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アルゴナウタイ


ヨミ: アルゴナウタイ

アルゴナウタイ(ἈργοναύταιArgonautaiとは、ギリシア神話英雄によるドリームチームである。


概要


トロイア戦争よりも前の時代を舞台とした冒険譚。
主人公イアーソーン(イアソン)

ホメーロスの『オデュッセイア』第12書にて言及されるのが最古の記録で、アルゴナウタイを題とした作品で現存する最古の文献は、紀元前3世紀頃に成立したロドスのアポローニオスの叙事アルゴナウティカ』である。

意味は「アルゴーの船員」を意味するアルゴナウテース」の複数形。英語ではアルゴノーツ(アーゴノーツ)」となる。


あらすじ



背景


イオティアの一・オルコメノス王タマースは、女神ヘーラーの命により、ペレという女を妻に迎えた。二人の間には王子リクソス王女ヘレーが生まれる。

ペレーはそもそも人間ではなく、ヘーラーを誘惑しようとした男・イクシーオーンにかける為にから作られたニンフ妖精)だった。その為気位が高く、常日頃アタマースを見下しており、これに彼はを立てていた。そこで彼はイーノーというを代わりに寵愛した。
やがてイーノーは二人の子供悪意を抱き、わざと炒った麦の種を撒かせて芽が出ない事をアタマースに訴え、事を解決する為にデルポイ託を乞うた。この時の使者もイーノーに買収されて「プリクソスをゼウスの生贄にげよ」と偽りの託を持ち帰る。

タマースはプリクソスを生贄として殺そうとしたが、ヘーラー(実のネペレーとも)は飛ぶをつかわし、プリクソスとヘレーはこれに乗って逃げた。しかし速度はあまりにく、ヘレーは途中でに落ちて死んでしまった。
レースポントスと名づけられたこのは、現在ではダーダネル峡と呼ばれている。

その後プリクソスはルキ現在ジョージア)に辿り着く。そこでコルキス王アイエーテース護され、のカルキオペーを妻として与えられた。
リクソスは感謝を込めてゼウスげ、の毛皮裘(きんようきゅう)」アイエーテースに献上する。その後プリクソスは同地で没したが、彼の息子アルゴスはの故に戻った。
アイエーテースは裘をアレースのの樫の木に打ちつけ、決して眠る事のないドラゴンに見らせた。

この裘を巡り、物語は始まる。


イアーソーン、最初の物語


テッサリアの一イオルコス王ネーレウス双子リアースに追放、ネーレウスの一子アイソーン夫婦ともども監禁された時、アイソーンの幼い息子イアーソーンケンタウロス賢者ケイローンの許に逃がされた。
ケイローンの下でイアーソーンは教育され、やがて成人するとイオルコスに戻って王位を正式に継承しようと考える。その中、の流れに立ち往生していた老婆を背負って渡ろうとした所、思いもかけない重さによって片方のサンダルが脱げてしまう。
老婆の正体はヘーラーで、ペリアースが長年ヘーラーを蔑ろにしていた罰を与え得る者を探していたのである。ヘーラーは以後イアーソーンに好感を覚え、彼に加護を与える事となった。

イオルコスを訪れたイアーソーンは王となったペリアースに面会するが、ペリアースは彼を見て驚く。
実は彼はかつてサンダルを片方だけ履いた男に王位を奪われる」という託を受けていた。正体を明かしたイアーソーンは捕らわれの身である両親の解放、および自分に王位を返すよう要するが、ペリアースは一計を案じ、王位返上に一つの条件をつける。それこそが「コルキスにある伝説裘を持ち帰る」というものだった。王位の為、両親の為、イアーソーンは困難な冒険に出ることを決意する。


アルゴナウタイ、結成


イアーソーンは女神アテナの助言を受け、プリクソスの子アルゴスを招聘。彼に依頼して、巨大な船を建造した。
このアルゴスの名に因んで「快速」を意味する「アルゴー」と名づけられた船の乗員を、イアーソーンはギリシア各地から募集する。ヘーラー加護もあり、50人以上もの勇士が集まった。

