なら誰でも出来るという訳ではないようだ。また、潰された怨霊は消滅して輪廻の輪から外れるらしい。
- 瞬間移動
- 第二話で博麗神社の賽銭箱の背後に前触れ無く現れ、訪問中だった早苗を驚かせた。どの程度の距離を移動できるのか、任意の場所に移動できるのかなどの詳細は不明。
第七話でも賽銭箱の背後にいつの間にか現れるという行動を見せている。
「月刊ComicREX」2012年5月号掲載の出張版でも、萃香に出くわしそうになった華扇が、持っていた荷物のみを残して瞬く間に姿を消すという場面が描かれた。 - 動物を使役する
- 猿や蛇、鳥といった通常の動物に加え、華扇や霊夢を背に乗せて飛べる大鷲や、龍の子供といった尋常ならざる生物まで使役できる。特に龍の子供については「私の言うことなら何でも聞きます」とまで言っている。小町によれば、動物の使役は華扇の(もしくは仙人全般の?)得意技のようだ。
- 義手の遠隔操作
- 包帯で覆われた華扇の右腕は、気体のようなものが詰まっている一種の義手と思われるが、これを本体から切り離して遠隔操作する事が可能である。
- 離れた空間を繋げる
- 上述した義手の遠隔操作と同時に見せた能力。服の前掛けの下に義手を差し入れると、離れた場所に切り離された義手が出現。その状態でものを掴んだ義手を引き戻すと、掴んだものも一緒に前掛けの下から引き出されていた。
- 妖怪を導き、変貌させる
- 「東方三月精 ~ Oriental Sacred Place.」第16話「人を喰らう獣」で見せた能力。人を襲って妖怪化したヤマイヌを諭し、人を襲わないでも腹を満たせる妖怪になるよう勧め、人間を守る妖怪「送り犬」へと変貌させたとは本人の弁。その後ヤマイヌは、実際に守り犬に変貌したようで、悪戯を企む光の三妖精から人間を守る為に彼女達を追い回していた。
華扇はヤマイヌを「何とか」したと語る際に意味ありげに包帯に包まれた右腕を掲げており、ルナチャイルドも人を喰うような獣が説教を聞くという事に疑問を感じているので、単なる説教ではなく能力の類と思われる。あるいはこれも「動物を導く能力」の一形態なのかも知れないが、現段階では詳細不明。 - 方術で家を隠す
- 華扇の使う能力の一部は方術によるものと思われるが、そうである事が明言されているのは、現段階ではこの能力のみである。
この術によって隠されている華扇の家にたどり着くには、正路(特別なルート)を通る必要がある。外が吹雪の状況でも、華扇の家の周辺だけは雪も降らず、静けさを保っているので、魔理沙は別天地に喩えていた。
「東方神霊廟」の事件の後、華扇と同じく方術系の術を使うと思われる神子や布都らは、仙界と称する一種の別世界を作ってそこに移住しているが、華扇の家を隠している術も、仙界を作った術と同じか似たタイプの術なのかも知れない。神子によると、ある程度仙術を学べば、空間を作る事は簡単らしい。 - 光球を作り、コントロールする
- 左手から浮遊する光球を発生させ、それを意のままに動かす事が出来る。華扇はこれを自宅付近の大ケヤキの木に設置し、竿打の為の目印としていた。光球の数や大きさについては自由が利くようで、小型の光球を大量に使ったり、より大型の光球を単独で使ったりする姿が見られた。
- 自らの存在を忘れさせる
- 第九話で萃香と遭遇しそうになった華扇は慌てて姿をくらましているが、この際、直前まで華扇と会話をしていた霊夢は、その事実を忘れ去っていた。何らかの記憶操作があったように見えるが現時点では詳細不明。
第一話で霊夢や魔理沙が華扇の事をよく覚えていない様子だったのは、記憶操作能力によって元々知り合いであるという情報を植え付けられた為ではないかとの説もあるが、断定できるような情報は無い。 - 飛行能力
- 華扇は移動する際、徒歩、瞬間移動、龍に乗るといった手段を選ぶ事が多かったが、第24話で飛行シーンが初登場。華扇も飛行能力を持っている事が証明された。
- 頑健な身体
- 触れた人間を一瞬で燃え上がらせる威力を持つ為、霊夢や魔理沙にも対処不可能な球電(雷龍になる筈だったトカゲ)を素手で捕獲している。また直後に殺害されたトカゲは、かなり派手に爆死しており、華扇はその衝撃を間近で受けている筈である。だがそのどちらからも一切ダメージを負っている様子が無かった。
拠点
他の仙人と同様、華扇の拠点も妖怪の山に存在する。三階建ての立派な屋敷で暮らしているが、ただの豪邸という訳ではなく、修行の場である道場を兼ねた建物であるようだ。邸内には十牛図の掛け軸が飾られ、文机に和綴じの書物が積み重ねられている等、いかにも仙人の住処といった雰囲気がある。
屋敷の蔵書には「神様図鑑」なる書物もあり、華扇がこれで守矢神社の神々について調べた事もあった。他にも酉の市についての書物が存在する事が判明している。
屋敷は方術によって隠されており、正路(正しいルート)を通らないとたどり着く事が出来ない。また周囲の通常空間とは何らかの手段で隔絶されて安定した環境にあるらしく、魔理沙は「楽園みたいな処」、「冬だというのに寒さは厳しくないし静かで良いところ」と評していた。華扇自身も暖房設備完備と語っており、これは飼っている動物達の為でもあるらしい。
