カドゥケウスシリーズとは、アトラスより発売されているゲームシリーズである。
現在「超執刀 カドゥケウス(DS)」「カドゥケウスZ 2つの超執刀(Wii)」「カドゥケウス NEW BLOOD(Wii)」「救急救命 カドゥケウス2(DS)」の4作品が販売中。英題は「Trauma Center」
概要
超執刀 カドゥケウス(以下1)
ニンテンドーDSのタッチパネルをフルに使った「SF外科アクション」ゲーム。数々の手術用具を使い謎の奇病「ギルス」に立ち向かう。その難易度の高さと面白さから特に海外での人気が高い。日本でも一時期は入手困難であった(現在は難易度が若干調整された廉価版が発売されている)
カドゥケウスZ 2つの超執刀(以下Z)
超執刀 カドゥケウスのWiiリメイク版。Wiiのローンチタイトルでもある。DSでのタッチ操作はWiiリモコンでのポインティングに変更され、器具の切り替えはヌンチャクのスティックで行う。新たな主人公とシナリオ、手術が追加されている。
カドゥケウス NEW BLOOD(以下NB)
超執刀 カドゥケウスの十数年後が舞台ではあるが、登場人物は一新されている。前作の人気が高かった北米を意識してか舞台がアメリカ、登場人物(主人公のCVは小山力也)はすべてフルボイス、前作と比べて難易度が高い。
救急救命 カドゥケウス2(以下2)
一作目の3年後が舞台で、主人公も同じである。DS1に比べて全体的にグラフィック、音楽の音質が上がっており、新たなギルスも追加されている。
HOSPITAL. 6人の医師(英題:Trauma Team)
2010年6月17日発売。名前こそ違うが内容はカドゥケウスシリーズを引き継いでいる。
海外では既に発売済み。詳しくは個別記事で→「HOSPITAL. 6人の医師」
登場人物
括弧内は主に登場する作品
- 月森 孝介(1,2,Z)
- 主人公。天才外科医ではあるが物語序盤ではまだ研修気分の抜けきらない新米医師である。途中から奇病を撲滅する世界組織「カドゥケウス」に身を寄せ、ギルスに立ち向かう。超執刀と呼ばれる特殊な技を使うことができる。
- 余談ではあるが同社のゲームである世界樹の迷宮Ⅱにゲスト出演している。ペルソナ4では説明書の主人公のデフォルトネームがコレである。
- 利根川アンジュ(1,2,Z)
- エリート看護師。主人公のパートナーだが最初はツンツンしている。が、後でデレデレに。世界樹の迷宮Ⅱにゲスト出演。
- ミラ・キミシマ(Z)
- Zのもう一人の主人公。交換医師として来日することに。超執刀を使えるのだが月森のとは性能が異なる。
- 北崎威一郎(1,2,Z)
- 主人公が最初に身を寄せている北崎病院の院長であるが、現在は一線を退いている。世界樹の迷宮Ⅰにゲスト出演。
- マーカス・ヴォーン(NB)
- NBの主人公。超執刀を扱える数少ない外科医。
- アデル・チルバ(2)
- 2のもう一人の主人公ともいうべき存在。
- ダクタァツキモゥリ
手術用具
- ヒールゼリー
- カドゥケウスを象徴する手術用具…というか薬剤。もちろん実際にはない。
- 一見緑色のゼリーなのだが、塗るだけで消毒でき、小さな傷なら即座に直し、出血によるバイタルの低下を押さえ、一部のギルスの動きを食い止め、さらには折れた骨の接合部に塗ることで定着させることもできる。まさに万能薬。ペルソナ4でも回復アイテムとして登場。
- 乳首責めにも使える
- メス
- 現実と同じく切開するための道具。見えない病巣を露出させたり、ギルスをえぐり出すための手段でもある。
