アコーディオン 単語

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アコーディオン

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国語表記
cs akordeon
tahací harmonika
de Akkordeon
Handharmonika
Ziehharmonika
en accordion
es acordeón
fi harmonikka
fr accordéon
hu harmonika
it fisarmonica
armonica a manticino
ja アコーディオン
手風琴
ko 코디언
nl accordeon
no trekkspill
trekkharmonika
pl akordeon
harmonia
pt acordeão
ru аккордеон
баян
sr хармоника
sv dragspel
dragharmonika
zh 手风琴
手風琴
ザックスホルンボステル分類
412.132
気鳴楽器 - 自由気鳴楽器 - 中断層気鳴楽器 - 自鳴的中断層気鳴楽器または簧 - 両面開閉簧 - 複式両面開閉

アコーディオンとは、形の本体を両手でかかえ、を操作して送しながら演奏される、気鳴楽器の一種である。日本語では「手風琴」(てふうきん)とも呼ばれる。

に欧民謡演奏するのに使用されるほか、ポピュラー音楽ジャズクラシック音楽にも用いられる。

構造

右手部分にはピアノのような盤、あるいはボタンが配置されており、これらを押さえることで、各音程に対応したリードに通じる空気弁が開く。弁が開くことによってリードが送られ、このときリードが振動して音を発する。右手部分の盤は演奏するのに使われ、「トレブル盤」あるいは「メロディー盤」などと呼ばれる。

楽器中央部にはベロー)が取り付けられており、これを広げたり縮めたりすることによって、リードに送する。の伸縮に強弱をつけることによって、音にも強弱が生まれる。

左手部分には「ベースボタン」と呼ばれるボタンが取り付けられており、これを押さえることでベース音や和音を発することができる。ベースボタンに伴奏に使用される。

なお、以下本節ではクロマティック・アコーディオンを例にとって解説する(ダイアトニック・アコーディオンについては後述)。

鍵盤

右手トレブル盤部にはピアノ式のものとボタン式のものがあり、歴史的にはピアノ式の方が後発である。日本では圧倒的にピアノ式が優勢だが、ヨーロッパ、特にアコーディオンのさかんな々ではボタン式の人気が高く、とりわけフランスではボタン式のものが流である。

ボタン式アコーディオンは標準的なモデルで5列のボタンを持つ(ロシアや旧ユーゴスラビアには6列の楽器も存在する)。ふだん演奏に使用するのは手前側3列で、側の2列は手前2列と同じの繰り返しとなっている。この側2列分は運自由度を高めるために取り付けられており、小モデルでは省略されていることもある。ボタン式アコーディオンのボタン配列にはいくつかの種類がある。要なものを以下に示す。

     C System              B System               G System

C# E G Bb C# E G Bb D F G# B
C Eb F# A D F G# B C# E G Bb
D F G# B C Eb F# A C Eb F# A
C# E G Bb C# E G Bb D F G# B
C Eb F# A D F G# B C# E G Bb

Cシステムフランスイタリアをはじめとする多くの々で用いられている。Bシステムロシアドイツで用いられており、後述するバヤンは基本的にこの配列である。GシステムはCシステムを一段手前側にずらし配列で、これはほぼフィンランドでのみ用いられている。

かつてはピアノ式やボタン式の他に、ヤンコ盤を採用したモデルも作られたことがあったが、これは普及しなかった。

ピアノ式とボタン式の違い

ピアノ式は、他の楽器に慣れしんだ人にとって取っつきやすく、演奏技術もある程度はそのまま応用することができる。

一方ボタン式は、ピアノ式とべてが密集して配置されており、ピアノ式では不可能な広い音域を片手で押さえることが可である。そのため、手の小さな人でも演奏しやすく、また広い音域を駆使する技巧的なパッセージ演奏するのにも向いている。さらに、ピアノ式とは異なりが区別く並んでいるので、のかたちを変えずに移調できるという利点もある。ただし、ボタン式は配列が一直線ではなくジグザグであるため、ピアノ式にくらべ、広い音域にわたるグリサンドやレガートを演奏しにくいという欠点がある。

