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口蹄疫


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医学記事 ニコニコ大百科 : 医学記事
※ご自身の健康問題に関しては専門の医療機関に、
畜の衛生については資格を持つ医師にご相談ください。

口蹄疫(こうていえき)とは、口蹄疫ウイルスにより畜に発症する伝染病の1つ。法定伝染病である。
足の付け根や口などに顕著な症状を示すことから、「口蹄疫」の名前が付けられた。
発病するのは水牛山羊などの偶蹄類で、人への発病はないとされている。

なお政治赤松大臣(当時)と口蹄疫を絡めた話題は→赤松口蹄疫


概要


発病するとどうなるの?
発病すると、発熱や多量のよだれなどの初期症状の後、膜などの柔らかい部位に疱(ぶくれ)ができる。
疱はやがて蹄と足のの間にもでき、これらが破れることで傷口が発生する。例えるならの下やぶくれができ、それはどんどん大きくなってメリメリとを引っこ抜こうとするようなものである。
そうしてできた傷口の疼痛に加え、傷口を通じて他の細菌・ウィルスが侵入することで二次感染を引き起こし、畜にストレスをかける。するとエサを食べる量などが減り、結果量低下・量低下などを招く。
単独では致死率5%(幼獣では最大50%)だが、後述の通り感染すると間違いなく殺処分されるため、実質的な致死率は100%である。
なぜ問題なの?
まず感染異常に強い。血どころか食べた餌や精液にまでウィルスが転移する。どころかその生物のフケやアカ風化した便や畜に付着した砂さえも感染になると考えられている(要するに空気感染する)。
その上生きていればほとんどの生物・食物がキャリアになる上に生存も悪くはない(大体1ヶから半年ほど)ため、人間を含め生物全てが口蹄疫の媒介者たりうるといえるほどの恐るべき感染を示す。
続いて根絶が難しい。上述のようにヒトさえも媒介者となるため、口蹄疫が確認されたらありとあらゆるものが消毒され、畜はただちに焼殺される。その間にも感染が広がる可性が高いので、広域に渡って流通をストップさせる必要がある。当然その県の税収は落ち込み、最悪的資の導入によりが傾く。
つまり、「ヒトが死なない」という点以外はまるっきり生物兵器またはバイオテロそのものなのである。
また一旦口蹄疫が確認されるととOIE事務局)から『汚染』として認定されてしまい、貿易面での信用性が損なわれる。これは日本のような貿易国家では死活問題である。(下記清浄と汚染の項も参照)。
再度『清浄』に復帰するにはOIEに『清浄』として再認定される必要があるが、上述のように生存期間が長く、その上キャリア全にいなくなったと判定されてから解除されるため、かなりの日数を要する。
治療法はあるの?
口蹄疫に対して有効な治療法は存在しない。治療法があったとしても、それを上回るスピードで感染が拡大してしまうのである(最悪山の野獣野良野良猫ネズミにさえも媒介者になる)。故に治療措置は取られず、畜伝染病予防法に基づいて口蹄疫が発生した農場の畜は直ちに全殺処分され、地面ごと殺菌を行う。
なおワクチンはすべき課題が多いため、日本では認可されていない。
一の救いは、
何で畜を全て殺処分するの?
上述のように異常な感染を持ち、もたもたしていると最悪に乗ったり野生生物によってウィルスが飛散するため、殺すことで代謝を抑え、その上で火などを用いてウィルスごと焼殺する方が安全性の面で確実だからである。 (というより、そうしないと安全性が確保できない。それくらい感染が強い。)
食品は安全なの?
人間に対しては発症しないものの、口蹄疫が発生した農場の畜、およびその周辺の移動制限がかかった畜は、通常その場で焼却処分となる。そしての中に潜むウィルスを取り除くことはほぼ不可能な上、生半な方法では死なないウィルスであるため、食用として感染個体の市場に出回ることは通常あり得ない。

だからといって『口蹄疫の致死率は低いし、人に感染しないから、発生地域に見学に行く!』ということは決してしないでください。に見えるものは何もなく、最悪が傾き、他のにも多大な迷惑をかけます。
(下述イギリスでの流行を参照。初動が遅れたことにより3兆円もの損失を生んだ。)

日本における口蹄疫の歴史


日本で起きたのはおおまかに3回。


1899~1908年


4000頭の感染を確認。としての対応は特に記録されていない。
自然収束したと思われる。


2000年


92年ぶりに発生が確認された。
3月25日6月9日宮崎で3戸・北海道で1戸発生。740頭を殺処分。
1例の確認と同時に政府は口蹄疫中央防疫対策本部を設置、農産大臣が記者会見を行い封じ込めに成功。
以下に当時の対応を、当時の大きな事件とともに時系列にまとめる