ゲームの性質上、マッドサイエンティストばりにメスをふるうことも珍しくない。だが刻めば刻むほど出血するため急激にバイタルが減って超失踪することも珍しくない、まさに「諸刃の剣」。
- エコー(1ではスキャナ)
- 影を映し出すための道具。患部に使うことで病巣を浮き上がらせる。ギルスの中には内蔵に潜っているものもいるので、これを使って場所を特定しなくてはならない。
- レーザー
- いわゆるレーザーメス。本来は体液の滲出を止めつつ切開したり腫瘍を焼灼する用途で使うが、
カドゥケウスではそのほかに弱点が露出したギルスを焼き殺すために使う。
- 注射
- 薬剤を投与するための道具。バイタルを大幅に回復させたり、消炎剤や各種薬を患部に直接投与できる。
またギルスの中には薬剤で弱らせないといけないものもいるため、薬をギルスに投与するためにも使う。
- 針&糸
- 裂傷を縫合するための道具。裂傷はあればあるほどバイタル低下を招くのでいかに早く縫合できるかが鍵となる。
- ピンセット
- 物をつまむための道具。粉砕骨片や無力化したギルスを取り除いたり、人工皮膚を移植するのに使う。
大きな傷はまずピンセットで閉じないと縫合できない。
- ドレーン
- 液体を吸い上げるための道具。体液や膿を吸い上げるほか、ギルスの組織液を吸い上げ弱らせるのにも使う。
- 超執刀
- 手術中に一回だけ発動できる特殊能力。五芒星のマークを描くことで発動。月森の場合は器具の処理速度はそのままに周りの時間を一定時間遅くできる。
ギルス
医療テロ組織「デルフォイ」が作り出した人を死に追いやる悪質な病原体。数々の種類と二つ名があり、鑑別手段として「キラル反応」なるものがあり、すべて対処法が異なる。2ではさらに進化した「ネオンギルス」が登場する。
ちなみにデルフォイとは古代ギリシャの神託所の名前である。そのせいかギルスと後述するネオンギルス・スティグマの名前はすべてギリシャ語からきている。「ギルス」もギリシャ語で罪という意味である。
なお、ギルスのデザインは1とそれ以後の作品で大きく異なるので、特に言及しない。
- 「荒れ狂う暴凶の刃」キリアキ(Κυριακή)
- ギリシャ語で日曜日(主日)。「切開」の音読みと似ているのは偶然。
- 体内を動きまわり、どんどん裂傷を作っていく。子とマザーがあり、マザーのほうが耐久力が高くより凶暴。
2では「増殖する暴凶の刃」に進化。臓器に潜伏するようになり、一旦臓器を切開して外に出さなければならない。加えてマザーは臓器内に卵を産み付けるので、こちらも切開して卵を摘出しなければならない。どちらも切開すればするほど患者のバイタルが低下するため、かなりギリギリの戦いを強いられる。
- 「産み這いずる腫瘍」デフテラ(Δευτέρα)
- ギリシャ語で月曜日。
色が異なる2体が結合すると、その周囲に自らの遺伝子を転写した腫瘍塊を生成する。
正しく結合すると腫瘍を生み出すが、違う形で結合するとケンカする。
- 「増殖する薄き悪夢」テタルティ(Τετάρτη)
- ギリシャ語で水曜日。くさびの刺さった三角形の膜といった姿で、くさびが本体らしい。
先にくさびを抜いてから硬化した膜を取り除くのだが、膜が孤立してしまうと猛烈に増殖する。
さらに抜くときにくさびが気化することがあり、吸引しないと別のところにくさびと膜を形成する。
その見た目から「増殖するポリンキー」として恐れられ、向こうでも気化くさびが空気感染するため恐れられる。
- 「共時する三色毒塊」トリーティ(Τρίτη)
- ギリシャ語で火曜日。1ではいかにも寄生虫じみた外見だが、2以後はクリオネっぽくなった。
