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税金


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税金英:tax)とは、正しくは租税といい、地方公共団体が強制的に償で徴収する銭のことをいう。
 


概要


定義

地方公共団体)が、その統治領域内に住所を持つ個人・法人や、その統治領域内に住所を持たずに経済活動をする個人・法人から、強制的に償で徴収する銭を租税という日本国憲法論 法学叢書7 2011年4月20日初版(成文堂)佐藤幸治[外部]530ページには、「租税」とは、地方公共団体)がその経費を支弁するため民から強制的に償で徴収する銭をいう。と書かれている。日本の税金 第3版 岩波新書(岩波書店) 三木義一[外部]218222ページには、日本住所を持たない外国人・外法人日本で稼いだ所得を日本の税務署に申告して所得税法人税を納めることが記されている。この2書の記述を勘案した。
 

強制的に無償で徴収する金銭が租税

住民または「住所を持たずに統治領域内で経済活動をする者」が、地方公共団体)に対して自発的に償で納付する銭は、租税とは言わず、寄附という。

地方公共団体)が住民または「住所を持たずに統治領域内で経済活動をする者」から強制的に有償で徴収する銭がある。「有償で」というのは「物資やサービス提供する代償として」という意味である。負担、手数料、専売物資の価格、の独占事業の料が挙げられる。

こうした銭を租税に含むかどうかで学説が分かれている。詳しくは本記事の『租税狭義説と租税広義説』の項を参考されたい。
 

国籍を問わず、統治領域内の全員に課すのが基本

「税金とは、中央政府地方公共団体が、その統治領域内に住所を持つ住民に対して、またはその統治領域内に住所を持たず経済活動する者に対して、籍を問わずに強制徴収する銭である」と基本的に考えることができる。

籍を問わないというのが特徴である。日本に住んでいるイタリアサッカー選手日本の税務署へ全世界で稼いだ所得について所得税を払うし、イタリアに住んでいる日本人サッカー選手イタリアの税務署へ全世界で稼いだ所得について所得税を払う(詳しくは本記事末尾の『複数ので所得を得る個人・法人への課税』の項を参照のこと)。

日本人であっても、日本を脱出して税率の安いに居住し、その地で経済活動をすれば、その地で稼いだ所得について日本の税務署へ税金を払わずに済む。税金を安くして持ちを熱心に誘致するのことをタックスヘイブン租税回避地)という。

日本中世江戸時代では、年貢の取り立てが厳しい武士貴族・社寺・地方族の所領から一家そろって脱出して、年貢の取り立てが優しい武士貴族・社寺・地方族の所領へ移住する現があった。これを欠落(かけおち)[外部]という似たような言葉に逃散[外部]があるが、逃散は他領へ逃げ込まずその所領にとどまったままで行うストライキす用である。。欠落されて統治領域内から脱出されると、その武士貴族・社寺・地方族は脱出者に対してなかなか手出しができなかった。
  

徴税対象品の変遷 物納と銭納(金納)

人類の歴史のなかで、様々なものが徴税対品となってきた。

日本奈良時代では租庸調の制度が実施され、や布が徴税された。このように物品を徴収する租税制度を物納という。

また、奈良時代にはでできた金属貨幣が流通し、金属貨幣を徴税することが行われた。このように貨幣を徴収する租税を銭納とかという。

物品と金属貨幣の両方を徴税する制度は江戸時代まで長々と続いた。明治時代になって、徴税対通貨に一本化した。日本だけでなく、近代・現代の世界においては、通貨のみを徴税対品とする例が極めて多い。
  

強制労働も租税の一種とする考え方

労働を強制することも租税の一種と捉えることができる。強制労働のことを労役とか夫役(ぶやく)という。

日本奈良時代では徭役(ようえき)が課せられた。江戸時代街道の近くに住む住民には助郷(すけごう) という大名の参勤交代をお手伝いする労働が課せられた。明治時代になって労働を強制する制度が止された。

兵役を強制することも租税の一種ととらえることができる。兵役を務めるということは、軍隊に入って労働するというのと同じだからである。日本奈良時代では防人(さきもり)の制度があった。明治時代になって明治憲法が施行されると第20条により民に兵役の義務が課せられ、徴兵制が導入された。昭和22年1947年)になって日本国憲法が施行され、徴兵制が終わった。