当時の内閣は、小渕第2次改造内閣。農産大臣は玉沢徳一郎

3月12日  宮崎にて口蹄疫を疑う疾病の報告を受ける。(後の第1例)
        医師は症状より口蹄疫を疑う
3月21日  宮崎畜保健衛生所に通報農林水産省畜産局衛生課に報告
        農林水産省畜産局衛生課は,同畜産課に対し、動物の隔離,施設の消毒等の措置の実施を
3月22日  ELISA及びCFを実施したところ陰性の結果。
3月24日  の専門が現地入り。血清検において口蹄疫ウイルスの抗体を検出。
3月25日  口蹄疫中央防疫対策本部を設置
        第1回口蹄疫中央防疫対策本部の防疫技術委員会開催
        宮崎にて第1例の口蹄疫発生と確認 (農場A 飼養頭数 10頭 翌日殺処分)
3月27日  現地(宮崎)の対策本部にFAX等で対応を支持
??日   対策予算100億円を確保 (江藤議員国会答弁より)
4月2日   小渕総理大臣 脳梗塞にて入院
4月3日   宮崎にて第2例の口蹄疫発生 (農場B 飼養頭数 9頭 翌日殺処分)
4月4日   小渕第2次改造内閣解散
4月5日   第1次内閣成立 農産大臣は玉沢徳一郎が留任
4月9日   宮崎にて第3例の口蹄疫が発生 (農場C 飼養頭数 16頭 翌日殺処分)
  ・
5月11日  北海道にて第4例の口蹄疫が発生 (農場D 飼養頭数 705頭 5月15日殺処分了)
5月14日  小渕恵三総理 死去
  ・
6月9日   農林水産省 口蹄疫収束を宣言。移動制限解除
  ・
7月4日   第1次内閣解散
7月5日   第2次内閣成立 農産大臣は洋一
  ・
  ・
9月26日  事務局(OIE)によって「日本は口蹄疫に対する清浄」として再認定

   参考資料
     ・ わが国に発生した口蹄疫の特徴と防疫の問題点[外部]
     ・ 日本における92年ぶりの口蹄疫の発生と家畜衛生試験場の防疫対応(PDFファイル)[外部]

2000年当時、小渕総理大臣が緊急入院・急死する政局の混乱の中、世界的に見ても最小限の被害にとどめた当時の政府危機管理と対応はもっと評価されるべき


2010年~


2000年以来10年ぶりに発生。
口蹄疫ウイルスの遺伝子韓国香港で発生したものと酷似している。
しかし、日本への感染経路については、『渡り鳥』、『人』、『飼料』などが原因として挙げられているものの、特定はできていない。
現在宮崎県や県の畜産会が終りの見えない戦いを強いられている。

6月20日時点で発症事例は291例、殺処分の対となった畜は約20万頭。
さらに、発生地から半径10km圏内においてはワクチンを投与した上での全頭処分が決定しており、それらも含めた処分対27万頭に達する。
この内、埋却が了した頭数は約18万頭前後。

4月20日宮崎県が口蹄疫の擬似患畜を都農町にて確認したと発表。
4月25日、殺処分対1千頭突破。
5月4日、 殺処分対1万頭突破。
5月17日、殺処分対10万頭突破。
5月18日東国原知事が宮崎県における『非常事態宣言』を発
5月19日政府対策本部が対処方針を発表。ワクチン接種した上での全頭処分が決定。
5月22日、ワクチン接種開始。
5月26日、ワクチン接種がほぼ了。
5月28日、口蹄疫対策特別措置法が成立。
6月2日、 鳩山総理辞任。4日に総辞職。8日に管内閣発足。
6月4日、 5月14日に防疫措置が終了して以降3週間 新たな発生がえびの制限区域が解除される。
6月11・12日、宮崎市都城市図書館公民館等の共施設 計200箇所以上を臨時閉鎖
6月20日、発生が最も多かった南町における擬似患畜14万5千頭の処分が了する。

宮崎県の被害

多くのを殺処分しており、畜産品の『宮崎ブランド』に深刻な被害を与えている。

5月11日時点での被害総額は110億円[外部]に上るが、19日にワクチン接種が決定したことにより事実上の全頭処分が決定。これによる損失は300億円以上になると推定された。

5月16日には宮崎県内の種雄49頭が殺処分の対になることが判明。
更に避難させていた6頭の種のうちの1頭の感染が確認されるという最悪の事態まで起きている。
5月28日、種49頭の内1頭で口蹄疫と見られる症状が確認され、31日に49頭全てが処分された。県が所有する種は避難済みの5頭のみとなり、引き続き経過観察が続けられる。
今回の口蹄疫の被害額は、800億円以上と推定されている。

