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霹靂とは、稲妻のことである。
霹靂布袋戲シリーズは1985年頃から黃文擇と黃強華の兄弟により製作されている、台湾で最も認知され、高い人気を誇る人形劇である。兄弟の父である黃俊雄の「雲州大儒侠」から発展し、25年で総話数1000以上を数えるロングランシリーズで、現在も進化し続けている。
幻想的なストーリーもさることながら、アクションシーンが派手で人形がグリグリ動く。本当によく動く。
1984年リリースのレンタルビデオ「霹靂城」から、冒頭に「霹靂」を冠すので「霹靂布袋戲シリーズ」と呼ばれるが、実際は素還真が主人公に据えられた1988年の「霹靂金光」からが現在に繋がるシリーズである。今も毎週金曜に2話収録のDVDが1枚ずつ発売され、全家便利商店(台湾ファミリーマート)で購入可能。
美形が多く、それぞれキャラが立ちまくっているのも関係してか、台湾オタク界でも一大ジャンルを誇り、登場人物のコスプレや二次創作は超人気コンテンツ。公式グッズやムック本、コラボ商品も非常によく売れている。
▲「霹靂布袋戲シリーズ」の舞台は、「苦境」とよばれる我々が住む現実界にほど近い世界である。苦境は広大で、方角によって東武林、西武林、南武林、北武林、中原と5つに分かれ、その周辺国家も合わせると数多の組織や国があり、覇権を巡ってしのぎを削っている。更に苦境は資源が豊富で、外界から狙われることも多く、「集境」、「滅境」、「道境」と呼ばれる異界や魔界、天界が干渉して来るので超カオスなのだが、それらに生きる人々は神や魔物と言うよりは、そういった種族だと認識すると理解しやすい。稀に機械人、吸血鬼、宇宙人、未来人や日本人、終いには神まで登場する。マジカオス。
天界人界魔界それぞれの英雄が入り乱れ、更に登場人物が多く、「○○界最強の○○」な人物のバーゲンセールなため、敷居が高いと感じる諸兄もあるかと思われるが、ファイブスター物語みたいなものだと思えば理解出来るかも知れない。
▲以下の内容は、一部ネタバレを含む。
霹靂シリーズの総括主人公。二つ名は「清香白蓮」。「日才子」「素賢人」とも。白い蓮華をイメージとする。
基本的に温和で人当たりも良いが、正義感が強く、怒らせると非常に怖い。
人物背景は謎だらけで、時折驚愕の事実が発覚する。銀髪童顔のため年齢不詳に見えるがバツイチ(死別)子持ち。
天才で器用。一回見た他人の技を完璧にコピーすることも出来る。剣術の達人だが拳術、体術も相当の腕前。
主人公ゆえにしばしば危機に遭遇し、時々死ぬが、これまた主人公ゆえにその内復活、或いは彼の化身が別の姿と名前で登場して、サイヤ人みたいにパワーアップ、という事態を繰り返すので、ファンに「不死身」というあだ名もつけられた。いわゆるチートキャラ。
二つ名は「梵天」「百世経綸」、「邪心魔仏」。非常に好戦的な御坊。霹靂シリーズにおける、もう一人のキーマン。もちろん不死身でチートキャラ。
あの髪型は日本人にはショッキングかも知れないが、螺髪(らほつ)と言って徳の高いさまを表している。
悪者に一切の容赦がなく、己の絶大な力でねじ伏せるため、ファンに「暴力坊主」というあだ名で呼ばれることも。
素手や払子[外部]で戦うが、武器の心得もある。法力での戦いはほとんどアスラズラースの大仏アタック[動]のノリ。
あまりに 口白師の負担が高い声色 戦闘力が高すぎる ので、最近では物語の節目にしか姿を表さないことも多い。
(参考:もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな)
素還眞と同じくシリーズ最初期から登場するキャラクターゆえに、最近の耽美路線の木偶(人形)との間にデザインの乖離が起こっていたが
直近の作品群ではアレがアレして大変なことになっている。気になる人は「魔化一頁書」でぐぐれ。