屋敷が隠されているという事実が明らかになったのは第十話だが、第十二話での華扇と小町の会話によると、もっと以前からその状態であったようだ。小町は何度かこの屋敷を訪れているが、彼女は能力的に正路と関係無く屋敷への来訪が可能との事。第二話での発言によると早苗も屋敷を見た事があるようだが、彼女がどのような手段で屋敷にたどり着いたかは明らかになっていない。
また、屋敷の周囲には不審者を追い払う為に虎が放し飼いにされており、方術によるセキュリティを突破する事が出来ても、一般の人間が近寄る事は困難と思われる。
鬼との関連性
後述の元ネタ、有角であるらしい事、東方Projectにおける鬼の象徴である鎖付きの枷を身に付けている事等から、華扇の正体は鬼であると考える向きが強い(マミゾウに至っては断言している)。
元ネタと思しき茨木童子が酒呑童子の直接の配下であり、星熊童子(勇儀の元ネタで、酒呑童子の配下四天王の一人)と同格かそれ以上の立場にあった事から、萃香や勇儀と同じ鬼の四天王の一人であるとする解釈もある。
そして、49話後編で華扇の「本来の種族」が鬼であることが明かされた。
華扇は仙人か否か
一応仙人という事になっている華扇だが、本人や周囲の言動の中には、華扇は仙人の真似事をしているだけと取れるものもある。この為、華扇は実は仙人ではないという説もある。しかしその一方で、華扇には仙人らしい点も複数存在しており、また本人も仙人であろうとしている事が判明している。
現状の華扇が単に仙人を真似ただけの別の存在なのか、それとも本人が目指している通り実際に仙人になっているのかは判然としない。ここでは肯定材料、否定材料の双方を列挙してみる。
仙人詐称疑惑
第二話で「さすが仙人ですね」と早苗に感心された際、華扇は「仙人みたいな生活をしているのもただの隠れ…」と言いかけて、慌てて口をつぐんでいる。これを素直に受け取るなら、華扇は仙人を装っているだけであり、仙人と名乗っているのも嘘だという事になる。
また小町は第18話で、華扇は仙人の真似事をしているだけという趣旨の発言をしており、華扇自身もこの発言を特に否定していない。
寿命問題
華扇は「地獄の使者を追い返して人間の何倍も生きてきた」と語っており、この点については求聞史紀にある仙人についての説明と一致する。しかし華扇が妖怪の類、特に鬼であるなら、地獄からの刺客を追い返すという仙人式の手段を取らずとも、種族的に人間より長生きが可能ではないかという意見もある。
第十二話では死神と地獄からのお迎えについての話が描かれており、この件に関して更なる情報が明らかになった。華扇は死神が人の命を奪いにくるという話を信じていたが、実はこの話は死神自身による欺瞞工作であり、寿命を越えて生き続けようとする者の命を奪いに来るのは、実際には死神より恐ろしい者であった。小町はその恐ろしい者を見る事について覚悟しておいた方が良いと華扇に忠告したが、「私はどうなのかしらね」と答える華扇に苦笑させられている。これらの描写から、「華扇は元々通常の人間以上の寿命を持っていて小町もそれを知っている」、「華扇は実際には地獄の使者を追い返した経験など無く、前述の発言は自身を普通の仙人であるかのように見せかける為の嘘」といった推測も成り立つ。事実問題の発言は、多くの人妖が周囲にいる時のものであった。
魔理沙は第17話で、華扇が魚石の魚に詳しいのはそれが不老不死の存在であるからだろうという己の推測を語っているが、言われた華扇はしばし考え込んだ上で、「まあそうですね。不老不死は仙人のテーマですから」と他人事のように答えている。人間出身の仙人のように、不老不死について熱心に研究した訳ではないからこその反応とも思えるが真相は不明。
鬼疑惑
上述した通り、華扇には鬼ではないかとの疑惑がある。現実の伝説や古典文学等には非人間出身の仙人もしばしば登場するので、華扇は仙人になった鬼ではないかとの説もある。求聞史紀では仙人は人間が成るものとされており、東方Projectの世界観において、非人間が仙人に成れる事を示す情報は長らく存在していなかったが、「仙人化した天狗」という話題が求聞口授で登場した。これにより、同じく非人間である鬼が仙人になれる可能性が考えられるようになった。
実際華扇には、人間やその延長線上にいる通常の仙人ではなく、妖怪に近い存在である事を匂わせるような描写も幾つか見られる。第九話で霊夢が「妖怪は無条件で退治する」といった趣旨の発言をした際には、寒気を感じた華扇がくしゃみをするというシーンが意味ありげなタイミングで挿入されているし、第十四話でスパイの運用について語る紫は、華扇は通常の仙人ではなく自分達妖怪の同類であるかのような態度で接していた。第16話では萃香が華扇について「仙人の振りをして」と語る場面もあった。萃香は第20話でも、華扇は正体を隠して霊夢らに近づいていると語っている。紫の判断や萃香の指摘が正しいなら、華扇は仙人ではないか、もしくは妖怪から仙人になったものと考えられる。また華扇は第18話で、自身が仙人をしている理由を「人に近づきたかったから」と語っており、この発言は、仙人になる前の出発点がそもそも人間ではないとも取れる。第23話で霊夢の占いを聞こうとしていた魔理沙が「何かと不安を取り除きたいもんなんだよ 人間って」と、人間についての一般論を語った際にも、華扇はそうした感覚が全く理解できない様子であり、これは最初から人間だった事が無いからとも取れる。