ピアノ式とボタン式の違いは、楽器の大きさにもしてくる。一般に、の密集しているボタン式のほうが、狭い面積に多くのを配置できるので、同じ音域のピアノ式とべて楽器が小さくなる傾向にある。

cobaによるピアノ式アコーディオンの演奏例。使用楽器フランスのキャヴァニョロ(Cavagnolo)製。日本で「アコーディオン」といえばこのかたちの楽器を連想する人がほとんどのはず。
シャールガリアーノによるボタン式アコーディオンの演奏例。使用楽器イタリアのヴィクトリア(Victoria) Ac420(?)で、ボタン配列はCシステムを採用している。が短い間隔で密集配置されているボタン式の特長を生かした、技巧的なパッセージに注

鍵の数

ピアノ盤数は88が標準と決まっているが、アコーディオンにおいては、ピアノほど厳格に標準規格が定まっているわけではない。それでもおおむねの標準と呼べるものは存在しており、ピアノ式の場合は41クラシック演奏する場合は45鍵)が一応の「標準」とされる。小のものでは、37や34モデルもある。

ボタン式の場合は92(55音)が標準だが、クラシック奏者は一般に106(64音)のものを使用する。

リード

ひとつのに対し、ピッチの異なる複数のリードが組み込まれているのが普通である。鳴らすリードの組み合わせを変えることによって、さまざまな音色を発することが可となる。リードはそのピッチによって、音の高いほうから順に「H」、「M」、「L」に分類される。HはMの1オクターブ上、LはMの1オクターブ下の音である。また、Mリードが2列以上搭載されているモデルでは、それぞれのMリード微妙ピッチを変えてあるのが普通である。

これら複数種のリードのうち、どれを鳴らすかは、レジスタスイッチによって切り替えることができる。たとえばHMの組み合わせは、タンゴ等で好まれる輪のはっきりした鋭い音になる。また、ミュゼットを演奏するさいには通常、MMMの音が用いられる(cobaがよく使用する音もこれである)。

標準的なアコーディオンは3列(MMLもしくはMMM)~4列(HMMLもしくはMMML)のリードを搭載しているが、安価モデルや小機種では1列(M)あるいは2列(MLもしくはMM)のものもある。また、少数ながら5列(HMMML)のリードを持つ大高級機種(Victoria A470V、Hohner Morino V等)も存在する。アコーディオンの重量の大部分はこのリードが占めており、リードの多い楽器はそれだけ重いものとなる。

同種リードのチューニング法

アコーディオンには同種のリード(通常はM)が2列以上搭載されていることが多いが、このときそれぞれのリードピッチをずらすことによって、音色に独特のゆらぎが生じる。このずらし方が非常の小さいチューニングを「ドライチューニング」と呼び、これはくっきりとしたいた音色になる。

一方、ずらし方の大きいチューニングを「トレモロチューニング」と呼び、典的なものとしては、3枚のMリードをそれぞれ半音づつずらして鳴らす「ミュゼット・チューニング」がある。このような音色は「ドライ」に対して「ウェット」であると言われる。

チャンバー

一部の機種では「チャンバー」とよばれる、音を共鳴させる機構が組み込まれている場合がある。チャンバーを通すと豊かでやわらかな独特のきになるが、この機構を持つ機種はかなり高価なものに限られる。

ベース

アコーディオンの左手を伸縮させるのに使うため、演奏中は右手べてあまり自由が効かない。しかし、ベースボタンを使うことによって、左手でも簡単に伴奏をつけることができる。

ストラデラベース

ベースボタンは一般に「ストラデラベース」(あるいは「スタンダードベース」とも)と呼ばれる、五度圏FCGDAEB順)に基づいた配列方法にしたがって並べられており、単音ベースボタン2列(対位ベース、根音ベース)およびコードボタン4列(長和音、短和音、属七和音、減七和音)の計6列で構成される。標準的なモデルには下図に示す20行×6列の計120ベースが搭載されているが、小モデルでは特定の行や列を省略して、これらボタンの数が減らされている。

