重力装甲メタルストームとは、アイレムにより発売されたファミリーコンピュータ用横スクロールアクションゲームである。
ストーリー
A.D.3521、人類は宇宙への進出に成功。
強大な科学をもって冥王星を対異星人専用軌道惑星「ギガデス」に改造した。
惑星破壊砲を備えるまでにいたったギガデスであったが、突如暴走状態に陥り海王星の基地を攻撃、惑星ごと消滅させる事態が発生。
そしてさらにギガデスの惑星破壊砲は次のターゲットを地球に定める。
宇宙連邦はギガデスの自爆装置を作動させたが、すでにロックがかけられていて作動しない。
人類に残された最後の手段は、惑星破壊砲のエネルギー充填が完了する前に直接冥王星の中枢へ行き自爆装置のロックを解除することのみとなる。
その成功率はわずか2.5パーセント!
極秘司令をうけたグレッグ・バートン中尉は最新鋭機体である重機動歩兵ストームガンナーM-308カスタムに乗りギガデスへと飛び立つ・・・。
概要
1992年(北米版Metal Stormは1991年)に発売。
開発は後にSFCのシューティングゲーム「R-TYPEⅢ」を手がけることになるタムテックスである。
ファミコン末期のゲームということもあり非常にグラフィックの完成度が高い。
敵味方ともにアニメーションが細かくなめらかで、また背景も多重スクロールするなど芸が細かい。
ちなみに海外版とはストームガンナーの色、表示される文字等の違いがある。
ゲームシステム
基本システム
全7ステージ、2周エンド、フリーコンテニュー。
ステージクリア毎にパスワードが表示され、いつでもそこから再開ができるようになっているが、到達ステージだけでなくスコア、パワーアップ、残機等も再現してくれる親切仕様である。
敵の攻撃や敵そのもの、障害物などに触れるとミス扱いとなる。
自機であるストームガンナーは前後上下の4方向にショットを撃てる他、重力反転を行うことが出来る。
重力反転
タイトルからもわかるように重力反転がこのゲームの最大の特徴となっている。
これは↑+ジャンプボタンで自機にかかる重力を反転させ、上へ落下するような状態になることができるというもの。
↓+ジャンプボタンで再び重力を反転させ、元の状態に戻る。
空中でもこの動作は行うことができるが、一度反転させたら地面に足をつけるまで再び反転は出来ない。
この重力反転を使いこなすことがゲームのクリアに直結する。
ちなみに実際の冥王星の重力は地球の約0.06倍であり、月(地球の約0.167倍)よりさらに小さい。
アイテム
- パワーアップアイテム(通常は併用は不可能。ミスしても残機があれば持ち越せる)
【P】・・・パワーブラスター。ショットの攻撃力が倍になり、弾も大きくなる。
【S】・・・バスターシールド。十字キーを入れている方向に攻撃判定のついている盾が出る。
【G】・・・グローバーアタック。重力反転中無敵の火の玉になり、体当たりで攻撃することも出来る。
- エキストラアイテム
【B】・・・ボーナス。スコアに+5000点
【C】・・・クラッシュ。取ると画面上の敵を全滅させる。
【T】・・・エキストラタイム。制限時間+100秒
【1up】・・・1up。残機がひとつ増える
難易度
序盤こそ簡単であるがステージを追うごとにだんだんと難しくなっていき、最後の方ではそれなりに高いアクションゲームのセンスを要求されることになる。
基本的にどのステージも非常にギミックが凝られていて飽きが来ない反面、初見ではまず対応できないトラップや、力押しでは切り抜けられない場面も多い。所謂「死んで覚える」ゲームである。
とはいえ何度も挑戦して、アイテムや重力反転を使いこなせるようになれば確実に前に進めるようになる。
適度な歯ごたえの難易度設定だと言えるだろう。
・・・1周目までは。
エキスパートモード
・R-TYPEⅢのタムテックス開発でアイレムから発売
・2周エンド
・フリーコンテニューとパスワード復帰の親切さ
・死んで覚えるゲーム
・・・等々のキーワードから予測できる人には出来ただろうが、このゲームの2周目の「エキスパートモード」は鬼のような難易度でプレイヤーを容赦なく地獄に叩き落とす。
この2周目の難易度と比べてしまうと1周目など準備体操みたいなもので、説明書に書いてあるストーリーの「成功率2.5パーセント」は誇張でもなんでもなく、むしろちょっと高く見積もり気味なんじゃないかと思ってしまうほどのものである。
