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『ホワイトドール』とは、アニメ『∀ガンダム』に登場する架空の人型ロボット兵器、モビルスーツ(MS)。
イングレッサ・ミリシャなどで使用された発掘モビルスーツ『∀』ガンダムである。本来の型式番号が『System-∀99』、ミリシャ内での型式番号が『WD-M01』である。
別名が多いのも特徴であり、髭の機械人形、白ヒゲ、白い巨人、髭の奴、白い悪魔、髭のホワイトドール、ローラの髭、ターンエー等とみんな好き勝手に呼んでいる。
ミリシャでは御神体ホワイトドールから現れた事からそのままホワイトドールと呼ばれるようになった。
なお当初「∀」と言う記号に全肯定の意味があるのを監督は知らなかったらしく、∀ガンダムと名付けてから意味を知ったという。(アニメ!アニメ!安田朗氏インタビューにて)
ディアナカウンターの侵攻を捉え、ビシニティの郊外マウンテンサイクルの御神体ホワイトドールから現れた謎の機械人形。
その正体は対外宇宙勢力用決戦MSである。かつて外宇宙へと旅立ったNTの一団が建造したとされるターンXが地球圏へと流れついた際、そうとは知らない地球人類がその脅威の技術力を目の当たりにし、外宇宙から未知の勢力が侵攻してくる事を恐れ建造したMSと言われている。
この時点でターンXは現在の左右非対称の修繕を繰り返したMSとされており、∀が本当に勝たねばならぬ敵はターンXのオリジナルか、あるいはターンXをここまで追い詰めた敵である。
その為「戦いにやり過ぎ等は無いよ。」を地で行くMSであり通常の兵器に求められるあらゆる規格や制限を排した、単機で他文明を相手取り地球を守ろうという、正に人類の未来を託された希望のMSであった。(その人類の希望が当の人類自体を滅亡寸前まで追い詰めたのは皮肉と言うほかない。)
ようするにたった一機の地球防衛軍である。
動力源の「DHGCP」は、縮退炉を2基搭載したもので、SFの世界ではブラックホールエンジンと呼ばれるものであるが、これもどのような技術が用いられているのかは不明。エネルギーは無尽蔵とされ、モビルスーツの製造技術が失われ全く補給が行われない作中の地球でも支障なく稼働し続けていた。
同じく縮退炉を搭載し駆動方式も似ているスモ―を圧倒する性能を持っており、この事もディアナカウンターを刺激する一因にもなった。
なお、建造当時にはミノフスキー粒子の活動を完全に停止させる技術が既に確立されていた為に、建造にはミノフスキー物理学を用いた技術が使用されていない。その為、同じ名前の武装・装置でも名前だけが一緒で全く別の技術が使われている可能性が高い。
劇中の活躍としてはミリシャの交渉におけるバックグラウンドの戦力としての役割と、パイロットのロランの性格も相まって前述の戦闘能力をほとんど発揮していない。(ターンAが目覚めたばかりで性能を発揮できていないからでもある。)
逆に物語を通じて訴えてきた、文明を滅ぼすような兵器でも使い方次第では人の役に立つというのを体現する活躍をしている。洗濯をしたり橋になったりなど日常生活を支える事が多かった。
その最もたる例が、核で小惑星を破壊しフォンシティを守った事や、月光蝶で冬の宮殿を守った事である。
文明を滅ぼすという罪を背負ったホワイトドールはロランと共に贖罪の旅を終え、兄弟機であるターンXを道連れに永い眠りにつき、Turn Aでも時代を拓ける事を証明して見せた。
機体はIFを用いる「IFBD」(Iフィールドビームドライブ)という駆動システムで動いている。
これは外側からIFを梁の様に展開し操り人形の様にコントロールする装置で、要は強力なバリアで機体をコントロールする斬新な発想の代物である。
その為、内部はがらんどうの様になっておりフレームや駆動装備が存在せず、駆体そのものが装甲や構造材を兼ねた構造となっている。ちなみに稼働状態では重量が軽減する。
この効果でホワイトドールは非常に軽やか且つ高い運動性を発揮していた。
ロランは元々Iフィールドがバリアーとして使われていたことを知らなかったようで、
「ホレスさんが言うにはIフィールドはバリアーにもなるって言うけど。!左舷!?ビーム?すごい!!」
と発言している。
その防御力は凄じく、二段組みジェネレータウォドムの荷粒子砲を完封し、射程外からの一撃で戦艦に穴をあけるターンXによる包囲ビームの乱射をパワーダウンだけで済ませている。
