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    グノーシス主義単語

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    グノーシス主義とは、2世紀から3世紀にかけて地中海周辺やヘレニズム地方で流行った思想・宗教

    概要

    グノーシスは古代ギリシア語で認識・知識を意味する言葉であり、物質と霊やと偽のといった二元論を特徴とする。知識、認識という言葉からあるように東洋(中華圏)のような現世利益的が強い信仰ではなく、知的探・知性の至上化をベースに発展してきた思想である。そういう点では、仏教インド哲学と近いかもしれない。
    なお、1950年代のメキシコで生まれたニューエイジ思想(実質的には新興宗教みたいなもの)にこの名を冠したものがあるが、実質的な関連はなく名前を借りているだけである。この場合普通ノーシス日本語訳される。詳しくはWikipediaを参照のこと。

    グノーシス義)は便宜的に「義」として呼ばれることが多いが、実際には特定宗教として体系化・組織化されたものではなく、当時のヘレニズム世界において流行した様々な教のうち、後述するような特徴・傾向を持った宗教・思想を後世の視点から便宜上グノーシス主義として呼んでいるに過ぎないことに留意せねばならない。

    グノーシス主義歴史的研究においては、グノーシス主義各教の残した史料が少なかったことから、グノーシス異端として退ける立場にあった初期キリスト教正統派の立場の資料(エイレナイオスの「異端反駁」等)に頼る部分がほとんどであったが、1945年エジプトで発見された「ナグ・ハマディ文書」等、グノーシス側からの史料が発見されたことにより、20世紀後半に入って資料研究が進んだ。また、従来の立場からはグノーシス主義キリスト教およびヘレニズム宗教哲学の習合宗教(シンクレティズム)と見なす傾向が強かったが、ナグ・ハマディ文書の発見以降、独自の宗教思想としてグノーシス主義を研究する動きが強まった。

    1966年にはイタリアメッシーナで「グノーシス主義に関する会議」が開かれ、グノーシス主義神話の特徴に関する定義として

    1. 宇宙的二元論
    2. 人間の内部に「的火」「本来的自己」が存在するという確信
    3. 人間に自己の本質を認識させる救済啓示者の存在

    が提案された。その中でも要なものが「反宇宙的二元論」の概念である。その他の要素については、各教でとらえ方が異なる場合があり、「グノーシス主義」にくくられるあらゆる思想・神話が1~3の要素を満たすわけではない。

    以下、それぞれの項について解説する。

    反宇宙的二元論

    グノーシス主義は、地上の生の悲惨さは、この世界が「悪の世界」であるが故と考えた。現実を迷妄や希望的観測等を排して率直に世界を眺めるとき、この宇宙はまさに「善の世界」などではなく「悪の世界」に他ならないと考えた。これがグノーシス主義の特徴の一つである。

    世界が本来的に悪であるなら、他の諸宗教・思想の伝える々が善であるというのは、間違いであるとグノーシス主義では考えた。つまり、この世界が悪であるならば、善とされる々も、彼らがこの悪である世界の原因なので、実は悪の、「偽の」である。そのため、彼らは悪の世界(=現実)は「物質」で構成されており、それ故に物質は悪である。また物質で造られた体も悪である。なら、「霊」あるいは「イデア」こそはの存在であり世界であると考えた。ここから善悪と物質、精の二元論が成り立った。

    …おおざっぱに言えば、「やっぱ現実ってクソだわ。精世界に切り替えて行く」っていう思想であると言える。なにやら「三次なんてクソ二次サイコー」とか言ってる一部の現代人との類似を見ることも出来そうであるが、ここでは深く立ち入らない。

    善悪二元論についてはゾロアスター教をはじめとするペルシア宗教、精体の二元論については、プラトンをはじめとするギリシア哲学、特にイデア論や新プラトン義と呼ばれるプロティノスの流出説の影が大きく見られる。これは当時の地中海ヘレニズム世界に立脚した知的流行としてのグノーシス主義の特徴であり、直接間接に初期キリスト教の体系化にも影を及ぼしたことが摘される。

    人間の内部に「神的火花」「本来的自己」が存在するという確信

    前項の精/体二元論にも関連するが、ここでは「体の内側に本来の精的存在としての自己が存在する」という思想であると簡単に述べておく。そうした認識は実践において知識(グノーシス)の重視、体の軽視となって現れる。

    人間に自己の本質を認識させる救済啓示者の存在

    そうした人間に内在する本来的自己を現世ないし体という「悪の存在」の軛から解き放ち、正しい認識によって至高の存在へと回帰することが、グノーシス主義思想における「救済」である。

    キリスト教の一部としてのグノーシス主義では、キリストをこうした救済に導く啓示者としての意味での救世主として認識するが、その場合でも「霊的なキリスト」と「体を持った(歴史的人物としての)キリスト」はしばしば区別される。

    グノーシス主義の実践と展開

    実践においては、多くの教において、「精・知性の重視」「体の軽視」という立場から、禁欲的な生活を送ることが推奨されたが、一部では精の救済そのものがもはや不可能であるという立場から享楽的な生活を送るもあった。

    また、地域から見たグノーシス主義の展開においては、便宜的に地中海沿ローマ帝国領に広がった西方系とイランメソポタミア側に広がった東方系にわけて二分するのが通例である。以下、簡単に述べる。