2021年現在日本において、労働または兵役を民に強制する制度は存在しない。
 

徴税の実働部隊

日本において、税金を徴収する機関は、国税庁である。国税庁財務省の外局として設置されている。国税庁の下部組織が税局で、税局の下部組織が税務署である。

日本税局や税務署は、色々と優秀で、何事も手抜かりがなく、恐るべき組織として知られている。彼らの行う税務調は、しばしば宅捜索を伴うことがある。税局や税務署の宅捜索は底的で、中のものをひっくり返しつつ、何もかも調べ尽くしていく。

納税の義務を怠っていると見られる者に対し、まずは税務署が相手する。税務署の手だけでは足らないとき、税局の察部の察官(通称:マルサ)が応援に入り、裁判所状を得て宅捜索する。さらに悪質な滞納がある場合、税徴収官が出てきて、裁判所状なしで宅捜索する。税徴収官のなかでも特別税徴収官(通称:トッカン)は、権限が強い。
 

脱税に対するお仕置き

脱税をすると、警察逮捕され、検察に起訴され、裁判所で裁判が行われる。税金に関する法律は多く存在するが、「脱税したら10年以下の懲役または1,000万円以下の罰刑あるいはその併科(両方の刑が科されること)、ただし罰額は脱税額を限度として増額される可性がある」という罰則が規定されていることが多い(記事1[外部]記事2[外部])。

有罪判決を受けて懲役刑を受けるときは、法務省が管理する刑務所叩き込まれ、自由が奪われた生活を強制されることになる。ご飯は栄養満点のものが出てくるが、とにかく自由が少なくて、あまり楽しくない。
 

租税に関する様々な熟語

納税 政府地方自治体に対して税金を納付すること
徴税 政府地方自治体が税金を徴収すること。課税ともいう
税率 課税対に対して徴税する割合・
増税 税金の税率を増やすこと
減税 税金の税率を減らすこと
免税 課税を免除すること。英語で言うとデューティー・フリー(duty free
節税 制度を利用したり制度の抜けをつついたりして、納税額を減らすこと。これを行っても犯罪にならない
脱税 納税すべきなのに経理書類を不正操作するなどして納税の義務を果たさないこと。これを行うと犯罪になる
税務 税金に関わる事務

 


租税狭義説と租税広義説


有償で徴収する金銭

負担、手数料、専売物資の価格、の独占事業の料などがある。つまり、地方公共団体)が物資やサービス提供する代償として、有償で徴収する銭のことである。

それぞれの例を挙げて表にすると、次のようになる。

負担 都市計画負担道路負担河川負担下水道事業受益者負担
手数料 ごみ処理手数料
専売物資の価格 1984年以前で専売社が専売していたタバコの値段
の独占事業の料 2006年以前で郵便局提供していた郵便

 

これらも地方公共団体)が徴収する銭なので、租税によく似た存在である。
 

租税狭義説と租税広義説

地方公共団体)が民(住民)から強制的に償で徴収する銭を租税という」という定義を租税狭義説という。つまり負担などを含めない考え方である。

これに対し、「地方公共団体)が民(住民)から強制的に償で徴収する銭だけでなく、地方公共団体)が民(住民)から強制的に有償で徴収する銭も含めて、租税という」という考え方を租税広義説という。こちらは負担などを含むという考え方である。
 

日本における変遷

明治憲法が施行されていた時代は、第62条第2項[外部]ではっきりと租税狭義説が採用されていた。

1947年5月3日になって日本国憲法が施行されるようになると、第30条で納税の義務が明記されたが、租税狭義説をとるのか租税広義説をとるのか憲法の条文で明言されていなかった。

1947年3月31日に施行された財政法では第3条[外部]租税広義説を採用した。ところがその後すぐに成立した「財政法第三条の特例に関する法律」で、「タバコの価格と、電信・電話の料と、郵便局郵便郵便郵便為替郵便振替に関する料と、国鉄の運賃は、租税と同じ扱いにする。しかし私鉄運賃と電気ガスなどは財政法第3条の例外として、租税と同じ扱いにしない。料正に当たって法律国会の議決も必要ない」ということにした日本国憲法論 法学書7 2011年4月20日初版(成文堂)佐藤幸治 530ページ