 C# G# Eb Bb  F   C   G   D   A  E  B  F# C# G# D# A#  F   C   G   D
A E B Gb Db Ab Eb Bb F C G D A E B F# C# G# Eb Bb
---------------------------------------------------------------------
AM EM BM GbM DbM AbM EbM BbM FM CM GM DM AM EM BM F#M C#M G#M EbM BbM
Am Em Bm Gbm Dbm Abm Ebm Bbm Fm Cm Gm Dm Am Em Bm F#m C#m G#m Ebm Bbm
A7 E7 B7 Gb7 Db7 Ab7 Eb7 Bb7 F7 C7 G7 D7 A7 E7 B7 F#7 C#7 G#7 Eb7 Bb7
Ad Ed Bd Gbd Dbd Abd Ebd Bbd Fd Cd Gd Dd Ad Ed Bd E#d C#d G#d Ebd Bbd

フリーベース

ボタン式アコーディオンの右手トレブル盤部と同じような、単音を発するボタン左手ベース部に配したシステムを、「フリーベース」と呼ぶ。このシステムでは左手で自在に旋演奏できるので、演奏自由度が増し、たとえばピアノ曲をそのままアコーディオンで演奏することも可となる。クラシック奏者は一般に、このフリーベースを搭載した楽器を使用する。

フリーベース楽器にはいくつかの種類がある。まず、ストラデラベース部とは別に3列ないし4列のフリーベース部を持つもの。その他には、ストラデラベースフリーベースを相互に切り替えて使用できるもの(「コンバータシステム」と呼ばれる)や、ベース部がフリーベースのみからなるものが存在する。

シュテファン・フッソングによるフリーベース・アコーディオンの演奏例。使用楽器ドイツのホーナー(Hohner) Gola Nr.911で、1960年代後半にジョヴァンニ・ゴラ自らの手で作られたものだという。この楽器は、6列のストラデラベース部から少し離れた位置に3列のフリーベース部を持っている。

ベースレス

日本小学校音楽室に備えられているアコーディオンは、その多くが、上記のようなベースシステム全に省略してしまっているモデルである。こうしたベースレスのアコーディオンは「合奏用アコーディオン」と呼ばれ、左手を使わずに右手のみで演奏される。

アコーディオンの種類

ダイアトニック・アコーディオン

ダイアトニック・アコーディオンは固定調の古典的なボタン式アコーディオンで、ヨーロッパアメリカ民謡演奏に用いられる。を押したときと引いたときとで異なるピッチの音を発するのが特徴。地域・文化圏によって様々な種類のものが作られているが、トレブル盤部には10~13個のボタンからなる列が1~3列ついているものが多い。

イェト・ゾーンによるダイアトニック・アコーディオンの演奏例。ゾーンオランダダイアトニック・アコーディオン奏者で、オランダベルギーフランス民族舞踊音楽演奏で知られる。使用楽器イタリアカスタニャーリ(Castagnari)製。カスタニャーリはダイアトニック・アコーディオンを専門に製造しているメーカーである。

クロマティック・アコーディオン

現在広く用いられている押し引き同音のアコーディオンを、クロマティック・アコーディオンと呼ぶ。後述のように、ダイアトニック・アコーディオンが誕生してから約20年後に発明され、その後、西洋近代音楽における独奏楽器としての使用に耐えうるよう、良が加え続けられてきた楽器である。

なお、「クロマティック・アコーディオン」あるいは「クロマティック式アコーディオン」というは、「ボタンクロマティック・アコーディオン」の同義として用いられることも多い。この場合、「クロマティック・アコーディオン」というは「ダイアトニック・アコーディオン」の対概念としてではなく、「ピアノ式アコーディオン」の対概念を意図して用いられているので、注意が必要である。

バヤン

ロシアでは「バヤン(баян)」と呼ばれる独特のボタンクロマティック・アコーディオンが用いられている。バヤンでは一般にBシステムボタン配列が使われており、盤取り付け位置も本体中央部寄りになっているなど、イタリアフランス楽器とは趣が異なる(イタリアフランス楽器盤が本体後ろ寄りに取り付けられている)。また、ベースはコンバータシステムフリーベースを採用しているものが多い。

リードも特徴的である。リードは通常より幅広の長方形のものが使われており、それらリード西ヨーロッパ楽器のようにペアでひとつのリードプレートに取り付けられているのではなく、多数がまとめて大リードプレートに取り付けられている。さらに、リードプレートリードブロックに固定するのにはワックスではなくネジが用いられている。チューニングは一般にドライである。こうした特徴から、オルガンのようなメタリックで重厚な音色となり、また楽器自体は重くなる。

