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核融合


ヨミ: カクユウゴウ
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核融合とは、軽い原子核が融合して重い原子核になる反応である。

今週のおすすめ この記事は第31今週のオススメ記事に選ばれました!
よりニコニコできるような記事に編集していきましょう。

概要


原子核には、原子核同士が引き合う(核)と反発するクーロン)がある。
距離が離れるほど弱くなるため、通常はクーロンの方が勝り、原子核同士が接触する事はない。しかし何らかの手段によって核クーロンとなる距離まで原子核同士を接近させてやると、2つの原子核が融合し別の原子核に変化する。
この反応が核融合である。

クーロンとだけ言うと広義には引と斥の両方を意味するが、この場合は原子核同士の話であり、同じ電荷(+)を持つもの同士なので、クーロンと言えば斥を意味する。

核融合反応が起こると、反応の前後で質量が変化する。
ここで、軽い原子同士の核融合ならば、質量の差分がアインシュタイン特殊相対性理論質量とエネルギーの等価性(E=mc2に従って、エネルギーとなって放出される。核融合の結果発生するエネルギーは、高エネルギーの粒子(陽子、中性子など)やガンマ線、ニュートリノなどの形で放出される。
これを発電に利用する方法が現在研究されている。

一般的に「核融合は核分裂と違って放射性廃棄物を排出しないのでクリーンかつ有用な夢のエネルギーである」というようなイメージを持たれることがあるが、現在存在するほとんどのコンセプト核融合炉では放射線・放射性廃棄物が生成され、また燃料として放射性物質(トリチウム)を使うものも多い。そのため、上記のようなイメージは誤りである。
また、発電炉を考える場合には核融合反応の連続的・効率的な維持や、中性子線の照射による炉材料コイル超電導導体などの劣化・放射化など、多くの問題が残っており、核融合炉実現のためにはこのような工学的な障を乗り越える必要がある。

何の原子核を反応させて何の原子核に変えるのかと言う分類と、どのような手段によって反応を起こすのかと言う分類が存在する。


・・・もうちょっと分かりやすく頼む


そもそも核融合ってナニ?

私たちの身のまわりの物質は、全て「原子」でできていることはご存じの通りである。
この「原子」の中心には「原子核」があるが、2つの原子核をぶつけると勢いで1つに融合することがある。
原子核が融合するから核融合
核融合反応が起きると膨大なエネルギーが発生する(組み合わせがある)ので、これをエネルギーに利用しようというわけである。

実用化されている核融合技術として、水素爆弾がある。

原子力と核分裂と核融合

原子力」には大きく分けて「核融合反応」を利用するものと「核分裂反応」を利用するものがあるのだが、現在原子力発電」として運用されているのは全て、核分裂反応を使った原子力である。
核分裂反応を利用した原子力は、テレビなんかでさんざん言われている通り燃料の燃えカスとして高レベル放射性廃棄物が出るのが欠点。原理上、核燃料を燃やす限り高レベル放射性廃棄物は発生してしまうのである。

しかし、核融合反応では燃料・材料の放射化共に高レベルには至らないように運転することが十分可であるとされている。その上、制御不能に陥っても性質上暴走爆発等を起こさない。あれ?核融合炉が実用化されればエネルギー問題解決じゃね?というのが世間一般の核融合に対するイメージである。
(ただし、現在最も実用化に近いD-T反応(下で紹介)では燃えた後の物質こそなものの、反応中に中性子線が生成され、炉や建屋材料を放射化(放射性物質化)するため、高レベルではないものの核分裂炉よりも量の多い低レベル放射性廃棄物が出ることが予想されている。)

じゃあなんで核融合反応式の原子力発電所が無いの?

単純に、核融合反応を維持するのが技術的に非常に難しいのである。
極端な話、核燃料をテキトーに一箇所に集めれば始まってしまう(本当にテキトーに集めると爆発しちゃうけど)核分裂反応に対し、核融合反応は高温・高圧状態を保ってやらないと反応が即座に止まってしまう(これは「暴走の危険がい」という利点でもある)。現在日本を含む世界中の科学者・技術者達が実用化に向けて努しているが、商業利用できるレベルの炉が完成するのは当分先だろう、というのが実状である。

あと、一口に核融合と言っても、燃料や手法により様々な種類がある。下で紹介されているが、どれも一長一短。


手段による分類


重力閉じ込め式核融合

熱とはすなわち原子ないし分子の運動が活発さを示す数値であり、温度が上昇すればするほど活発になる。
つまり、一定の間に閉じ込めた原子の運動を活発にしてやればその分原子同士が衝突を起こす確率が高くなるため、これを利用して核融合反応を起こす事が可である。
もちろん温度が上昇し運動が活発になれば膨しようとするが働くため、それを閉じ込めておくだけの圧も必要である。逆に言えば、圧によってどんどん圧縮していけばそれだけ温度が上昇する。