第21話では節分用の豆に怯む他、豆まきは苦手、投げつけられれば肉体に響く、軽い水ぶくれができると語っており、一連のシーンの華扇はいかにも鬼らしい描写に見える。第32話では豆まきに加え、鬼除けのお守りである鰯の頭と柊の葉を酷く嫌がる描写もあり、その経緯から仕掛けた犯人である二ッ岩マミゾウから“鬼”と断定されている。
鬼疑惑については他にも様々な情報があるので、各項目も参照されたし。
→前述の通り、49話後編で鬼であることが明かされた。
若い外見
第一話の霊夢の発言や求聞史紀によると、仙人は外見的にも年老いた姿をしているという。そんな中、華扇は若々しい外見をしており、普通の仙人と違った存在なのではないかという説の根拠にもなっていた。
しかし「東方神霊廟」において外見的に若い仙人の青娥が登場した為、仙人は必ずしも老いた姿をしている訳ではない事、華扇のみが例外的存在でない事が明らかになった。
方術
華扇は方術を使用する事が出来る。方術とは神仙や道士らが使う術であり、求聞史紀において、仙人が身に付けているとされている妖術は、恐らく方術の事を指しているのであろう。このような術を使える以上、華扇は仙人かそれに近い存在であり、少なくとも仙人と全く無関係の存在でないと思われる。
食事
求聞史紀によると、五百歳を越えた仙人はほとんど食事が不要となり、霞を食べて暮らすという。しかし華扇は普通に食事を行っているらしく、食事シーンが多々存在している。
第二話で鍋物を提案した他、第七話では団子を食べている場面が見られる。また第十話では遭難して自宅に迷い込んできた魔理沙に肉まんらしきものを振舞っており、普段から自宅に通常の食糧を置いている事が窺える。第十一話で花見の幹事を引き受けた際には、酒や川魚を持参しており、酒は普段から人並み以上に呑んでいるらしい。「月刊ComicREX」2012年5月号掲載の出張版では、蕎麦屋を見て腹を鳴らす、団子屋を見てヨダレを垂らす、満腹するまで団子を食べるといった、食いしん坊ぶりを強調したコミカルな描写も見られた。第十四話でも人間の里で焼き芋やおでんを買い食いしているらしい様子がある。第十五話では博麗神社への手土産に煎餅や団子、豆大福らしきものを持ち込んでおり、自らも霊夢らと一緒に食べていた。「東方鈴奈庵」第10話でモブとして出演した際にも、饅頭のようなものを食べている姿が確認できる。団子と同様に好物のひとつなのか、第20話の縁日でもおでんを食べている場面が登場している。同エピソードの別側面を描いた出張版7では、購入したたこ焼きを萃香に食べられて激昂していた。第23話で霊夢が多忙の為に博麗神社に行きづらくなった際には、人間の里をとぼとぼ歩きながらも何かを食べており、里に来た時には取り敢えず何かを買い食いするという姿が常態化しつつある。その他、公式設定性は不明瞭ではあるものの、REX付録の単行本かけかえカバーや単行本の店舗予約特典等といったあずまの手になるイラストでも華扇が何かを食べているシーンは頻出する。
仮に華扇が五百歳未満でないなら、仙人らしくない特徴と言えよう。
飲酒
上述の通り、華扇は酒を人並み以上に呑んでいるようだ。実際、花見の宴席では一升枡を使っており、「一合なんて単位のうちに入らないわ」と豪語していた。華扇の呑みっぷりは、数々の宴会で多くの人妖と共に酒を呑んで来たであろう魔理沙をして強いと言わしめる程であり、また霊夢によれば華扇は彼女の何倍も飲むのだという。華扇は酒好きの多い幻想郷住人の平均から見ても酒豪と言えるレベルなのだろう。
そして単に酒量が多いだけではなく、一口飲んだだけでその醸造法が古いものか最近のものか判別するなど、利き酒的な面でも秀でている節があり、かなりの酒好きである事が察せられる。その酒好きな性格や酒量は、妖怪の中でも特に酒好きで酒に強いとされる鬼を連想させる。
また第20話では、鬼の出した酒には何が入っているか分からないから呑まない方が良いと霊夢に忠告された後に、萃香の出した酒を平然と呷る場面も描かれており、華扇は鬼の酒であろうと気にせず飲めるだけの自信か経験がある事が分かる。
鬼ごろし
華扇は「本物の鬼ごろし」と称する非常に強い酒を持っているのだが、この酒について「鬼でも天狗でも酔いつぶせる」と、実際に見てきた事のように語っている。求聞史紀には仙人は妖怪の好物で妖怪に狙われるとあり、華扇が単なる仙人であるなら、鬼や天狗と酒盛りをした経験があるとは考えにくい。しかし仮に鬼であるなら、当然仲間の鬼やかつての部下である天狗と共に酒を飲んだ事もある筈で、鬼や天狗が酔いつぶれる姿を目撃していても不思議ではない。
河童についての知識
華扇は「腕をくっつける薬」という僅かな情報から、それが河童の薬である事を見抜いており、「河童が腕を切られた時に生み出される秘薬」という詳細情報まで熟知していた。人間の里の住人や霊夢、魔理沙は薬の正体に全く思い当たる様子が無かったので、人間には知られていない情報だと思われる。妖怪に狙われる事が多いという仙人なら、妖怪の情報を多く持っている可能性も考えられるが、河童について多くの情報を持つ者と言えば、かつての上司である鬼も該当している。