音色切り替えのためのレジスタスイッチは、奏者ので操作できる位置にも取り付けられており、これによって盤から手を離さずに素レジスタスイッチを操作することができる。

バヤンは音域の広い大モデルが多く、その独特の重厚なきから、クラシック奏者が好んで用いる。

ヴィタリー・ドミトリエフによるバヤン演奏例。使用楽器ロシアユピーチル(Юпитер)製で、ボタン配列はBシステムである。の並び方の違いから、上記ガリアーノ動画に登場する楽器とはボタン配列が異なっていることが見て取れる。また、演奏中(4:30あたり)にを使ってレジスタスイッチを押し、音色を変えているのがわかる。オルガンのような荘厳なきも特徴的。

電子アコーディオン

リードの振動によって音を発するのではなく、電気的機構を用いて音を出すタイプのアコーディオンも存在する。代表的なものにローランド製の「Vアコーディオン」があり、これはによる送センサーが感知し、これをもとにデジタルモデリングによって音を発する仕組みになっている。

デジタルモデリングの特長を生かし、さまざまなアコーディオンの音色を自在に再現することができ、アコーディオン以外の楽器ヴァイオリンピアノ等)の音色を選ぶこともできる。高級機種ではフリーベースへの切り替えにも対応。また、他の電子楽器と同様、ヘッドホンをつないでサイレントモードで使用することができ、音漏れを気にせず演奏できることから近年人気を呼んでいる。

アコーディオンの歴史

アコーディオンに使われているフリーリードの起中国の笙にまで遡るが、こうしたフリーリードヨーロッパ楽器に使われるようになったのは、18世紀後半の頃だと考えられている。

1821年にドイツクリスティアンフリードリヒルートヴィヒ・ブッシュマン(Christian Friedrich Ludwig Buschmann, 1805-64)は「アウラ(Aura)」と呼ばれる口で吹くフリーリード楽器を発明した。アウラは調器として用いられることを意図して設計されたものだったが、これは事実上、最初のハーモニカだと考えられる。ブッシュマンはその後、このアウラをもとにしてが取り付けられた「ハントエオリーネ(Handäoline)」と呼ばれる楽器を考案し、これがアコーディオンの祖となった。

1829年、ウィーンツィリルデミアン(Cyril Demian, 1772-1847)はブッシュマン楽器良を加え、これを「アコールディオン(Accordion)」と名付けて特許を取得した。デミアンの楽器には和音を発するが取り付けられており、これがアコーディオンの名前の由来となっている(“accord”は「和音」を意味する)。このデミア楽器は今でいうダイアトニック・アコーディオンであり、1830年代にはベルギーフランスロシアでも類似の楽器が作られるようになった。

1850年、ウィーンフランツ・ヴァルター(Franz Walther)が最初のボタンクロマティック・アコーディオンを製作した。この楽器トレブル盤部に46個のボタンを、ベース部に8個のボタンをそれぞれ持っていた。1851年には同じくウィーンマトイス・バウアー(Matthäus Bauer)が3オクターブピアノ盤を取り付けたアコーディオンを作っており、これが世界初のピアノ式アコーディオンだと考えられている。

その手軽さと表現の高さからアコーディオンの人気が徐々に高まった結果、大規模な製造業者が次第に出現しはじめる。1857年にはドイツトロシンゲンにホーナー社(Hohner)が創業され、1860年代はじめにはパオロ・ソプラーニ(Paolo Soprani)がイタリアカステルフィダルドでアコーディオン製作を開始。1872年には同地にソプラーニ社を創立し、この地は現在では世界で最も要なアコーディオン生産地となっている。1876年にはイタリアのストラデッラ(この地名は「ストラデラベース」というの由来となっている)でダラッペ社(Dallapé)が創業。ダラッペ社では19世紀終わり頃にフリーベースシステムを搭載した楽器が作られている。