- 通常3体が現れ、それぞれ体色が異なり、同じ色の血清を打たなくてはならない。1では比較的難易度が低くみんなのオアシスとなっている。2では「共時する五色毒塊」に進化。判定も厳しくなりもはや癒しとは言えないレベル。
- 「不沈のバクテリア」ペンプティ(Πέμπτη)
- ギリシャ語で木曜日。見た目は細胞核だが、臓器全体を粘液で覆っている。
- 1では中ボスのような立ち位置で、大量投薬と無制限レーザーで腫瘍の群れや放出する小コアを迎撃し、コアを攻撃して弱らせ摘出する必要がある。その様子はもはやシューティングゲーム。
2では変異し、「分裂・暴走する悪夢」に進化。その名の通りコアが分裂する。
- 「心臓に放たれた矢」パラスケヴィ(Παρασκευή)
- ギリシャ語で金曜日。見た目はドリルつきのロケットミミズ。
- 切ると小さなパラスケヴィに分裂する。ある程度の大きさまで縮んだら切除摘出が可能になる。
最初は別の臓器にいるが、やがて心臓に到達するため、それまでにすべて取り除かなくてはならない。
投薬では治療できないため、患者の内蔵を切り刻みつつ切除摘出する必要があり、難易度が非常に高い。
- 「新たなる異形の死」サヴァト(Σάββατο)
- ギリシャ語で土曜日、もしくは安息日。1でのラスボス。見た目はモヤをまとったダニ。
前座と本番の2ステージに分かれ、前座では長い裂傷の縫合と子サヴァトの焼灼がメインになる。
- 本番では心臓に巣食い、切るとメスが腐食して交換されるまで使えなくなる糸を張り巡らし、大量の子サヴァトを撒き散らし、心臓に何筋も裂傷を作るなどやりたい放題してくる。Zでは新たにBGMが追加されている。
ネオンギルス
2で現れた新種のギルス。やっぱり二つ名がある。名前は古代ギリシャ・グノーシス主義の「アイオーン」から来ている。
ちなみに2の前半は「ギルス後遺症」という別の疾患と闘うことになる。
- 「腫瘍生成の叡智」ヌース(Νους)
- ギリシャ語で叡智。見た目は六芒星の花。なぜか死に際に叫ぶ。
- 本体とは別に胞状腫瘍を生成するが、生成された順番にそれを除去しないと大変なことになる。
しかし創傷や子弾やガス噴出などがないためネオンギルスの中では対処しやすい。
- 「深淵に轟く爆裂殻」ビュトス(Βυθος)
- ギリシャ語で深淵。見た目は…スベスベマンジュウガニっぽい。
- コア、外殻、胞子の3つに分かれており、レーザー照射後外殻や胞子に触れないようコアを摘出する。
時々裂傷も形成し、早めに縫合しておかないとどんどん深淵にハマりこんでいく。
- 「白霧の沈黙」シゲー(Σιγη)
- ギリシャ語で沈黙。
臓器に潜伏し、高速で動き回って分裂し、(患者のバイタルを減らしつつ)切除摘出しないといけない難敵。
なぜか術野どころか画面全体を覆うガスを噴出するため、DSのマイクに息を吹いて晴らさないといけない。
- 現実の手術医がマスクをしていることからも分かる通り、本来は臓器に息を吹きかけてはいけないのだが…。
- 「女王の真理眼」アレティア(Αληθεια)
- ギリシャ語で真理。もはや新種の生命体である。
- 2におけるラスボス。1のギルスと2のネオンギルスを一定間隔で生成しまくる。
しかも本体のコアが露出したときに抗生剤を投与しないと無限に生成する。
- 余談だがアイオーンには男女の別があり、シゲーとアレティアは女性格であるとされている。
スティグマ
NBに登場する新たな病原体。NBの時代にはギルスはもう撲滅されているので代わりに登場。スティグマとはギリシャ文字の一つではあるがキリスト教における「聖痕」の意味でもある。おそらく両方から名づけられたのだろう。
- ケイル
