ニコニコ大百科

まあ、勝った側がその後の歴史を記述することが出来るって意味では、歴史も、正義も勝った側のものってのはある意味正しい。

松野シナリオだと歴史的な英雄が実は魔なる存在だったとか、それに見入られていたって展開が多いよね。FF12でも主人公の協力者の記録が所々で引用されるって形でストーリーが語られるし、FFTなんかは語り手が後世の歴史学者って形で、謀反人とされた主人公が実は正しかったってことを述べるって設定だし。

日本でいえば源氏と平家って感じだな。

歴史の教科書に記されてない「正義として扱われた英雄や団体」の負の面なんて掃いて捨てるほどあるだろう。

思想や理想があっても金銭や名誉になびく人は沢山いる。
力が強ければ不都合な記録は封印・排除できるから正義側になることは十分できるよ。

勝った方が正義とは言うが、勝っただけでそうそう正義になれるもんじゃないと思うがな。本当に正義（それなりに万人に認められるもの）になれたなら非難は苛烈にならんはずだし。

歴史が証明してるとよく言うが、歴史の記録に残ってないだけで、反発自体は普通に消えてないし、昔は記録媒体や広める手段がそもそも少なかったってのもあるし。それに「勝ったものが正義」の話は国家権力とかマクロな例が出やすいが、それは極端な例で、大半の人間はそんなもの手に入れることはないし、その権力にすら限界があるんだから、たかだが一個人や悪人が何かに勝ったくらいじゃ正義になれんだろう。

勝利すれば、とりあえずその場の主導権が取れるってだけだと思うがな。

権力についてなら、世界各地の義賊の伝説から見ると、
「民衆から搾取する権力者は倒れるべき（倒れて欲しい）」というのがどんな民族や文化にも見られるテーマだね。

>>617
アンパンマンの作文は参考になったよ。
確かにアンパンマンと比較して他のヒーローを下げるのはどうかと思うが、
まあアンパンマンみたいな「他人に尽くす」ことに主眼を置くヒーローは希少だからな。
そういうヒーローを評価し続けることで埋もれないようにしようとする動きはあってもいいと思う。

ちなみに最近とある特撮番組で、こういうヒーローへのアンチテーゼのようなものを見たよ。
「強い者は弱い者のために身を呈するべき」という思想を叩きこまれて育った弟（今は悪党サイド）が
それを教えた兄貴に「そんなことしてたって全然嬉しくないよ！」と吠えながら斬りかかってた。
悪に堕ちた者の戯言、と言うこともできるが、一応弟は物語冒頭では
その教えに徹して戦ってただけに、いろいろと思うところがあった。
本当に「他人に尽くす姿勢」だけ、それだけにこだわってればいいのだろうか、とかな。

あんま、アンチテーゼ物は創作作品としてはあんま好きじゃないんだよな。

アンチテーゼは、既存の価値観の反対や悪い部分、皮肉を言えばいいだけだから、その気になれば簡単に書けちゃうし、一見善悪が複雑化して深いように見えて、話の流れ自体は単純になりやすいし（一昔前に正義批難とかが流行ってたが、言ってることは似たり寄ったり）。読み物は流行と反発の繰り返しだから、アンチテーゼ物は創作で人気取る上で相性がいいんだけどさ。

王道→邪道→王道の繰り返ししてる内に、理論武装ガチガチでテンポ悪い、揚げ足の取りあいや予防線張りばかりみたいになっちゃうこともあるし。

何だ・・PS2のゲーム記事じゃないのか

>>636
まあ実際そういうとこあるだろうな。

だから俺もアンチテーゼ一本の作品は好きじゃないよ。
その作品ならではの正義観、ちゃんと独自の視点から地道に積み上げているものがあって、
その正義観そのものへの反証もきちんと出している、
その上で、他の正義観へのアンチテーゼもさらっと混ぜるのなら許せると思ってる。

そうすることでアンチテーゼもただ他人の正義観をコケにするだけのものじゃなくて
作品中における正義考察の１つのバリエーションにできるわけだしな。

>>635 >>638
その作品の主張は二通りありそうに思う。
１．正義執行の責務はつらい仕事だ。
２．ヒーローには報酬があるべきだ。

しない善よりする偽善

>>635
理念だけではヒーローになれないし、自分の信念として昇華しなければ意味ないと言う事なんだろうね
その考えを行う事による嬉しさややりがいを感じていれば悪堕ちしなかったと思うし

形にこだわったり、形だけの正義なんてのは敵側で描かれる場合が多いと思う

>>640
善、偽善とかがそもそも曖昧な言葉だし…よく敵を助けたり、大小両方を助けるために合理的ではない危険な行為を選ぶ正義の味方が偽善だと非難されるが、逆である敵で危険だから殺す、大のために小を切り捨てる行為も殺しという「悪」がある以上、結局それも欺瞞が入った偽善だし…まあ、こじつければ何にでも当て嵌まる言葉だ。