ざっと名を挙げるだけでも

とまあ、こんな感じである。
ただし文献によって諸説があり、時系列が合わない例もある。まあドリームチームだし

こうして一行はアルゴーに乗り込み、コルキスをして出航した。


往路


最初の寄港地となったレームノスには男はおらず、住民は皆女ばかりだった。
これは彼女達がアプロディーテーを軽んじた呪いを受け、の男達が別のの女に中になり、相手にされなくなった復讐として皆殺しにしてしまったからである。
一行はこので手厚い歓待を受け、何人かはベッドを共にして子を成した。デレデレの男達を一して理矢理出航させたのは、ヘラクレスただ一人だったという。

レースポントスを過ぎて立ち寄ったドリオニアでは、王キューコスの手厚い歓待を受ける。
食料を運び込んで出航したアルゴーだったが、の内に逆によってドリオニアに戻ってしまい、敵襲と勘違いしたドリオニア人と戦闘になる。王は殺され、夫の死を知った王妃レイテー自害した。
になって事の次第を知ったアルゴナウタイは嘆いて頭髪を切り、犠牲者を手厚く葬ったという。

飲みを確保する為に立ち寄ったミューシアで、最初の脱落者が出る。
ヘラクレスの小姓・ヒュラースがその美貌を見初められてニンフに攫われてしまい、ヘラクレスが彼を探すうちにアルゴーは出航してしまった。
この時彼を待とうという意見が出たが、ゼーテースとカライスがそれに反対。風神の子の意見には逆らえず、こうしてヘラクレスはアルゴナウタイから脱落してしまった。まあこの人が出すぎると主人公の立場がないってのもあるかも知れない。後にヘラクレスはこの時の恨みから、ゼーテースとカライスを殺している。

ブリュクスの王アミュコスは、ポセイドンとする残虐な暴君だった。
彼は外国人が来ると拳闘試合を持ちかけて殺していたが、この挑戦を受けたのはゼウスの子にして格闘技の名手・ポリュデウケースだった。
ポリュデウケースはアミュコスボコボコタコ殴りにして殺し、ベブリュクスの民が襲ってくるのをアルゴナウタイの全員返り討ちにした。


航海の助言


今後の航路を決める為、一行は予言者ピーネウの許を訪れる。
かつてピーネウスは人間未来を予言した為に罰を受けて盲目にされ、更に怪物ハルピュイアに苦しめられていた。ピーネウスが食事をしようとするとハルピュイアが飛んできて食卓荒らし、残された食べ物も悪臭にまみれ、かれこれ数年はまともに食事が出来ない状況にあった。
予言と引き換えに怪鳥退治を引き受けたアルゴナウタイは速食卓を用意。飛んできたハルピュイアは、を持つゼーテースとカライスによって追い回され、退治された。

ピーネウスは感謝し、一行に航路を示す。
その途中には「シュムプレーデスの岩」と呼ばれる難所があり、のような巨大な2つの岩が動いてはぶつかり、船の往来を邪魔していた。
ピーネウスは一羽のを渡し、岩の間をが通り抜けられたら全で漕いで抜けるよう助言する。は尾の端を挟まれたものの飛び抜ける事に成功、岩が動き出すと同時に一同は全で櫂をこぎ、隙間を見事通過。この時ヘーラー加護もあって乗員は全員事だったが、船尾が岩に挟み取られてしまった。
それ以来、岩は二度と動く事がなくなり、安全な航路になったという。


コルキスにて


その後も様々なを訪れつつ、アルゴナウタイは遂にコルキスに到着した。
速イアーソーンはアイエーテースの許を訪れ、「プリクソスの霊が元に立ち、裘を故郷のギリシアに戻して欲しいと願っている。是非お渡し願いたい」と交渉した。だが王にはそんな気はなく、策を弄してイアーソーンを殺そうと考える。
そこでアレースの所有する「火を吐く雄」に鋤を牽かせ、耕した土地に竜の牙をまく事を要した。

