アイオワ(艦これ)とは (アイオワとは) [単語記事]

アイオワ（Iowa）とは、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん～艦これ～」及びその家庭版「艦これ改」に登場する艦娘である。モデルはアメリカ合衆国海軍に所属していたアイオワ級戦艦1番艦『アイオワ』。

Overview Check？ OK！

以前より田中Pから実装の希望こそ語られていたものの、まだイギリスの艦娘すら実装されていない以上、アメリカ艦の実装は当面は先だろうと提督たちの間で予想されていた。しかし、2015年 12月の戦果ランキング報酬として新主砲「16inch三連装砲 Mk.7」が突如配布されたため、界隈に色々な意味で衝撃をもたらした。というのも、この主砲を装備していたのがアメリカ海軍のアイオワ級戦艦であったからで、当然それを装備する主であるアメリカ艦娘の登場が一気に現実味を帯びたからである。

そして、2016年 2月18日発売のPSVita用SLG「艦これ改」にアイオワが先行実装された。艦これ初のUSS 艦娘である。ゲーム内では他の海外艦娘同様に「Iowa」と表記される。イオワではない。ゲームスタート時に選べる乙難易度をクリアすることで入手可能。一方、本家ブラウザ版には2016年 5月2日から開始されたイベント「開設！基地航空隊」の最終面突破報酬として実装された。

日本人が抱くアメリカ人の美女の印象をそのまま持ってきたような、ブロンドヘアーと溢れんばかりのダイナマイトバディが魅力的な少女。瞳に星マークが入っていることが大きな特徴である。衣装はグレーのボディースーツの上から紺色の短丈ジャケットを羽織り、白と紺色のストライプのマイクロミニスカートを着用している。また、右足に赤と白のストライプ、左足に白と紺色のストライプの星条旗をあしらったサイハイソックスを着用している。両腕を高く掲げたポーズは阿波踊りともスリーポイントシュートとも言われる。巨大な16inch三連装砲を右側に二基、左側に一基配置しており、そのせいかやや右側に傾いている。ちなみに、ボディスーツに描かれている"61"は艦籍番号（BB-61）から。

性格もアメリカ人のテンプレのように明るく開放的であり、中破時にはてへぺろな表情を浮かべていたり、MVPを取った時は投げキッスをしたりと余裕たっぷり。一人称は「Me」と「ワタシ」の両方を使用している。艦これ改では時報や放置ボイスがないため、彼女がどのようにやってきたのか、また日本の艦娘たちとどのようなコミュニケーションを取っているのかはまだ不明。本実装が待ち遠しいところである。
ブラウザ版では待望の時報や放置ボイスも実装。そちらのセリフからすると、割と天然っぽいところがあるようで、「日本の高速戦艦はPretty」と言って霧島を怒らせたり^[2]、「大和 HotelのDinnerはGreat」と言って大和を拗ねさせたりしている（もちろん、戦艦としての大和も認めており、（演習で）一度やり合ってみたいと言ったり、前述のセリフの後で貴女は偉大で美しいBattels hipよと褒めていたりする）。また、例によってUniqueなBridgeを持つ戦艦には興味を引かれている模様である。

ゲーム内の性能としては、一言で形容するならば長門型と大和型の中間の性能を持つ高速戦艦。初期性能の段階で霧島改二に匹敵する能力値を持ち、改造することで耐久92、火力 115、装甲107、対空 120と大和型に匹敵もしくは部分的に上回る性能となる。また、運の値も非常に高く、総じて高いレベルでまとまった戦艦娘である。連合艦隊の第二艦隊の座をビスマルク dreiと争うポジションになるが、昼戦能力はこちらが上回る一方で、魚雷の運用が出来ないために雷撃値が0であり、夜戦能力はあちらに軍配が上がるため、どちらを選ぶかはケースバイケースと言える。
なお燃費は大和型に次いで悪く、金剛型の約2倍。古参の提督には霧の大戦艦ハルナと同じと言えば分かるかも知れない。よく考えて運用しなければならないだろう。また修理費も同じことが言えるため、イベント等で大和型とアイオワを同時に使ったりすると、資源が文字通り湯水のごとく溶けることになる。

