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中国の北京が元々は「モンゴル人の都市」であったことが忘れられていったように、フェザーンもローエングラム朝の後は「商人の星」であったことは忘れられてゆくのかね。

途中から地球教の活動が主体になってコーネフ以外のフェザーン商人の活動があんまり見られなかったのはちと残念。

自治領時代の人口20億人というけど、これ「国籍」（厳密には違うんだろうけど便宜上こう書きます）を持ってるのが20億人という意味だったんじゃないかな。
銀河を飛び回る独立商人や交易船のクルーを差し引いた「定住民人口」はどの位だったんだろう。ローエングラム体制下で惑星改造を行ってる、ってわざわざ言及されたってことは、それ以前は決して住み心地の良い星じゃなさそうだし。

不可侵中立が守られて生存し続けているのが不思議な勢力
戦時中の中立国は
・自衛するだけの軍事力を持つ
・他国の軍事力の保護下にある
・遠隔地で攻めるメリットが乏しい
のいずれかの条件を満たさないと中立は大抵破られる
フェザーンの場合は
・自前の軍事力は警備艦隊程度しかなく帝国・同盟の半個艦隊にも負けそう
・帝国軍・同盟軍いずれの駐留も許しておらず軍事同盟の描写も無い
・交通の要衝でここを抑えればイゼルローンを無視して侵攻できる
と3ついずれもアウト
例えばモデルの一つだろう教皇領は宗教権威と寄進の経済力だけで独立国家として存続していたわけではなく
神聖ローマ帝国やフランスやイタリア諸国家の軍事的な保護を受けていたから存続していたにすぎない
だからフランス革命やイタリア統一戦争では保護国の軍事力を失ったとたん軍事力で簡単に征服された
フィクションでは二大国家だけしか存在しない宇宙戦争での中立国というよく似た存在してサイド6があるが
あそこは自国の軍では中立を守り切れないので戦争前半にジオン軍の駐留を受け入れ
戦争末期には連邦軍の駐留を受け入れて軍事的保護を得ることで中立を守りきっている
そういった条件を一切満たしていないフェザーンがどうやって中立第三勢力として振る舞い続けたのか…

フェザーン建国時の帝国の情勢を考えると

・コルネリアス1世の遠征の失敗
　表向きには出来ないが、すでに帝国の国力では同盟の完全併呑は不可能なことがハッキリして来た。
・帝国は同盟と違って地方分権型封建社会
　支えている貴族にとってはあくまで「現状維持」が大事。同盟には正直、興味がない。むしろ、平押しの
　前面進攻は負担増につながりかねない。目先のフェザーンからの賄賂と利権の方がずっと魅力的。

って感じじゃないの。同盟の事情は分からないな。イゼルローン要塞が出来るまでは専守防衛が
基本方針だから、進攻口よりも中立地帯の方が都合がよく、イゼルローン要塞完成後はさすがに
表向き法治国家なので条約破りには抵抗感があったのかもね。

>>4
同盟が攻めないのは戦線をイゼルローン方面のみから二正面にしても危険なだけというのが大きいだろうね
某サイトでも言われている通り同盟がイゼルローンを抑えた帝国領侵攻作戦時も攻めなかったのは謎だが

帝国が攻めなかったのは、確かに貴族があまり同盟征服に熱心じゃなかったのが大きいだろうね
戦場に身を晒して軍功を挙げるより蓄財や宮廷闘争の方が自分や家の利益になったんだろう
帝国軍が掲げる叛徒討伐のスローガンは実は最初から空文化していて
門閥貴族が一掃され軍事力で銀河を統一する事に愚直なラインハルトが中央集権化したことで
帝国軍はようやく軍事的には理に適っているが外交面・謀略面などの雑多なデメリットがあり
何より「誰もやりたがらないので」実行されなかったフェザーン侵攻に踏み切れたのだろう

個人的にモデルはヴェネチア共和国だと思っている。
キリスト教・イスラム教の二大文化圏の間に位置して、経済力をベースに
外交と情報を駆使し、時にイスラム側について、その時代の経済的覇者になった。
しかしやがてナポレオンに対外侵攻の足掛かりとして併呑されて、独立国家としての歴史は終わる。