非常事態宣言の発、外出自粛の要請、共施設の臨時閉鎖など、市民の生活に制約がなされている。
また、宮崎県で開催される予定だった陸上大会を始め、人が多数集まる集会やイベントの多くが中止・延期になった他、商店では客がいなくなる店が出る、団体旅行客の相次ぐキャンセルなど、畜産業以外の観光業、小売業、運輸業等でも売上が減少するなど、地域経済に深刻な影が出ている。

農林水産省及び政府の活動や対応(2010年発生の件での対応)

各都道府県や動物衛生研究所から獣医師の派遣を行っている。[外部]
また5月10日に担当大臣である赤松産大臣が宮崎入りした。
この日を政府が大きく動きだし、農家支援自衛隊派遣などを行うようになった。
一方で首相や大臣が発表した支援の内容がバラバラなど、政府の足並みがっていない問題が起きていた。
5月19日政府対策本部が対処方針を発表。発生地より10km圏内のの全頭処分、10~20km圏内の全頭期出荷というもの。
5月21日FAOからの専門チーム派遣の申し出を断る。
5月28日、口蹄疫対策特別措置法が成立。6月4日施行。これにより畜の殺処分を農家の同意がくともが強制的に行えるようになり、埋却地の確保や農家への補償についてはが責を負う事となる。
6月16日5月19日の発表以来一向に進捗していなかった、発生地から10km~20kmにおける期出荷を断念すると発表。


他県への影響


宮崎県の近隣の県では発生直後から対策本部を設置するなど、自県での発生を警している。
しかしの競りを中止せざるを得ないなど、少なからずも影は出ている。
また、宮崎県での流行に収束の処がつかないこと、及び非常事態宣言の発により、全的に口蹄疫の発生が起こりうる状況になりつつあり、各県が警を強めている。
6月10日鹿児島県伊藤知事が「準非常事態」を宣言。
6月16日大分県豊後大野宮崎県内の一部地域の団体利用を制限すると発表。


日本での報道


4月20日に口蹄疫の発生が確認されて以来感染拡大は止まらず、5月に入り殺処分対が数万頭に及ぶという事態になっても、宮崎県外ではごく小さな扱いでしか報道されなかった。
口蹄疫の危険性と現地の感染状況、過去マスコミの行動原理からすれば、大きく報道されて然るべきはずなのだが・・・・。

一、日本農業新聞のみが一例が発生報告された翌日4月21日から連日のように記事にしている。

5月7日スポーツ新聞の『東京スポーツ』が比較的大きく取り上げている[外部]

5月9日twitter上で原口一博総務大臣が政府の対応について「後手ではありません。発生後、すぐ私は指示をしています。風評被害が大きくなれば、さらに大きな被害となります。畜産と言う産業の性質上の問題もご考慮ください。」[外部] と発言。報道規制についての疑惑がネット上で話題になるが、大臣はその2日後に疑惑を否定。[外部]

5月10日赤松産大臣が宮崎入りをしてからは、多少は口蹄疫の報道が散見されるようになった。

なお、赤松氏風評被害についてマスコミお願い をしていたらしい。→sm10759742[動]


海外での報道


2000年日本韓国で口蹄疫が流行した後に、欧州や南でも流行。
また2009年にはアフリカでも口蹄疫が発生。[外部]
更に今回(2010年)は日本だけでなく、韓国香港でも流行していることもあり、FAO(国際連合食料農業機関)が各国に警戒を呼びかけている。[外部]
FAOの報道を受けてか、欧や南などの新聞では今回の口蹄疫の流行を大きく扱っている。
The Press and Journal[外部]
MercoPress[外部]
UN News Centre[外部]
All Voices[外部]
Business.Scotsman[外部]

なお流行ではなく、アウトブレイクと表記していることに留意。

またFAOなどの機関は種の処分やワクチンの使用に関しては日本政府に対して思い止まるように申し出ていた。

しかし、5月29日にはアメリカで水疱を発症した馬が発見される[外部]
現在アリゾナ州の農局で検中だが、口蹄疫に類似している[外部]とのこと。
(口蹄疫はには感染しないが、畜産地帯のであることと、アジア圏での流行を踏まえた処置)

イギリスではアジア圏で口蹄疫が収束しないことに不安を覚え、対策を講じ始めている。
なおアジアでは香港(中国)と韓国のみかと思われていたが、スリランカで発生が確認された。[外部]

ところがロシアと中国の間の国境付近で口蹄疫に感染した家畜が見つかる。[外部]

2001年のイギリスでの流行


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最終更新日: 12/04/22 10:42
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