日本最高裁旭川市国保料訴訟[外部]2006年3月1日判決で「特別の給付に対する反対給付として徴収する銭は憲法第84条が直接適用されない」という意味の言葉を述べている。これを言い換えると「物資やサービス提供する代償として徴収する銭は租税に含まれない」となる。つまり租税狭義説を採用したことになる。

ただし、同じ判決で「租税以外の課であっても、賦課徴収の強制の度合い等の点において租税に類似する性質を有するものについては、憲法84条の趣旨が及ぶ」と述べている。これを言い換えると「物資やサービス提供する代償として銭を徴収する時の強制性が租税のように強ければ、それは租税と扱う」となり、租税広義説を一部だけ認めたといえる。
  


租税に関する憲法条規


憲法第30条の納税義務

租税を納める義務は、日本国憲法第30条において定められている。「民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う」という短い条規となっている。

憲法というものは、権者の行動を規定して、権を制限し、被統治者である民の安心と自由を確保するために制定されている立憲主義のコトバンク記事[外部]日本国憲法論 法学書7 2011年4月20日初版(成文堂)佐藤幸治 5ページを参考に記述した。。つまり、憲法とは政府公務員に対する命の集積なのである。

ところが何事も例外があり、日本国憲法の中には民に義務を課す条文が3つある。そのうちの1つが日本国憲法第30条である。

また、先述のように日本政府外国人にも納税の義務を課している。

日本人に対しては日本国憲法第30条法律で納税義務を課し、外国人には法律だけで納税義務を課しているのである。
 

租税法律主義

租税を徴収することで民生活に多大なが発生する。民にとってコロコロと税率を変えられては迷惑である。

者の都合でコロコロと税率が変わっていく現を防ぐため、日本国憲法は「租税の制度を決めるとき、法律で定めねばならない」という原則を定めている。これを租税法律とか租税法定という。

日本国憲法第30条の「民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う」という条規と、日本国憲法第84条の「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする」という条規に、租税法律義が盛り込まれている。
 

租税法律主義で租税の制度を定める難易度が高くなっている

法律というのは、作ったり変更したりするのに多大な労が必要である。日本国憲法第41条で「国会は、権の最高機関であつて、一の立法機関である」と定められており、法律を通すためには必ず国会の議決を得なければならない。

国会は年がら年中開かれているわけではなく、毎年1月から6月まで150日間の日程で開催される通常国会憲法第52条[外部]国会法第2条・第10条でそのように決まっている。と、毎年10月から12月まで50日間程度の日程で開催されることが恒例となっている臨時国会がある程度である。つまり1年365日のうち200日ほどしか国会が開催されていない。

1年365日のうちのほとんどで国会を開く通年国会にするのは、理がある。国会議員が地元民と交流する時間を確保すべきという意見もあるし、官庁にとって国会対策というのは大変な緊を強いられるので官庁の体を維持するため通年国会を避けるべきという意見もある日本国憲法論 法学書7 2011年4月20日初版(成文堂)佐藤幸治 446ページには「会期制がイギリスで誕生し、それが一般化した背景には、議会の議事の効率性を高めるとか、議員が選挙民と接触する機会を多くするとか、行政府の機を不必要に阻すべきでないとか、様々な要因が働いていたものと思われる。」という記述がある。

また、霞ヶ関の掟 官僚の舞台裏(日本文芸社)林雄介[外部]の64ページには「ヶ関で一番、厄介仕事国会対策なのだ。特に自分の課に関係する質問があれば、答弁を作成しなければいけないが、答弁が当たっていなくても全ての議員の質問が出尽くすまで役所で待機しなければいけない。これを国会待機という。官僚の庭崩壊のたる原因である。とにかく、官僚の仕事は頭労働というより体勝負の世界なのである。省で何か不祥事や事件でも起ころうものなら、例えば、外務省不祥事狂牛病でも起ころうものなら、マスコミも大挙してきて、課内はパニックになるのだ。官僚は、マスコミ対応、国会対応で24時間、省内を走り回り、さらに国会議員や関係業界の幹部、役所のOBへの根回しに追われることになる」という記述がある。


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最終更新日: 21/07/31 16:31
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