何故フェザーンを帝国同盟は攻めなかったのかだけど、
一番はやはり、大々的な戦略を立ててまで攻める人材がいなかったんじゃないかな。
帝国貴族とすると、イゼルローン周辺の狭い戦域で武勲を立てる事で、軍人としての地位も名誉も保てた。
最低限、そこで完全に同盟を圧倒できるだけの軍事的才能がない限りは
フェザーン侵略してその後での成功も覚束ず、派閥争いや嫉妬もあってどうなるかわかったものではない。
皇帝が直接言い出さない限り(と言っても、それなりの発言権のある貴族が上申してだけど)は、貴族同士の潰し合いで話が通らないと思う。
あと経済力は大きくて、フェザーンを飲み込んだ場合、以降は帝国ー同盟間の交易は不可能になる。
だから一時的には財政は潤っても、長期的には戦費調達で苦しくなるんじゃないか。

同盟とすると、艦隊数で帝国に負けてるから、イゼルローン側で手一杯じゃないかな。
帝国領侵攻の時もそうだけど、フェザーン占領後の構想まで用意してないと
中途半端に戦力を二つに分けて、イゼル側を追い込まれてくだけになると思う。

＞最低限、そこで完全に同盟を圧倒できるだけの軍事的才能がない限りは
＞フェザーン侵略してその後での成功も覚束ず
ヘタするとそれで失敗した場合の亡命ルートを自分から潰すことになるわけだしなぁ

同盟が攻めなかったのはそれこそ経済をかなり根っこの部分で抑えられてたからだろう。それを武力で反故するのは幾ら腐った政府でも寧ろ腐ってるからこそ踏み倒しはしまい。自由民主主義の建前もあることだし。
軍部の方も「奪った回廊から堂々と攻めて侵攻する、姑息な手など一切要らない」とかいうどこかの誰かの喧伝が浸透してそう。

クーデターの時エベンス大佐がフェザーンの商人に
帝国を併呑した次はフェザーンの番だみたいなこと言ってたから
一部軍人は同盟経済に対するフェザーン資本の進出を苦々しく思ってはいたんだろう

フェザーンの独立派って実際、どの程度の規模と影響力があるんだろう。というか、ボリスやカーレ・ウィロックみたいな少人数の冒険家気質のグループはともかく、組織や社会集団として存在してるかどうかも怪しいし。（旧同盟領では実力はともかく活動はしてる再独立派、反帝国運動グループはいたけど）

貧富の格差は激しかったみたいだし、もともと愛国心なんてせせら笑ってるのがフェザーン人気質ではあったけど、郷土愛も希薄で、儲けさせてくれるなら支配者が新帝国でも気にしないのが大勢なのかな。

>>10
組織としては、ルビンスキーが逮捕された時点で活動終了なあたりでお察し。
ウィロックみたいな独立自由商人は「帝都」フェザーンは嫌いそうだけど、惑星自体にはあまり未練なさそうだし、ハイネセンなりオーディン（遷都で凋落するだろうから、逆に経済特区的な振興策が見込めそう）なりに本拠地移すんじゃないかな。

ラインハルト以前に帝国も同盟も何でフェザーン侵攻しなかったんだよ！的な疑問は単純にコロンブスの卵的なもんじゃないのかな

>>12
それも有るだろうけれど、一番の理由は同盟と帝国の交渉場所としての価値なんじゃないかな
例えば捕虜交換の話し合いとかサイオキシン麻薬の取り締まりとか、
イゼルローン建設前なら宇宙海賊の情報の共有とか（イゼルローン建設前だとあの辺海賊が隠れそうな場所が多そうだし）
そう言った事をするには中立地帯が必要だしな

両陣営にとってフェザーン経由でもたらされる情報が貴重なのもあるだろうな
ラグナロック作戦の前にラインハルトもそれを利用して、イゼルローンに対しての出兵をリークして同盟の注目をそっちに集めたわけだし

