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Javaとは、プログラミング言語の一つである。Java VMなどの実行環境全体を指す場合もある。
当記事では前者について扱う。後者についてはJava仮想マシンを参照。
人によってはJavaScriptと混同している場合があるので注意を要する。(特に書店の店員さん)
もともとはコーヒー豆の種類であるJavaから。コンピュータを知らない人にとっては風呂釜洗浄剤だったり原人だったり島の名前だったりカレールウだったりする。缶紅茶とかゴダイゴとかが出てきたら立派なおっs(ry
1990年末から開発が始まり、サン・マイクロシステムズ(後にオラクルが吸収)によって1995年に公表されたオブジェクト指向プログラミング言語。 現在はオープンソース化されているが、ライセンスなどはオラクルが管理している。
当初は、Javaで動作する専用のハードウェアも開発し、インターネット家電機器への進出も計画されたが頓挫し、現在はJava VMを介した実行環境がメインとなっている。
他にもいろいろ挫折のあった言語だが、それでも使用プログラマの人口は1,2を争うくらいに多い。また、使用人口が多いため検索するだけで比較的容易に情報が入手できるという言語仕様とは関係ない強みがある。
▲携帯電話(いわゆるガラケー)の開発言語として、2010年あたりからは、Androidスマホの開発言語として注目を集めているが、地味にサーバー用途などの利用も多い。
普通のデスクトップアプリ開発もできるが、実行にJavaのインストールや起動が必要になる。アプレット? ああ、そういうのもあったっけ。
Java仮想マシンを参照。
▲過去は非常に互換性を重視しようという意図があり、その関係で長らくGenericsが要望されながら搭載が見送られてきた経緯があるが、C#の存在を意識してかJava5(1.5)を境にむしろ互換性を犠牲にしてまで様々仕様を搭載しようとする姿勢に変化している。
文法外の特色としては中間言語+仮想マシン方式であること、ガベージコレクションがあること、ドキュメンテーションコメントの書法を定義していること(JavaDoc)、などがある。
Javaは直接機械語にコンパイルされず、中間言語(バイトコード)にコンパイルされ、バイトコードをJava仮想マシンが各ハードウェアの機械語(ネイティブコード)に変換して実行するという方式をとる。
基本的に「Java仮想マシンさえあればどこでも動く」という移植性の高さから「Write once, run anywhere」と言われる実際にはそれぞれの環境によって異なることも多々あるために"Write once, debug everywhere"と揶揄されることも多い。
ハードウェアに依存しない反面、デバイスドライバなどハードウェアに依存した処理には弱く、C言語との組み合わせが必須となる。もっとも、使用人口が多いおかげで、主だったハードウェアには何らかのサードパーティ製ライブラリが存在してC言語を使わずに何とかなることも多い。
C++に見られる多くの機能を改良して吸収し言語仕様も大幅に改編、さらにC++では標準機能として持てなかった機能を大幅に追加していった。これにより高い汎用性と生産性をアピールすることになった。
シンタックスシュガーが少ないのが特徴でJavaの省略しない文化が表れている。他にもgetter, setterなどのお約束もあいまってコードの長さには定評があるプログラミング言語のコードの長さを比較するときに同じ内容をJavaで書いた行数の何分の1になるかで比較することが珍しくない。。だが、省略できるということは省略された部分を補うために覚えておくことが増えるということでもあり、学習コストやコードの可読性の観点から省略しないほうが有利な場合もある。また、省略されていないメソッド名を眺めているだけでなんとなく使い方がわかる場合もあるので、省略しないことは必ずしも悪いことではない。2018年3月リリースのJava10からはvarを導入して型推論により変数宣言時の型の記述を省略できるようになる。省略できないことはJavaの短所と言われることが多いが、記事で述べているように見方によっては長所でもあるので、この方針変更により残り少ないJavaの特長が失われていくような印象を受ける。
演算子のユーザー定義が認められていないので、BigDecimal(精密十進演算)などで込み入った四則演算をしようとするとaddやmultiplyなどのメソッドが入り乱れて大変なことになる。演算子のユーザー定義を認めた結果ソースコードがよくわからない記号だらけになった言語もあるので、これも悪いことばかりとはいいきれない。
型はプリミティブ型、列挙型(Java 5から導入)、オブジェクト(参照型)に分かれ、プリミティブ型にはboolean, char, int, short, long, float, doubleがある。オブジェクト指向であるにもかかわらずオブジェクトの性質を持たないプリミティブ型があることは、パフォーマンス面でC言語やC++に対抗するため必要なことであったとはいえ、Javaがオブジェクト指向言語として不完全であるといわれる原因にもなっているあれ?全てがオブジェクトなんじゃないの?プリミティブ型は違うの?とか言ってはいけない。何でラッパーとかいる の?Stringはプリミ ティブ?え?違う? でもイミュータブルなので、プリミティブ的に扱っておk。って、どっち?メソッドあるからオブジェクト??意味わからないです。
・・・とか言う会話を新卒と交わし、本気でエリック・ガンマに手紙を出そうとした2年目を見たことのある人間が、少なくとも日本には一人いる。。修正の予定もないことはない(後述のProject Valhalla)が、実現の目処はたっていない。
よく使われるような機能はJava SE自体に標準ライブラリとして一通り揃っている。
ブラウザでリッチクライアントを実現することが初期の開発理由の一つにあったためか、プログラミング言語としては珍しく発表当初からGUIライブラリが標準ライブラリに含まれている。もっとも、「標準」自体はAWT、Swing(Java 2〜)、JavaFX(Java 8〜)と2回の交代を経験している。