敵の耐久力、弾数と弾速度の増加、アイテムの供給量の減少はもちろんのこと、一部のギミックに大きな変化があるためプレイ感が大きく変わるステージも存在し、1周目の戦略が全く役に立たなかったり、今まであまり使わなかったアイテムが大活躍したりすることもしばしば。
海外版は難関の一つとされるステージ6の画面上下に電流が流れていないため日本版より難易度が低くなっている。
機体紹介
- 重機動歩兵ストームガンナー M-308 CUSTOM
宇宙連邦が本作戦のために用意した最新鋭機。本作の自機にあたる。全長3.0m。
重力装甲ではなく重機動歩兵が正式名称である。宇宙空間も移動ができる高性能な機体。
パイロットはグレッグ・バートン(26歳)。彼が何度撃墜される夢を見るかは、プレイヤー次第。
- ゴルゲス
ステージ1のボス。弱点のコアを3方向に出したり引っ込めたりさせながらリングのレーザーを撃ってくる。
2周目になると自機狙いの弾も撃つようになるが、その弾はストームガンナーのショットで消せる。 - エネガイザー
ステージ2のボス。5つのレーザー砲台。全て撃破する必要があるため長期戦となるが、レーザー速度と発射する頻度は時間が立つほど高くなるため一瞬の判断ミスが生死を分けることになる。
2周目ではレーザーの発射速度と頻度が増加。4本同時に撃ってくることもある。 - ガルツェン
ステージ3のボス。エネルギー増幅器内の探査メカで、ビットのようなものを周りに回転させている。
主な攻撃方法は体当たりだが、レーザーが流れる場での戦いのため非常に厄介。
2周目になると移動速度とビットの回転が速くなり、ビットの回転半径も大きくなる。 - ガロン
ステージ4の中ボス。4体がエレベーターの壁に張り付いて、高速回転による体当たりを行う。
2周目の回転の速さは凄まじいものがあり、集中力と根性と多少の運が必要。 - キッド&ザウバー
ステージ4のボス。レーザー砲台のキッド2体とどことなく生物的な外見のザウバーが3体1組で襲ってくる。
ザウバーが本体であるためキッドを破壊する必要はない。ザウバーの動きが一定なのが攻略のポイント。
2周目では動きが早くなり、強度も増す。 - アトランティス
ステージ5のボス。3つのパーツから構成されていて、合体パターンによって色、形、攻撃が3種類に変化する。
避け辛い弾を撃ってくる上、一定以上攻撃を加えると分離→合体→攻撃→分離・・・を高速で繰り返すようになり、かなりアドリブ力が求められるため非常に厄介。2周目になるとさらに弾速も上がり手がつけられない状態に。 - ムーバ
ステージ6のボス。3体の回転する電磁バリア発生装置。特に攻撃はしてこないが、天井と地面に電磁バリアが貼られていて触るとミスになるためムーバを足場にする必要がある。
2周目になると3体の強度にバラつきが出るためうっかり早く倒してしまうと足場が少なくなる。 - 自爆装置
ステージ7のボスラッシュのあとに対面する最終目標地点。
そのエンディングは是非自身の目で確かめてもらいたい。
R-TYPEとの繋がり
今作はアイレムからの発売ということもあり、「R-TYPE」シリーズとのつながりを感じさせるネタが所々挟んである。
しかし今作関連の設定は以降のR-TYPEシリーズでは言及されたことがなく、続報が待たれるところである。
- アトランティス戦では背景に「R-75」と書かれており、これはアトランティスの型式番号である可能性が高い。
R-TYPEに登場するR戦闘機「アローヘッド」の型式番号はR-9Aであり、またアトランティスもR戦闘機と同じように3つのレーザーを使い分けるため何らかの関連性を感じさせる。 - ムーバ戦の背景には「R-TYPE」シリーズでお馴染みのボス「グリーンインフェルノ」の姿が数隻確認できる。
グリーンインフェルノは「R-TYPE」ではもともと地球外文明が作った戦艦であり、
そして今作のギガデスは元々は異星人に対抗するために冥王星を武装強化したものである。
・・・ひょっとして冥王星の機械の暴走ってバイドの仕業なんじゃ・・・
関連動画
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関連項目
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