装備としては非常に優秀な戦艦用主砲「16inch三連装砲 Mk.7」を持参してくる。また改造するとその主砲をさらにもう一つと「OS U2」水偵を持ってくる。これは性能では零観こと零式艦上観測機に匹敵する優秀な水偵である（零観は改修出来る分、さらに性能が向上するが。後発のアメリカ戦艦加入で装備補正が付くようになったので今後の改修可能になってからはアメリカ艦に載せる事で恩恵が得られるかもしれない）。

ちなみにアイオワ改になると、艦これ史上6隻目となる「レア度7^[3]」になる。
既存のレア度7艦娘である武蔵改、大和改、矢矧改などと比べると色々なところが違うが、改造前の時点でレア度6の虹ホロであった事に加え、虹ホロ背景にさらに舞い散る何かで装飾が加えられているのは今までで言う桜ホロしか無いため、アイオワ改もレア度7だと考えられる。

前述通り、艦これ初のアメリカ合衆国軍籍の艦娘であり、Верныйを勘定に入れなければ、連合国側としても初の艦娘ということになるので、艦これの世界観すら左右する画期的な参戦であろう。
（2017年 6月の時点で、彼女の登場を皮切りに連合国側はアメリカ、イギリス、フランス、ソ連(ロシア)の艦娘が登場している）

また、核兵器に定評のある米軍の御多分に漏れず、アイオワを含みミズーリを除くアイオワ級3艦はW23核砲弾の搭載経歴がある。とはいえ、試射含めて一度もその主砲から放たれることはなかった。
核砲弾は2番砲塔を専用の砲塔とし、1962年に撤去されるまで専用の弾薬庫に10発が常備されていた。
2017年 8月時点で実装されている艦娘の中で（使用していないとはいえ）唯一核兵器を搭載した経歴を持っているといえる。

その後はしばらくの間再入手の機会がなかったが、2018年冬イベ「捷号決戦！邀撃、レイテ沖海戦(後篇)」の最終海域であるE7のドロップとして設定された。2隻目の入手も確認されているため、資源に余裕があるなら掘ってみてもいいだろう。

まだまだBattle Shipの史実は終わらないわ、見てなさい！

ワシントン条約から脱退し戦力増強を続ける日本に対抗し、アメリカ合衆国海軍が設計・建造した最後の戦艦がアイオワ級であり、そのネームシップが『USS Iowa』である。アメリカの技術の粋を集めて設計され、竣工以来、予備役入りと再就役を何度か繰り返しつつも半世紀に渡って活躍した、海軍史に名を残す高速戦艦である。アイオワ級の詳細は当該記事を参照されたし。

全長270ｍ、全幅33mと非常に細長い形状を持ち、艦体の長さ自体は大和型を超える世界最長の戦艦である。細長い形状なのは、パナマ運河を通行する必要性があったため。搭載していた機関はアメリカの技術を結集した高性能の代物であり、約212,000馬力という規格外のパワーを叩きだした（ちなみに大和型戦艦で154,000馬力、日本海軍艦船で最大馬力を持つのは翔鶴型空母で160,000馬力）は。また、ノースカロライナ級やサウスダコタ級で見られた高速航行時の異常振動の問題はクリアされており、常時では31ノット、過負荷時ならば35ノットという戦艦として類を見ない速力を獲得した（ちなみに、改装後の金剛型で30ノット）。反面、細長い形状と重心の高さ故に荒天時に影響を受けやすいという欠点を持つ。