- ギリシャ語で手。臓器中を動き回り、キリアキ同様裂傷生成を行う。二匹が合体した、いわゆるマザークラスも存在。
処置方法もキリアキ同様レーザー焼却だが、こちらはサヴァトのように一定時間当て続けないといけない。
また、臓器内にもぐりこんで巨大な裂傷を作ったり、回転して腫瘍を生成するなど何気に多芸。
しかし、上手い人が処置すると何もできずにあっさり焼却されるちょっと悲しいスティグマ。<O二
- ソーマ
- ギリシャ語で体。アメーバ状の物体に包まれた核がゆっくりと移動しながら、時限式の赤い腫瘍をばらまく。
処置方法はドレーンで体組織を吸い上げ、露出した核をレーザーで焼く。
ダメージを受けるとダミーを出現させ、硬質化して腫瘍になる体組織もばらまくようになる。
偽物は赤い腫瘍を生成しないので、先にダミーを吸引して処置するのもあり。
- オープス
- ギリシャ語で瞳。臓器全体に分布する組織と、瞳に似た形状の中心部のコアが特徴。
処置方法はコアをレーザーで焼却することだが、その際左右の砲台(?)から発射される組織がコアに触れるとバイタルが下がる。
体組織はドレーンやレーザー焼却で対処する。ある程度ダメージを受けると2つに分離し、文字通り瞳のようになる。
余談だが、こいつの処置動画はどう見ても医療アクションというより医療シューティングである。
- オニュクス
- ギリシャ語で爪。臓器内に潜み、一定時間を経過すると5か所に裂傷を生成する。
処置方法はエコーで移動先を探しだし、メスで切って出現させ、血清を注射する。注射して臓器に潜り込む際、エコーで逃げた方向を知っておくと調べやすくなる。
ある程度ダメージを与えるとダミーを放出する。見分ける方法はエコーで浮かぶ丸の数(本物は4つだが偽物は3つ)
一発のダメージが非常に高く、ダメージを処理している間に次の所から裂傷、あっという間に超失踪という非常に嫌なスティグマ
さらに強化されると、毛細血管に大量のダミーをばらまくという悪質ぶり。
ちなみに最高難易度のXオニュクスは一発70(バイタルの最大値は99)という、シリーズ最大ダメージを誇る。
- ブラキオン
- ギリシャ語で腕。丸いコアにイカのような触手が生えているという何とも奇妙な姿をしている。
処置方法は、触手の先端部に薬剤投与して摘出。それをすべての触手に行うとコアがダメージを受けるというもの。
ただし、その際に毒素が触手の中を流れてバイタルにダメージを与え、更に先端部を摘出した触手に毒素が到達すると全ての先端部が再生するといういやらしさ。
防ぐには触手の丸い部分をピンセットで潰すこと。ただし、毒素が到達すると元通りになるのでその都度行わなくてはいけない。
触手から音がぺこぺこするためペコペコ動画というタグが付くことも。
- カルディア
-
ギリシャ語で心臓。変身前と変身後の2段階が存在するラスボス。
というかこいつ寄生虫とかそういう問題じゃ(ry
第一段階では患部の上に張った膜の上をのたのたと移動するだけ。この膜はゼリーで軟化し、メスで剥離。まとめて摘出できる。
その際に赤い膜が出現するが、この上にカルディアが乗るとバイタルの最大値ごとダメージを受ける為に最優先で摘出する。
装甲がはがれて第二段階になると、金色に輝く本体が患部を走り回り、連続裂傷、出血裂傷、爆発する腫瘍をばらまくようになる。
爆発する腫瘍は、配置されてから本体の放つ波紋に触れると爆発するため、その前にピンセットで摘出。ころ合いを見てレーザーでダメージを与える。
ある程度ダメージを与えると、シリーズ恒例の最後のあがきを出すため、こちらも超執刀で応戦しよう。
実は使わなくても勝てる・・・↓
関連動画
関連商品
関連項目