帝国や同盟の社会にはかなりフェザーン資本が浸透してたけど、あれって金を吸い上げるだけじゃなく、もしフェザーン侵攻をしようとしたら計画段階でキャッチして、ゼネストでもやらせて社会を混乱させてそれどころじゃなくさせるための布石だったのかな。どっちも社会システム破綻寸前だったから効果は絶大だったろうし、それを考えたらいくら軍事的に微弱だって言われても怖くて侵攻なんてできないって。

ラインハルトもラグナロックの際にこういう妨害を受けるはずだったんだろうし、逆に言えばボルテックの寝返りが確定したのがラグナロックの突破口だったんだな。

フジリュー版だと一部の人間にしか知られていない謎の国家に……
スゲーなフェザーン、というか地球教

>>12
ほとんど砂だけの不毛の惑星なのに中継交易の恩恵20億も人口があるんだぞ？
占領したら当然二大国の中継地としての利点はなくなり、収益は激減することは目に見えてるから、とても維持できるとは思えませんわ。
敵対勢力の間近だから、20億のフェザーン人が蜂起したら速攻で逆の勢力に再征服されて終了。
先に侵攻した側の悪名だけが残ってしまう……。

ラインハルトがフェザーン占領を円滑にできたのは、首都移転というウルトラCのおかげってのもあるだろうねぇ。もし被占領地扱いのままだったら、旧同盟領で起きたように反乱や暴動が頻発して、フェザーン人の敵意付きで手放さざるを得なくなったかも。旧帝国や同盟が占領を躊躇したのもそうしたリスクだし。

>>18
それは大きいと思う。双璧も「フェザーンは今後どうするんだろうなあ」と思ってたろうから、遷都計画を聞いて「その手があったか！ さすがはマインカイザー！」と思ったんだろうなあ。（ロイエンタールはやや陰にこもった感じで）

自治権はあるが、あくまで帝国の一自治領か。現実だと今の中国における香港やマカオみたいなもんか？台湾はまた複雑だろうし。

>>20
どう見ても当時の日本がモデルだろ
軍事力はアメリカに依存していて一時は山手線内の地価でアメリカ全土が買えるとまで言われ国民は民主主義者じゃない
経済発展していて小規模な防衛力しか持たない勢力はおおかた日本をモデルとしていると見て間違いない

地球教は狂信的右翼って感じかね
田中芳樹の他作品から見られる日本像を見るにありそうだな

……（フェザーンは別に軍事力を帝国に依存していたわけじゃないって突っ込むべきだろうか）

まあそうだけど非武装(現実の日本は建前だけだけど)ってあたりは戦後日本とかなりパラレルでしょ
モデルと言っても何から何まで一緒である筈も無いし

作品ができた時代が時代だけに、米ソ日三極の影響は受けてると思う。そっから歴史上存在した色んな国を突っ込んだ感じ。フェザーンに関して言えば、政治社会制度の描写見ると、シルクロード国家、ベネチア、堺を参考にしてる節がある。

いや、なんだかんだで三国志の呉が根っこにあると考えたほうが無難な気がする
帝国と同盟との差別化で商人国家にしただけかと

ふと思ったけど、帝国本土には、フェザーンの他にも貴族の領地じゃない「自治領」と呼ばれる自由都市みたいな星系があったりするかな。

一応。地球も扱いの上では自治領だったのかな
帝国の勢力範囲内にあったわけだし、形の上では自治領として扱われてたのかも
無視されていたともいうが

地球はそもそもラグラングループとその後の戦国時代、再統一を通じて、ずっと人類社会の管轄外
「それは銀河連邦の法であろう？」
「御意。ですがゴールデンバウム王朝の法が、これに関しては未ださだめられておりませねば、旧法にしたがうよりございませぬが……」

こんな感じだったんじゃないかな。

>>29
そんな感じで自治領という肩書を与えられたんじゃないかな

それはそうと話は変わるがフジリュー版だと門閥貴族に内乱を唆していたな
狙いは帝国の弱体化（同盟のダメージが深刻すぎるしなぁ）なのか……
それともオリジナル展開にするつもりか……