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心不全


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心不全は、心臓に生じた器質的・機異常によりポンプとしての機が低下し、全身の酸素需要に対して十分な血液を供給できない状態である。肺循環や体循環にうっ血が生ずるため、倦怠感、呼吸困難、浮腫などを呈する。心筋梗塞、弁膜症、心筋症、不整脈、高血圧糖尿病など、さまざまな疾患が心不全の要因となりうる。心疾患の終末像でもある。

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心不全(しんふぜん)とは、心臓の機が低下し、十分な血液を拍出できない状態である。


概要


心不全は、心臓に生じた器質的・機異常によりポンプとしての機が低下し、全身の酸素需要に対して十分な血液を供給できない状態である。肺循環や体循環にうっ血(血流の停滞)が生ずるため、倦怠感、呼吸困難、浮腫(むくみ)などを呈する(うっ血性心不全)。心筋梗塞、弁膜症、心筋症、不整脈、高血圧糖尿病など、さまざまな疾患が心不全の要因となりうる。心疾患の終末像でもある。

化した食生活による虚血性心疾患(狭心症心筋梗塞)の増加、高齢化に伴う高血圧や弁膜症の患者増加を背景として、慢性心不全の患者も増加傾向にある。急性心不全の患者数は十分には調されていないが、心不全発症のリスクを抱えた高血圧糖尿病の患者は数千万人規模で存在する。


分類



臨床経過による分類



機能障害による分類



障害部位による分類



症状


左心不全は、肺から全身への血流が障されるため、肺うっ血が起き、肺腫や胸貯留がみられる。肺での酸素二酸化炭素の交換が障され、低酸素血症の症状を呈する。呼吸困難は、横になると増強し上体を起こすと軽減するため、患者は起き上がって楽に呼吸できる姿勢を取ろうとする(起坐呼吸)。自覚症状としては、全身の倦怠感、息切れ、咳、手足の冷感、尿量の減少などがある。

右心不全は、全身から肺への血流が障されるため、末のうっ血が起こる。肝腫大、下肢を中心とした全身の浮腫、体重増加がみられる。また、肺血流量が減少することで、左心への流入血液量が減少し、左心不全症状を呈することもある。

急性心不全は急に心機が低下するため、呼吸困難やショック症状を引き起こす。

慢性心不全は緩徐に進行するため、血圧調節因子の分泌進や心肥大などの代償機構が働き、心機をある程度維持するものの、長期化すると破綻する。


代償機構


心機が低下すると、交感神経系や内分泌系が進し、血圧を維持しようとする。また、損傷した心筋細胞を修復し、心機の低下を抑制しようとする。こうした代償機構は、短期的には心機を維持させるが、長期化すると最終的には破綻し、心機はより悪化する。

代償機構 機序
交感神経系の α1作用により、血管が収縮し血圧が上昇する。
β1作用により、心収縮が増大し、心拍数も増加する。
RAA系の活性化 RAA系(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)は、ホルモンによる血圧調節システムアンジオテンシンIIは、血管を収縮させ血圧を上昇させる。アルドステロンは、腎におけるの再吸収を促進し、循環血液量を増加させる。
心筋リモデリング 心臓にかかる負荷は、前負荷と後負荷に分けられる。循環血液量増加は前負荷を増大させ、血圧上昇は後負荷を増大させる。増大した前負荷・後負荷に対し、心臓は心筋細胞の肥大化や損傷部位の線維化によって適応する。

診断


心不全の診断にあたり、症状、既往歴、家族歴、身体所見を確認し、心電図検や画像検を検討する。身体所見として、頸動脈怒疸、浮腫などがある。心エコー心臓超音波)や胸部X線検では、心拡大が確認される。聴診では、しばしば余剰の心音III音、IV音)が聴こえる。重症度に応じて血中のナトリウム尿ペプチド(BNP)濃度が上昇するため、慢性心不全の予後の標になる。


