許してや、城之内・・・単語

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ユルシテヤジョウノウチ

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許してや、城之内・・・とは、試練の刻印を示す発言である。

概要

「許してや、城之内・・・」とは「本格的ガチムチパンツレスリング３試合目」にて、兄貴が対戦相手である城之内悠二に対して放った言葉である。当初は謎の謝罪として視聴者に受け止められていたが、新たに追加された本編「城之内悠二茂美の誘惑編」によりその真意が明らかとなった。

その真意とは…試練の刻印である。

兄貴はシャワールームで城之内と視線を交わした時に、すでに気づいていた。

「この男は妖精哲学を失っている」と。

この気づきは、城之内とレスリングを通して肉体を交えるうちに確信へと変わった。それは対戦相手への礼を失した態度、汚い攻撃、デビルレイクバーマ発言などからありありと見て取れた。

力なき哲学は戯言であり、哲学なき力は暴力である。

そして・・・・哲学なき無力は罪である・・・・

兄貴は恐れた。この哲学なき無力な罪人・城之内が後に強大な力、すなわち暴力となることを。その脅威をひしひしと感じるうちに、兄貴にひとつの考えが浮かびあがってきた。それは禁断の奥義「フェアリーナイトメア」の使用である。

フェアリーナイトメアとは、対戦相手の精神を死に至らしめる技である。それ故フェアリーナイトメアの直撃を食らった相手は、永劫の悪夢をさまよい続けることになると言われている。お気づきの方もいるだろうが、その悪夢とはノンケの夢である。同性愛ないしバイセクシャルに至上の価値を置く妖精にとってノンケの夢とはまさに親の屍を食らうが如き悪夢に他ならない。

しかし兄貴は妖精哲学の道を歩む者。この非力な青年に対して禁断の奥義を行使することに躊躇いがなかったであろうか。

「力とはすなわち弱者のため」・・・ならば俺が今やろうとしていることは、弱者を力のままに打ちのめす暴力ではないのか。いや、だがこの男を放っておいては必ず妖精世界に混沌をもたらす…

迷う兄貴の中にある逸話が浮かび上がってきた。

それはかつて読んだとある妖精哲学書に記されていた、「極稀にフェアリーナイトメアが生み出す悪夢の中で哲学を取り戻し、その悪夢から抜け出すことができる者がいるという。そして悪夢からの生還者は正しい妖精哲学と力を身につけるだろう」という箇所であった。当時は軽く読み飛ばした個所であったが、今そのフレーズが生命を持ち、兄貴の中へとなだれ込んできた。

そして兄貴は城之内悠二に対して「フェアリーナイトメア」を行使する決意を固めた。それはこの男に試練を与えるという決意でもある。

その決意を固めた時、兄貴は「許してや、城之内・・・」と呟いた。これからこの男を待ち受ける人智の及ばぬ悪夢への想いがそうさせたのだった。だが、兄貴には「城之内は必ず悪夢を克服できる」という確信があった。もちろん根拠などはなかったし、論理的な考察を積み上げてもその結論には決して達することはできなかった。それでもなお兄貴は長い鍛錬の道で研ぎ澄ましてきた己の直感を信じた。