運松の指摘
職漁師の運松は、素性を名乗っていない華扇を新米の仙人と指摘し、華扇はこれを否定しなかった。山に一人で篭って仕事をしていて感覚が鋭くなったという運松は、前夜、彼の家に華扇が忍び込んだ事も何となく感知する程で、華扇もまた運松について「人間は年老いて仙人より仙人らしくなる」と評しており、その感覚に基づいた判断は一定の信頼性があると言えよう。
水鬼との関係
地獄の鬼神長の一人である水鬼が能力を発揮した際、華扇は水鬼を「奴」と呼んでおり、またその能力についても詳しく知っているかのような発言が見られた。これは華扇が鬼であり、水鬼とも鬼同士で面識があるからとも考えられる。
酒虫
第16話において華扇は酒虫酒を用意している。、「東方三月精 ~ Strange and Bright Nature Deity.」第17話及び第18話の記述によると、酒虫は鬼の技術の結晶であり、また鬼でさえ入手が容易ではないらしく、萃香は「やっとの思いで捕まえた」と語っていた。華扇はそんな酒虫を所持し、またその性質についても理解しているが、それらは一般の人妖には難しい事のように思える。しかし華扇が鬼であるなら不可能ではないだろう。
茨木の百薬枡
華扇は「茨木の百薬枡」と呼ばれる特殊な力を秘めた一升枡を所持している。その能力は、酒を注いで呑めば病気や怪我が治り、健康な人なら怪力と言える程の力が漲るというもの。しかしこれには副作用があり、この枡で酒を呑んだ者は、一時的にがさつで乱暴な鬼のような性格になってしまう。また健康体なら問題は無いようだが、この枡で怪我を治すと、肉体的にも鬼に近づいていくのだという。ただしこの副作用は怪我が癒えるまでは発生しないとの事。治癒能力も万能という訳ではないようで、華扇の腕が腐ってしまう事を防ぐ事はできるが、腕の傷そのものを完治させる事は不可能なようだ。
その効果自体にも鬼との関連性が色濃く感じられるが、既出の鬼の四天王である萃香と勇儀が、それぞれ伊吹瓢と星熊盃という自身の姓を冠した特殊な酒器を持っている事を思えば、茨木の姓を冠したこの枡は、華扇と鬼、それも四天王との密接なつながりを連想させる。
鬼達との関係
本人や萃香の言動から、華扇は萃香や勇儀と旧知の仲であるらしい事が分かる。第16話での地底の旧地獄に勇儀を訪ねて頼み事をしたものと思われる描写から、華扇は勇儀と親しく、まだ旧地獄やそこに移住した鬼達についても詳しく知っていると考えられる。
ただの仙人ならば不自然とも思えるコネクションだが、東方地霊殿における萃香と勇儀の会話から鬼の四天王の仲は良好なものと思われるので、華扇自身がその一角なら、それも何ら不思議な話ではなくなるだろう。
仙人についての理解度
仙人は道教との関連性が高く、霊夢や魔理沙の理解も、仙人すなわち道教の宗教家というものである。しかし華扇には自身が宗教家であるという意識は無く、仙人になる事は長生きの秘訣程度の捉え方をしていた。これは一見すると仙人というものへの理解の浅さを示すものであり、華扇が真の仙人から遠い存在である事の証明のようにも思える。
しかし仙人である神子は、人々を救う為に方便として宗教家のように振る舞っているといった趣旨の発言をしており、仙人は必ずしも宗教家であるとは言えないようだ。そうであるなら、宗教家としての仙人への理解度の低さのみでは華扇が仙人である事を否定できないかも知れない。
他の仙人との関係
求聞史紀によると、仙人同士の繋がりは深いとされている。しかし仙人達が暮らす妖怪の山の住人でありながら、華扇には他の仙人との交友関係が全く見られない。仙人のあり方について疑問を感じた華扇が、同業者に話を聞くよう勧められて訪ねたのも、幻想郷では新参の仙人である神子であった。これは華扇が、幻想郷の仙人達のコネクションから浮いた存在、もしくは全く無縁な存在である可能性を示していると言える。
あおり文
第21話の結末は、参加できると思っていた豆まきが中止になったと知って落胆する萃香を、華扇が密かにフォローするというものであったが、Febri連載版では、このラストシーンに「鬼の気持ちは鬼のみぞ知る」というあおり文が飾られている。華扇が鬼でないなら意味不明の文章になってしまうので、公式書籍において華扇が鬼である事が示された場面と言える。
しかしこうしたあおり文は、作者自身ではなく編集サイドの仕事である場合が一般的である。そしてFebri編集部は、後に大鷲である事と明かされた華扇のペットを、公式サイトにおいて大鵬と説明していた事もあるので、このあおり文も編集サイドによる独断に過ぎない可能性も考えられる。よってこの一文は、必ずしも設定的な正確さを保証している訳ではない事にも注意されたし。
東方外來韋編
東方外來韋編 Strange Creators of Outer World. 参 17頁下段に神主の東方茨歌仙へのコメントがあり、「僕としては鬼にするのがいいかなって。」という一文が載った。また34頁から東方の鬼元ネタに対するゲストコラムがあり酒呑童子、星熊童子、茨木童子について触れられている。
以上から作品内では兎も角、読者視点では華扇元ネタについてきちんと作者から情報提供がなされた。