また、正暦時代のIFは実弾も防御可能なのだが、ビームを防御するのに比べるとより多くのエネルギーが必要とされるようである。
以上の様にIフィールド自体強力な力場である為、非常に防御性能が高い・・・のだが、発掘されたばかりの頃はゴールドタイプのスモ―により自慢の髭を折られたうえ頭部陥没の重傷を負った為、頭部を外し集中治療を受けた。
しかし、自力で治してしまうあたり本当に良く出来たお人形さんである。(後述のナノマシン参照)
その後すぐにムーンレイスとの戦闘があり、頭部が外れたまま出動して首無しのホワイトドールが、走りながら頭部を受け取る姿は有名な頭を交換できるヒーローの様な姿であった。(IFBDのお陰か特に問題は出なかった。)
髭が折れたホワイトドールはほぼ100%負けている為、ある意味敗北フラグである。
ミスルトゥを核で破壊する際に強力なバリアで防いでいたがこれもIFである。
ターンタイプのそれが核すら防げる程に強力であり、月の最新鋭IFBDのMSスモ―ですら不可能だったようだ。
パイロット補助システムも優秀でスパインパルスセンサーというサイコミュ的な操作補助装置が用いられている。
この装置は脊髄を伝わる電気信号を読み取る事で機体の姿勢を制御している為、NTでなくとも機体追従性を上げる事が出来、ロランが言った「運転した覚えは無いんですよ。」のように誰でも無意識的に高い運動性を発揮できるようなっている。
ちなみに後述のビシニティの司祭と深い関わり合いがあり、∀のパイロットが太古の昔にビシニティの人間と接触した可能性を示している。
シートベルトは存在せず、意図しない急激な稼働には空気をパイロットに噴射する事で姿勢変化を防ぐ機能がある。
また、∀自体極めて精密で俊敏な動作が可能であり、劇中では目前を横切ったレット隊のウァッドのフレームを空中で掴んだり、衝突寸前のミサイルをサーベルで斬り払ったりしている。
音声入力による操作も可能で、かつて偶然か、あるいはNTレベルの操縦技術が無ければ不可能だったビームをビームで打ち消すという荒業を音声による自動操縦で可能にしている。
他にもVRヘッドというパイロットの頭部を覆う高精度のディスプレイを備え、様々な情報を解析・閲覧することが出来る。
推進器は下半身に集中しておりスラスター・ベーンと呼ばれる板の様な形をしている。
かつて某ジオン兵が「あんなの飾りです!偉い人にはそれが分からんのです!」と言っていたが未来の世界では無駄なことなど無いようである。
本編では本来の能力を発揮していないとされているが、その潜在パワーは凄まじくギンガナム艦隊に整備される以前の5%未満のパワーでスモーとムットゥーのモビルスーツ2機を引っ張り上げもう一機のムットゥーをその圧力だけで吹き飛ばしてしまったり、大型のミノフスキー・ドライブユニットを搭載し、単体で大気圏離脱が可能な宇宙船ジャンダルムや黒歴史の遺産ウィルゲムの浮上を押し返すほどの推進力を持っている。
さらにギンガナム隊の整備を受けた後は別次元の運動性能・機動性能を発揮しており、特に静止状態からの加速は既存の機動兵器の域を凌駕している。
また、空間転移も可能で、メリーベルが操るバンデッドとの戦闘の際、月面地表から月面内部にある冬の宮殿の前に弾けるような音と共に跳んできている。ターンXとの初戦闘時にビームサーベルを激しく振動させ、視界からもレーダーからも消えたのはギムの言うように目くらましであった可能性があるが、真相不明(公式でこの戦闘もワープであった事が判明)はたしてこれも推進機器の力なのかは謎である。
なおこの機能、黒歴史時代には使われていなかった可能性があり、正暦の時代に初めて使用された可能性が高い。
これも後述の機能の復元と関連があるのだろう。
ホワイトドールの汎用性は非常に高く輸送機としても活躍が期待できる。従来のMSより自由度の広い多目的倉庫(武器庫)がありそこに、動物や核弾頭を入れて移動でき、さらに背面が面構成なためお辞儀をした状態で手を水平に出すと橋としての役割もできたりする。
洗濯も得意分野。衣類から文明に至るまで、洗濯出来る範囲は非常に広い。
但し、洗濯する時はマニュアルをよく読み、間違っても文明を洗い流さないように注意が必要である。
しかし、マニュアルにさえ乗っていない可能性もあるのだが、
御大将曰く「マニュアル通りにやってます!というのはアホの言うことだ!」とのことなので気合で乗り切ろう!