一方で複素数などは標準ライブラリに含まれておらず、前述の演算子のユーザー定義禁止の問題もあわせて、数学や科学分野の計算に向いているとは言いがたい面もある。
▲Javaの統合開発環境(IDE)としてはEclipseとNetBeansがよく知られている。
EclipseはIBMが、NetBeansはサン・マイクロシステムズ(現オラクル)が開発の主体となって開発したソフトウェアで、どちらもフリーかつオープンソースである。
これらは開発の支援機能を多く備え、生産性向上にも役立つIDEとして有名である。
特にEclipseはJavaに限らずクロスプラットフォームな開発環境においては標準的なIDEとなっていることが多い。
基本的にJavaの開発時にどちらを利用するか迷ったら書籍など情報量の多いEclipseをおすすめする。
ただし、マシン環境が貧弱な場合、NetBeansのほうがより軽いため、こちらを使うほうがいいかもしれない。
標準以外でも、オープンソースの強力なライブラリやフレームワーク群があるのがJavaの特長である。Apache Software Foundationのライブラリ群などがよく知られている。定番とされているものだとApache Ant, Apache Tomcat, Apache Struts, Apache Mavenが挙げられる。
▲先述のように互換性を重視するため、新しい文法の導入は遅れがちであるが、1.5におけるジェネリクス以外には以下のような変更が実施・予定されている。
本当はJava7に導入される予定だったが、作業が難航しJava6の後に5年ほどあいてしまった(Javaは2年ごとに新しいリリースを出す方針になっている)ため、Java7から外されて2014年3月にJava8で導入された。
これによりラムダ式を用いて関数(メソッド)を引数や戻り値に指定できるようになり、オブジェクト指向言語Javaも晴れて関数型言語の仲間入りを果たした。
これも本当はJava7に導入される予定があったが、Project Lambdaと共にJava8へと延期され、さらにこちらだけはJava9に延期された。なお、Java9のリリースは2016年9月予定だったが、2015年12月に延期が発表され2017年3月となり、2016年10月に再延期されて2017年7月27日予定となり、2017年6月1日にさらに延期されて2017年9月21日のリリースとなった。
文法の変更と言うよりも、ビルドに際してのパッケージ依存関係などの記述方法が変わってモジュール化が促進されるという触れ込みである。ソースコードの互換性は保たれるが、ビルド方法については完全には互換性が保てないため開発者への影響が大きく、根強い反対意見があるようだ。
なお、このバージョンから32ビット版がなくなり[外部]64ビット版のみとなった。「Write once, run anywhere」はどこに行ったのだろうか。32ビットOSはnowhereだ(どこでもない)ということなのかもしれない。
2018年3月リリースのJava 10 からローカル変数宣言で左辺の型記述を省略できるようになった。
→ var(Java)参照のこと。
オブジェクト指向言語なのにオブジェクトの規則に従わないプリミティブ型は、特にジェネリクスの導入以降、型引数にプリミティブ型を使えないことによる様々な弊害をもたらしてきたたとえばStream<T>のTにintやdoubleを入れることができないため、IntStream, DoubleStreamといった型を個別に定義しなければならなくなっている。ラッパークラスを用いてStream<Integer>とすることもできるが、パフォーマンスが犠牲になる。Stream<T>だけで済めばいいが、Optional<T>など汎用性が高い型が定義されるたびにオブジェクトとプリミティブで場合分けが必要になる。。
Project ValhallaではこのJava誕生時から存在する問題に手をつけようという事のようだ。
次期Javaの目玉機能と噂されているが、Javaの根幹にかかわる問題だけに互換性が犠牲になる可能性たとえばList<E>ではオーバーロードにより、remove(E object)はListにobjectが含まれていればそれを除外し、remove(int i)はListのi番目の要素を除外する。ところがList<int>を認めてしまうとどちらと解釈するのかわからなくなってしまう。が高く、難航が予想される。2018年3月の時点で導入の目処に関する噂が全くないので、長期サポート版に導入されるのは早くても2021年9月以降と思われる。
ちなみにValhallaは北欧神話の主神オーディンの宮殿の一つ。死んだ戦士の魂が集まる場所。果たしてプリミティブ型との戦いで散っていったIT戦士たちの魂は救済されるのか?
▲2017年9月にOracleからJavaの新しいリリーススケジュール[外部]が発表された。
これまで2年毎のリリースという建前(実際には3年以上開くことがほとんど)だったのを、OpenJDK[外部]から半年ごとにリリースする方針に切り替えるとのこと。進捗が遅れても毎年3月と9月にリリースし、未完成の部分はリリース延期の理由とならず、リリース内容から除外される。バージョン番号も新規則が導入され、たとえば2018年3月にリリースされたものは、Java18.3となる。
あまり意識されることがなかったが、Javaのリファレンス実装はJava7の時代にOracle JDK(Java Development Kit)からオープンソースのOpenJDKに変更されている。これまでOpenJDKは「本家のJDKから、他社の特許などの大人の事情によりオープンソースに出来ない部分を取り除いたもの」といった位置づけだったが、今回のリリーススケジュールの変更でOracle版とOpenJDK版の違いがはっきりしてきた。
半年ごとのアップデートが大変という人には、5年間のサポート期間があるLTS(Long Term Support)がOracle版のJava仮想マシンで3年毎に提供される(なお、Oracleと契約すればさらに3年間の延長サポートを受けることが可能)。Java 8 はLTS扱いになるが、その次のLTSはJava 11になる予定である。