影華扇(茨木童子の腕)
東方茨歌仙49話(前後編通して)に登場した、茨木華扇に似た存在。茨木華扇に角が生えたような姿(髪質や前掛けの色、スカートや鎖等は異なるが)をしている。
※「茨木童子の腕」というのは49話前編での、「影華扇」はコミックス10巻設定資料ページでの名称。
茨木華扇の封印されていた右腕が妖怪化した存在で、華扇が発見した時には封印が解けていた影響で人も喰らっていた。華扇の邪気を体現した存在のような感じで、性格は凶暴であった。
登場時の二つ名「断善修悪の怪腕」の「断善修悪」は四字熟語の「断悪修善」の捩り。断悪修善は、「悪行を断ち、善行を努める」こと。「断善修悪」だと「善行を断ち、悪行を努める」という意味になる。
華扇の真実
種族
本来の種族は鬼。1000年前は山の四天王のひとりでもあった。しかし、何者か(言及されていないが渡辺綱か)に右腕を妖刀「鬼切丸」で斬られ、腕を封印される。その後、邪気を失った華扇は、地獄のような現実に興味を失い、別天地を目指すべく仙人を志すようになった。(つまり49話後編で仙人を辞めた訳では無い)
華扇の正体を知っているのは、(鬼の2人を除いて)博麗霊夢と比那名居天子の2人だけである。
容姿
頭からは太く長い角が生え、茨木華扇・影華扇よりも髪は長い(ちなみに、茨歌仙最終話の回想から、1000年前と現代では髪質や髪型が違うことが分かる)。服装は茨木華扇の衣装から袖を取り去り(あずまあや氏によると、「もどった腕を強調する」ためだそう)、スカートを長くした感じ。色は前掛けは黒、スカートは白。腕の鎖には鉄球の錘が付いており(茨木華扇には無く、影華扇は脚に付いている)、脚にある鎖は脚に巻きついている。ちなみに瞳の瞳孔は猫のような縦。
目的
腕を探していたのは、右腕を封印させる為、そして隣に置いて対極を行き、仙道を極めるため。
腕は外の世界に放置されており、封印が解けかかっていた。幻想郷に持ち帰り腕を封印しようとしたが、封印が華扇本人にかかっている為に腕単体では封印出来ないことが分かり、博麗霊夢を地獄に連れ、鬼退治を行わせることで封印させた。
スペルカード
東方深秘録
自機スペルカード
ストーリーモード
交友関係
博麗霊夢
霊夢は華扇を口うるさく説教臭い仙人と思っており、説教を聞き流す事もある。しかし仙人には何を言っても無駄とも思っており、華扇の頼みや意見は渋々ながらも聞き入れる事が多い。
作中での華扇は常に茨華仙と名乗っており、本名を明かす場面は無いが、出張版での霊夢は茨木華扇と呼んでいた。霊夢が華扇の本名を知った経緯は不明。また華扇は、陰陽玉を見た際に「霊夢が戦闘時いつも持っている玉だわ」と語っているので、霊夢が戦闘する場面を見た事があるようだが、こちらについてもその経緯は描かれていない。
近年は霊夢にも華扇との日常的な交流を受け入れる傾向が見られ、「あんたみたいな仙人でもまだ神社に来てくれるだけマシね」と語ったり、華扇に花見の幹事や豆まきの手伝いを頼んだりする場面が見られるようになった。
以前は「妖怪は無条件で退治する事が巫女の本分」と主張していた霊夢だが、最近は理由も無く妖怪退治する事を不本意そうにしながらも避けているようだ。これは霊夢の気紛れとも考えられるが、あるいは華扇の影響なのかも知れない。
華扇の実力や行動力は認めているらしく、球電騒動の際には、真相をいち早く知って動いていたらしい華扇を「流石だなぁ…」と評していた。
霧雨魔理沙
魔理沙は華扇を口うるさくお節介な仙人と思っているが、仙人は強力な人間の味方とも見ている。加えて仙人の知る長生きの方法に興味がある事から、華扇が博麗神社に顔を出すようになる事には喜んで賛成していた。また、「東方神霊廟」によると、魔理沙は道教と不老不死について華扇から話を聞いた事があるという。
珍品を所持する華扇をコレクターの先輩としてちょっと尊敬すると語る場面があるが、華扇の所持品に対して盗人センサーがロックオンしたと霊夢に評された際に弁明のように出てきた台詞なので、本当にそう思っているのかどうか不明。しかし華扇の持つ品々に興味津々という事に関しては間違いないようだ。
盗みを目的に華扇の屋敷へ侵入しようとした魔理沙が怪我をした際には、「因果応報」、「良い薬になれば良いんですけど」と語っていた華扇だが、それでも魔理沙の怪我についてはかなり心配している様子も見られた。
東風谷早苗
妖怪の山に住む者同士という事もあって、よく会っているらしい。霊夢や魔理沙と違って、特に華扇を煙たく思っている様子は見られず、むしろ尊敬の念を持っているような素振りも見せている。
華扇の方でもそれなりに早苗に気を許しているのか、百薬枡の効果で霊夢らがおかしくなった際にも真相をあっさり教えており、自身の腕の傷についてもかなり突っ込んだ事まで話している。
小野塚小町
以前から面識はあり、時には華扇を監視している事もあるようだ。あまり友好的な関係ではないらしく、小町は華扇に鎌を突きつけ「あんたを完全には信用していない」と面と向かって言っており、華扇も「死神連中はしつこい」と独白したりしている。人間の寿命問題についても意見の相違から来る対立があるようだ。だが完全に冷たい関係という訳でもなく、軽く談笑している場面もしばしば見られる。