勿論、只単に洗濯するだけでなく、乾燥機としての能力も持ち合わせているまさに万能機。
∀は細胞よりも小さいナノマシンで構成されており、その性能は正暦においてムーンレイスが有する最先端ナノマシン技術を遥かに凌駕している。
ムーンレイス技術者、ホレス氏は「ここまで生物的に正確な物は開発されていません。」と驚いていた。
月光蝶のようにあらゆる物を分解するだけでなく、本来なら致命傷となるダメージも全身をナノマシンで包む・・・いわゆる繭の状態になることで回復可能と思われる(髭程度なら一日もあれば復元可能)。
御大将曰く「大した性能だ。まるで人間だよ。」
ホレス氏は内部の機能まで復元できないと考えていたが、時間が経つにつれ本来の性能を取り戻していっている事から、長い時間を掛ければ内部の機能を完全に回復できる可能性もある。が、整備を受けてやっと5%なら100%復元できた頃には一つの時代が終わっている可能性がある。
ギンガナム艦隊に奪われた∀をディアナ達がどうするか話し合っていた際に、月の技術や武装を持ってしても破壊は不可能かもしれないと述べており、事実ターンXの腕が完全に腹部を貫通しているにも関わらず、その後爆発的にナノマシンを機体周辺に散布して、回復を図っている(ターンXも同様)。
尚、この事がターンタイプを意図的に封印したとされることもあるが、真相は不明である。(AとXのナノマシンには互換性が無いとする説がある)
∀とターンXをまとめて呼称する際に用いる。
∀にはその開発背景においてターンXと密接に関わっており、後述の(システム∀)ように兄弟関係にあると推測されている。
その一端として、∀とXは互いに呼び合っており、両機が接近すると共鳴現象が起こる。
その際、パイロットの一切の操作を受け付けず、自らの意思を持つが如く勝手に動きだしたりする等、単純に兵器とは思えぬような行動を起こす事がある。
メリーベルが操るバンディットも同時期に開発されたMSらしく、操作こそ出来るものの共鳴現象を起こし∀とXを画面上に無数に表示し続けたようだ。
あまり知られていないがシリーズで初めて公式に「白い悪魔」と呼ばれたのは∀が初めてである。現実では∀ガンダムの名で定着されているが、ホワイトドールを最後までガンダムと呼んだのはコレン・ナンダーだけであり、他の者は上記の別名で呼んでいる場合が多く、ガンダムという存在自体がムーンレイスの間でさえ伝説、あるいは神話の類になっていることがうかがえる。(歴史学で習うらしい)
ディアナ様に至っては「ガンダムにお髭はありますか?ありません!」と断言すらしている。可哀そうなお髭・・・。
ポゥやハリー等の多くのムーンレイスはガンダムと呼称した事もあるが大抵一度か二度である。
スタッフの重田氏によればギンガナム艦隊の整備のお陰で使いやすくしてくれた状態の∀が全体の5%の性能を取り戻した状態とされ、黒歴史時代の∀ですら全体の2割だという。
この為、過去に∀が100%の性能を発揮したのかどうかすらあやふやである。
設定にある推定出力27,000kw(±5000)が劇中終盤の5%の出力である可能性が高い事から、100%の∀はこれの20倍、推定540,000kw(±100,000)以上、あるいは未知数と言うべき出力を持っている事になる。
(新しい解釈の場合、フルパワーの状態なら100Gw以上の出力を持っている。ターンXも同様)
あくまで推定出力から推測しているに過ぎないので確定的な情報では無い事を注意されたし。
劇中で圧倒的な性能を示したターンタイプが、月の技術で整備を施してもその真の性能の一端に過ぎなかった事を考えると、黒歴史時代の性能が如何に化け物じみていたか窺い知れよう。
だからギンガナムはスモ―を落しておきながら「(整備したのに)何が不調なのだ!?」何て言葉を吐いたのだ。
又、∀の全力とは後述の過去に存在したとされるDOCベースとの連携を含む戦術システムを持ってして初めて完全体と呼べるものであり、その為単体で100%の性能を発揮してもそれは不完全な代物なのである。
黒歴史時代ですら全力を発揮していないかもしれないホワイトドールは、正に謎に包まれた未知のMSである。