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この世の果てで恋を唄う少女YU-NO


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この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO
発売日 1996年12月26日PC-98
1997年12月4日SS
2000年12月22日Windows
2017年3月16日PS4PS Vita
2019年3月14日Switch
2019年10月1日  (Steam)
ジャンル SFADV
企画・脚本
ゲームデザイン
菅野ひろゆき
キャラクターデザイン 長岡康史(PC-98SSWindows
凪良(PS4PS VitaSwitchSteam
音楽 梅本竜 神奈江紀 高見
発売元 élfPC-98SSWindows)
MAGES.PS4PS VitaSwitch
スパイク・チュンソフト (Steam)
レーティング PC-98,Windows18歳未満販売禁止
SS18歳以上推奨
PS4PS VitaSwitch:CERO:D(17歳以上)
価格(税込)

9,800円PC-98
7,800円SS
3,000円(Windows 通販限定)
7,560円  (PS4PS Vita ダウンロード版)
6,480円  (Switch ダウンロード版)
価格未定  (Steam 配信版)

この世の果てで恋を唄う少女YU-NOとは、élfから発売されたSFアドベンチャーゲームである。


概要


数多くの名作ADVを世に送り出したゲームクリエイター菅野ひろゆき(剣乃ゆきひろ)が企画・脚本・ゲームデザインを行った作品。

一般的には『DESIRE背徳の螺旋』『EVE burst error』と並び菅野の代表作とされる(「菅野三部作」とも呼ばれている)。

本作はパラレルワールドを渡り歩き、そこに隠されたを解き明かすADVである。物語1995年日本の架舞台とした現代編(現世編)と、異世界編(ユーノ編)の二部構成となっている。

物語の中に現実科学数学物理学哲学宗教歴史の深い知識、近親相姦カニバリズム畜を食べることの是非など、プレイヤー道徳的規範に問いかけ、生命倫理に深く関わるタブーに触れるテーマを織り込んだ、精巧かつ緻密に構成された心揺さぶる感動的な物語と、複雑に分岐するマルチシナリオが展開される『物語迷宮とも称された、膨大なテキスト量で描かれた各ストーリーラインを、わかりやすく視覚化し一で俯瞰することが出来る、Auto Diverge Mapping Systemオート分岐マッピングシステム)』、略して『A.D.M.Sアダム)』と呼称する画期的なシステムが渾然一体となった、そのゲーム性は二のものであり、究極のアドベンチャーゲームと言って過言ではない。

従来のADVにおいてプレイヤー物語世界への没入を妨げる最大の障となる、主人公プレイヤーとの視点の乖離に対する解決法のひとつの回答であり、菅野らによるのロールプレイングへの挑戦であった。

本作の後世のゲーム、アニメ、漫画、小説作品への影響力は大きく、発売から20年以上が経った今日でも、しばしばADVの最高傑作として名前があがる。
[外部]

当時もその反は大きく『墨攻』[外部]などの著作で知られる小説家見賢一や、『動物化するポストモダン』[外部]などの著作で知られる評論家・哲学者の東浩紀[外部]らなどが、本作の世界観を真剣に語って評論した。[外部]

一般でもゲーム総合誌であった電撃王の「第2回電撃ゲームソフト大賞」(1997年5月号)において、『サクラ大戦』『ポリスノーツ』『バイオハザード』『鉄拳2』など他の人気作品を抑え、読者投票均点が最も高い作品に与えられるヒートアップ賞を受賞するなど、美少女ゲームとしては異例の非常に高い評価を受けていた。

本作に惚れ込んだ東は後に『元祖セカイ系』『奇跡ゲームである。そして起ゲームである。萌え並行世界に駆動されるマルチストーリーアドベンチャーゲームの時代は、ここから始まる。ここにぼくたちの愛したもののすべてがある。美少女ゲームメタフィクションする全てのユーザーが、一度は必ずプレイすべきゲームである。』と評した。

この他、現代に活躍する多くのクリエーター作家たちも本作の影り称賛してはばからない。

本作のテキスト容量は、2MBほどで長めであると形容される、ADVテキストの3倍から4倍もの分量である8MBにも達し、400字詰め原稿用に換算して1万枚、A4用に直して6千枚をえるという前絶後の規模である。エンディングに至るまでのプレイ時間は60時間以上が必要ともいわれ、達成率100%、個別エンディングまで含めると100時間をすこともしくはないという超大作となっている。[動]

つまり本作は世間一般では所詮、アンダーグラウンドの娯楽に過ぎないエロゲーギャルゲーに類するジャンルの作品でありながら、今日日本ゲーム漫画アニメを核とするサブカルチャーにおいて重要な、ストーリーリングのひとつともなった古典であり、美少女ゲーム徴するレジェンド、不朽のである。

本作で描かれたギミック演劇的手法を思わせるメタフィクションを多用した演出、タペストリの如く綿密に編み込まれた物語と影の対の妙は、さながら名作の条件を解き明かす支配方程式となり、後世の作品に大いに参考とされた。

講談社の文芸誌ファウスト[外部]はこれをゼロ年代の表現をあらかじめ用意した』2004年に評していた。

いわゆる神ゲーであろう。[動]

本作のプロモーション菅野が担当し、発売の数ヶ前に先行して各に見開きで掲載された、文字情報は当時としては長い奇妙なタイトルのみで、宇宙空間で眠る少女の幻想的なキービジュアル[外部]が描かれた、キャッチコピーすらシンプル広告は、本作の内容はまだCGすら秘されており、一切不明なものであったのだが、非常に印的なものとして、市場の本作が超大作であろうという期待感を煽った。