主要なアコーディオンメーカー

ドイツ

トロシンゲンに本拠を置くホーナーexit(Hohner)はハーモニカの製造で有名だが、アコーディオンでも世界最大級の製造業者である。特に1930~1960年代にかけて二人の名職人、ヴェナンツィオ・モリノ(Venanzio Morino, 1876-1961)とジョヴァンニ・ゴラ(Giovanni Gola, 1907-1978)が活躍し、ホーナーの黄金期を作った。現在でも二人の名を冠した高級機“Morino”と“Gola”が製造されており、特にフラッグシップモデルGola(41スタンダードベースモデルで400万円程度)は高級アコーディオンの代名詞として名高い。ただし、かつてとべて近年は品質が低下しているとも言われており、演奏者には古い楽器のほうが好まれる傾向にある。

近年ではフランスのアコーディオン奏者、フレデリック・デシャンジェローム・リシャールが設計に参加した新機種“Fun Line”が若手奏者を中心に人気を呼んでおり、その手なカラーリング楽器世界各地のアコーディオンコンクールで見かけるようになった。

フランスで注を集める童、ブノワ・ノルティエの演奏。使用楽器はHohner Fun Line最上位機種であるFun Flash。やや小でなんとなくおもちゃのような印を受けるかもしれないが、全にプロ仕様楽器であり、価格も150万円程度とかなり高価である。

東ドイツメーカーではクリンゲンタールに本拠を置くヴェルトマイスター(Weltmeister)が有名だったが、東西ドイツ統一後の事業整理を経て、現在ではハルモナexit(Harmona)がこのブランド名を受け継いでアコーディオンを製造している。

イタリア

イタリア世界で最もアコーディオン生産がさかんなであり、大小様々なアコーディオンメーカーブランドしのぎを削っている。特にイタリア中部カステルフィダルドはアコーディオン生産のメッカとして名高く、ベルトゥーナexit(Beltuna)、ボルスィーニexit(Borsini)、ブランドーニexit(Brandoni)、ブガリexit(Bugari)、キセルシャー(Excelsior)、ファンティーニexit(Fantini)、メンガシーニexit(Mengascini)、ピエルマリアexit(Piermaria)、ピジーニ(Pigini)、スカンダッリexit(Scandalli)、ヴィクトリア(Victoria)、ゼロ・セッテexit(Zero Sette)等が本拠を置いている。

エキセルシャーexit(Excelsior)は1924年にニューヨークで創業されたが、1948年カステルフィダルドに拠点を移し事業を拡大。しかしその後の業績不振により下記のピジーニに買収され、現在ではピジーニ下のブランドとして、MIDI対応モデルを含む幅広いラインナップを展開している。要な使用アーティストにはピエトロ・デイロやアートヴァンダムがいる。また、横良造が用していたため、日本でも知名度が高い。

ピジーニexit(Pigini)は1946年創業。各種アコーディオンからバンドネオンにいたるまでの様々なモデルを作っているが、特に高級バヤンの製造で有名である。なかでもフラッグシップモデルMythos”は、フリードリフ・リプスやジェイムズクラッブをはじめとする多くのクラシック奏者に用されている最高級品で、価格も550万円程度と、最も高価なアコーディオンの一つに数えられる。

ロシア巨匠フリードリフ・リプスの演奏。リプスはかつてはロシアユピーチル楽器を使っていたが、近年はこのPigini Mythosを使用している。リプスの使用するMythosは特別にユピーチルリードを使用したモデルで、小さくピジーニとユピーチルの両方のロゴがみえる。

1919年創業のヴィクトリアexit(Victoria)は、最も初期にコンバータシステム開発したメーカーである。現在ではリシャールガリアーノをはじめとして、フランクマロッコやギルゴールドスタイン等のトップ奏者がヴィクトリア楽器用している。木美しい高級モデル「ポエータ(Poeta)」が有名。

シャールガリアーノチャーリーヘイデン(b)、ゴンサロ・ルバルカバ(p)、クラレンス・ペン(ds)の共演。ここでの使用楽器1960年代製のVictoria Ac420と推測される。ガリアーノによれば、1950~65年頃に作られたアコーディオンが最も質が良いとのこと。この動画をみてもわかるように、ガリアーノはそのときどき音響状態にあわせて、場合によってはグリルを外して演奏することがある。

カステルフィダルドのほかでは、北部のストラデッラがアコーディオンの生産地として有名である。ここにはダラッペexit(Dallapé)をはじめとするいくつかのアコーディオンメーカーが居を構えている。