    西方グノーシス主義

    西方系のグノーシス主義は当時広まりつつあったキリスト教を取り込んで成長していた。そのため、西方グノーシス主義キリスト教との強い関連の文脈においてられることが多く、しばしば「キリスト教グノーシス」ないし「グノーシスキリスト教」と見なされる。最も影の大きなものとしては大ウァレンティノスとして知られるウァレンティノスの宗が代表的であるが、グノーシスの立場に立つ者と、そうでない者を峻別し、宗教原理よりして、グノーシスの立場に立つ者は、禁欲を旨とし、世俗的な快楽を避け、生殖に通じる行為を一切してはならないとした。また、ウァレンティノスの子であったプトレマイオスの思想はエイレナイオスの「異端反駁」においてもっとも大きな分量を割いて引用され、後代でグノーシス主義思想の典と見なされるようになった。

    マルキオンなどはグノーシス主義思想の強い影のもとにキリスト教信仰を論じ、キリスト仮現論を唱え、また最初の聖書正典の編纂作業を行った。こうした思想キリスト教の系譜に加えるか、グノーシス主義の範疇に加えるかは研究者でも見方が別れる。

    一般的傾向として、西方グノーシス主義哲学的で体系化された思想と神話を持ち、信徒には知的階級や中流階級の者が多数属した。高潔な理想を説き、みずからも禁欲を守ったが、結果としてより大衆に訴する「正統」キリスト教の普及に押される形で、4~5世紀頃にはその命脈を絶った。

    東方グノーシス主義

    マニ教が代表であるが、西方グノーシス主義の理論とゾロアスター教などの二元論的宗教の影の元にもあった。イランインドの古くから存在する々やその神話をも取り入れた。創世神話においては、ゾロアスター教の影を受け、その結果、絶対善が原初に存在したとするのではなく、善の原理と悪の原理が二元的に原初より存在したとする思想を持つ。2つの信徒階級を定めた結果、救済宗教として広く一般の人が入信することとなり、西方グノーシス主義の知的エリート義を乗り越えることができた。生殖も一般信徒は可であったので、宗教として永続し、マニ教は15世紀まで、マンダ教は、二千年のときを経過して、現在も存続している。

    また、一部の研究者は、インドトマスキリスト教を経由して、仏教(浄土教)思想がグノーシス主義に影を与えたとしている。実際に、仏教解脱思想にはグノーシス主義の反宇宙的二元論と様々な類似点を摘することができるが、実的にどれだけの影があったかは不明な部分が大きいまま、単なるオカルティズムとして一人歩きしている面もある。

    グノーシス主義の影響

    キリスト教とグノーシス主義

    グノーシス主義、特に西方グノーシス主義は、すでに述べたように初期のキリスト教と密接な関係を持っていた。また、グノーシス主義が説く反宇宙的二元論は、「唯一神が創造したこの世界になぜ苦しみが満ちているのか?」という疑問に対する一つの回答として、当時の知的階層に受け入れられた。

    結果だけ見れば、禁欲的でエリート義のグノーシス主義思想はしつつあった正統派キリスト教に大衆的支持基盤の面で破れ、異端として退けられて衰退していったように見えるが、正統派キリスト教グノーシス主義は単純な競合関係にあったわけでもない。ユダヤ教から生した急進的カルトとして出発し、パレスチナの地域宗教に過ぎなかったキリスト教が「正統派」として体系化され、世界宗教として普及する上でグノーシス主義の影は少なくなかった、とする見方も一つの視座として存在する。

    例えば、最も著名なラテンとして知られるアウグスティヌスキリスト教に転向する以前マニ教をはじめとするグノーシス主義思想に傾倒していたし、すでに述べたとおり雑多な文書の中から「聖書正典」を編纂する作業を最初に始めたのはマルキオンである。

    グノーシス主義る上でしばしば引き合いに出されるエイレナイオスの異端反駁にせよ、当時の地中海ヘレニズム世界でそれだけグノーシス主義の影が大きく、対抗上キリスト教側も自らの信仰を「学」として体系化する必要に迫られていた傍である、とも言えよう。

    また、ほぼ一千年紀を経た中世にいたり、12世紀頃に入ってグノーシス主義的なキリスト教が登場する。ブルガリアで勢のあったボゴミとその影を受けた南フランスカタリ派アルまたはアルジョアとも呼ばれる)であるが、これらの詳細については当該記事「カタリ派」に譲る。

    近現代へのグノーシス主義の影響

    近現代で最も著名なグノーシス研究者と言えば、心理学者で分析心理学の創始者カールグスタフユングが挙げられる。ユングは道教仏教など各種の宗教神話を研究し、人類の集合意識という概念を提唱したが、彼はまたグノーシス主義研究者としても知られていた。

    ナグ・ハマディ文書の一部はユング財団を通してユング本人に寄贈され、「ユング・コデックス」と呼ばれている。ユングの死後、ユング・コデックスは紆余曲折を経て現在エジプトのコプト博物館に保管されている。

    グノーシス主義義、オカルティズムの分野にも影を及ぼした。知性を至上価値とする(西欧的観点からすれば)キリスト教異端思想としてのグノーシス主義は多くの義者、例えばブラヴァツキー智学であるとか、ルドルフ・シュタイナーの人智学にその跡を見ることができる。

    また、秘思想としてのグノーシス主義の用や概念は、しばしばゲーム漫画小説などのポップカルチャーの中に援用されていることがある。こうした跡を探してみるのも面いだろう。

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