アイオワはアイオワ級のネームシップとして、1940年に起工、1942年に進水する。1943年 3月に正式に就役すると、慣熟訓練と整調航海を行った後、ドイツ軍のティルピッツ（ビスマルク級の2番艦）に対抗すべくカナダのニューファンドランド島方面へ進出。イギリスによってティルピッツが無効化された後はいったん帰国し、国際会議に参加するルーズベルト大統領を乗せてモロッコとアメリカを往復している。なお、この間に随伴していた駆逐艦から実弾の魚雷を発射されるというとんでもないアクシデントに見舞われるが、全力回避して難を逃れている。

1944年からは姉妹艦ニュージャージーと共に対日作戦に本格参戦。トラック島攻略作戦、パラオ大空襲、マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦などの緒戦に参加し、艦砲射撃による上陸支援や空母機動部隊の護衛などをこなした。1945年 3月から始まった沖縄戦では空母部隊の護衛に従事し、それ以降は日本本土へ砲撃を行っている。特に、7月15日の室蘭への砲撃では、民間人を含む485人が犠牲になっている。

日本が降伏した後は東京湾に停泊し、9月2日の降伏調印式を見届けた後、アメリカへと帰還。1949年に3月に予備役となり、静かな余生を送る･･･はずだったが、1950年に朝鮮戦争が勃発すると、唯一現役だった姉妹艦ミズーリを除く姉妹艦2隻と共に再就役。既に戦艦同士による水上砲撃戦の時代は終わっていたため、艦砲射撃による支援任務に従事している。

朝鮮戦争が終結した後は、海軍士官学校の学生たちを乗せて訓練を行ったり、NATOの大規模訓練演習に参加したりした後、1958年 2月に再び予備役入りし、今度こそ静かな余生を送る･･･はずだった。

時代は冷戦に移り、ソビエト連邦海軍の増強に危機感を抱いた当時の大統領ロナルド・レーガンによって唱えられた「600隻艦隊構想」によって、姉妹艦3隻と共に再就役が決定する。25年間の眠りから覚めたアイオワは、トマホーク巡航ミサイルやハープーン対艦ミサイル、ファランクス20mmC IWSなどの近代兵装が装備され、レーダーや通信施設の近代化が行われる等の魔改造近代化改修を受け、1984年 4月に現役復帰した。

しかし直接的な戦闘の機会がほとんどないまま、1989年 4月には二番砲塔の爆発事故が起きる。更には同年12月にソビエト連邦が崩壊して冷戦が終結したため、存在意義を失ったアイオワは1990年 10月に四度目の予備役入りとなり、そのまま退役。2006年に除籍され^[4]、第二次大戦と朝鮮戦争の軍功に対する11個の従軍星章を受章し、現在はロサンゼルス港でアイオワ博物館として公開されるという形で、今度こそ静かな余生を送っている（ちなみに、艦これ実装艦ではグーグルのストリートビューで現物を見ることが出来る唯一の艦船であるった。2018年冬イベントにてイントレピッド（現イントレピッド海上航空宇宙博物館。同じくグーグルストリートビューで現物を見ることが出来る）が実装されたので、今では唯一ではない）。

新しいFan Art楽しみね

USAが生んだ最後の戦艦級として、関連コミュニティでも頑張るわ。よろしくね！

脚注

*艦これ改の時点では明言されていないものの、エンドロールのクレジットから同氏ではないかと推測されていた。
*日本語でいう「カワイイ」は英語では"Cute"が使われる事が多く、"Pretty"は「可愛い」だけではなく「綺麗」「お洒落」というニュアンスを含む。
*水色背景（レア度1）、濃い青の背景（レア度2）、銀背景（レア度3）、金背景（レア度4）、ホロ背景（レア度5）、虹ホロ背景（レア度6）、虹ホロ背景＋桜吹雪（レア度7、通称桜ホロ）の7段階。
*いわゆる「戦艦」と呼ばれる艦種として除籍されたのが、同時に除籍された3番艦「ウィスコンシン」と共に最も遅い艦となったため、アイオワは「最後の戦艦」と呼ばれることもある。