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直木賞


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直木賞とは、芥川賞とともに日本で一番有名な文学賞大衆文学の新人に贈られる(建前上は)。

最新の受賞作は、大島寿美『渦 背山婦女庭訓 魂結び』(第161回)。


概要


正式名称は「直木三十五賞」。選考は1月7月の年2回行われる。催は日本文学会(文藝春秋社の社内団体)。現在(第151回以降)の選考委員は浅田次郎、伊集院静、北方謙三桐野夏生高村薫真理子、東野圭吾宮城谷昌光宮部みゆきの9名。

一人の作家が二度以上受賞することはできない。また、芥川賞との重複受賞もできない。

菊池寛が、「文藝春秋」の売上が落ちる2月8月話題を作るために、芥川賞とともに創設した……というのは都市伝説らしい。催が実質文藝春秋社なので文藝春秋社の作品が受賞しやすい(例として、第131140回の受賞作12作品のうち9作品文藝春秋社刊。さすがに露すぎたのか141回以降は割合が下がっている)。

上は「新人賞」であるが、受賞するのはデビューから10年前後が経過した中堅以上の作家であることが多い。選考委員よりキャリアの長い作家補になることもある(デビュー30で受賞した佐々木譲黒川博行など)。これは選考の際に「これから先も書き続けていけるかどうか」なども考慮されることや、初めて補に選ばれた作家は好評でも「もう一作見たい」という常套句で落とされることがままあるため。

ベテラン補になることもあるとはいえ、受賞していなければでも補になれるのかというとそうでもなく、コンスタント補になっては落とされる人はそのうちいつの間にか補にならなくなり(最近では真保裕一三崎亜記古処誠二など)、かと思えばずっとスルーしていた作家を唐突に補にしたり(最近だと歌野晶午とか貴志祐介とか)、過去に落としてから10年以上放っておかれた作家が復活してくることもある(20年近くのブランクを経て補になった佐々木譲安部龍太郎の例がある)。デビュー34佐藤正午が初補で受賞するなんてこともあり、はっきり言って補作の選定基準は

また、直木賞の受賞は既刊を含めた売上に直結するため、デビュー作で受賞してしまったりすると(近年では『GO』の金城一紀などの例がある)、売る本がそれしかないため本人にとっても書店にとっても美味しくなかったりする。もっとも最近は商業的影では本屋大賞に大きくをあけられている感は否めない。

受賞のタイミングをよく外すことでも有名で、各作家の代表作に受賞しているとは言い難い。宮部みゆきが最高傑作と名高い『火車』で落とされ『理由』で受賞したり、浅田次郎が『蒼穹』で落とされ『鉄道員(ぽっぽや)』で受賞したり、佐々木譲が『警官の血』で落とされ『廃墟に乞う』で受賞したことなどはその典で、渾身の作を落としたあとでわりと地味な作品に受賞することが結構ある。このため、直木賞は「作品ではなく作家に与える賞」という側面がある。これは別に最近に限った話ではなく、例えば池波正太郎藤沢周平もそんな感じで受賞しており、昔からの直木賞の性質である。SFファンタジーが受賞しないことでも知られ、筒井康隆小説『大いなる助走』で直木賞の選考過程を皮っている。

何度も補に挙げられては落とされ続ける作家が多い。宮部みゆき東野圭吾北村薫恩田陸などは5度落選し6度で受賞している。道尾秀介は第140回の初ノミネートから5回連続補入り(5回で受賞)という記録を作った。ちなみに最多落選回数は古川の9回(『漂泊者のアリア』で10回にして受賞)。

かつては同人雑誌の掲載作や雑誌掲載の短編が補になり受賞することも多かったが、現在補作に選ばれるのはほぼ四六判単行本に限られている。ノベルスは昔から補になりにくく、第143回では万城目学の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』が新書版の本としては30年ぶりぐらいに補になった。

144回以降、芥川賞とともに受賞記者会見の模様がニコニコ生放送で中継されている。もっとも、西村賢太田中慎弥話題になった芥川賞べると、直木賞はあまりその恩恵を受けてはいないが……。


大百科に項目のある受賞作家



大百科に項目のある候補作家



似たような文学賞


吉川英治文学新人賞

講談社が後援する、大衆文学の新鋭作家の作品に贈られる賞。

新進作家の「出世作」的な作品に与えられることが多く、直木賞の前に獲っておきたい賞、というポジション。だが、意外と直木賞との重複受賞率は高くなく、第20回(1999年)の山本文緒以降では、直木賞を獲った受賞者は第26回の恩田陸、第31回の池井戸潤、第32回の辻村深月の3人しかいない。近年の受賞作の傾向的には直木賞より本屋大賞寄りの賞。

詳しいことは吉川英治文学新人賞の項を参照。

ちなみに「新人」のつかない吉川英治文学賞の方は、功成り名を遂げたベテラン作家作に与える功労賞である。

山本周五郎賞

新潮社が後援する、物語性の優れた作品に贈られる賞。

直木賞を獲ったあとに山本賞を受賞した例はく、直木賞を獲れなかった(もしくは獲れなさそうな)作家の残念賞的なポジション(ただし両方を受賞している作家も結構いる)。直木賞では受賞の可性が低いファンタジーSFなどにも割と理解がある。

詳しいことは山本周五郎賞の項を参照。

で、ぶっちゃけどう違うの?

直木賞は「獲るとそこそこ売れる」賞
吉川英治文学新人賞「売れると獲れる」賞
山本周五郎賞「売れなくても獲れる」賞、と書くとわかりやすい(もちろん非常に大雑把な定義なので必ずしもこの通りではない)。

また吉川新人賞山本賞、直木賞の三冠達成者は現在船戸与一宮部みゆき恩田陸の3名のみ。
なお、吉川新人賞山本賞ともに、直木賞を既に獲っている作家補にならないという暗黙の了解がある。

余談だが、純文学の方でも芥川賞への対抗的な賞ととして、やはり講談社が後援する野間文芸新人賞と、新潮社が後援する三島由紀夫賞がある。

その他

2004年スタートした書店員投票で決定する本屋大賞は、その設立のきっかけに「直木賞の受賞作が読者の支持と一致しない」ことへのカウンター的な側面があったため、直木賞受賞作がノミネートされてもなかなか受賞することはなかった。第14回で恩田陸蜜蜂と遠』が初のダブル受賞を達成。

2010年には角川書店が、文学性よりもエンターテイメント性の強い作品に与える賞として山田風太郎賞を創設。第1回で貴志祐介悪の教典』、第2回で高野和明『ジェノサイド』と2回続けて直木賞で落選した「このミス1位の作品が受賞した。第4回でも直木賞で落選した伊東潤『巨』が受賞している。文庫やノベルスでも補にするという規定だが、実際の補作のラインナップは直木賞や吉川新人賞山周賞とわりと似通っている。


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最終更新日: 19/07/17 19:02
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