太陽を初めとした一般的な恒星は質量が非常に大きいため、中心部には自身の重力により強な圧がかかる。その圧により条件がい、核融合反応が発生している。

熱核融合

磁場閉じ込め式核融合

熱核融合を起こすためには1億℃と言った高温が必要であるが、こんな高温ではあらゆる物質がプラズマ化してしまうため、物体による容器で閉じ込めることが出来ない(固体・液体の容器を利用すると、ある程度プラズマ温度が上がると容器が溶解・蒸発してプラズマを希釈し、温度を下げてしまうため、ある程度以上の温度に出来ない)。しかし、プラズマは導電体なため、磁場による仮想的な容器を作って閉じ込めることができる。代表的なものが環状のプラズマに沿う方向にコイルを使って磁場を発生させて閉じ込めるトカマク式で、磁場閉じ込め方式の中では構造が単純で大化しやすいため最も研究が進んでいる。他にも螺旋状のコイルプラズマ縛り付けるヘリカル式、湾曲構造を持った環状コイルを用いたステラレーター、向かい合わせたのような磁場でプラズマを“反射”させて閉じ込めるミラー式などがある。

ちなみに、磁場閉じ込め方式の核融合炉で必要とされるのは数億℃・かつ大気の数万分の一程度のイオン密度を持ったプラズマで、密度という意味では実は一般的な感覚で言うと、「真空」に近い。

レーザー核融合

レーザー融合反応に必要な高温・高圧状態を作り出す方式。まず燃料となる重水素プラスチックの球殻に詰めて凍結し、これに四方八方からレーザーを照射する。プラスチックの殻はレーザーの高熱で爆散し、その反動で燃料は中心に向けて非常に急速に圧縮(爆縮)される。その後のプロセスは点火、つまり融合反応を起こす方式によって二種類に分かれる。圧縮された燃料自体の断熱圧縮による熱で点火する方式(このプロセスディーゼルエンジンに例えられる)を中心点火といい、圧縮された燃料の一部に圧縮レーザーとは別のかつ間的なレーザーを照射して加熱、点火し(これはレシプロエンジンスパークラグに例えられる)連鎖反応で燃料全体を燃やしつくす方式を高速点火という。中心点火は米国で、高速点火は日本で研究されている。

レーザー核融合において必要とされる温度・密度は、一億度程度・固体密度の数倍以上の密度であり、磁場閉じ込めと較して桁違いに高密度である。しかし、燃料球自体は非常に小さい(mmスケール)なため、爆縮後の反作用で拡散してしまうと極端に低密度になる。

衝突核融合

加速器などによって原子を加速してやり、原子を直接他の原子に衝突させる事で核融合反応を期待する手法。

運動エネルギーによって一時的にクーロンえるという点では熱核融合と同じである。
違うのはそこに至るまでの過程だけで、自然界ではこの手の反応の仕方はあまりい事である。

こちらはに、エネルギーを利用するための核融合炉の研究と言うよりも、原子核そのものの研究において核融合反応を起こさせるために使われる。

フィロ・ファーンズワース フューザー

正式名称を慣性静電閉じ込め核融合という。フィロ・ファーンズワースは発明者の名前。重水素の気体中に二重の球形のかご状の電極を配置し、外側を陽極、内側を陰極にして2万ボルト以上の電圧をかける。すると放電により陽極から重水素イオン、つまり原子核が飛び出して内部に向かって加速し、陰極を通過してその中心で衝突、このとき核融合反応が発生する。核融合といっても、発生するエネルギーは投入するエネルギーよりかに小さいためエネルギーを取り出すことはできない。しかし核融合反応は確実に起きており、反応に伴って中性子も発生する。このため簡易中性子として既に実用化されている。構造がきわめて単純なため小規模なものなら素人でも自作が可で、実際中学生が製作した例[動]がある。米国ではフュージョニアと呼ばれるアマチュア研究の間でこの種の装置を制作するのが流行しており、専門のサイト[外部]も存在する。

核融合効率が低いため、に中性子として核物理研究などに用いられている。

ミグマ核融合

物理学者ボグダン・マグリッチ博士によって発明された核融合方式。この方式では燃料は粒子ビームの形で加速器から反応装置に供給される。反応装置内部は特殊な磁場配置になっており、粒子ビームは磁場によって曲げられ装置の中を何度も周回するが、このとき一回の周回ごとに粒子ビームが必ず装置の中心部を通過するようになっている。これにより周回を重ねるごとに粒子ビーム同士が装置の中心部で幾重にも交差するようになり、このときに衝突核融合が発生する。この方式では加速器も含めた装置全体がコンパクトになるという利点があるが、問題が一つあり、それは発生したエネルギー融合反応で生じた荷電粒子を減速器で受け止めることで回収することを前提としているため、反応によって荷電粒子のみを生じる後述のD-3He反応を前提としているということである。そのため発明者はヘリウム3が豊富に存在する面での運用を前提にしているようだ。研究開発にはアメリカ軍が絡んでいるため現在の開発状況など詳細は不明である。

スピン偏極核融合

これは厳密にはこれ単独で核融合を起こすための手法ではないし、また現段階ではあくまで理論上の存在である。

原子核はもとよりその中の陽子や中性子も自転(地球とかの自転と同じようなもの)をしているが、これを何らかの方法によって制御し、一定の方向に偏らせる(偏極させる)と、核融合反応が起き易くなる、と言う理論
これを利用すれば核融合反応を起こす条件を引き下げる事が出来るのではないかと言われているが、まだ理論研究の段階である。