この難題に対し、ヘーラーはアプロディーテーの協を仰いだ。
すなわち、アイエーテースのにして魔術を使う王女メディアに、イアーソーンへの心を吹き込ませたのである。彼女はたちまちしいに落ち、イアーソーンの為に協を申し出た。

まずメディアはイアーソーンにを渡し、これを入れたで沐浴するよう告げる。これによってイアーソーンの身体は雄の炎を効化し、彼は雄を捕まえて鋤を牽かせる事に成功した。
次に、地面に撒いた竜の牙からはスパルトイと呼ばれる戦士が次々と生まれる。しかしメディアの助言に従い、イアーソーンは彼らの中に石を投げ込んだ。するとたちまちスパルトイは同士討ちを始め、残った最後の一人をイアーソーンは殺して勝利する。
なおもアイエーテースは裘の譲渡を渋るが、メディアはイアーソーンをアレースのに案内し、見りの魔法をかけて眠らせて裘を奪取。ちゃっかりコルキスの財宝も盗み出した一行は、ただちに出航した。

アイエーテースはも財宝も裘も奪われた事を知ると、ただちに船団を率いて追撃する。
いよいよ追いつかれそうになった時、メディアは恐ろしい計略を使った。一緒に連れてきた幼いアプシュルトス殺してバラバラに切り刻んだ。そして遺体に投げ、こう叫んだのである。
上、今こそあなたの息子をお返ししましょう」
嘆き悲しんだアイエーテース達がが子の死体を拾い集めている隙に、アルゴーは脱出に成功。しかしこの残虐なやり口に反発を覚える者は少なくなかったという。


帰路


ゼウスメディア弟殺しに怒り、を送って帰路を妨げた。
方々を彷徨ったアルゴーはアイアイエーへと辿り着き、を統治する魔女キルケーにより、一行の罪は清められる。

で船乗りを惑わせるセイレーンの住処の近くを通った際、船の先に立ったオルフェウスが対抗する為に琴を奏で、歌を歌った。
これによって一行は難を逃れたが、ブーテースだけがセイレーンに魅了され、船から飛び降りて泳ぎ去ってしまう。ちなみに彼は戦いと全く縁の養蜂だったりする。しかしブーテースを気に入ったアプロディーテーに救われてシチリアに辿り着き、ついでにアプロディーテーとの間に子まで授かり、平和な暮らしを送った。

続いてはセイレーンの次の難所、六つの頭で六人を食らう怪物キュラと、全てを飲み込む大渦のカリュブデスにも遭遇。しかしヘーラー女神テティスに依頼し、ニンフ達が全アルゴーを守り、ここも事に切り抜けている。

その後に遭遇した一行は、流れ流れてアフリカリビアに漂着してしまう。船は砂漠地にまで押し上げられ、身動きが取れなくなってしまった。
しかしそこはドリームチーム、何とアルゴーを全員で担ぎ上げてに戻すという脳筋作戦に出る。12日間の地獄の行程を経てアルゴーはトリトニスに運ばれ、海神トリトン地中海まで戻してくれたのだった。

クレタでは、門番である巨人タロス巨石を投げて攻撃してきた。
鍛冶パイストスからクレタ王ミノスに与えられたこの巨人を正面から倒す術はなく、メディア魔法をかけて眠らせる。その隙にかかとにある足の釘を引き抜かれ、イコル(の血)が全て流出したタロスは死んでしまった。
またの名手であるポイアースが踵を撃ち抜いて倒したという異説もある。ポイアースは後にヘラクレスから死の間際にを託され、息子ピロクテーテースがこれを継承、トロイア戦争の切り札として用いられた。


帰還、しかし



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最終更新日: 19/09/18 13:51
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