オリジナルキャラクターデザインは実アニメーター長岡康史が担当。音楽はFM音源の魔術師と呼ばれていた梅本竜がメインで担当している。[外部]また本作の制作には当時黄金期と呼ばれた、まさに全盛時代のélfの最高のスタッフたちが結集し、菅野の壮大な構想を現実のものとした。同社のトップであった蛭田人も本作の制作揮を菅野に全面的に任せ、同社の取締役というその才を遺憾なく発揮させることが可な権限を与えていた。当時のélfは、同級生シリーズドラゴンナイトシリーズなどのヒット作に恵まれ絶好調の波に乗っており、ファイナルファンタジーで知られる、スクウェアにも並ぶほどの巨大な収益を得て、まさにアダルトゲーム業界の覇者であった。

菅野は通常、ゲーム制作において、シナリオライタープログラマーは両立出来ないのが常識とされるが、それまではプログラマーも兼任しており、まずストーリーボードを作り、字コンテを起こし、グラフィック発注を行い、それと並行してプログラムスクリプト制作も行い、ゲームの基本的なシステムを構築すると、そのアドベンチャーゲームエンジン)を動かしながらシナリオを書き、スクリプトコマンドが足りなくなっていくと、また新たなプログラムスクリプトを作り直しては、シナリオ加筆していくという、非常に煩雑で即的な並行作業を、尋常とは思えない驚異的なハイペースで行っていたが、しかしélfでは優秀なプログラマースタッフを借りることが出来たので、シナリオにもこれまで以上のを傾けることが可となった。

菅野は以前所属していたシーズウェアでは、ゲーム制作に4ヶ以上の製作期間を与えられなかったところを、élfではその倍の8ヶもの製作期間を与えられ喜び、まるで気が遠くなるような制作期間に「今までできなかったことをいっぱいやろう!」とシステム面でも、従来の菅野ADVで採用されてきたコマンド選択式の他にも、複雑で制作には手間がかかると敬遠されるポイントクリック式を採用するなど意欲的なゲームデザインを行った。

しかし制作開始から5ヶを過ぎた頃、このままでは納期に間に合わないという判断に至り、本来は現代編を20時間から30時間ほどプレイ時間に抑え、現代編は異世界編への大いなるプロローグに過ぎず、異世界編が本編という構想であったのだが、仕方なく現代編を本編とし、異世界編をエピローグとする大幅な軌変更を行う決断がされた。

その為か序盤に散りばめられた一部の伏線が回収されきっておらず、なんとなくは考察であるが、明確な答えは提示されていない部分もある。また異世界編は15時間ほどと、現代編とべると短く足な印である。この結果に菅野く本作の構想は予定の7割の実現にとどまったと述べ非常に悔み、一時は本作を駄作とも断言したが、ユーザーたちからの様々な好評のを聞き自信を取り戻した。

本来A.D.M.Sは異世界編にも施され、さらにその異世界には過去現在未来があるというように三次元的に拡大されて適用される構想もあったようだ。その構想の一部は菅野の次回作エクソダスギルティーに活かされた。

A.D.M.Sは菅野ダンジョンRPG好きが高じて作られたシステムで、創生期のダンジョンRPGではオートマッピングなどなく、プレイヤーが各自ゲーム画面を方眼に写しとってマッピングして楽しんでいたが、やがてユーザたちのニーズが、より簡単に遊べる方が好ましいと変化していくにつれ、オートマッピングが導入された経緯がある。

菅野ダンジョンオートマッピングがあるなら、マルチシナリオにもオートマッピングがあっても良いだろうと思いつき、オートマッピング子にそこにマルチストーリーが一体となる、最強マルチストーリーシステムと銘打ったA.D.M.Sを考案し、複雑に分岐する迷宮のような物語には並行世界を導入する発想に至った。元々A.D.M.Sは菅野の前作『XENONゼノン夢幻の肢体』でも導入が試みられていたが、ゼノンに与えられた開発期間はわずか3ヶしかなく、マップを組み込むとプログラムを終わらせることが出来ず導入は諦められた経緯があった。

A.D.M.Sについて菅野は、かがいつかは思いついてやるだろうと考えていたが、やはり自分が一番最初にやっておきたいとYU-NOへの搭載が決意された。

そして従来のSFでの定番となっていたタイムトラベル物では、歴史を変えるためにはパラドクスが発生し、「自分を殺すためには大なエネルギーが必要となる」「なにかしら邪魔が入る」という古典ギミックが絡んできたが、菅野はそこに「歴史は積み重なっていく」「時間を移動するという行為は、歴史のパラグラフのひとつでしかない」という新解釈をあたえ、そのコンセプト物語を組み立てると矛盾は起こらず、かが過去に遡ってなにかを行っても、その行為自体が歴史に積み重なり、分岐が一つできるだけなので、実際には歴史変されたわけではなく、こうすれば理論的にタイムパラドクスは起きないと考え、本作の子とした。

また世界観を構築するにあたり、作中で用いられる資料として数十ページにも及ぶ、現実数学物理学哲学歴史学が駆使された、とてもフィクションのものとは思えないような本格的な論文「世界構成原理に関する一考察」が執筆された。


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最終更新日: 19/08/17 12:08
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