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荷電粒子砲


ヨミ: カデンリュウシホウ
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荷電粒子砲(かでんりゅうしほう)とは、電荷を持った何かの粒子を大量に収束させて撃ち出す兵器である。

しばしば、SFロボットアニメ等で兵器として登場する。

本項ではほぼ同様の原理によって成り立っている「中性粒子ビーム」および「反物質粒子」についても触れる。

概要

簡単に言うと、「すごい水鉄砲」。 アニメ等ではよくレーザーと同様の線として発射される描写が立つが、レーザーのような兵器ではなく、水鉄砲である。

ただを標的に向けて噴射するだけの水鉄砲と言えど、十分に収束させて十分な速度を持たせれば立兵器になる。 いわゆる「ウォータジェット」と呼ばれているこの高圧流を用いた器具は、鉄板などやすやすと貫通し、強めればダイヤモンドさえ削って切断してしまうほどの威を誇る。

かしこのような威を持つウォータジェットでさえ、通常は800m弱、強いものでも1000m前後の速度(※ 音速は速約340m)でのの噴射であり、これらの噴射を生み出しているは単純な圧のみである。 これを圧ではなく磁場によって電荷を持つ物質を引っを使い、粒子を亜光速まで加速して打ち出そうというのが荷電粒子砲である。

撃ち出す物質は電荷を持っている粒子なら理論上は何でも良いが、減衰の問題(後述)があるため、粒子自体の質量が大きい重金属の粒子を用いるのが望ましいと言われている。(粒子が軽いと、地磁気等の外によって簡単に曲がってしまう)

威力・効果

な威はつぎ込む電量などにも大きく左右されるため、これと言った基準はい。 そもそも兵器としてはまだ現実に存在しないので具体例がひとつもい。

ただし、相応の規模の荷電粒子砲が発射された場合、以下のような現が起こると予想されている。

技術的なハードル

理論上は、現在ある技術で可兵器である。 が、起動・運用のために必要な大過ぎる電の確保が難しい事、また十分な威を持たせるために必要な「粒子加速器」の小化ができていないことから、実用範囲での荷電粒子砲を製作する事がほぼ不可能で、一般的にはまだまだ「架SF兵器」とされている。


直進させることの難しさ - 大気による減衰


地球上には大気がある。 大気があるという事は酸素やら窒素やら二酸化炭素などの粒子が充満しているという事であり、この中で荷電粒子砲を撃つという事は、例えるなら満タンに満たされた水槽の中で水鉄砲を撃つようなものである。 そんな事をすれば、水鉄砲から撃ち出された流は水槽の中にあるとぶつかってすぐに勢いが弱くなり、拡散してしまう。強水鉄砲を用いればある程度の距離までは流がジェットのように直進するが、それ以上進むと急に勢いが弱まってやはり拡散してしまう。

大気中で撃つ荷電粒子砲にも同じ事が言え、粒子を十分な距離まっすぐ飛ばすには、相当な速度を持たせてやらなければならない。 これが、荷電粒子砲の稼動に大な電を必要とする一番の原因である。

なお、水鉄砲水中ではなく空気中で撃てば、水中ほど抵抗を受けないために、較的容易に直進出来る。 これは、空気中の酸素窒素と言った分子がバラバラで存在するのに対し、はひとまとまりで飛んで行くために、空気抵抗が相対的に少ないためである。当然、として発射する水鉄砲ではなく吹きのようなものだった場合、空気中でもすぐに拡散してしまう。

これもまた荷電粒子砲でも同じで、大量の粒子を圧縮・収束してひとまとまりにして撃ち出せば相対的に減衰を抑える事が出来るが、今度は荷電粒子砲特有の問題によって粒子を収束させる事が難しいのである(次項)。


直進させることの難しさ - 電荷による収束の難しさ


荷電粒子砲なので、飛ばすのは荷電している粒子である。 荷電しているというのは+か-のどちらかの電荷を持っているという事であり、磁石のNとSと同じように、違う性質の電荷は引き合い、同じ性質の電荷は反発するが発生する。 粒子を加速する際もこれを利用して加速する訳だが、+と-の電荷を持つ粒子を一緒にして加速しようとすると、すぐに粒子同士でくっついて電荷が中性(±0)になってしまい、磁場で引っれなくなってしまうため、+なら+の電荷を持った粒子ばかりを集めて撃ち出すことになる。 そうなると粒子同士の間に反発するが生まれてしまい、射出された途端に勝手に拡散してしまう。

これを解決するためには以下のような手法が考えられている。


直進させることの難しさ - 外力による偏向


地球上でコンパスが正しく北と南をし示すように、地球はそれ自体が巨大な磁石であるかのように、磁場を持っている。

電荷を持つ粒子を撃ち出す荷電粒子砲は、大気による減衰・粒子同士の反発による拡散の他に、「地球の磁場に勝手に反応して曲がってしまう」事を防ぐという課題もクリアしなければならない。 周りに体が全く宇宙空間なら地磁気による偏向を気にしなくても良いが、宇宙空間宇宙空間で、太陽など他の荷電粒子の波が襲ってくる事が多々あるため、やはり外によって簡単に曲がってしまう。