日本人ファンの間ではセンヨウデンキとも。
千年前より夜明けから日没の間盲いてしまう奇病に冒されている夜行性の戦闘民族、「日盲族」の長。
一族に光をもたらすと言われる伝説の「太陽之子」として待ち望まれて誕生したが、てつをではない。
素還眞と瓜二つの顔立ち(ただし黒髪黒眉)、武術の腕前もほぼ互角だが高飛車で、人違いからトラブルが時折起こる。
問題が起こったとき、人情を理解できず機械的な結論を導き出しがちな性格。
「正確,但不是最好的答案」意訳:"(あなたの言うことは)正論です。が、正解ではありません。"とは、日盲族の部下、萬古長空の彼に対する評。
驚異的な記憶力の持ち主。大怪我をしていても一日に百冊ほどの本を読め、一字一句忘れない。
素還真とは敵また味方のライバル。今では互いに実力を認め合い奇妙な信頼関係で結ばれている。
千葉傳奇は素還真から生み出された魂の片割れである。闇にしか生きられない日盲族は日の下での生活を求め、伝説の救世主の召喚儀式を行った。とある戦いにより死亡した素還真の魂を呼ぶ手筈であったが、ちょうどその時素還真の仲間たちも彼を復活させるため、その魂を呼び戻していた。そのため、素還真の魂は二つに分かれ、片方は魔の力に染まり、黒い蓮華になってしまう。それが千葉傳奇である。素還真と二人合わせて「黒白雙蓮」とも呼ばれる。
二つ名「刀狂劍癡」。師匠より賜った「隻手之聲」(せきしゅのこえ)という言葉の意味を理解するため自ら舌を切り、言葉を失ってしまった。白銀長髪で、顔に大きな傷跡がある。一族郎党の殆どを運命の悪戯により失った上、更なる不幸を一身に受け続ける悲劇の英雄だが、優しい心を失わない。
二刀流をさせれば、彼の右に出るものはいないと言われる。剣も刀も凄腕だが、特に得意とするのは剣。
身剣一体の体現者であり、手を動かさず心だけで敵を斬るチート技「心劍」の使い手。
トリックスター的な役回りの人物で、星の数ほどの二つ名を持っている。器用者で多彩な技を繰り出すが致命的にパワーが足りず、雑魚すら殺すことができない。
しかし彼の本領は口先の上手さと運の強さ、逃げ足の速さで、これこそが彼の長生きの秘密である。
ごくたまにパワーアップすることもあるが、基本的にはネタとして扱われる。
口が悪くて腹黒、短慮だが頭の回転が速く、人を煽動することが得意で、彼を恐れる悪の組織も少なくない。このため彼に対する暗殺指令がしばしば掛かるが、口八丁手八丁で逆に敵を陥れ、のらりくらりと逃げるので殆ど成功していない。
劇中のある凶手(殺し屋)曰く、「一番手強い相手はランクS、ズバリダイアモンド級、硬すぎて噛むことができない。このランクの代表人物は彼だった」。
赤鼻のユーモラスな顔立ちだが何故かモテモテで、複数の妻がいる。
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立体物の宿命として、霹靂の登場人物を模した人形(電子木偶)にもいわゆる「海賊品」が出回っている。
海賊版と言うと「出来が悪いパチもん」というイメージがあるが、作っている工房が以前は霹靂の正規品を作っていた店だったりすることもあり、そのクオリティは高い。
というか、下手すると正規品より出来が良かったりする。その上安い、早い(正規品は注文からお届けまで一年以上かかることもザラだが、海賊版だとその3分の1程度)、自分好みの顔に出来るなどメリットが多く、日台それぞれ手を出す人間がいる。
が、もちろんれっきとした【犯罪】である。
現在、霹靂角色の木偶は霹靂直営店のみの販売となっており、他はオークションサイトの二手(中古)などの入手手段がある。
霹靂公式サイト[外部](※中文)には、
などの正規品と海賊版の見分け方が記載されているので、木偶をお迎えの方は参考にして欲しい。
▲梟皇論戦を参照されたい。
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