しかし今では正義の味方には付いて回る偽善って言葉だけど、なんで流行ったんだろうな？００年代まではまるで聞かなかった言葉だったが（古いゲームのラスボスが言ってたような気がするが、それ位）。その時期に善悪が複雑化したヒーロー作品が流行ってたり、正義という言葉に過剰に嫌悪し物事の醜い部分を語りたがる思春期に好まれやすい言葉ってのもあるだろうが。

でも創作作品で加速度的に使われるようになった要因といえば…あの蝶人だよなぁ。

>>635
その特撮が何なのかわからないし俺の解釈が間違っているのかもしれないけど
それだけ見るとアンパンマン系のヒーローへのアンチテーゼと言う訳じゃないんじゃないかなと感じるな
アンパンマンって「強い者は弱い者のために身を呈するべき」と言うより「困ってる人がいたら助けてあげようね」と言うテーマだと思うし(そこに強者も弱者も関係ないという感じで)
どちらかと言えば「力を持つ者の責任」に対するアンチテーゼに感じる
「力ある者はなにもかも背負わなければならないのか」と言う

暴力や殺し合いが駄目だっていうなら
謝罪で平和を勝ち取るゴメンナサイ仮面ってのはどうかな
某同人誌のネタだけど

>>643
そうだな……。確かに>>617で出された資料２つのうち、
２つ目の方の文章の書き手はそういう解釈してたよ。
「困ってる人がいたら助ける」「親切を惜しまない」その精神がとにかく大事なんだって。

ただ１つ目の作文には、アンパンマンの強さとは
「例え自分が傷つくとわかっていても、自分が汚れるとわかっていても
　人を助けようと思う強い心を持つこと」
「それが本物の強さ」
って書いてあるんだよな。こっちは明らかにアンパンマンの精神を
「他者への奉仕精神」「ノブレス・オブリージュ」として解釈してると思う。
だからアンパンマンの中に「力ある者の責任」というテーマを見る人もいて、
俺の意見もそう的外れではないのかな？　って思ったわ。

アンパンマンはともかく、天丼マンとかサブキャラクターは自主的にアンパンマンに協力、人助けしてるから責任とはまた違ったもんだだと思ってる。

>>617で示した作文を全否定する意見が少なくて驚いたなあ　自分は「こんな正義の味方を愚弄する作文には佳作さえ勿体ない、あげるとすればゴールデンラズベリー賞くらいな物だろう」的な感想の下でリンクを貼ったんだけど
話は変わるが最近のスーパーヒーロー大戦はどうにかならんのかね。過去のヒーローを無理やり悪役や独善的にして革新的なことやってますなノリにはうんざりだ
最もこういうのが台頭したのは、仮面ライダー龍騎のような、人間の未来のために協力して戦う仮面ライダーを否定したような物が受けてしまったのも要因の一つかね

協力して闘う事自体は否定してないと思うけどな龍騎
場合によればちゃんと協力するし、一直線だった秋山や北岡の気持ちを多少なりとも変えさせる事も出来てたし
龍騎は芯がしっかりしていれば相手に意思を伝えられるし分かり合うことも出来るという話だと思うよ
本当に否定していたのなら真司と蓮がそれなりに様になってるコンビにはなり得てなかっただろうし
ヒーロー大戦は単純にいろんなキャラをだして派手な事やりたいけどネタ切れ的な部分もあって迷走してるだけだと思う

龍騎自体は悪い訳ではない。木戸達が葛藤しながらも進む姿も一つのヒーローの姿だと思うし。

ただその流行に乗ろうとして「人間は皆ライダー」「この戦いに、正義はない」みたいな目につきやすいとこだけ抜き出した、安易なアンチテーゼに走った作品が多すぎるのが問題。

最近ならまどかが流行った後、可愛いキャラが絶望に叩き込まれる、魔法少女アンチとかだけ抜き出した、残虐で猟奇的、欲望渦巻く魔法少女物が流行ったのと同じ。まどか自体、既存の魔法少女作品の存在ありきの話だがアンチテーゼメインでも何かをそのままコピーしたかのような作品でもないし。

最近のライダー映画含め、衝撃的なことやってるように見えて、展開自体は当時流行ってたどこかの作品に影響されすぎた模倣作品ばかりなんだよな。「アイデアは出尽くされてるから、過去の作品と多少被るのは仕方ない」なんて言い分も通じない程オリジナリティ皆無。