これらの問題については、撃ち出す粒子を質量の大きいもの(重金属粒子など)にしてやればある程度緩和出来るが、質量を増やして外による偏向を緩和するという事は加速するために必要なエネルギーが増大する事に直結する(重い物質は加速も減速もしづらい)。 即ち、粒子加速のための必要電が跳ね上がるという事である。

中性子粒子ビーム(後述)であれば、粒子の質量を増やす事もなく磁場による偏向を気にしなくても良くなるが、太陽などと衝突した場合、粒子同士の衝突による減衰までは避けられない。

後述のフィクションの中の荷電粒子砲の、エヴァンゲリオンに登場する陽電子は、地磁気による偏向はネルフ本部スーパーコンピュータMAGIの演算によって補正する事でクリアしているが、第1射は反対方向から同時に放たれたラミエルの加粒子ビームとお互いに干渉して偏向され、共に外れるという結果に終わっている。


コストの問題 - 必要電力


荷電粒子砲は、ただでさえ電バカ食いする粒子加速器を、兵器として役に立つ規模で稼動させる事になるため、想像を絶する量の電気を消費する。

兵器としての威を考慮せずに、「大気中でまっすぐ粒子を飛ばす」と言う条件を満たすだけでも1万メガワットクラスの電を必要とする。 (1万メガワットは500ワットの電子レンジ2000万台分に相当する)

消費電の具体的な設定が出てきているフィクションとしてエヴァンゲリオンポジトロンスナイパーライフルがあるが、「ラミエルの射程外からATフィールドを貫通出来る出」を満たすためには1発で1億8千万キロワットを消費する。 現在、最も電を消費する過ぎでに日本で1日に消費するのが1億8300万キロワットなので、文字通り日本に存在する電全てをフル稼働させて総動員してやっと賄える電であると言える。

この1億8千万キロワットのポジトロンスナイパーライフルは一般的な兵器かに駕する威であるため、人間同士の戦争ではここまでのめられず1億8千万キロワットも電を使う事はいと思われるが、それでも5000万キロワット級の電を消費するのは間違いない。 一般的な対人・対物兵器の規模は当然の事、戦略級の規模であったとしても、1発発射するだけでの大半を停電させなければならないような兵器では、リスクが大きすぎてまるで実用に耐えないと言える。


規模の問題 - 加速器の大きさ


撃ち出す粒子を加速する方式は、現在は大別して以下の3種類が存在する。

静電加速器
2点の電極の間に電位差(電圧の大きさの差)をセットし、そこに粒子を通過させて加速する。 電極2つ分の大きさで済むためコンパクトであり、連続して加速した粒子を射出し続けられるという特徴があるが、加速出来る上限が電位差で頭打ちになってしまうため、加速自体は後述の2種にべて大きく劣る。
線形加速器
長い一直線の通路を作り、その中で引っり続ける事で加速する。 静電加速器における限界える事が出来るが、科学研究や兵器として実用出来るほどの加速を得ようと思うとキロメートル単位のすさまじい長さになる。そのため実質的に加速の上限が存在する。
円形加速器
輪っか状にした筒の中をぐるぐると回して加速し続ける。実質的に加速器の「長さ」が限となるため、現実的な大きさの線形加速器よりもかに加速出来るが、円形であるが故の特有の問題を持つ。 円形の加速器の中を走らせるには円形に沿って粒子を曲げる必要があり、粒子を曲げるためにエネルギーのロスが生まれてしまう。このため、加速すればする程エネルギーのロスが大きくなり、「加速器の大きさ」とは別の面で上限が発生してしまう。 このエネルギーのロスは円のカーブが緩やかであればあるほど小さくなるため、より加速するためには「輪」が巨大になる。例えば日本茨城県つくば市にある円形加速器は円周約3km強(直径1km前後)もの巨大なリングを地下に埋めている。

兵器として運用する的の場合、線形加速器か円形加速器のどちらかを用いる事になるが、どちらを用いるにせよキロメートル単位の巨大な施設が必要になるため、携行サイズの武器としては当然のこと、機動兵器に搭載する兵器としては不可能固定砲台的な用途ならば実現可かも知れないが、巨大であればあるほど破壊工作などに対する警備が難しくなるため、やはりこのままでは兵器としての実用は不可能に近い。そこで新たな加速器が登場する。レーザー加速器である。

