アンチノミーとは、
- 「二律背反」を意味するドイツ語。同じ領域の中の、2つの概念が互いに矛盾しているさま。本稿で説明。
- アニメ「遊戯王5D's」の登場人物。詳細は『ブルーノ(遊戯王5D's)』を参照。
- Antinomy。ゲーム「テイルズオブシンフォニア ラタトスクの騎士」のBGM。終盤のとある戦闘で流れる。
概要
同じ前提の元にある、2つの命題が互いに矛盾している様。「同時には両立できない(しない)二つのもの」を指す。
ジレンマとも言い換えられるだろう。
以下に、アンチノミー(二律背反)の有名な事例や簡単な例えを示す。
- 中国の古典にある「何者をも突き通す矛」「何者をも突き通さない盾」。
この矛で盾を突いたらどうなるのか・・・? 参照→「矛盾」
- 哲学者イマニュエル・カントの唱えた二つの矛盾した命題。後述。
- 「私は常に嘘を言う」という文章もまた、二律背反を示す事例として上記と並んで有名であろうか。
仮にこの発言が嘘ならば、彼は嘘を言わないという事になってしまう。
逆にこの発言が本当ならば、彼は嘘を言っていない事になってしまう。よって、どちらも互いに矛盾しあっている。
類似のケースでは「私は常に間違っている」というものも。
- ダイエット中の人が美味しいものを食べられる機会に出くわした時、「これを美味しく食べたい」「しかし食べたら確実に太ってしまうので、我慢しなければならない」という相反する考えが同時に成り立つ事だろう。
- 江戸幕府は生類憐みの令を出した一方、死刑や鷹狩りを制度として成立させていた。
- ニコニコ動画では、動画や大百科掲示板で見かけるコメントに「何でこの動画、こんなに人気あるの?大して面白くもないのに?」「何でこの動画、こんなに人気ないの?こんなに面白いのに?」という旨のコメントも。
- 超官「走れないD・ホイーラーにターンは回って来ない」
- バニーガールには守ってあげたいと思う一方、襲ってしまいたい衝動を呼び覚ます魔性の魅力がある?
参照→「バニーガール」
wikipediaの項も参照。 →「wikipedia:二律背反」
カントにおける「アンチノミー」
カントは、人間の理性の限界を吟味した末に、人間の理論理性においては思考することができない事柄が存在すると考えた。
その中でも、人間の思考では決して解決できない矛盾を孕んだ二つの正命題・反命題を「四つのアンチノミー」と呼んだ。
第一のアンチノミー
第二のアンチノミー
第三のアンチノミー
第四のアンチノミー
これらのアンチノミーはすべて、どちらの命題が正しいと仮定しても矛盾が発生する。
カントは、このような二つの命題に対しては理論理性では解決することができないと考えた。
関連項目