本人に対して「仙人の真似事をしているだけ」と語るなど、華扇について他の人妖には明らかにされていない情報も持っているらしい。華扇が豆まきを苦手としている事を話題に軽口を叩く等、華扇が鬼であるなら、その正体についても知っているらしい素振りが見られる。ただ、華扇が仙人として振る舞う理由までは知らなかった。
第三話では死神のお迎えについて嘘の話を華扇に吹き込んでいたが、その後、打ち解けた為か、あるいは一定の信用を持つようになったからか、第十二話では死神のお迎えについての真相を打ち明けている。
雷獣
雷を呼ぶ極めて珍しい獣で、その生態を知る者は非常に少ないとの事。かつて神社で暴れていたところを華扇が捕まえ、飼う事にしたという。その毒にあてられた者は何も考えられなくなり、やがては廃人化するが、芯ごと砕いたトウモロコシが特効薬になる。また、雷獣の主食もトウモロコシである。
華扇は雷獣をかなり可愛がっているらしく、久しぶりに姿を見た際には大変喜んでおり、話しかける際の口調も砕けたものだった。しかしその一方で、冬の間は大人しくなるという性質から、存在を忘れて放置したりもしていた。その後、雷獣は無事にペットに復帰したようで、出張版4でも姿を見せている。
「東方深秘録」では華扇の使用するスペルカードのひとつに雷獣を使ったものがある。このスペルカード名から、「務光」が華扇の飼う雷獣の名前と思われる。
光の三妖精
近年になって、サニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアら光の三妖精とも知り合った。ルナチャイルドは「最近、神社でよく見かける仙人」として華扇について以前から知っていた事が描かれているが、サニーミルクとスターサファイアは華扇について何も知らなかったようだ。
妖精に対する華扇の認識は幻想郷における一般的なそれと大差が無いらしく、「(現在の人間と妖怪の関係を)妖精に乱されたらつまらないわ」、「いかにもな偽物でも妖精なら勘違いすると思った」と、光の三妖精についての発言には妖精を軽視している節が見られる。しかし光の三妖精が誤解から無害な犬を攻撃しようとした際には、いじめては駄目だと普段より優しい態度で説教をしており、妖精を問答無用で蹴散らしたり騙したりする霊夢や魔理沙と比べると、それなりに真摯に対応していると言える。
伊吹萃香
旧知の仲である。黒い靄になって移動する萃香と接触した際には、その感覚からすぐに相手の正体を悟っている程。また、彼女の事を「萃香」と名前で呼んでおり、単に顔を知っている程度の関係ではない事が窺える。
現在の自分について萃香に知られたくないらしく、彼女が現れるとそそくさと身を隠し、「こんな事をしているのがばれたら何を言われるか判ったもんじゃないわ」と意味深な台詞を呟くと、そのまま退散してしまった。その後、再び萃香と出くわしそうになった際にも、華扇は物陰に隠れて萃香をやり過ごしており、その際には「今の私はあいつと顔を合わせる訳にはいかないのよ……」と語っていた。
後に華扇が地底を訪ねて来た事を勇儀に聞いた萃香は、幻想郷で華扇を探し、彼女を発見する事に成功している。しかし萃香は華扇が自分から身を隠すのは「仙人の振りをして何か悪巧みをしている」事によるものだと解釈し、そうであるなら自分と顔を合わせれば台無しになるという事で、結局直接接触する事も華扇の方から気取られる事も無いままに姿を消している。この一件から、華扇が萃香を避けるのはあくまで華扇の側の事情によるものであり、萃香の側が華扇に悪感情を抱いているといったような事情は無い事が分かる。
こうして一度は華扇との接触を避けた萃香だったが、偶然によるものか意図的なものは不明だが、第20話で遂に華扇と直接対面した。この際、萃香は華扇の行動について更に推測を深めており、華扇が正体を隠して神社の連中に近づいたのは結界を弱める為であろうという自身の考えを示している。これによって、外の世界にあるかも知れない失われた腕を探しに行くというのが、萃香の考えた華扇の目的であったが、実際には華扇にそのつもりは無いらしく、萃香の推測は間違っているようだ。
結局、萃香に発覚したら「何を言われるか判ったもんじゃない」という華扇の行動については、この時、特に何も判明しないまま終わっており、結果として華扇の心配は杞憂だったという事になる。
ただ華扇としてはそうした理屈とは別に、心情的にも萃香と顔を合わせたくないらしく、出張版7で偶然遭遇した際には心底嫌そうな顔をしており、奇遇だから一緒に一杯飲もうという萃香の誘いも無視していた。
とは言え華扇が萃香を完全に嫌っているのかと言えばそういう訳でもなく、出張版7でも最終的には一杯だけならと渋りながらも萃香の誘いに乗っており、第21話では、節分の豆まきに参加できなかった事で号泣する萃香を華扇が陰ながらフォローする場面が登場している。この際、「全く世話の焼ける…」と考えつつも微笑もしており、両者の昔からの関係性や感情等が垣間見える。
大鷲
華扇は「久米」、「竿打」という名の2匹の大鷲を従えている。第十話で老いた久米に代わり、若い竿打が後継ぎとなった。第五話や第九話に登場した大鷲は久米だと思われる。華扇は彼らを飼っているという訳ではないらしく、火鉢に当たってリラックスしている竿打を、野生の大鷲なのだから根性の無い人間のようにするなと説教する場面も見られた。