ミューオン触媒核融合

こちらもスピン偏極核融合と同じく、既存の核融合反応をおきやすくさせるための補助的な技術である。
文字通り、ミューオンと言う物質を触媒とするもの。

ミュー粒子(ミューオン)のうち負の電荷を持ったものを重水素三重水素にぶつけると、それぞれの原子核がミューオンとくっついて一時的に電荷が中性になったかのような状態に陥る。このため他の原子核が接近してもクーロンが働かず、核融合反応が起き易くなると言う現が起こる。

これを利用するとそもそも重水素三重水素プラズマ状態になるまで温度を上昇させてやる必要がなくなるので、トカマク炉のような大規模で大掛かりな炉を必要としないというメリットが存在する。実際、この手法を使って行われている核融合実験では重水素三重水素が液体の状態でも核融合反応を起こしている。

しかしながら、そもそもこの負ミューオン自体が自然界に存在するような物質ではないため、これを生成するための装置・エネルギーが必要になるという欠点を持っている。
ミューオンはくっついた水素原子が核融合反応を起こすと放出されまた別の原子核とくっつくという循環を繰り返すが、ミューオン自体が一定の時間で自然崩壊して消えてしまうため、継続的に負ミューオンを与えてやらないと反応が継続しない。
現段階の技術ではミューオン1個につき最高でも150個程度の原子核を反応させるに留まっている。ミューオンの生成のためのエネルギーを差し引いた上でエネルギー黒字にするためにはミューオン1個あたり500回は反応を起こしてもらわないと採算が取れないが、核融合反応によって生成されるヘリウムは原子核の電荷が水素よりも大きいため、水素よりミューオンとくっつきやすく、そして一旦くっつくとミューオンをまず放出する事がないため、ミューオンによる触媒効果の「限界」を作っているという問題が存在する。


物質による分類


 理論上のものや可性の話を入れると非常に多くのパターンが存在するが、キリがいのでいくつか流のものを記述する。

D-T反応

Dは重水素、Tは三重水素を表す。
それぞれ水素同位体で、重水素は原子核が陽子1個・中性子1個、三重水素は陽子1個・中性子2個で構成される。

核融合反応の中で最も反応の条件が緩く、起き易いため、現在流として研究されている反応である。

重水素三重水素ヘリウム4 + 中性子 + エネルギー

この反応によって放出されるエネルギーは同じ質量のウランによる核分裂反応のおよそ4.5倍、石油を燃やして得られるエネルギー8000万倍に達する。

ここで発生する中性子は、炉の「ブランケット」と呼ばれる領域で受け止め、各種反応によって減速させる。この時中性子の持つエネルギーブランケット部の熱エネルギーになり、核融合炉ではこの熱によって発電を行う。

しかし、この中性子線により炉自体を放射化してしまうと言う問題が存在する。

また、原料となる三重水素自然界にはど存在しない物質であるため、核融合炉内部でリチウムと中性子を核反応(後述)させ、自己生産する必要がある。
さらに、この三重水素はこれ自体が放射性物質であり、扱いが難しいという問題もある。(三重水素半減期はとても短い(12年)ので、核分裂によって生じた放射性廃棄物べて物質量当たりの放射能量は増えるが、管理期間がずっとマシではある。)

現在核融合炉研究などに用いられる三重水素は重炉と呼ばれる核分裂炉(冷却材の重水素からできた「重」である)において、重水素と中性子の融合反応によって作られたものがに用いられている。

将来の核融合炉では、以下のような反応で三重水素が生成されることが計画されている。

  1. リチウム6 + 中性子 = 三重水素 + ヘリウム4 + エネルギー
  2. リチウム7 + 中性子 = 三重水素ヘリウム4 + 中性子 - エネルギー

リチウム6:原子核が陽子3個+中性子3個で構成されるリチウムリチウム7は中性子4個バージョン
  リチウム電池のアレ自然界では92以上がリチウム7として存在する。

1の反応は正のエネルギー放出するため発電効率を上昇させ、2の反応は中性子によって次の三重水素生産の反応に連鎖する。そのためブランケット部での最適なリチウム6とリチウム7の構成割合の模索がなされている。 

D-D反応

先述の通りDは重水素の事。重水素同士の2個を反応させる。
原始的な恒星の内部で初期に起こる反応である。

  1. 重水素重水素三重水素 + 陽子 + エネルギー
  2. 重水素重水素ヘリウム3 + 中性子 + エネルギー

この2つの反応に付随して、生成された三重水素が先述のD-T反応を起こしたり、ヘリウム3が重水素と反応してヘリウム4と水素原子核(陽子)を精製したりする反応が僅かに起こる。

見ての通り三重水素を使わない点が最大のメリットである。
重水素率としては0.015と僅かではあるが自然界に普通に存在し、そしてそもそも水素の存在形態である自体が自然界に尽蔵に近いほど存在するため、重水素もほぼ尽蔵に得られる。


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最終更新日: 19/03/20 21:48
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