鬼界カルデラとは、鹿児島県薩摩半島の南約50kmにある海底火山である。
概要
直径約20kmで、最初に形成された外側のカルデラと、約7300年前に形成された内側のカルデラの2重構造になっている。外側の外輪山の一部が海上に顔を出したものが竹島と薩摩硫黄島である。7300年前の噴火は南九州の縄文文化を滅ぼした巨大なもので、地球環境の一部に壊滅的な被害を与える破局的噴火であった。噴火に伴い発生した鬼界アカホヤ火山灰は東北地方にまで達し、ほぼ日本全域に渡って影響を及ぼしたのである。宮崎県の農家で”アカホヤ”と呼ばれていた地層が全国各地に分布していることがわかり、調査の結果鬼界カルデラから噴出したものと確認されたのだ。
また、2016年から2017年にかけて行なわれた神戸大の研究チームの調査により、カルデラ中央部には直径10km~13km、高さ約600mに及ぶ世界最大級の溶岩ドームが発見された。調査では活動的なマグマが存在することを示す熱水プルームや、水中で溶岩ドームが形成される際にできる特有の割れ目が確認されたことから、マグマ溜りに新たなマグマが供給され続けたことから溶岩ドームが形成されたものと考えられている。
過去6700年に一度の割合で起きたとされる日本における破局的噴火は、いつ起きてもおかしくないと複数の火山学者が警告しているが、鬼界カルデラで発見された溶岩ドームの下には巨大なマグマ溜りが存在している可能性が高いのだ。最悪の場合の想定死者数が1億人とされる巨大カルデラ噴火が起きれば、日本は大変なことになるのである。
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