華扇は大鷲を乗り物として使ったり、買い物を言いつけたりしているが、まだ訓練不足の竿打は、色々と上手く仕事をこなせない事も多いようだ。
「東方茨華仙」の公式サイトでは「大鵬」であるかのように説明されているが、作中での呼称は「大鷲」であり、公式サイトの記述は原作者の意図とは異なるものと考えられる。また公式サイトでは幻獣とされており、事実、通常の生物とはかけ離れたサイズであるが、華扇は通常の野生生物であるかのように語っている。
彼等の名前の由来は「久米仙人」及び「竿打ちの仙」と思われる。双方共に本邦で古くから伝わる仙人であるが、いずれも仙人として未熟な点があった事で知られている。華扇、あるいは原作者が何を思って華扇と関係深い彼らにそのような名を付けたか、何とも意味深長である。
虎
華扇は不審者を追い返す為に、屋敷の周辺に虎を放し飼いにしている。自分からは手を出さないように教育しているとの事だが、毛皮が高く売れると考えて手を出した魔理沙には反撃して派手な傷を負わせている。人間がまともに虎の攻撃を受けて五体満足でいられるとは考えにくいので、それなりに手加減するようにしつけられているのかも知れない。
霊夢や人間の里の住人の反応から見て、幻想郷には野生の虎は生息していないらしい。その為、華扇が何処からこの虎を連れて来たかは謎に包まれている。
「東方深秘録」では華扇の使用するスペルカードのひとつに虎を使ったものがある。このスペルカード名から、「彭祖」が華扇の飼う虎の名前と思われる。
射命丸文
現在までに本編中で華扇と接触した場面は無いが、明らかになっている範囲内で二度、文々。新聞の記事に華扇を掲載している。そのうちの片方では華扇のコメントも掲載されており、両者は会話をした経験もある事が分かる。
また記事内には茨木華扇という本名が掲載されているが、文がどのような経緯でそれを知ったかは不明。
霍青娥
最近になって博麗神社で偶然遭遇した。この際、青娥はにこにことして大変友好的な態度であり、仙人同士今後ともよろしくと華扇に名刺を渡している。
華扇は小町から、青娥は邪悪な仙人であるという話を事前に聞いていたが、実際に会った際には、その邪悪さをあまり実感出来ない様子であった。
八雲紫
特に以前からの知り合いという様子は無い。しかし紫は妖怪と人間の関係について語った時、華扇について何かを見抜いていたらしく、「貴方こっち側でしょう?」と指摘している。その為か人間や仙人には教えないという座敷わらしの裏事情についても簡単に打ち明けていた。
紫の指摘が正しいのか、また正しかったとして華扇の正体について何処まで分かっているのかは現段階では不明。
星熊勇儀
直接顔を合わせている場面は存在しないが、華扇本人や萃香の言動から見て、勇儀と旧知の仲である事は確実である。華扇は久々に会ったばかりの勇儀に頼み事をし、また勇儀もそれを引き受けるといった状況から、両者の関係は良好なものである事が分かる。
勇儀と同じ鬼である萃香の事を避けている華扇だが、勇儀に対しては避けるどころか自ら会いに行っており、自身の現状についてもそれなりに語ったようだ。華扇は萃香が幻想郷をうろついている事も、勇儀ら地底の妖怪が地上に出てこない事も知っているので、両者への対応の違いは、あるいはその辺りに原因があるのかも知れない。
龍の子供
華扇が使役する龍の子供で、華扇によれば彼女の言う事は何でも聞くのだという。その頭部は人間のそれよりも若干小さい程度であり、体長も霊夢の二、三倍程度と、子供とされるだけあってあまり大きくない。しかし出現する際には局地的な雷雨を伴い、また霊夢の首筋を咥えて華扇の家に強制連行する等、子供と言えども流石に龍らしい力を持っている。
第20話で博麗神社が火災に遭った際には、それを予測していた華扇によって事前に呼び出されていたらしく、火の手が神社本殿に広がるより早く、雷雨による鎮火に成功している。
また第17話でその出自らしきものが語られてれる。それによると、華扇は以前、内部に龍が棲むという奇石「龍石」を所持していたが、随分昔にそれが孵って龍が生まれたらしい。この一件について華扇は「お陰でかけがえのない素敵なものが手に入ったわ」と語っており、その際に上述の龍の子供らしき龍が背景のイメージカットとして描かれていた。恐らく龍石から孵った龍が、華扇の使役する龍の子供という事なのであろう。しかし華扇は龍石が割れて中から出てきた龍は天に昇るといった趣旨の説明もしており、もし龍の子供が龍石の龍と同一のものなら、何故華扇に従っているのかは不明である。
第24話では、華扇がこの龍の子に対し「お前ももう少し力が持てると良いんだけど…」と語っている場面が登場。子供だけあって、龍、もしくは華扇の基準からすればあまり強くはないのだろう。
上述の虎と同様に、出張版で華扇のペット達が大挙として登場した際には姿を見せていない為、華扇に従う存在ではあるが、ペットとして飼われているという訳ではないのかも知れない。
豊聡耳神子
仙人と宗教家の関係について疑問に感じた華扇が訪ねた相手。それまで面識は無かったようだが、神子は妖怪の山に住む先達として華扇について聞いていたらしい。