>>649
少なくとも
>可愛いキャラが絶望に叩き込まれる、魔法少女アンチとかだけ抜き出した、残虐で猟奇的、欲望渦巻く魔法少女物が流行った
まどマギに続いた作品はほぼなかったと思うよ(まどマギ自体のパロディは増えたけどそれはあくまでギャグだし)
あえて近いといえば「幻影ヲ駆ケル太陽」があるけども、これだって魔法少女じゃないし、変身ヒロインで考えれば珍しい物でもない
まどマギ自体は安易なライダーのコピーだと思うし(主に龍騎・555あたりの)、しかもそれっぽい設定だけコピーして魔法少女でやっただけという話で

>>650
いや、アニメになったりで有名になってないだけで漫画、ラノベ業界では邪道魔法少女は結構あるよ。（アニメではセレクターぐらいだろう）。魔法少女育成計画、魔法少女オブジエンドとか。魔法少女だけじゃなく、ＳＡＯみたいな仮想ゲーム要素やデスゲーム物、ゾンビ物みたいな流行ってる要素も混ざってたりしてて。

>>651
セレクターは魔法少女というより単純な龍騎系列じゃないかな
あまり掲示板違いの話を引っ張るのもあれだけど

目の前で泣いている人を助ける(アンパンマンのように食料あげたり、月光仮面とかのように悪を倒したり)為に最善を尽くすのが正義の味方だと思うな
悪役が自己中心的な奴ならわかり易いんだが、そうでない敵(誰かを守る為だったり、なんらかの滅亡を防ぐ為に動いてるタイプ、大を守るために小を捨てようとしてるタイプ)だとどうしても正義の味方側は中途半端な存在に見えて批判されてしまう場合が多いと思うな

>>647
正直な話、俺もこれはひどいと思ったが荒れるのが怖かったのでやんわりと否定した。

>>652
＞悪役が自己中心的な奴ならわかり易いんだが
これなんだよね。でもそうするとそれはそれで「子供っぽい」「ベタ」「もうお腹いっぱい」などと否定されかねない。そこが難しいところ。

意志をもたない謎の怪生物とか実験の失敗で生まれた暴走ロボットとかという手もあるな。
記事内参照用URL :

でも最近は正義の複雑化した作品の方もありきたりでうんざりするもの扱いされ始めて、見ててすっきりする予定調和の勧善懲悪物も復権し始めてるし。

ただ、非勧善懲悪が流行ったおかげで倫理が掘り下げられて、昔みたいにほいほい人殺せなくなり、バトル物でも主人公が不殺に縛られてる作品もあってそれが足引っ張ってしまう場合もある（その反発の一つとして人殺し上等な主人公も生まれてるが）。

それに対し、意思疎通のできない怪物や話し合いの余地ない屑を敵にするってがあるけど、怪物だとキャラとしての魅力をつけるは難しいし、屑キャラも魅力がないチンピラになってるのが大半だし。

勧善懲悪で大事なのは、頼りになる主人公と、魅力的な悪役が書けてることだと思う。

普通に戦隊物とかでいいんじゃないすかね。

>>655
子供が見るために作られてるんだからそりゃそうだなｗ
正直なとこ戦隊の悪役は経緯よりデザインに目を奪われてしまうが。
機関車仮面とかテレビ仮面とか。

今仮面ライダー１～２号編が配信されているけどショッカーは脳改造、強制的な人体実験、奴隷の使い捨てなど迷うことなき「悪」だけど屑キャラとは呼ばれない。完全な悪でありながらたまに回りくどい作戦やドジな怪人もいるから「魅力」があるんだろうな。

プリキュアは浄化する路線だったな
タイムレンジャーの圧縮冷凍、破壊魔定光のように敵を回収とかにすれば
倫理観も解消出来そうな気がするな

ライダーや戦隊、プリキュア、ウルトラマンで比較的分かりやすいヒーロー物は見れるしそっちをみればいいかなとは思うな

>>653
「子供っぽい」「ベタ」と言われるのは、単に作家の力量不足だろう。
上手く『悪』を描写できなかったわけだ。

また、強い意志を持った悪人こそヒーローの宿敵にふさわしい。

悪人を生け捕りにして脳改造手術したり特殊能力の除去を施して善人に改心させる
こういうヒーローなら論理的に批判されないだろうか　…ダメか

単純に殺さないのに重点おくならば、悪人と全力でバトルして主人公が「お前が何度悪事をしようと俺が止める」といって悪人を逃がす
それを何回かやってる内に悪人と分かりあい悪人が善人に変える(本気でぶつかり合えばわかり合える的な)ヒーローにすれば倫理観に批判されない・・・・と思ったがこれはこれで逃がしたことによって再度被害が出てるからダメだ的な事言われそうだな