NYHA分類


NYHA分類(ニーハ分類)は、NYHA(ニューヨーク心臓協会)が定めた心不全の重症度分類。自覚症状の程度により、I度からIV度までの4種類に分類される。客観性に乏しい欠点はあるが、簡便であり患者のQOLクオリティオブライフ)を反映しているため、に慢性心不全に汎用される。

I度 心疾患はあるが症状。日常生活が制限されない。
II 安静時は症状。日常的な身体活動で疲労、動悸、息切れを生ずる。
III 安静時は症状。歩行や日常的な身体活動以下の労作で症状を呈する。
IV 安静時でも症状を呈することがある。軽い労作で症状が増悪する。

Killip分類


Killip分類(キリップ分類)は、急性心筋梗塞後の聴診所見をもとにした重症度分類。肺のうっ血の程度により、I群からIV群までの4種類に分類される。短時間で重症度を把握できるため、急性心筋梗塞だけでなく、急性心不全にも用いられる。

I群 心不全の臨床的徴なし。
II 軽度から中等度の心不全。副雑音(ラ音)やIII音を認める。
III 重度の心不全。肺の50%以上の範囲で副雑音。肺腫あり。
IV 心原性ショック血圧低下(90mmHg未満)や意識障など。

Forrester分類


Forrester分類(フォレスター分類)は、血行動態の標である心係数(CI)、肺動脈楔入圧(PCWP)を用いた重症度分類。急性心筋梗塞後の心不全治療に用いられる分類だったが、広く急性心不全の病態把握に用いられている。ただし、カテーテルを挿入する必要があるため、侵襲性が高い。

PCWP < 18 PCWP > 18
CI > 2.2 I群:正常。 II群:肺うっ血。
CI < 2.2 III群:末循環不全。 IV群:肺うっ血+循環不全。

Nohria-Stevenson分類


Nohria-Stevenson分類(ノリア・スティーブンソン分類)は、身体所見をもとにした重症度分類。うっ血や末循環不全の有により病態を把握する。侵襲性が低く簡便である。

うっ血なし うっ血あり
循環不全なし Profile A
dry - warm
Profile B
wet - warm
循環不全あり Profile L
dry - cold
Profile C
wet - cold

治療



急性心不全


急性心不全では、破綻した血行動態の正常化と、その維持が治療標となる。心停止に対しては、心肺生と酸素投与を行う。血管拡的に硝、循環血液量の減少を的に利尿薬、心拍出量の増大を的に強心を投与する。

作用
麻薬鎮痛薬 モルヒネ 鎮静 → 呼吸困難軽減・不穏緩和
ニトログリセリン
イソソルビド
血管拡 → 前負荷軽減
利尿薬 ループ利尿薬 フロセミ
アゾセミ
循環血液量減少 → 前負荷軽減
hANP カルペリチド 循環血液量減少・血管拡 → 前負荷軽減
強心 交感神経作動 ブタミン
ドパミン
心収縮増大・血圧上昇 → 血行動態
PDE III ミルリノ

慢性心不全


慢性心不全では、心機低下による代償機構の調整と、QOLの向上、生命予後の善が治療標となる。塩分制限のほか、物治療としてアンジオテンシン変換酵素阻ACE)、アンジオテンシンII受容体拮抗ARB)、交感神経β受容体遮断β遮断)、カリウム保持性利尿薬(抗アルドステロ)などの投与が行われる。

作用
ACE エナラプリル
シノリル
RAA系抑制 → 前負荷・後負荷軽減
ARB カンサルタンシレキチル
サルタン
アンジオテンシンII拮抗 → 前負荷・後負荷軽減
β遮断 カルベジロー
ビソプロロール
心保護
アルドステロ ピロノラクトン
エプレレノン
循環血液量減少 → 前負荷軽減

備考


厚生労働省の発行したマニュアルによれば、死亡診断書において、疾患の終末期の状態としての心不全、呼吸不全などは、死因統計が不正確となるため、死因として記入しないこととしている。もちろん、明らかな病態としての心不全、呼吸不全などは記入して構わない。


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最終更新日: 19/05/01 18:45
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