神子は華扇について自身を遥かに凌ぐ力を持った仙人と見ており、終始友好的かつ敬意に満ちた態度で接していた。その為か華扇も神子に対してはかなり上機嫌に接しており、小町には黙っていた自身が仙人をしている理由をあっさり語ったりしている。
その他
早苗は第五話で「あの仙人様 色んなペットを飼っているのね」と語っていたが、使役する動物達全てを華扇が飼っているかどうかは分かっていない。ただ、多数のペットを飼っている事は事実のようだ。「月刊ComicREX」2012年6月号掲載の出張版には、既出ペットの大鷲や雷獣以外の華扇のペットとして、犬、ムササビ、何種類かの鳥等が登場している。
「東方三月精 ~ Oriental Sacred Place.」第17話では、第16話に登場した普通の犬と同一の個体と思われる犬を使役していたが、第16話の犬をペットにしたのか、単に神社近くに住む野犬を使っただけなのかは不明。このエピソードでは、本編第五話同様に白蛇も使役しているが、この蛇が第五話の蛇と同一のものかどうかは詳らかではない。
華扇は霊夢に花見の幹事を頼まれた際、面識がないので余り人を呼べないと語っているので、交友関係は広くないようだ。上述した萃香との一件と同様に、旧知の関係者と顔を合わせるのを避けているとも考えられる。
宮古芳香との関係
華扇が初登場した際に呟いていた「水消えて 波は旧苔の髪を洗う」という言葉には元ネタがある。平安時代の歌人・都良香が羅生門にて「気霽風梳新柳髪」と吟じたところ、門にいた茨木童子が「氷消波洗旧苔鬚」と句を返したというエピソードがそれである。これは華扇が茨木童子をモデルにしたキャラクターであり、すなわち鬼である事の傍証として、華扇の登場初期からしばしば話題となっていた。しかし華扇が鬼である事は、ファンの間では半ば公然の秘密であるかのように扱われており、特に議論に発展しなかった為か、都良香との一件は次第に話題になる機会が減っていった。
この一件が再び注目を集めたのは、「東方神霊廟」体験版が公開された時である。STAGE3のボスとして登場した、都良香を連想させる名前を持ったキョンシー、宮古芳香がその契機であった。芳香に指示を与える何者かの存在は体験版の時点で明かされていた為、キョンシー等から想像される道教・仙人という関連性、そして都良香という両者をつなぐモデルの存在から、謎の黒幕に華扇が擬せられた展開予想がしばしば見られた。しかし「神霊廟」の製品版では、芳香に指示を与える人物として霍青娥が登場し、また芳香自体にも、最後まで都良香を匂わせる要素は全く存在しなかった為、製品版のリリース後、この話題も急速に沈静化していった。
芳香と都良香の関連性そのものを否定する材料も無かった為、華扇との関係を含めて、まだ何か新たな展開があるのではと考えるファンは存在していたが、そこから話題が発展する事は稀であり、その点を題材とした二次創作もほとんど見られなかった。
しかし「東方求聞口授」の発売によって、またも状況は一変する。お札を剥がされ、邪仙の呪縛から解放された状態になると、芳香は生前の行動原理に戻るという記述があったのだが、その生前の行動原理とは「歌を詠む」という、平安の歌人・都良香を強く想起させるものだったのである。これによって芳香のモデルが都良香である可能性は高くなり、華扇との関係も俄然注目を集める事となった。
現在までに華扇と芳香が出会う場面は無いが、第20話では両者が偶然すれ違う場面が描かれた。この時、華扇は屋台の暖簾の向こう側に座っており、芳香も華扇とは逆の方向を見ている為、双方はお互いに全く気づかなかったと思われる。今後の展開が期待される。
二次創作における交友関係
華扇は出演が書籍のみという事もあってか、知名度が高いキャラクターとは言えなかったが、単行本発売等もあって、近年は急速に知名度が増しており、二次創作の量も増加している。その際には、劇中での交流が多い霊夢や小町と共演する事が多い。また、華扇が鬼である事を前提に、萃香や勇儀と絡めた作品もよく見られる。「東方神霊廟」の発表後は、同じ(真っ当とはいえない)仙人繋がりということで、青娥と共演する例も増えているようだ。求聞口授以降は芳香との関係も注目されており、関連する二次創作も増えている。
元ネタ
萃香や勇儀と同じく、「鬼」の茨木童子が元ネタであると思われる。茨木童子とは大江山を本拠地にして日本を荒らしまわったとされる鬼の一人。
一般的には首領の「酒呑童子(しゅてんどうじ)」の部下(副首領)とされるが、他の説では酒呑童子の息子であった説、はたまた茨木童子は女の鬼で、酒呑童子の恋人だった説などもある。いずれにせよ、配下の四天王の鬼たちとは違った特別な関係だったらしい。
源頼光によって酒呑童子ら一味が大江山でいっせいに退治されたとき、茨木童子は眠りこけておらず頼光の仲間の一人・渡辺綱と戦っていたが、酒呑童子が討たれるのを見るや敵わないと判断して逃げてしまう。
生き残った茨木童子は後に再び人を襲うようになり、その中で渡辺綱にも襲い掛かる。
しかし渡辺綱に返り討ちにされ、片腕を切り落とされて再び敗走した。
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