レーザー加速器とは高出パルスレーザー金属ターゲットに照射、光子エネルギーで荷電粒子を弾き飛ばすことで加速する新しいタイプの加速器である。レーザーによって粒子を一気に加速するため装置が極めてコンパクトで済むのが特徴。まだ出は従来の加速器には及ばないものの、レーザーを多段化することで理論的にはいくらでも出を上げられると考えられており、近いうちに兵器として運用可タイプも登場するのではないかと思われる。


運用の問題 - 発射時の反動


実用可サイズに収まった荷電粒子砲が存在したとして、そいつを発射すると凄まじい反動が発生する。と考えられている。

またまたで例えるならば、根元の蛇口を全開にしたホースはしっかり持たないと暴れまわって周囲を浸しにしてしまう。 消防活動に使われる消防車ホース庭の蛇口ではなく、訓練された消防士が両手で持ってようやく押さえ込めるほどの勢いを持つ。 工業で使われるような強ウォータジェットに至っては、機械に備え付けでないとまともに運用できないほどである。

水鉄砲」の部類でこれなのだから、それをかに延長した荷電粒子砲は想像を絶する反動が発生するのは想像に難くない。 反動の問題も、兵器として大規模になってしまう原因の一つである。

類似兵器


中性粒子ビーム砲


先述の「同じ電荷を持つ粒子の固まりであるために勝手に拡散してしまう」と言う問題への答えの一つとして考案されている形式の兵器

+と-の電荷を持つ粒子をそれぞれ別々に加速してやり、発射直前に混ぜてやる事で、くっついて電荷的に中性(±0)になって飛んで行くと言うもの。 こうする事で電荷による収束の難しさと、地磁気などの外による偏向の問題を気にしなくても良くなるため、現在のところ「荷電粒子砲を実際に作成するとしたら」では最も有視されている形態。

※ 中性子ビームと名前が良く似ているが必ずしも同一のものではない。 中性粒子ビームは撃ち出す粒子が電荷的に中性でありさえすればいいので、中性子そのものでも、陽子1個+電子1個の組み合わせの水素原子でも何でもいいが、中性子ビーム文字通り中性子そのものを発射する。 また、中性粒子ビームは上記の通り荷電粒子砲の一種として考案されたものであるが、中性子ビームはそうとは限らない。中性子は物体を透過するが極めて強いため、低エネルギーでも放射線としての性質を強く持つ。中性子線を撒き散らして生物だけを殺傷する事を的とした中性子爆弾はこの際たるもの(ビームと言う呼び名に相応しくはいが)であるが、これは荷電粒子砲とは一切縁。


反物質粒子砲


射出する「弾」としての粒子に何らかの反物質を用いた兵器。 広義には反物質粒子を撃ち出すもの全てを言うが、ただ反物質粒子と言った場合、荷電粒子砲の原理で反物質粒子を撃ち出す兵器の事をす。

「弾」が反物質である事で、通常の荷電粒子砲と同様の破壊効果に加えて標そのものを構成する物質との対消滅が期待できるため、威は飛躍的に高まる(と予想される)。

しかし、反物質粒子は通常の正物質を用いる荷電粒子砲以上に大気による減衰が酷いと考えられている。 通常の荷電粒子砲では、発射した粒子が大気の粒子と衝突した場合、速度がいくらか落ちたりするだけであり、最初に十分な速度があれば、何度か衝突をしてもまだしっかりと前に飛んで行く。 一方で反物質粒子では、発射して最初に大気粒子と衝突した時点で粒子そのものが対消滅によって消えてなくなってしまうため、単純に粒子自体の速度だけでは減衰の問題を解決できない。

また、仮に減衰の問題を解決できたとしても、現在科学では弾とする反物質そのものの確保、およびその貯蔵・制御に難があるため、想の域を出ていないのが実情。

なお幾つかのフィクション作品では「クリーン兵器」と言うような説明がなされている事があるが、これは正しくない。 反物質標や射線上の大気粒子などと対消滅を起こした場合、粒子の質量は全てガンマ線という形でエネルギーに変わって放出される。ガンマ線とは放射線の一種でもあり、中性子線(原子爆弾による放射線なもの)などにべるとその作用は較的小さいものの、その他生物の身体に照射された場合は被曝しDNAの損傷など重大な被害る。 つまり発射して大気に触れた時点で膨大な量の放射線を周囲に撒き散らすという事であり、規模によっては核兵器を使うよりも重大な環境被害・人的被害を発生させる可性がある兵器である。

フィクションの荷電粒子砲

フィクション作品に登場する荷電粒子砲の一例を列挙する。

なお構造原理から明らかに荷電粒子砲である、または「荷電粒子砲である」と明言されているものは多々あるが、ここまでの記事にあるように現在の技術レベルで存在する「粒子加速器が巨大すぎる」「必要電が膨大」「発射時に大な量の電磁波を撒き散らす」「凄まじい反動がある」等の問題点をどうやって解決して兵器として実現しているのかはご都合によってスルーされている事が多い。


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最終更新日: 19/06/21 03:54
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