フランス

フランスメーカーでは、キャヴァニョロexit(Cavagnolo)が最も有名である。ミュゼットの本場フランスらしく、ミュゼット仕様楽器で、長らくボタン式アコーディオンのみを製造してきたが、近年ではピアノ式もラインナップに取り入れている。ピアノ式のモデルcobaがメインに使用しているため、日本でもテレビ等でその姿をにする機会が多い。

ミュゼットの第一人者、アラン・ミュジシニの演奏ミュゼットの演奏では、中心となるピッチのMリードに加え、それより半音高いMリード半音低いMリードの合計3列を同時に鳴らす、いわゆる「ミュゼトトーン」と呼ばれる音色が好まれる。このため、ウェットに調されたMリードを3列備えた楽器は「ミュゼット仕様」と呼ばれる。キャヴァニョロの楽器から奏でられるやかなミュゼトトーンに注

ロシア

ロシアでは、旧ソ連時代よりモスクワ実験楽器製作(Московская экспериментальная фабрика музыкальных инструментов)が「ユピーチル(Юпитер)」のブランド名で高品質の大バヤンを製造しており、この楽器は多くの高名なバヤン奏者に用されてきた。1994年にはモスクワ実験楽器製作所を引き継ぐかたちで、あらたユピーチルexit社が創設され、引き続きユピーチルブランドバヤンを製造している。

ヴォロネジに本拠を置くアッコexit(Акко)は、トレブル盤部に6列のボタンを持つ大バヤンの製造で知られる。5列のリードを持つ同社最大のモデルでは、レジスタスイッチが31個、重量は16.5キログラムにも及ぶ。

フィンランド

アコーディオンがさかんなの一つであるフィンランドブランドとしては、ラッセ・ピヒラヤマーexit(Lasse Pihlajamaa)が知られている。このブランド楽器はその名の通り、フィンランドのアコーディオン奏者ラッセ・ピヒラヤマーによってデザインされたものだが、楽器の製造自体はイタリアで行われている。フィンランドを代表するアコーディオン奏者であるマリア・カラニエミはこのブランド楽器を使用している。

中央の椅子に座っているのがマリア・カラニエミ。特徴的なのはボタン配列で、一般的なCシステム配列が一段外側にずれて、Eのが一番外側にきている。これはフィンランド特有のGシステムと呼ばれる配列である。

日本

日本ではトンボ楽器exit較的安価で高品質なアコーディオンを製造しており、入門機としてよく利用されている。ただし、ボタン式がほとんど普及していない日本のアコーディオン事情を反映して、ラインナップはピアノモデルに限られる。

ローランドexitは電子アコーディオン「Vアコーディオン」を売り出すため、Vアコーディオンの競技会を海外で開催するなど、積極的にアコーディオン市場の開拓に取り組んでいる。

中国

中国世界最大のアコーディオン生産量を誇るアコーディオン大であると言われている。(Baile)や鹦鹉(Parrot)といったブランドが知られており、これらは欧の製品とべると品質は落ちるが、非常に安価であり、日本でも入門機として利用されている。

ホーナーの製品もエントリーモデル中国で生産されている。日本メーカーの製品でも、中国製のものや中国製部品を使っているものが少なくない。

ニコニコ動画におけるアコーディオン

ニコニコ動画におけるアコーディオン奏者

ニコニコ動画では「師匠」(マイリストexit_list)、「ロッキングチェアの人」、「ももレンジャー」、「HIRAI」(マイリストexit_list)等の奏者がアコーディオンの演奏動画投稿している。

VOCALOIDとアコーディオン

ニコニコ動画にはアコーディオンの音色を使ったVOCALOID曲もいくつか投稿されているが、そのなかでも特筆すべきものとして、■PMEIKOオリジナル曲金の入日に手風琴」を挙げることができる。本作はタイトル通り、アコーディオンをメインに据えた異情緒あふれる作品で、投稿後6日2009年12月11日VOCALOID総合ランキング10位を達成。その後「歌ってみた動画も多数投稿されるなど、好評を博した。

コチニール作のPVが曲の世界観を見事に表現している「金の入日に手風琴」。MEIKO生誕祭2009にあわせて投稿された本作は、この企画に参加した作品中トップクラス再生数・マイリスト数をたたき出した。
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最終更新:2024/04/25(木) 13:00

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